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公開番号2023032657
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-03-09
出願番号2021138920
出願日2021-08-27
発明の名称フィラー造粒物
出願人長瀬産業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08J 3/12 20060101AFI20230302BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】樹脂組成物を調製する際のフィラーの供給安定性および供給精度を向上させ得、高い生産性で安定的に樹脂組成物を得ることを可能とするフィラー造粒物を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、樹脂組成物を調製する際のフィラーの供給安定性および供給精度を向上させ得、高い生産性で安定的に樹脂組成物を得ることを可能とするフィラー造粒物を提供することにある。本発明のフィラー造粒物は、生分解性樹脂を含む樹脂組成物を得る際に、特に好ましく用いることができ、生分解性樹脂由来の特性が阻害されることなく、効率的にフィラー由来の特性が付与された樹脂組成物が提供され得る。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
フィラーと、結着剤と、分散剤を含み、
該フィラーの嵩密度が、0.01kg/L~1kg/Lであり、
該結着剤が、水溶性ポリマーを含み、
該フィラーの含有割合が、該フィラーと該結着剤と該分散剤との合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である、
フィラー造粒物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記フィラーが、粉体状である、請求項1に記載のフィラー造粒物。
【請求項3】
前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリル酸部分中和物、架橋型ポリアクリル酸系ポリマー、ポリビニルピロリドン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリビニルアミド系ポリマー,ポリアミン系ポリマー、水溶性ポリアミド系ポリマー、水溶性ポリエステル系ポリマー、水溶性セルロースおよび多糖類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載のフィラー造粒物。
【請求項4】
前記分散剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から3のいずれかに記載のフィラー造粒物。
【請求項5】
前記分散剤の含有割合が、前記フィラーと前記結着剤と前記分散剤との合計量100重量部に対して、0.1重量部~15重量部である、請求項1から4のいずれかに記載のフィラー造粒物。
【請求項6】
前記フィラーと、前記結着剤と、前記分散剤とを混合する混合工程と、
該混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、
該造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む、
請求項1から5のいずれかに記載のフィラー造粒物の製造方法。
【請求項7】
前記造粒工程において、半湿式造粒法により造粒することを含む、請求項6に記載のフィラー造粒物の製造方法。
【請求項8】
前記造粒工程において、ディスクペレッター方式により造粒を行うことを含む、請求項6または7に記載のフィラー造粒物の製造方法。
【請求項9】
生分解性樹脂に対する溶融混練用原料としての、請求項1から5のいずれかに記載のフィラー造粒物の使用。
【請求項10】
前記生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族・芳香族ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂および天然ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項9に記載のフィラー造粒物の使用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラー造粒物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、生分解性樹脂が環境対応の観点から注目されている。生分解性樹脂を含む樹脂組成物においては、フィラーを添加して、高機能化が図られることがある。フィラーは粉体であることも多いが、粉体状のフィラーは、一般に嵩密度が小さく、移送における流動性が悪いために、輸送、貯蔵、梱包、加工機への供給安定性、等のハンドリング上の問題や、作業環境や人体に対する安全性において解決すべき課題が多い。また、粉体状フィラーは、装置(例えば、押出機)へ供給に、供給口でのフィードネックが生じやすく、また、吐出量が上がらず、フィラー濃度が高い樹脂組成物を安定に、高い生産速度で得ることが困難となることがある。特許文献1では、粉砕処理をしたセルロース繊維を水溶性の熱可塑性重合体によって繊維成形体とし、同繊維成形体を熱可塑性樹脂に溶融混練して樹脂組成物を得る方法が示されている。しかしながら当該樹脂組成物では、繊維直径が1mm以上の凝集塊の有無が分散性の尺度となっているレベルであって、好ましいフィラー分散性が得られ難いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-105203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、樹脂組成物を調製する際のフィラーの供給安定性および供給精度を向上させ得、高い生産性で安定的に樹脂組成物を得ることを可能とするフィラー造粒物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のフィラー造粒物は、フィラーと、結着剤と、分散剤を含み、該フィラーの嵩密度が、0.01kg/L~1kg/Lであり、該結着剤が、水溶性ポリマーを含み、該フィラーの含有割合が、該フィラーと該結着剤と該分散剤との合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。
