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公開番号2022063371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2022-04-22
出願番号2020171605
出願日2020-10-12
発明の名称皮膚光老化改善剤のスクリーニング方法
出願人株式会社ナリス化粧品
代理人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20220415BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】光老化皮膚の線維芽細胞の挙動を模倣した光老化細胞モデル、および光老化に伴う線維芽細胞機能の変化を抑制することにより、光老化皮膚の諸症状を予防および改善することができる素材のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】ニトロ化培養支持基質と線維芽細胞を有する光老化細胞モデル、及び、ニトロ化培養支持基質上に線維芽細胞を播種し培養する工程、または、ニトロ化培養支持基質と線維芽細胞を混合し培養する工程とを含有する光老化細胞モデルの製造方法を提供する。
【効果】本光老化細胞モデルを用いることにより、ヒトや動物実験を必要とせずに光老化皮膚の中の細胞機能を評価し光老化メカニズムの解明研究を行うことができ、さらには皮膚の硬度の増加、皮膚弾力性の低下の抑制、およびそれらに伴うシワ、たるみの形成、ハリの低下等の光老化の諸症状を予防改善する素材の開発が可能となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ニトロ化培養支持基質と、線維芽細胞を有する光老化細胞モデル。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
A)次のいずれかの工程
A)-1 : ニトロ化培養支持基質上に線維芽細胞を播種する工程
A)-2 : ニトロ化培養支持基質と線維芽細胞を混合する工程
B)A)を培養する工程
を含有する光老化細胞モデルの製造方法。
【請求項3】
光老化の予防および/又は改善剤をスクリーニングする方法であって、
A)ニトロ化培養支持基質と線維芽細胞を培養する工程、
B)被験物質又は対照物質を添加し培養する工程
C)線維芽細胞の細胞活性及び/又は線維芽細胞の遺伝子発現量或いはタンパク質発現量を測定する工程、
D)被験物質添加群の細胞活性及び/又は遺伝子発現量或いはタンパク質発現量が、被験物質無添加群或いは対照物質添加群と比較して変化した被験物質を選択する工程、
を含んでなる方法。
【請求項4】
前記光老化の症状が、シワ、たるみの形成、ハリ低下、皮膚の硬化、弾力性の低下の少なくとも一つである請求項3に記載のスクリーニング方法。
【請求項5】
前記培養支持基質が、細胞外基質タンパク質である請求項3又は請求項4に記載のスクリーニング方法。
【請求項6】
前記培養支持基質が、エラスチンを含むものである請求項3乃至請求項5いずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項7】
前記細胞活性が、細胞増殖である請求項3乃至請求項6いずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項8】
前記遺伝子発現量或いはタンパク質発現量が、細胞外基質の遺伝子発現量或いはタンパク質発現量である請求項3乃至請求項7いずれか1項に記載のスクリーニング方法。
【請求項9】
前記培養支持基質が、コラーゲンを含むものであり、かつ細胞活性がコラーゲン収縮作用である請求項3乃至請求項8いずれか1項に記載のスクリーニング方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光老化皮膚を模倣した光老化細胞モデル、およびこれを用いた光老化改善予防剤等のスクリーニング方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
皮膚は、加齢に伴い老化して硬度が増加、弾力性を喪失し、ハリの低下やシワ、たるみ等の変化を生じる。特に顔面など慢性的な紫外線の影響を受けやすい部位では、顕著にシワやたるみが形成する。これら紫外線暴露部で起こる皮膚老化は特に光老化と呼ばれ、この防止および改善は皮膚外用剤研究者にとって、最も大きな課題の一つである。
【0003】
皮膚の支持組織である真皮は、膠原線維(コラーゲン線維)、弾性線維(エラスチン線維やミクロフィブリル)、糖タンパク質(ラミニン、フィブロネクチンなど)、プロテオグリカン(バーシカンなど)、グリコサミノグリカン(ヒアルロン酸)等の細胞外基質が主となり構成される。膠原線維は皮膚の強度、弾性線維は皮膚の弾力性、糖タンパク質は細胞や細胞外基質の結合、プロテオグリカンやグリコサミノグリカンは皮膚の水分保持や柔軟性に寄与する。また、真皮には細胞外基質の他に細胞成分として線維芽細胞が存在し、細胞外基質やその分解酵素(コラゲナーゼ、エラスターゼ、マトリックスメタロプロテアーゼ等)を産生する。線維芽細胞は細胞膜に存在するインテグリン等の接着分子を介して足場となる細胞外基質に接着し生存するが、一方でこのとき細胞外基質からは細胞の増殖や分化、形質発現を制御するシグナルが伝えられている。このように細胞外基質は、物理的な支持体として皮膚組織や細胞を支えるだけでなく、細胞機能を直接制御する制御因子としての役割も担っている。
