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公開番号2022074744
公報種別公開特許公報(A)
公開日2022-05-18
出願番号2020185064
出願日2020-11-05
発明の名称エンジンの制御装置
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F02D 13/02 20060101AFI20220511BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】再始動性に及ぼす影響を最小限に抑えながら吸気弁の氷結を防止する。
【解決手段】エンジンの制御装置は、各気筒の吸気弁の位相を変更可能な位相変更装置(16a)と、外気温を取得する外気温取得部(SN4)と、サージタンク内に存在する凝縮水量を取得する凝縮水量取得部(50)と、位相変更装置(16a)の動作を制御する制御部(50)とを備える。制御部(50)は、外気温取得部(SN4)により取得された外気温が所定の基準温度よりも低いという第1の条件と、凝縮水量取得部(50)により取得されたサージタンク内の凝縮水量が所定の基準量以上であるという第2の条件とがいずれも成立する状況でのエンジン停止時に、停止したエンジンの各気筒における吸気弁のリフト量が所定の微小リフト範囲外になるように位相変更装置(16a)を制御する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
複数の気筒を含むエンジン本体と、各気筒の燃焼室に吸気ポートを介して連通するようにエンジン本体に接続された複数の独立吸気通路と、各独立吸気通路の上流端が接続されたサージタンクとを備え、かつ車両に搭載されたエンジンを制御する装置であって、
前記各気筒の吸気ポートを開閉する吸気弁の位相を変更可能な位相変更装置と、
外気温を取得する外気温取得部と、
前記サージタンク内に存在する凝縮水量を取得する凝縮水量取得部と、
前記位相変更装置の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記外気温取得部により取得された外気温が所定の基準温度よりも低いという第1の条件と、前記凝縮水量取得部により取得された前記サージタンク内の凝縮水量が所定の基準量以上であるという第2の条件とがいずれも成立する状況でのエンジン停止時に、停止したエンジンの前記各気筒における吸気弁のリフト量が所定の微小リフト範囲外になるように前記位相変更装置を制御する、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
前記制御部は、エンジンが停止したときに、前記第1および第2の条件の成否と、いずれかの気筒の吸気弁のリフト量が前記微小リフト範囲にあるという第3の条件の成否とを判定し、これら第1~第3の条件がいずれも成立した場合に、前記吸気弁のリフト量がいずれの気筒においても前記微小リフト範囲から外れるように、前記位相変更装置を駆動して前記吸気弁の位相を進角側または遅角側に補正する、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエンジンの制御装置において、
前記制御部は、エンジンが停止したときに、前記第1~第3の条件の成否と、前記サージタンクが上方に変位する方向に傾斜した状態で前記車両が停止しているという第4の条件の成否とを判定し、これら第1~第4の条件がいずれも成立した場合に、前記位相変更装置による前記吸気弁の補正を行う、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
前記エンジンは、前記エンジン本体のクランク室に漏出したブローバイガスを前記サージタンクに還流し得るように前記エンジン本体と前記サージタンクとを接続するブローバイガス通路を備え、
前記凝縮水量取得部は、前記エンジン本体のオイルパンに貯留されているエンジンオイルに含まれる凝縮水の量であるオイルパン内水分量をエンジンの運転状態に基づき推定するとともに、推定した当該オイルパン内水分量に基づいて、前記エンジンオイルから蒸発する水分の量である水蒸発量を推定し、さらに推定した当該水蒸発量に基づいて前記サージタンク内の凝縮水量を推定する、ことを特徴とするエンジンの制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の気筒を含むエンジン本体と、各気筒の燃焼室に吸気ポートを介して連通するようにエンジン本体に接続された複数の独立吸気通路と、各独立吸気通路の上流端が接続されたサージタンクとを備え、かつ車両に搭載されたエンジンを制御する装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
外気温が低い環境で車両が使用される場合に、当該車両に搭載されたエンジンの吸気弁または排気弁(以下、両者を総称してバルブという)において氷結が生じることがある。すなわち、エンジンが停止した後、当該エンジンの温度が氷点下まで低下することにより、バルブとバルブシートとの隙間(バルブ隙間)に付着した水分が凍結して氷が形成されることがある。このようなバルブの氷結が生じると、エンジンの再始動時に、バルブ隙間に介在する氷がバルブの動作を阻害し(バルブを全閉にすることを困難にし)、失火などの不具合を引き起こす可能性がある。
