TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
公開番号2022168806
公報種別公開特許公報(A)
公開日2022-11-08
出願番号2021097640
出願日2021-04-26
発明の名称立体造形硬化物
出願人個人
代理人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20221031BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】固化後の硬さをコントロールするとともに、面材や骨材などとの接合性に優れ、硬化後自由に屈曲できる柔軟性に優れた立体的な造形可能な硬化物の提供。
【課題手段】水性樹脂エマルジョン、体質顔料及び分散剤とを含む主剤Aに、特定の硬化剤B(硬化剤Bが、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、ミョウバン、塩化マグネシウム等)を、主剤Aが100質量部に対して、当該硬化剤Bが2~20質量部で混合するにより得られる立体造形硬化物。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
主剤A及び硬化剤Bを混合・固化した立体造形硬化物であって、
前記主剤Aが、水性樹脂エマルジョンと体質顔料と分散剤を含み、
前記水性樹脂エマルジョンの樹脂が、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル系樹脂、アルキド系樹脂、フタル酸系樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
硬化剤Bが、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、ミョウバン、塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、当該硬化剤Bの添加量は、主剤Aが100質量部に対して、当該硬化剤Bが2~20質量部であることを特徴とする、立体造形硬化物。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記体質顔料が、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、アルミナシリケート、酸化チタン、酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記体質顔料の添加量が主剤A全体に対して30~70質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化物。
【請求項3】
前記分散剤が、ポリアクリル酸系分散剤であり、前記分散剤の添加量が主剤A全体に対して1~10質量%であることを特徴とする、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の硬化物。
【請求項4】
前記硬化物の引張試験における最大点伸度(%GL)が30%~100%であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の硬化物。
【請求項5】
前記硬化物の硬さが、デュロメータ硬さ試験(タイプC)で、20~50であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の硬化物。
【請求項6】
主剤Aが、水性樹脂エマルジョンと体質顔料と分散剤を含み、
前記水性樹脂エマルジョンの樹脂が、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル系樹脂、アルキド系樹脂、フタル酸系樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
硬化剤Bが、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、ミョウバン、塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
主剤Aが100質量部に対して、当該硬化剤Bが2~20質量部を混合した塗布剤を、
(i)金属・非鉄金属・プラスチックの線材、金属・非鉄金属・プラスチックの網目材、或いは竹、木材の条材から選ばれる立体部材、或いは当該部材に紙、布、不織布、アルミ箔などの面材で表面を覆った部材;又は
(ii)
金属・非鉄金属、ガラス、カーボン、合成樹脂、竹、木材、紙、布などによる線状あるいはリボン状(薄い一定幅を持った条材)または網、面状の芯材を用い、鋼線もしくはアルミ・銅などの金属・非鉄金属線材を一定の径に複数回巻き、それを円の軸方向に引き伸ばし、巻き線の外形がラセン状となり、当該ラセンの周りに布または合成樹脂による不織布を巻付けたパイプの部材;又は
(iii)木材又は竹の薄い板あるいは紙の片面あるいは両者の部材;
の表面もしくは面の間に塗布し、硬化させ、変形できる硬化物とすることを特徴とする立体造形物の制作方法。
【請求項7】
主剤Aが、水性樹脂エマルジョンと体質顔料と分散剤を含み、
