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公開番号
2023022778
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2023-02-15
出願番号
2021127849
出願日
2021-08-03
発明の名称
導電性高分子溶液の製造方法
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
C08G
61/12 20060101AFI20230208BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】陽イオン交換樹脂による除去処理を行うことなく鉄イオン含有量の低い導電性高分子溶液を得る、導電性高分子溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】1,4‐ジオキサン環上に、金属スルホニウムまたはスルホン酸基が結合したアルキルオキシメチル基を1個有する、3,4‐エチレンジオキシチオフェンに由来する繰り返し単位と、前記繰り返し単位のチオフェン環を含む主鎖が共鳴構造をとる繰り返し単位とからなる群より選ばれる繰り返し構造を少なくとも2つ以上含むポリチオフェンを含む導電性高分子溶液を製造する製造方法であって、(i)前記ポリチオフェンを得るのに必要なモノマーを重合させて重合物固体又は重合物溶液を得る重合工程、(ii)前記重合工程で得られた重合物が重合物固体である場合は、当該重合物固体と溶媒を混合して重合物溶液を得る溶解工程、を含むことを特徴とする、導電性高分子溶液の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(2)で表される繰り返し構造及び下記一般式(3)
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2023022778000009.jpg
68
151
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2023022778000010.jpg
69
149
[上記一般式(2)中、M
+
は、各々独立して、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。上記一般式(2)及び(3)において、R
2
は、水素原子、炭素数1~6の直鎖状、若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは、1~6の整数を表し、nは、0又は1を表す。]
で表される繰り返し構造からなる群より選ばれる繰り返し構造を少なくとも2つ以上含むポリチオフェンを含む導電性高分子溶液を製造する製造方法であって、
(i) 少なくとも下記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマーと、溶媒と、酸を含む溶液に少なくとも1対の電極を接触させ、前記の電極間に電位差を印加することによってモノマーを重合させて重合物固体又は重合物溶液を得る重合工程、
(ii) 前記重合工程で得られた重合物が重合物固体である場合は、当該重合物固体と溶媒を混合して重合物溶液を得る溶解工程、
を含むことを特徴とする、導電性高分子溶液の製造方法。
JPEG
2023022778000011.jpg
67
148
[上記一般式(1)中、M
+
は、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。上記一般式(1)において、R
2
は、水素原子、炭素数1~6の直鎖状、若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは、1~6の整数を表し、nは、0又は1を表す。]
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
前記のR
2
が、メチル基である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記の重合工程において、前記モノマーの濃度が、0.1~30重量%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記の重合工程において、仕込み溶液が水溶液の場合、そのpHが0~6.5の範囲である、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記の重合工程において、陽極に印加する電位が、銀/塩化銀電極に対して0~+5Vの範囲である、請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法であって、
(iii) 前記の重合工程、又は溶解工程で得られた重合物溶液を、陰イオン交換樹脂と接触させて、前記重合物溶液中の陰イオンを水酸化物イオンにイオン交換する陰イオン交換工程、
を更に含むことを特徴とする、製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリチオフェン骨格を有する自己ドープ型導電性高分子溶液の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、半導体技術は急速な発展を遂げ、巨大なエレクトロニクス関連産業と高度情報化社会が構築されている。そのなかで、導電性高分子のエレクトロニクス製品への応用例として、液晶ディスプレイ(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等が、テレビ、コンピューターや近年普及してきた各種モバイル装置等、様々な分野で広く用いられるようになってきており、目覚ましい発展を遂げている。
【0003】
このようなエレクトロニクス関連産業を下支えする材料として、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした外部ドープ型導電性高分子が開発されているが、溶解性が低いために精製が困難であることや、安定したドーピングを維持することが難しいという課題があった。そこで、水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子が開発された。例えば、スルホン化ポリアニリン、スルホン化ポリチオフェン等が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。これらの中でも直鎖のアルキレンスルホン酸基が置換したポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメトキシ)-1-ブタンスルホン酸)(PEDT-S)等が報告されている(例えば特許文献1、非特許文献3、4参照)。また、本願出願人はこれまでに高い導電性と優れた水溶性を兼ね備えた自己ドープ型導電性高分子を報告している(例えば、特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4974095号
国際公開第2014/007299号
特開2020-59837号
【非特許文献】
【0005】
Journal of the American Chemical Society, 117, 10055-10062(1995)
Journal of the Chemical Society, Chemical Communications, 23, 1694-1695(1990)
Chemistry of Materials, 21, 1815-1821(2009)
Advanced Materials, 23, 4403-4408(2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の先行技術(特許文献3)では、自己ドープ型導電性高分子を酸化重合法により合成しているが、この方法では触媒や酸化剤に由来する金属イオン、特に鉄イオンが不純物として重合生成物中に残留しやすい。このような鉄イオン不純物につては、有機ELやLCDなどの用途において、デバイスの特性や耐久性などの低下を引き起こすことから、導電性高分子については、陽イオン交換樹脂による鉄イオンの除去処理が提案されている。しかし、陽イオン交換樹脂による除去処理は、製造工程数の増加、変動費の上昇、環境負荷の増加などの点で、削減が好ましいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸を添加したチオフェンモノマー溶液に少なくとも1対の電極を接触させ、前記の電極間に電位差を印加することによって電気化学的酸化重合反応を行うという手段をとることによって、上記課題を解決できる、すなわち、陽イオン交換樹脂による除去処理を行うことなく鉄イオン含有量の低い導電性高分子を提供できる、ことを見出し、本願発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本願発明は、上記の手段によって得られた以下に示す通りのポリチオフェン骨格を有する自己ドープ型導電性高分子溶液、及びその製造方法に関するものである。
【0009】
[1]
下記一般式(2)で表される繰り返し構造及び下記一般式(3)
【0010】
JPEG
2023022778000001.jpg
68
151
(【0011】以降は省略されています)
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