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公開番号2023013664
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-01-26
出願番号2021118013
出願日2021-07-16
発明の名称鉛蓄電池
出願人古河電池株式会社
代理人
主分類H01M 4/73 20060101AFI20230119BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】本発明は、優れた寿命性能を有する鉛蓄電池を提供することを目的とする。
【解決手段】
正極集電体の有する格子状基板を上下方向に二等分する直線Xと、前記格子状基板を左右方向に二等分する直線Yとによって、前記格子状基板を4つの区画に区分した際、第2区画の重量が、前記格子状基板の重量に対して0.26~0.40であり、かつ第1区画、第3区画及び第4区画の重量が、いずれも前記格子状基板の重量に対して0.20以上であることを特徴とする鉛蓄電池。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
正極集電体及び正極合剤を有する正極板と、負極集電体及び負極合剤を有する負極板とが、セパレータを介して交互に積層された極板群を備えた液式鉛蓄電池であって、
前記正極集電体は、長方形の格子状基板と、前記格子状基板に連続する耳部とを有し、
前記格子状基板は、少なくとも、前記長方形の一辺に沿い、前記耳部と接続される上横枠骨と、前記長方形の一辺に沿い、前記上横枠骨と対向する下横枠骨と、前記上横枠骨と前記下横枠骨との間に形成される複数本の内骨とを有し、
前記耳部は、前記上横枠骨が延設される方向の中心に対しずれた位置から、前記格子状基板の面方向の外側に向けて突設されており、
前記格子状基板は、
前記上横枠骨が延設される方向を左右方向とし、前記左右方向に対して前記格子状基板の面方向において直交する方向を上下方向とし、
前記格子状基板を上下方向に二等分する直線Xと、前記格子状基板を左右方向に二等分する直線Yとによって、前記格子状基板を4つの区画に区分し、
前記4つの区画のうち、耳部と接続される区画を第1区画、前記第1区画に対して左右方向に隣接する区画を第2区画、前記第2区画に対して上下方向に隣接する区画を第3区画、前記第1区画に対して上下方向に隣接する区画を第4区画とした際、
前記第2区画の重量が、前記格子状基板の重量に対して0.26~0.40であり、
かつ前記第1区画、前記第3区画及び前記第4区画の重量が、いずれも前記格子状基板の重量に対して0.20以上であることを特徴とする鉛蓄電池。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記正極集電体の有する前記格子状基板は、前記長方形の一辺に沿い、前記耳部と接続される上横枠骨と、前記長方形の一辺に沿い、前記上横枠骨と対向する下横枠骨と、前記長方形の一辺に沿い、第1区画から第4区画にかけて前記上横枠骨と前記下横枠骨とを接続する第1縦枠骨と、前記長方形の一辺に沿い、第2区画から第3区画にかけて前記上横枠骨と前記下横枠骨とを接続する第2縦枠骨と、を有するとともに、前記上横枠骨、前記下横枠骨、前記第1縦枠骨及び前記第2縦枠骨からなる枠骨によって囲繞された複数本の内骨を有し、
前記複数本の内骨は少なくとも複数本の縦内骨と横内骨とを有し、前記複数本の内骨のうち少なくとも1本は、第2区画において、全ての内骨の断面積の平均値よりも大きい幅で、上横枠骨または第1縦枠骨に接続することを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
【請求項3】
前記正極集電体の有する前記格子状基板は、前記枠骨と複数本の前記内骨とによって囲まれる領域、及び複数本の前記内骨によって囲まれる領域、で規定される複数の開口部を備え、
前記第2区画において、複数本の前記縦内骨のうち少なくとも1本は、前記上横枠骨から前記縦内骨の延設される方向の少なくとも開口部1マス分以上の長さの領域において、前記下横枠骨側から前記上横枠骨に接続する部分に向けて、断面積が大きくなることを特徴とする請求項2に記載の鉛蓄電池。
【請求項4】
前記正極集電体の有する前記格子状基板は、前記枠骨と複数本の前記内骨とによって囲まれる領域、及び複数本の前記内骨によって囲まれる領域、で規定される複数の開口部を備え、
前記第2区画において、複数本の前記横内骨のうち少なくとも1本は、前記第2縦枠骨から当該横内骨の延設される方向の少なくとも開口部1マス分以上の長さの領域において、前記第1縦枠骨側から前記第2縦枠骨に接続する部分に向けて、断面積が大きくなることを特徴とする請求項2~3のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
【請求項5】