前記水性樹脂エマルジョンの樹脂が、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル系樹脂、アルキド系樹脂、フタル酸系樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
硬化剤Bが、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、ミョウバン、塩化マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
主剤Aが100質量部に対して、当該硬化剤Bが2~20質量部を混合した塗布剤を、キャンバスに塗布し、削除や変形が自由にでき、或いは塗り重ねができることにより絵画またはレリーフを形成することを特徴とする絵画の制作方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固化後の硬さをコントロールするとともに、面材や骨材などとの接合性に優れ、硬化後自由に屈曲できる柔軟性に優れた立体的な造形可能な硬化物に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
芸術分野で立体を表現する方法には絵画と彫刻がある。絵画では絵具を用いて色調の明暗や濃淡で眼の錯覚を応用してキャンバスなどの平面上において立体を表現する方法があるが、それは三次元上でいう立体ではない。
一方、彫刻の分野では、木、石、土や金属などの固まりを彫り刻んで、物の形を立体的に表す技法や、可塑性の素材を盛りつけて形を作る彫塑という技法がある。また、立体的な造形ができる従来の素材には、古代から用いられている粘土や乾漆造がある。粘土は層状ケイ酸塩鉱物からなり、捏ねると固まりになり伸ばしたり細工することができ、また火に耐える性質がある。
乾漆造とは、漆工の技法の一つである。それは麻布や和紙を漆で張り重ね漆と木粉を練り合わせたものを盛り上げて形作る方法であり、おもに器物や棺、彫像などの製作に用いられている。
また、造形素材として合成樹脂が登場してからは繊維強化プラスチックや光造形などの造形方法が用いられている。繊維強化プラスチックはFRPとも呼ばれ、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などに、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を複合して強度を向上させた強化プラスチックである。光造形とは、液状の紫外線硬化樹脂を光造形装置の紫外線レーザーを使用して硬化させ、積層することで3Dのデーターと寸分違わぬ精密な立体物を、作成する技術である。
上記の各種の技法で造形された立体造形物はいずれも柔軟性に欠け、制作に時間がかかり、また誰でも容易に扱えないという欠点がある。
【0003】
立体造形法のひとつとして、従来から建造物には「漆喰」が用いられている。漆喰は消石灰と砂に水を加えながら混ぜて練り上げたものであり、紀元前よりメソポタミア、ギリシャ、ローマなどの遺跡にも用いられていた。この時代からあるフレスコ画は、漆喰を壁などの下地に塗り、それが乾かないうちに水に溶かした水性絵の具で絵を描いて染み込ませる手法であり、フレスコとは「新鮮な」という意味で、漆喰がまだ生乾きの状態で絵を仕上げる手法である。この製法には制作時間が短いという制約がある。
日本の漆喰は、消石灰を主成分に骨材、すさ(麻)、海藻のりなどの有機物を混ぜて練り上げたものである。防水性があり不燃素材であるため土壁の外部保護材料として、古くから城郭や寺社、商家、民家、土蔵など、木や土で造られた建物の内外壁の上塗り材としても用いられてきた。漆喰は主成分の水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素を吸収しながら硬化(炭酸化)する、いわゆる気硬性の素材であるため、施工後の水分乾燥以降において長い年月をかけて硬化していく素材でもある。その炭酸カルシウムは水に不溶であるため、漆喰の保存性は高い。
この消石灰(水酸化カルシウム)が硬化した漆喰は、一定の耐力はあるが柔軟性に欠けるため脆く、外圧や衝撃には耐えられない。漆喰は主な用途が壁であり、一部に「コテ絵」と称するレリーフ状の壁の飾り物があるが、独立した立体造形物に使用された例はない。
【0004】
立体的な表現が出来る造形材料において一例を挙げると、特許文献1では、所定形状を有する絞り口を介して容易に絞りだすことができる程度の流動性と、絞り口の所定形状をそのまま保持することができる程度の保形性に優れ、しかも膨張問題を解消して、優れた保管性が得られるクリーム状の軽量造形材料が国際公開第2007/055257号公報(特許文献1)に開示されている。しかし、この材料では、乾燥後の造形材料の硬さや柔軟性は、造形材料の組成で決まってしまい、硬さや柔軟を自由にコントロールすることが出来ないという問題がある。
【0005】
古代から用いられている粘土は、ケイ酸塩鉱物からなる微粒子で構成され、水を加えて捏ねることで立体造形には極めて優れている。しかし、乾燥後の強度は引張りや衝撃には極めて脆弱なため、一般的には高温で焼き固めて陶器や陶磁器として用いられている。