【0003】
上記のような不具合を解消し得るエンジンとして、下記特許文献1のエンジンが知られている。具体的に、この特許文献1のエンジンは、その出力軸に連結されたモータジェネレータと、エンジンの停止時に当該モータジェネレータを制御してバルブの開度(リフト量)を調整する制御装置(PCM)とを備えている。制御装置は、バルブが全閉になる位置で出力軸が停止するか、またはバルブ隙間が所定の微小寸法よりも大きくなる位置で出力軸が停止するように、モータジェネレータから出力軸に付与されるトルクをエンジンの停止動作中に調整する。
【0004】
上記構成によれば、微小なバルブ隙間が空いた状態でエンジンが停止することが回避される(つまりエンジン停止中のバルブ隙間がゼロまたは十分に大きい値に設定される)ので、エンジン停止中に水分がバルブ隙間に滞留せず、当該水分の凍結による再始動時の不具合を解消できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-58217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、出力軸の停止位置を所望の位置(バルブ隙間が微小寸法にならない位置)に制御する上記特許文献1の方法では、エンジン停止動作中にモータジェネレータから出力軸に付与されるトルクを微妙な範囲で調整する必要があり、複雑で精緻な制御が要求される可能性がある。そこで、このような特許文献1の方法(モータジェネレータのトルクを調整する方法)に代えて、バルブの位相を変更可能な装置(位相変更装置)を用いることが考えられる。すなわち、エンジン停止時のバルブ隙間が微小寸法にならないように、出力軸の位相に対するバルブの位相を位相変更装置を用いて必要に応じ進角側または遅角側に補正するのである。なお、バルブの氷結は、排気弁よりも吸気弁で起き易いため、少なくとも吸気弁についてこのような位相変更を行うことが考えられる。
【0007】
ただし、位相変更装置を用いて吸気弁の位相を補正した場合には、補正後の位相が再始動に適した位相からずれることにより、エンジンの再始動性が悪化する可能性がある。このため、できるだけ必要な状況でのみ吸気弁の位相を補正することにより、当該補正が行われる頻度を少なくする工夫が望まれる。
【0008】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、再始動性に及ぼす影響を最小限に抑えながら吸気弁の氷結を防止することが可能なエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、複数の気筒を含むエンジン本体と、各気筒の燃焼室に吸気ポートを介して連通するようにエンジン本体に接続された複数の独立吸気通路と、各独立吸気通路の上流端が接続されたサージタンクとを備え、かつ車両に搭載されたエンジンを制御する装置であって、前記各気筒の吸気ポートを開閉する吸気弁の位相を変更可能な位相変更装置と、外気温を取得する外気温取得部と、前記サージタンク内に存在する凝縮水量を取得する凝縮水量取得部と、前記位相変更装置の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記外気温取得部により取得された外気温が所定の基準温度よりも低いという第1の条件と、前記凝縮水量取得部により取得された前記サージタンク内の凝縮水量が所定の基準量以上であるという第2の条件とがいずれも成立する状況でのエンジン停止時に、停止したエンジンの前記各気筒における吸気弁のリフト量が所定の微小リフト範囲外になるように前記位相変更装置を制御する、ことを特徴とするものである(請求項1)。
【0010】
サージタンク内の凝縮水量が基準量以上であると、サージタンクから吸気ポートに凝縮水が流れ易いので、流れた凝縮水が吸気弁のバルブ隙間(吸気弁の傘部とバルブシートとの隙間)に滞留する可能性がある。さらに、このようなバルブ隙間での凝縮水の滞留が、外気温が基準温度未満まで低下している状況で起きれば、バルブ隙間に滞留している凝縮水が凍結して氷が形成される(吸気弁が氷結する)可能性がある。これに対し、本発明では、このような吸気弁の氷結が懸念される条件のとき、つまり外気温が基準温度未満であるという第1の条件と、サージタンク内の凝縮水量が基準量以上であるという第2の条件とがいずれも成立した場合に、吸気弁のリフト量が所定の微小リフト範囲から外れるように吸気弁用の位相変更装置が制御されるので、バルブ隙間を実質的にゼロにするかもしくは十分に大きい値に設定することにより、バルブ隙間に凝縮水が滞留する現象を起き難くすることができ、当該バルブ隙間での凝縮水の凍結(吸気弁の氷結)を防止することができる。これにより、例えばエンジンの再始動時に吸気弁の動作不良が生じるのを防止することができ、エンジンの信頼性を良好に確保することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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