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公開番号2023020915
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-02-09
出願番号2022102327
出願日2022-06-27
発明の名称樹脂組成物およびその成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 77/00 20060101AFI20230202BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高温および低温環境におけるエネルギー吸収性を向上させながら、衝撃に対する部材変形量を抑えることができる繊維強化樹脂を提供すること。
【解決手段】少なくともポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)、層状珪酸塩(C)、および繊維状充填材(D)を配合してなる樹脂組成物であって、前記ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、層状珪酸塩(C)、および繊維状充填材(D)の合計100重量部に対して、前記ポリロタキサン(B)を0.1重量部以上10重量部以下、前記層状珪酸塩(C)を0.1重量部以上10重量部以下配合してなる樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくともポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)、層状珪酸塩(C)、および繊維状充填材(D)を配合してなる樹脂組成物であって、前記ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、層状珪酸塩(C)、および前記繊維状充填材(D)の合計100重量部に対して、前記ポリロタキサン(B)を0.1重量部以上10重量部以下、前記層状珪酸塩(C)を0.1重量部以上10重量部以下配合してなる樹脂組成物。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記層状珪酸塩(C)が、親油性膨張性雲母である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂組成物を用いて、ISO178:2010に準拠した試験片を作成し測定した。80℃での曲げ弾性率が8GPa以上かつ曲げ最大点歪みが3%以下であり、-30℃での曲げ破断歪みが3%以上である請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記繊維状充填材(D)が、ガラス繊維および炭素繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1または2に記載の樹脂組成物からなる成形品。
【請求項6】
請求項1または2に記載の樹脂組成物からなる三次元造形用材料。
【請求項7】
前記三次元造形用材料がフィラメント形状である、請求項6に記載の三次元造形用材料。
【請求項8】
前記三次元造形用材料が粉末形状である、請求項6に記載の三次元造形用材料。
【請求項9】
請求項6に記載の三次元造形用材料を造形してなる造形物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド、環状分子が修飾されたポリロタキサン、層状珪酸塩および繊維状充填材を配合してなる樹脂組成物およびその成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアミドは、剛性や靭性などの機械的性質と成形加工性に優れる熱可塑性エンジニアリングプラスチックである。炭素繊維あるいはガラス繊維等で強化したポリアミド樹脂は、軽量かつ優れた弾性率および機械強度、良好な耐熱性を有することから、自動車や航空機等の構造材料、スポーツ用品用途や一般産業用途などに広く用いられている。
【0003】
プラスチックの強度、剛性の向上を目的としてガラス繊維を添加する提案は数多くなされている(例えば特許文献1)。しかしながら、高強度、高弾性率の繊維を添加し、成形品の強度や剛性を向上させるにつれて、靱性、耐衝撃性の低下を招く課題があった。そこで、繊維強化プラスチックの靱性向上を目的として、変性エラストマーを添加した繊維強化ポリアミド(例えば特許文献2)などが提案されている。また、特許文献3に記載の樹脂組成物は、ポリロタキサンの添加によりポリアミドの靱性を大きく向上させる手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-100774号公報
特開2010-209247号公報
国際公開第2018/043025号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
樹脂組成物を自動車等の構造材料に適用する場合においては、従来の金属部材に代替する高度な機械特性、特に使用環境下における剛性と靭性の両立が求められている。しかしながら、樹脂組成物の機械的性質は、その温度依存性が大きく、冬季や寒冷地などの低温環境(例えば-30℃程度)では材料の靭性低下や耐衝撃性低下が起こりやすいことが課題である。また、自動車用バッテリーの発熱環境下でも保護部材として機能しうるためには、樹脂組成物は高温環境(例えば80℃程度)においても剛性と耐衝撃性能を有し、衝撃に対する部材変形量が抑制されなければならない。
【0006】
特許文献2に開示された繊維状充填剤を配合してなるポリアミド組成物では、エラストマー配合により、耐衝撃性や靱性は向上するものの、剛性が低下する課題があった。また、特許文献3に示されるように、繊維状充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物にポリロタキサンを添加することにより剛性と靭性を併せ持った樹脂組成物を得ることができたが、低温から高温までの幅広い温度環境下において使用可能な耐衝撃性と剛性に優れる樹脂組成物を得ることはできなかった。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、高温での剛性を保ちつつ、低温での靭性も有する、幅広い温度環境において剛性と靱性の両立する樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有するものである。
(1)少なくともポリアミド(A)、水酸基を末端に有するグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)、層状珪酸塩(C)、および繊維状充填材(D)を配合してなる樹脂組成物であって、前記ポリアミド(A)、ポリロタキサン(B)、層状珪酸塩(C)、および繊維状充填材(D)の合計100重量部に対して、前記ポリロタキサン(B)を0.1重量部以上10重量部以下、前記層状珪酸塩(C)を0.1重量部以上10重量部以下配合してなる樹脂組成物。
(2)前記層状珪酸塩(C)が、親油性膨張性雲母である、(1)項に記載の樹脂組成物。
(3)前記樹脂組成物を用いて、ISO178:2010に準拠した試験片を作成し測定した、80℃での曲げ弾性率が8GPa以上かつ曲げ最大点歪みが3%以下であり、-30℃での曲げ破断歪みが3%以上である(1)または(2)項に記載の樹脂組成物。
(4)前記繊維状充填材(D)が、ガラス繊維および炭素繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種である(1)~(3)項のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)(1)~(4)項のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
(6)(1)~(4)項のいずれかに記載の樹脂組成物からなる三次元造形用材料。
(7)前記三次元造形用材料がフィラメント形状である、(6)項に記載の三次元造形用材料。
(8)前記三次元造形用材料が粉末形状である、(6)項に記載の三次元造形用材料。
(9)(6)~(8)項のいずれかに記載の三次元造形用材料を造形してなる造形物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の樹脂組成物は、幅広い温度環境において剛性と靭性の両立する樹脂組成物である。かかる樹脂組成物により、高温環境および低温環境におけるエネルギー吸収性を向上させながら、衝撃に対する部材変形量を抑制可能な成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1はエネルギー吸収部材(EA部材)を示す図である。
図2は落錘衝撃試験を表す図である。
図3(A)は落錘衝撃試験により得た荷重(F)-変位(ΔH)曲線である。(B)はそのF-ΔH曲線を積分し、エネルギー吸収量(EA)-ΔH曲線に変換したグラフである。(C)はΔHに対応するEA部材部分の断面積から変形した樹脂量(ΔW)を算出する説明図である。(D)は求めたΔWを使用したEA-ΔW曲線である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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