近年では、小麦粉、かんてん、蜜蝋などを原料としたものも普及しはじめている。これらの粘土はいずれも造形性には優れているが弾性がないため、小さな衝撃にも耐え得ない欠点がある。
【0006】
漆も古来から用いられている造形素材で、漆を用いた技法の一つである乾漆造は、麻布や和紙を漆で張り重ね漆と木粉を練り合わせたものを盛り上げて形作る方法であり、仏像や器の造形に用いられていた。硬化後はかなり固く強靱ではあるが柔軟性は求められない。この方法は漆が固化するための時間が長いため制作に長期間を要することや、漆という素材が現代においては産出量が限られていることから高額なものとなる欠点がある。
また合成樹脂を硬化させて造形する方法の一つであるFRPは制作時に合成樹脂特有の強烈な悪臭を放ち、耐衝撃性は大きいが柔軟性に欠ける欠点が有り、光造形法は、特殊な装置を必要とし、データーを入力しなければならないので装置を扱うには一定の技術取得を必要とするなど誰でも自由に扱えるものではない。
【0007】
一方、油絵具で立体感を出すために、顔料としてフレーク状ガラスを金属などで被覆された構造にすることが特許第4548631号公報(特許文献2)に開示されている。しかし、この方法では、立体感が大きくなく、費用も高いという問題がある。また、硬化した絵具は、弾力性が無いものであり、硬い質感を有するものである。
【0008】
また、乾燥時間が早く、匂いがないため作業性に優れ、油絵のような厚みのある質感を出す方法が特開2007-9040号公報(特許文献3)に開示されているが、乾燥後の絵具の弾力性はあるものの、油絵具を大幅に超える立体感はなかった。
【0009】
立体的な絵画の複製物の製造方法に関するものとして、基板シート上に有機バインダーと特定の粒子径(10μm)以下の水酸化カルシウムと特定の粒子径(5.0μm)以下の無機粉体とを含有するスラリー状の混合物を用いて、原画となる絵画の凹凸を反映した凹凸を有する凹凸再現層を形成し、その上に絵画をインクジェットにより印刷する技術が、国際公開第2016/039354号公報(特許文献4)に開示されている。一般的には、絵画においては凹凸層に関して外圧がかかる状況は生じにくいため、この特許文献4には凹凸層の強度面の性状に関する明確な記載はないが、その強度に関連する表現として、〔0025〕に、「基材シート1は可撓性を有しており(一部略)この基材シート1上に設けられる凹凸再現層3に割れ目が形成されるなどの不都合を有効に抑制することができる」と記載がある。当該表現から、文献4の凹凸層は割れが生じやすい脆い性質と推測される。
【0010】
建築用仕上塗材に関するもので、下塗りにアクリル樹脂エマルジョンに水と反応性を有するアルカリ土類金属酸化物を添加して乾燥時間を短縮する壁面仕上方法が、特開2012-81388号公報(特許文献5)に開示されている。特許文献5では、壁面を形成することが対象範囲であり、当該組成物の性状については乾燥を促進すること以外には開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
フィルム
21日前
東ソー株式会社
組成物
2か月前
ユニチカ株式会社
筐体
13日前
株式会社日本触媒
抽出剤
2か月前
東レ株式会社
多孔質フィルム
13日前
東亞合成株式会社
硬化型組成物
1か月前
株式会社日本触媒
重合体含有組成物
20日前
JNC株式会社
シリコーン樹脂組成物
13日前
アイカ工業株式会社
光硬化性樹脂組成物
14日前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
8日前
株式会社大阪ソーダ
ポリエーテル重合体
1か月前
東邦化学工業株式会社
ウレタン系注入剤
19日前
アイカ工業株式会社
光硬化性樹脂組成物
1か月前
株式会社トクヤマ
光学物品用硬化性組成物
21日前
長瀬産業株式会社
樹脂組成物
1か月前
株式会社ザック
導電ポリマー組成物
1か月前
国立大学法人九州大学
浸透圧調節剤
21日前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
1か月前
ユニチカ株式会社
水性分散体、および塗膜
1か月前
住友化学株式会社
組成物
1か月前
住友化学株式会社
組成物
1か月前
住友化学株式会社
組成物
1か月前
住友化学株式会社
組成物
1か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミドイミドフィルム
22日前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
1か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物及び成形体
28日前
東レ株式会社
二軸配向ポリエステルフィルム
2か月前
住友化学株式会社
組成物
1か月前
住友化学株式会社
組成物
1か月前
住友化学株式会社
組成物
1か月前
株式会社日本触媒
硫黄含有重合体の製造方法
29日前
グンゼ株式会社
フィルム
15日前
株式会社豊田自動織機
繊維構造体
1か月前
旭化成株式会社
箱型成形体
14日前
アイカ工業株式会社
無溶剤光硬化型樹脂組成物
1か月前
旭化成株式会社
板状成形品
13日前
続きを見る