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公開番号2022069937
公報種別公開特許公報(A)
公開日2022-05-12
出願番号2020178894
出願日2020-10-26
発明の名称巻鉄心
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01F 27/245 20060101AFI20220502BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】鉄心形状と使用する鋼板の組み合わせに起因する効率の悪化が抑制されるように改善した巻鉄心を提供する。
【解決手段】側面視において略矩形状の巻鉄心本体を備える巻鉄心であって、巻鉄心本体を構成する方向性電磁鋼板が質量%で、Si:2.0~7.0%、を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、Goss方位に配向する集合組織を有し、且つ少なくとも一つのコーナー部について、積層される方向性電磁鋼板は、LE≦0.10×(φ/360)×r×tとなっている。ここでrは前記コーナー部に存在する屈曲部の内面側曲率半径、tは前記方向性電磁鋼板の板厚、φは屈曲部の曲げ角度である。LEは、前記屈曲部に隣接する平面部において、前記屈曲部と前記平面部との境界に平行な直線上で180°磁壁に挟まれた磁区の総延長距離が観察距離の80%以上となる、前記境界に最も近接する前記直線と前記境界との距離である。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
側面視において略矩形状の巻鉄心本体を備える巻鉄心であって、
前記巻鉄心本体は、長手方向に第1の平面部とコーナー部とが交互に連続し、当該各コーナー部を挟んで隣り合う2つの第1の平面部のなす角が90°である方向性電磁鋼板が、板厚方向に積み重ねられた部分を含み、側面視において略矩形状の積層構造を有し、
前記各コーナー部は、前記方向性電磁鋼板の側面視において、曲線状の形状を有する屈曲部を2つ以上有するとともに、隣り合う前記屈曲部の間に第2の平面部を有しており、且つ、一つのコーナー部に存在する屈曲部それぞれの曲げ角度の合計が90°であり、
前記屈曲部の側面視における内面側曲率半径rは1mm以上5mm以下であり、
前記方向性電磁鋼板が
質量%で、
Si:2.0~7.0%、
を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、
Goss方位に配向する集合組織を有し、且つ
少なくとも一つのコーナー部について、積層される前記方向性電磁鋼板は、LE≦0.10×(φ/360)×r×t
となっていることを特徴とする、巻鉄心。
ここで、前記屈曲部に隣接する平面部において、前記屈曲部と前記平面部との境界に平行な直線を想定し、その直線上で該境界の延伸方向に沿って磁壁の観察を行い、前記直線上で180°磁壁に挟まれた磁区の総延長距離が観察距離の80%以上となる、前記境界に最も近接する前記直線と前記境界との距離をLEとし、前記方向性電磁鋼板の板厚をtとする。
また、φは屈曲部の曲げ角度であり、単位はdeg(°)である。rは屈曲部の側面視における内面側曲率半径であり、単位はmm(ミリメートル)である。方向性電磁鋼板の板厚tの単位はmm(ミリメートル)である。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
少なくとも一つのコーナー部について、積層される前記方向性電磁鋼板は、WM≦500μm
となっていることを特徴とする、請求項1に記載の巻鉄心。
ここで、前記屈曲部に隣接する平面部において、前記屈曲部と前記平面部の境界に平行な直線を想定し、その直線上で該境界の延伸方向に沿って磁壁の観察を行い、前記直線上で180°磁壁に挟まれた磁区の総延長距離LMが観察距離の80%以上となる、前記境界に最も近接する前記直線上で180°磁壁の数NMを求め、WM=LM/NMを180°磁壁間隔とする。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、巻鉄心に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
方向性電磁鋼板は、Siを7質量%以下含有し、二次再結晶粒が{110}<001>方位(Goss方位)に集積した二次再結晶集合組織を有する鋼板である。方向性電磁鋼板の磁気特性は、{110}<001>方位への集積度に大きく影響される。近年、実用されている方向性電磁鋼板では、結晶の<001>方向と圧延方向との角度が5°程度の範囲内に入るように制御されている。
【0003】
方向性電磁鋼板は積層されて変圧器の鉄心などに用いられるが、主要な磁気特性として高磁束密度、低鉄損であることが求められている。結晶方位はこれら特性との強い相関が知られており、例えば、特許文献1~3のような精緻な方位制御技術が開示されている。
【0004】
さらに、方向性電磁鋼板における磁区構造の影響については良く知られ、その制御による特性改善技術としては、特許文献4~9などが開示されている。
【0005】
また、巻鉄心の製造は従来、例えば特許文献10に記載されているような、鋼板を筒状に巻き取った後、筒状積層体のままコーナー部を一定曲率になるようにプレスし、略矩形に形成した後、焼鈍することにより歪取りと形状保持を行う方法が広く知られている。
【0006】
一方、巻鉄心の別の製造方法として、巻鉄心のコーナー部となる鋼板の部分を曲率半径が3mm以下の比較的小さな屈曲領域が形成されるように予め曲げ加工し、当該曲げ加工された鋼板を積層して巻鉄心とする、特許文献11~13のような技術が開示されている。当該製造方法によれば、従来のような大掛かりなプレス工程が不要で、鋼板は精緻に折り曲げられて鉄心形状が保持され、加工歪も曲げ部(角部)のみに集中するため上記焼鈍工程による歪除去の省略も可能となり、工業的なメリットは大きく適用が進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-192785号公報
特開2005-240079号公報
特開2012-052229号公報
特開2015-206114号公報
特開平10-025553号公報
特開平2000-345306号公報
特開平2012-36442号公報
特開2018-148036号公報
特許第6575732号
特開2005-286169号公報
特許第6224468号公報
特開2018-148036号公報
AU2012337260A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、鋼板を曲率半径が5mm以下の比較的小さな屈曲領域が形成されるように予め曲げ加工し、当該曲げ加工された鋼板を積層して巻鉄心とする方法により製造した巻鉄心において、鉄心形状と使用する鋼板の組み合わせに起因する効率の悪化が抑制されるように改善した巻鉄心を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者らは、鋼板を曲率半径が5mm以下の比較的小さな屈曲領域が形成されるように予め曲げ加工し、当該曲げ加工された鋼板を積層して巻鉄心とする方法により製造した変圧器鉄心の効率を詳細に検討した。その結果、結晶方位の制御がほぼ同等で、単板で測定される磁束密度および鉄損もほぼ同等である鋼板を素材とした場合であっても、鉄心の効率に差が生じる場合があることを認識した。
【0010】
この原因を探究したところ、問題となる効率の差は鉄心の寸法形状によっても現象の程度に違いが生じていることを知見した。さらにこの現象を詳細に検討すると、特に屈曲により磁化が阻害されることによる鉄損劣化の程度の差が原因となっていることが推測された。
この観点で様々な鋼板製造条件、鉄心形状について検討して鉄心効率への影響を分類した結果、鋼板素材の磁区構造を最適に制御することで、鉄心の効率が鋼板素材の磁気特性に見合った妥当な効率になるように制御できるとの結果を得た。
(【0011】以降は省略されています)

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