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公開番号2023011108
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-01-24
出願番号2021114730
出願日2021-07-12
発明の名称ドーピングシステム
出願人CKD株式会社
代理人個人
主分類H01M 4/139 20100101AFI20230117BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】製造効率の向上を図ることができるとともに、電極前駆体の無駄を効果的に抑えることができるドーピングシステムを提供する。
【解決手段】ドーピングシステム1は、操出側ハウジング311、巻取側ハウジング315及びドープ処理ハウジング313を備える。また、各ハウジング311,313内の間と各ハウジング315,313内の間とにおける連通、非連通がそれぞれ切換可能とされ、各ハウジング311,313,315内の酸素濃度が個別に調節可能とされる。また、操出側ハウジング315内にて、新たな原反105における電極前駆体100の始端と先の原反105における電極前駆体100の終端とが接続可能に構成されるとともに、巻取側ハウジング315内にて、巻取装置29に対し新たな原反105における電極前駆体100の始端が固定可能に構成される。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
帯状の電極前駆体に対しリチウムをドーピングして帯状のドープ電極を製造するためのドーピングシステムであって、
前記電極前駆体が巻回されてなる原反を支持する支持手段、少なくとも可燃性の溶剤を含んでなる電解液を収容するドープ槽、前記原反から繰り出された前記電極前駆体を前記ドープ槽内を通る経路で搬送する搬送手段、前記ドープ槽内に収容される対極部材、及び、前記ドープ槽を経て得られた前記ドープ電極を巻取る巻取手段を有し、前記電解液中に前記電極前駆体を配置した状態で該電極前駆体及び前記対極部材間に電流を流すことにより該電極前駆体に対しリチウムをドーピングすることが可能なドープ装置と、
少なくとも前記支持手段、前記ドープ槽及び前記巻取手段、並びに、前記支持手段から前記巻取手段にかけて位置する前記電極前駆体及び前記ドープ電極を内部に収容するハウジングとを有し、
前記ハウジングは、
前記支持手段及び該支持手段により支持された前記原反を内部に収容する操出側ハウジングと、
前記巻取手段及び該巻取手段により巻取られた前記ドープ電極を内部に収容する巻取側ハウジングと、
少なくとも前記ドープ槽を内部に収容し、内部空間が前記操出側ハウジング内及び前記巻取側ハウジング内とは別に区画されたドープ処理ハウジングと、
前記操出側ハウジング内及び前記ドープ処理ハウジング内を連通し、前記原反から繰り出された前記電極前駆体が通過する操出側内部連通部と、
前記巻取側ハウジング内及び前記ドープ処理ハウジング内を連通し、前記ドープ電極が通過する巻取側内部連通部とを具備し、
前記操出側内部連通部における前記操出側ハウジング内と前記ドープ処理ハウジング内との間の連通、非連通を切換可能な操出側連通状態切換手段と、
前記巻取側内部連通部における前記巻取側ハウジング内と前記ドープ処理ハウジング内との連通、非連通を切換可能な巻取側連通状態切換手段と、
前記ハウジング内に酸素を含む酸素含有ガスを供給する酸素供給手段と、
前記ハウジング内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
前記酸素供給手段及び前記不活性ガス供給手段を制御することで、前記操出側ハウジング内、前記巻取側ハウジング内及び前記ドープ処理ハウジング内のそれぞれの酸素濃度を個別に調節可能な酸素濃度制御手段とを備え、
前記操出側ハウジング内にて、新たな前記原反における前記電極前駆体の始端と前記支持手段により支持された先の前記原反における前記電極前駆体の終端とが接続可能に構成されるとともに、
前記巻取側ハウジング内にて、前記巻取手段に対し新たな前記原反における前記電極前駆体の始端が固定可能に構成されていることを特徴とするドーピングシステム。
続きを表示(約 3,000 文字)【請求項2】
新たな前記原反における前記電極前駆体の始端の接続対象となる、前記支持手段により支持された先の前記原反における前記電極前駆体の終端を検出可能な終端検出手段を備え、
前記終端検出手段により前記終端が検出されたときには、該終端が前記操出側ハウジング内に位置した状態で前記搬送手段による前記電極前駆体及び前記ドープ電極の搬送が停止可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のドーピングシステム。
【請求項3】
前記巻取手段への固定対象となる、新たな前記原反における前記電極前駆体の始端を検出可能な始端検出手段を備え、
前記始端検出手段により前記始端が検出されたときには、該始端が前記巻取側ハウジング内に位置した状態で前記搬送手段による前記電極前駆体及び前記ドープ電極の搬送が停止可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドーピングシステム。
【請求項4】
前記操出側ハウジング内の酸素濃度を計測する操出側酸素濃度計測手段を有し、
前記酸素濃度制御手段は、前記操出側酸素濃度計測手段により計測された酸素濃度に基づき、前記酸素供給手段及び前記不活性ガス供給手段を制御可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のドーピングシステム。