1つの実施形態においては、上記フィラーが、粉体状である。
1つの実施形態においては、上記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリル酸部分中和物、架橋型ポリアクリル酸系ポリマー、ポリビニルピロリドン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリビニルアミド系ポリマー,ポリアミン系ポリマー、水溶性ポリアミド系ポリマー、水溶性ポリエステル系ポリマー、水溶性セルロースおよび多糖類からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記分散剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記分散剤の含有割合が、前記フィラーと前記結着剤と前記分散剤との合計量100重量部に対して、0.1重量部~15重量部である。
本発明の別の局面によれば、上記フィラー造粒物の製造方法が提供される。この製造方法は、上記フィラーと、上記結着剤と、上記分散剤とを混合する混合工程と、該混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、該造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記造粒工程において、半湿式造粒法により造粒することを含む。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記造粒工程において、ディスクペレッター方式により造粒を行うことを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、生分解性樹脂に対する溶融混練用原料としての、上記フィラー造粒物の使用が提供される。
1つの実施形態においては、上記生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族・芳香族ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂および天然ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、樹脂組成物を調製する際のフィラーの供給安定性および供給精度を向上させ得、高い生産性で安定的に樹脂組成物を得ることを可能とするフィラー造粒物を提供することができる。本発明のフィラー造粒物は、生分解性樹脂を含む樹脂組成物を得る際に、特に好ましく用いることができ、生分解性樹脂由来の特性が阻害されることなく、効率的にフィラー由来の特性が付与された樹脂組成物が提供され得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.フィラー造粒物の概要
本発明のフィラー造粒物は、フィラーと、結着剤と、分散剤とを含む。フィラーは、嵩密度が0.01kg/L~1kg/Lである。代表的には、フィラーは粉体状である。結着剤は、水溶性ポリマーを含む。上記フィラーの含有割合は、フィラーと結着剤と分散剤との合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。
【0008】
本発明のフィラー造粒物は、フィラー含有樹脂組成物の製造で使用され、樹脂組成物の溶融混練時に添加して用いられ得る。このようにして、本発明のフィラー造粒物を用いれば、フィラー由来の機能を有するフィラー含有樹脂組成物が得られ得る。本発明のフィラー造粒物は、フィラーが結着剤によって粒状化された構成であり、上記フィラー造粒物を用いて上記フィラー含有樹脂組成物を調製すれば、当該樹脂組成物の組成安定性と生産性向上を図ることができる。具体的には、上記フィラー造粒物は、押出機等の装置への投入安定性に著しく優れるため、当該フィラー造粒物を用いれば、フィラー含有樹脂組成物の組成精度(組成安定性)と生産性(時間当たりのコンパウンド加工速度)を飛躍的に向上させることができる。また、粉塵による作業環境汚染を著しく改善し、作業者の労働安全衛生環境を向上させることができ、さらに、設備の切り替え清掃の時間を大幅に短縮できる。また、分散剤を添加することにより、多量のフィラーを含みながらも優れた生産効率で製造され得、かつ、品質安定性(形状安定性、ペレット硬度の均一性、低微粉混入)に優れるフィラー造粒物を得ることができる。分散剤を含むフィラー造粒物は、高濃度にフィラーを含有するにも拘わらず、当該フィラー造粒物を使用して得られたフィラー含有樹脂組成物は、優れたフィラー分散性を有する。
【0009】
1つの実施形態においては、上記フィラー含有樹脂組成物は、生分解性樹脂を含む(以下、生分解性樹脂を含むフィラー含有樹脂組成物を、フィラー含有生分解性樹脂組成物ということもある)。本発明のフィラー造粒物は、結着剤として水溶性ポリマーを含むため、当該フィラー造粒物を用いれば、フィラーと生分解性樹脂との親和性を高めることができる。このため、上記フィラー造粒物と、生分解性樹脂とを併用することにより、高フィラー含有量であっても、フィラー分散性が顕著に優れるフィラー含有生分解性樹脂組成物を、高い組成精度と高生産性で得ることができる。上記水溶性ポリマーは、経時において、生分解性樹脂の分解とともに消失するため、環境負荷の点で有利である。
【0010】
1つの実施形態においては、上記フィラー造粒物は、半湿式造粒法により製造される。半湿式造粒法によれば、上記効果が顕著となる。
(【0011】以降は省略されています)

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