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公開番号2022175656
公報種別公開特許公報(A)
公開日2022-11-25
出願番号2021082271
出願日2021-05-14
発明の名称燃料電池
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 8/0247 20160101AFI20221117BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】圧損を低減することができる燃料電池を提供する。
【解決手段】膜電極ガス拡散層接合体と、当該膜電極ガス拡散層接合体を挟持する第1セパレータ及び第2セパレータを備え、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの少なくとも一方のセパレータは、第1溝群を有し、前記第1溝群は前記第1開口部側に前記第1開口部と連通しない端部を有し、前記燃料電池は、流路形成部材を有し、前記流路形成部材は、前記第1溝群と略同じ溝ピッチの第2溝群を有し、前記端部で前記第1溝群と前記第2溝群とが連通するよう、配置され、前記流路形成部材は弾性を有し、前記セパレータは、前記第1開口部の周縁部に前記流路形成部材の位置決め用の複数の凸部を有し、前記複数の凸部は、前記流路形成部材と略同じ高さを有し、前記流路形成部材を湾曲させて収容でき且つ前記面方向に固定できるように配置されることを特徴とする燃料電池。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
燃料電池であって、
前記燃料電池は、膜電極ガス拡散層接合体と、当該膜電極ガス拡散層接合体を挟持する第1セパレータ及び第2セパレータを備え、
前記膜電極ガス拡散層接合体は、第1ガス拡散層及び、第1触媒層及び、電解質膜及び、第2触媒層及び、第2ガス拡散層をこの順に有し、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの少なくとも一方のセパレータは、前記膜電極ガス拡散層接合体の面方向に沿って前記膜電極ガス拡散層接合体と対向する領域より外側の領域に第1開口部(マニホールド)を備え、且つ、前記膜電極ガス拡散層接合体に対抗する領域と前記第1開口部との間に前記面方向に略垂直な複数の反応ガス流路を構成する第1溝群を有し、
前記第1溝群は前記第1開口部側に前記第1開口部と連通しない端部を有し、
前記燃料電池は、前記第1開口部の周縁部に積層するように配置され、且つ、前記第1開口部と前記積層方向で連通する第2開口部を有する、流路形成部材を有し、
前記流路形成部材は、前記第1溝群と略同じ溝ピッチの第2溝群を有し、前記端部で前記第1溝群と前記第2溝群とが連通するよう、配置され、
前記流路形成部材は弾性を有し、
前記セパレータは、前記第1開口部の周縁部に前記流路形成部材の位置決め用の複数の凸部を有し、
前記複数の凸部は、前記流路形成部材と略同じ高さを有し、前記流路形成部材を湾曲させて収容でき且つ前記面方向に固定できるように配置されることを特徴とする燃料電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
燃料電池(FC)は、1つの単セル(以下、セルと記載する場合がある)又は複数の単セルを積層した燃料電池スタック(以下、単にスタックと記載する場合がある)で構成され、水素等の燃料ガスと酸素等の酸化剤ガスとの電気化学反応によって電気エネルギーを取り出す発電装置である。なお、実際に燃料電池に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスは、酸化・還元に寄与しないガスとの混合物である場合が多い。特に酸化剤ガスは酸素を含む空気である場合が多い。
なお、以下では、燃料ガスや酸化剤ガスを、特に区別することなく単に「反応ガス」あるいは「ガス」と呼ぶ場合もある。また、単セル、及び、単セルを積層した燃料電池スタックのいずれも、燃料電池と呼ぶ場合がある。
この燃料電池の単セルは、通常、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備える。
膜電極接合体は、固体高分子型電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)の両面に、それぞれ、触媒層及びガス拡散層(GDL、以下単に拡散層と記載する場合がある)が順に形成された構造を有している。そのため、膜電極接合体は、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)と称される場合がある。
単セルは、必要に応じて当該膜電極ガス拡散層接合体の両面を挟持する2枚のセパレータを有する。セパレータは、通常、ガス拡散層に接する面に反応ガスの流路としての溝が形成された構造を有している。なお、このセパレータは電子伝導性を持ち、発電した電気の集電体としても機能する。