【請求項5】
前記巻取側ハウジング内の酸素濃度を計測する巻取側酸素濃度計測手段を有し、
前記酸素濃度制御手段は、前記巻取側酸素濃度計測手段により計測された酸素濃度に基づき、前記酸素供給手段及び前記不活性ガス供給手段を制御可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のドーピングシステム。
【請求項6】
前記操出側ハウジング内から該操出側ハウジング外への気体の流れを調節可能な操出側気流調節手段と、
前記操出側ハウジング内の圧力を計測する操出側圧力計測手段と、
前記操出側圧力計測手段により計測された圧力に基づき、前記操出側気流調節手段を制御することで、前記操出側ハウジング内の圧力を調節可能な操出側圧力制御手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のドーピングシステム。
【請求項7】
前記巻取側ハウジング内から該巻取側ハウジング外への気体の流れを調節可能な巻取側気流調節手段と、
前記巻取側ハウジング内の圧力を計測する巻取側圧力計測手段と、
前記巻取側圧力計測手段により計測された圧力に基づき、前記巻取側気流調節手段を制御することで、前記巻取側ハウジング内の圧力を調節可能な巻取側圧力制御手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のドーピングシステム。
【請求項8】
前記ハウジングは、
前記操出側ハウジング、前記巻取側ハウジング及び前記ドープ処理ハウジングを具備するメインハウジングと、
前記メインハウジングを覆うアウターハウジングとを有し、
前記アウターハウジング内に対し前記メインハウジング内を正圧とし、前記アウターハウジングの周囲に位置するハウジング外空間に対し前記アウターハウジング内を負圧とすることが可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のドーピングシステム。
【請求項9】
前記ドープ装置は、可燃性の洗浄液を収容する洗浄槽を有し、
前記搬送手段は、前記ドープ槽内を経て得られた前記ドープ電極を前記洗浄槽内を通る経路で搬送するように構成されており、
前記ドープ処理ハウジングは、前記洗浄槽を内部に収容するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載のドーピングシステム。
【請求項10】
前記アウターハウジングは、
前記操出側ハウジングを覆う第一コンポーネントと、
前記巻取側ハウジングを覆う第二コンポーネントと、
前記ドープ処理ハウジングを覆うとともに、内部空間が前記第一コンポーネント内及び前記第二コンポーネント内とは別に区画された第三コンポーネントと、
前記第一コンポーネント内及び前記第三コンポーネント内を連通する第一外部屋連通部と、
前記第二コンポーネント内及び前記第三コンポーネント内を連通する第二外部屋連通部とを有し、
前記第一外部屋連通部における前記第一コンポーネント内と前記第三コンポーネント内との間の連通、非連通を切換可能な第一外部屋連通状態切換手段と、
前記第二外部屋連通部における前記第二コンポーネント内と前記第三コンポーネント内との間の連通、非連通を切換可能な第二外部屋連通状態切換手段とが設けられ、
前記メインハウジングは、
前記操出側ハウジング及び前記ドープ処理ハウジング間に設けられ、内部空間が前記操出側内部連通部を構成する第一中間ハウジングと、
前記巻取側ハウジング及び前記ドープ処理ハウジング間に設けられ、内部空間が前記巻取側内部連通部を構成する第二中間ハウジングとを備え、
前記操出側連通状態切換手段は、
前記操出側ハウジング内と前記第一中間ハウジング内との間の連通、非連通を切換可能な第一操出側連通状態切換手段と、
前記ドープ処理ハウジング内と前記第一中間ハウジング内との間の連通、非連通を切換可能な第二操出側連通状態切換手段とを備え、
前記巻取側連通状態切換手段は、
前記巻取側ハウジング内と前記第二中間ハウジング内のとの間の連通、非連通を切換可能な第一巻取側連通状態切換手段と、
前記ドープ処理ハウジング内と前記第二中間ハウジング内との間の連通、非連通を切換可能な第二巻取側連通状態切換手段とを有し、
前記第一中間ハウジング内及び前記第三コンポーネント内を連通する第一内外連通部と、
前記第二中間ハウジング内及び前記第三コンポーネント内を連通する第二内外連通部と、
前記操出側ハウジング内及び前記第一コンポーネント内を連通する操出側内外連通部と、
前記巻取側ハウジング内及び前記第二コンポーネント内を連通する巻取側内外連通部と、
前記第一内外連通部における前記第一中間ハウジング内と前記第三コンポーネント内との間の連通、非連通を切換可能な第一内外連通状態切換手段と、
前記第二内外連通部における前記第二中間ハウジング内と前記第三コンポーネント内との間の連通、非連通を切換可能な第二内外連通状態切換手段と、
前記操出側内外連通部における前記操出側ハウジング内と前記第一コンポーネント内との間の連通、非連通を切換可能な操出側内外連通状態切換手段と、
前記巻取側内外連通部における前記巻取側ハウジング内と前記第二コンポーネント内との間の連通、非連通を切換可能な巻取側内外連通状態切換手段と、