前記正極集電体の有する前記格子状基板は、ビッカース硬さが20HV0.01以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
【請求項6】
前記正極集電体の有する前記格子状基板は、前記第2区画の重量の割合が前記格子状基板の重量に対して0.28~0.40であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は鉛蓄電池に関する発明である。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年の自動車の電装の高機能化に伴って、電源として搭載される鉛蓄電池にも、より高い性能が求められるようになった。鉛蓄電池の高性能化を図る上で、正極板を構成する正極集電体は、寿命性能を左右する重要な要素である。その一方で、鉛蓄電池の寿命性能の向上は、出力性能の向上や軽量化とトレードオフの関係にあるため、正極集電体の開発には、膨大な試行錯誤を要する。
【0003】
一般的な鉛蓄電池として、特許文献1~3に開示されるように、格子状基板の耳部付近の鉛量を多くした正極集電体を有する鉛蓄電池が知られている。
【0004】
特許文献1には、鉛蓄電池用の格子体において、V-I特性の改善と、鋳造性の改善の観点から、集電部に近くなる程鉛量を増加させた発明が開示されている。特許文献1の出願人によれば、集電部に近くなる程比例的に鉛量を多くすることで、鋳造性が良好になるとともに、集電部で多くなる通過電流が分散し、格子抵抗が低減するという。
【0005】
特許文献2において、本願の出願人は、産業用鉛蓄電池の長寿命化の観点から、耳部近傍の区画の鉛量を多くし、相対的に重くした発明を開示している。具体的には、正極集電体を上下、及び左右にそれぞれ均等に2分割したときの4つの領域を、耳部が設けられる第1領域と、第1領域の左右方向に隣接し、負極格子状基板の耳部の近傍領域に対向する第2領域と、第1領域の上下方向に隣接し、負極格子状基板の耳部から最も離れた第3領域と、正極格子状基板の耳部から最も離れた第4領域としたときに、第3領域に対し、第1領域の鉛量を1.3倍~1.5倍にするとともに、第2領域及び第4領域の鉛量を1.1倍~1.3倍にする正極格子状基板を開示している。特許文献2の発明によれば、産業用鉛蓄電池において、格子腐食の偏りが抑制され、寿命性能が向上する。
【0006】
特許文献3の請求項3には、自動車用鉛蓄電池において、対向する上部及び下部フレームと、対向する第1及び第2側部フレームと、格子パターンを形成する複数の格子素子とを有し、前記上部フレームは極板耳部が形成され、前記格子素子において、前記極板耳部の中心垂線に対して下部フレームの方向に放射状に延びる複数の格子素子を有する鉛蓄電池用打ち抜き型格子が開示されている。特許文献3によれば、このように格子素子を放射状に配置した場合、集電性能がより向上し、サイクル特性がさらに向上するという。
【0007】
一方、合金組成や製造方法の改良などの当業者の努力により、鉛蓄電池の性能が向上するにつれて、従来とは異なる寿命要因が問題視されるようになった。例えば、充放電の繰り返しに伴い、正極集電体から正極活物質が剥離や脱離し、かくして生じた隙間に電解液が侵入すると、正極集電体が著しく腐食し、加速的なグロースが進行する。
【0008】
加速的なグロースは、正極集電体において、上横枠骨にオフセットして(すなわち、上横枠骨の延設する方向に対してずれた位置に偏在して)形成された耳部の位置に対して、上横枠骨の延設する方向において反対側に位置する縦枠骨や内骨に生じやすく、係る縦枠骨や内骨が上横枠骨を上方へ湾曲させ、負極ストラップとの接触短絡を招く。一方、耳部は上方でストラップによって固定されているため、耳部付近に位置する縦枠骨や内骨は、加速的なグロースが比較的生じにくい。
【0009】
なお、グロースとは、正極集電体の表面が腐食した際、腐食生成物の成長に伴う体積変化によって引っ張り応力が生じ、正極集電体が伸長し拡大する現象を指す。グロースが進行すると、極板間に介在するセパレータを越えて正極の一部と負極の一部が接触し、内部短絡に至ることがある。内部短絡した鉛蓄電池は、急激に起電力や放電容量が低下し寿命を迎える。
【0010】
また、鉛合金の圧延板から形成された圧延組織を有する正極集電体は、鋳造によって形成された鋳造組織を有する正極集電体と比較して、グロースが顕著に進行しやすいことが知られている。圧延組織は、正極集電体の断面を顕微鏡等で観察した際に、縞状に観測される多層構造の組織である。このような圧延組織を有する正極集電体の製造方法としては、エキスパンド方式やパンチング方式、ワイヤーカット方式などが挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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