燃料電池の燃料極(アノード)では、ガス流路及びガス拡散層から供給される燃料ガスとしての水素(H

)が触媒層の触媒作用によりプロトン化し、電解質膜を通過して酸化剤極(カソード)へと移動する。同時に生成した電子は、外部回路を通って仕事をし、カソードへと移動する。カソードに供給される酸化剤ガスとしての酸素(O

)は、カソードの触媒層でプロトンおよび電子と反応し、水を生成する。生成した水は、電解質膜に適度な湿度を与え、余剰な水はガス拡散層を透過して、系外へと排出される。
【0003】
燃料電池車両(以下車両と記載する場合がある)に車載されて用いられる燃料電池に関して種々の研究がなされている。
例えば特許文献1では、加工工程の煩雑化や燃料電池の大きさの増大を抑制しつつ、反応ガス導出入部における反応ガス流路の確保とガスシール性の確保との両立を達成した燃料電池が開示されている。
【0004】
特許文献2では、生産性を向上させる燃料電池スタックの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-033325号公報
特開2012-169096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
燃料電池に供給された反応ガスはマニホールドを介して膜電極接合体に導かれ、膜電極接合体において利用されなかった反応ガスはマニホールドへと排出される。反応ガスのマニホールドから膜電極接合体への導入部分や膜電極接合体からマニホールドへの導出部分(導出入部分)は、反応ガス流路の確保とガスシール性の確保との両立が要求される。
上記特許文献1の技術よりシール性を向上させるため、流路形成部材に複数の溝を並列に形成して導出入部分の流路とし、流路形成部材の溝とセパレータに設けられた複数並列の溝と連続させ、膜電極接合体とマニホールドとの間の反応ガス流路とする技術も選択肢として挙げられる。このとき、導出入部分のシール性は向上する一方、反応ガス流路のための溝ピッチは一般的に小さいため、流路形成部材の溝とセパレータの溝との位置合わせが困難となり、位置合わせに時間がかかることにより、生産性が低下する虞がある。また、位置ずれにより燃料電池の圧損が増加する。
【0007】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、圧損を低減することができる燃料電池を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の燃料電池は、燃料電池であって、
前記燃料電池は、膜電極ガス拡散層接合体と、当該膜電極ガス拡散層接合体を挟持する第1セパレータ及び第2セパレータを備え、
前記膜電極ガス拡散層接合体は、第1ガス拡散層及び、第1触媒層及び、電解質膜及び、第2触媒層及び、第2ガス拡散層をこの順に有し、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの少なくとも一方のセパレータは、前記膜電極ガス拡散層接合体の面方向に沿って前記膜電極ガス拡散層接合体と対向する領域より外側の領域に第1開口部(マニホールド)を備え、且つ、前記膜電極ガス拡散層接合体に対抗する領域と前記第1開口部との間に前記面方向に略垂直な複数の反応ガス流路を構成する第1溝群を有し、
前記第1溝群は前記第1開口部側に前記第1開口部と連通しない端部を有し、
前記燃料電池は、前記第1開口部の周縁部に積層するように配置され、且つ、前記第1開口部と前記積層方向で連通する第2開口部を有する、流路形成部材を有し、
前記流路形成部材は、前記第1溝群と略同じ溝ピッチの第2溝群を有し、前記端部で前記第1溝群と前記第2溝群とが連通するよう、配置され、
前記流路形成部材は弾性を有し、
前記セパレータは、前記第1開口部の周縁部に前記流路形成部材の位置決め用の複数の凸部を有し、
前記複数の凸部は、前記流路形成部材と略同じ高さを有し、前記流路形成部材を湾曲させて収容でき且つ前記面方向に固定できるように配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示の燃料電池によれば、圧損を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本開示の燃料電池に用いられるセパレータと流路形成部材の積層体のマニホールド付近の平面視の一例を示す模式図である。
図2は、本開示の燃料電池に用いられるセパレータと流路形成部材の積層体のマニホールド付近の平面視の別の一例を示す模式図である。
図3は、本開示の燃料電池に用いられるセパレータと流路形成部材の積層体のマニホールド付近の平面視の別の一例を示す模式図である。
図4は、本開示の燃料電池の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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