前記第三コンポーネント内のガスを外部に排出可能な排気手段とを備えることを特徴とする請求項8又は9に記載のドーピングシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電極前駆体にリチウムをドーピングするためのドーピングシステムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、リチウムイオン電池等の二次電池やリチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスは、表面に正極活物質を有する正電極、表面に負極活物質を有する負電極、及び、これら両電極を絶縁するセパレータ等を備えている。
【0003】
このような正電極や負電極を製造するための装置として、電極前駆体に対しリチウムなどのアルカリ金属をドーピング(メッキ)して、正電極又は負電極としてのドープ電極を製造するドープ装置が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。ドープ装置は、例えば、支持手段(供給ロール)、ドープ槽(ドーピング槽)、搬送手段(搬送ローラ群)、対極部材(アルカリ金属含有板)及び巻取手段(巻取ロール)などを備えている。支持手段は、電極前駆体がロール状に巻回されてなる原反を支持する。ドープ槽は、アルカリ金属イオンや溶剤などを含んでなる電解液を収容する。搬送手段は、前記原反から繰り出された電極前駆体をドープ槽内の電解液中を通る経路で搬送する。対極部材は、アルカリ金属などからなり、ドープ槽内に収容される。巻取手段は、前記ドープ槽を経て得られたドープ電極を巻取る。ドープ装置では、搬送手段によって電極前駆体を前記電解液中を通る経路で搬送しながら、電極前駆体及び対極部材間に電流を流すことで、電極前駆体にアルカリ金属をドーピングする。
【0004】
また、電解液の溶剤として、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC),エチレンカーボネート(EC)などの可燃性を有する有機溶媒を用いることがある。しかし、このような溶剤を有する電解液は、電極前駆体及び対極部材間に流れる電流の影響などにより、発熱して気化するおそれがある。そこで、ドープ装置をハウジングの内部に収容するとともに、ハウジング内を不活性ガス(窒素ガス)で満たす手法を採用することが考えられる(例えば、特許文献2等参照)。この手法によれば、ハウジング内の酸素濃度を比較的低いものとすることができ、気化した電解液への引火防止を図ることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2020/084949号
特開昭49-41239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ドープ電極の製造にあたっては、原反の交換作業、すなわち、支持手段に新たな原反を供給したり、巻取手段により巻取られたドープ電極を取外したりする作業を行う必要がある。ここで、新たな原反の供給や巻取られたドープ電極の取外しを行うにあたっては、作業者の安全を確保すべく、ハウジング内の酸素濃度を十分に高いものとする必要がある。そして、新たな原反の供給などを行った後にドープ電極の製造を再開するにあたっては、気化した電解液への引火を防止すべく、ハウジング内の酸素濃度を比較的低い濃度に戻す必要がある。つまり、ハウジング内の酸素濃度を高低させるためのガス交換を行う必要がある。しかしながら、ハウジング内全体を対象としたこのようなガス交換には長時間を要し、その結果、ドープ電極の製造効率が低下するおそれがある。
【0007】
そこで、ハウジングとして、支持手段を内部に収容する部分と、巻取手段を内部に収容する部分と、ドープ槽などを内部に収容する部分とを備え、各部分の内部空間がそれぞれ別々に区画されるように構成したものを用いることが考えられる。このようなハウジングを用いれば、新たな原反などを行うときに、ドープ槽などを収容する部分内のガス交換が不要となり、支持手段又は巻取手段を収容する各部分内のみでガス交換を行えば済むようになると考えられる。
【0008】
ところが、従来、新たな原反を供給するとともに巻取られたドープ電極を取外した後には、該原反から電極前駆体を人手により繰り出し、支持手段側から巻取手段側へと通して、ドープ槽内を通る適切な搬送経路にセットする必要がある。そのため、結局のところ、ドープ槽などを収容する部分内においてもガス交換を行わなければならず、製造効率の低下を抑制することができない。
【0009】
また、上記のような、新たな原反における電極前駆体を支持手段側から巻取手段側へと通して適切な搬送経路にセットする従来手法では、次のような電極前駆体の無駄が生じ得る。すなわち、上記のように電極前駆体を適切な搬送経路にセットした状態においては、該電極前駆体のうち始端からドープ槽の入口までの間に位置する部分はドーピング処理が不十分な部分となるため、この部分が無駄となる。さらに、新たな原反の供給前には巻取手段によって先の原反の電極前駆体が完全に巻き取られるところ、この巻取の開始時において該電極前駆体のうち終端からドープ槽の出口までの間に位置する部分はドーピング処理が不十分な部分となるため、この部分も無駄となる。従って、大量の電極前駆体が無駄になるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造効率の向上を図ることができるとともに、電極前駆体の無駄を効果的に抑えることができるドーピングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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