【0004】
光老化皮膚の真皮では、コラーゲン線維の減少や、エラスチン線維の異常沈着(線維肥厚や無定形塊蓄積など)、プロテオグリカンの蓄積等、細胞外基質の構成に異常が生じていることが知られている。加えて、線維芽細胞の活性も変化していることが知られており、例えば、細胞増殖の低下、コラーゲン線維の収縮能の低下、細胞外基質成分の産生機能が変化している。細胞外基質の産生機能の変化としては、特にエラスチン線維の前駆体のトロポエラスチンの産生および細胞外基質の分解酵素の産生が増加する(非特許文献1)。このような線維芽細胞機能の変化は、真皮の主たる細胞外基質の構成に異常をもたらし、さらに組織の修復力を低下させる。その結果、皮膚の硬度の増加や弾力性の低下が引き起こされ、結果的にハリの低下やシワ、たるみ等に繋がる(非特許文献2、3)。
【0005】
従来、光老化皮膚に存在する細胞の機能を研究する場合や、また光老化の諸症状を予防および改善する素材を探索する場合、例えば培養細胞に紫外線を照射する又は酸化障害を惹起する試薬を添加するなど、細胞に直接外部刺激を加えてその挙動変化を検討する方法が広く用いられてきた。或いは、該当する症状を有する動物・臨床検体から細胞を単離し、直接それらの挙動を検討する方法が用いられてきた。しかしながら、前者の試験は簡便だが、外部から与える刺激や試薬の種類、濃度、頻度の設定が非常に難しく、結果しばしば細胞の挙動が培養細胞と実際の生体反応とでは異なることがあるという課題があった。また、後者の試験では該当する症状を有するヒトや動物の生体組織が必要となるため、容易には実施できないという課題があった。そのため、光老化皮膚の細胞機能の評価や光老化の予防改善剤の探索のため、容易かつ簡便に光老化皮膚の細胞の挙動を模倣することができる方法が求められていた。
【0006】
一方でタンパク質のニトロ化は、生体内で発生した活性窒素種によって生じるタンパク質翻訳後修飾のひとつであり、タンパク質を構成する芳香族アミノ酸のチロシン、トリプトファンの残基中のベンゼン環にニトロ基が付与されたものである。ニトロ化反応はアミノ酸中のベンゼン環が、活性窒素種により形成されるニトロニウムイオン(NO2+)や二酸化窒素ラジカルなどと求電子置換反応をおこすことで生じる(非特許文献4)。生体内に存在する多くのタンパク質中のトリプトファンの含有率はチロシンのそれよりもはるかに小さく、タンパク質のニトロ化反応は主にチロシン残基に生じると考えられている(非特許文献5)。タンパク質にニトロ化が生じると、酵素やチロシンキナーゼ型受容体の機能低下を引き起こすことで、細胞機能に影響を及ぼすことが知られる(非特許文献6)。また、ニトロ化タンパク質は加齢に伴う数々の疾患(動脈硬化や脳虚血疾患など)で蓄積することが知られており、これらの疾患に関与することが報告されている(非特許文献7)。またニトロ化タンパク質は皮膚中に存在することが知られており、特に角層中に存在するニトロ化タンパク質量は皮膚色と関連する(特許文献1)。しかしながら、真皮中のニトロ化タンパク質が真皮の細胞に及ぼす影響、および光老化皮膚症状への関与については明らかではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-181423号
【非特許文献】
【0008】
Matrix Biology Plus、June 2020
Exp. Dermatol.、2019、28(8):914-921
Exp. Dermatol.、2019、28(8):981-984
Chem. Res. Toxicol.、2009、22(5):894-898
Front. Chem.、2016、3:70
Diabetes、2008、57(4):889-98
Science、2000、290(5493):985-9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、光老化皮膚の線維芽細胞の挙動を模倣した、真皮の光老化細胞モデルおよびその製造方法を提供することを課題とする。更には、光老化に伴う線維芽細胞機能の変化を抑制することにより、光老化皮膚の諸症状を予防および/又は改善することができる素材のスクリーニング方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、容易かつ簡便に光老化皮膚の線維芽細胞の挙動を模倣する方法について鋭意検討の結果、紫外線等の外的刺激が線維芽細胞に直接与える影響に着目するのではなく、細胞周囲に存在し細胞生存の足場となる細胞外基質から線維芽細胞に伝わるシグナルに着目するという発想に至った。つまり光老化により生じた真皮の細胞外基質の異常は、線維芽細胞にも異常なシグナルを伝達している可能性があるという考えから着想した。
(【0011】以降は省略されています)

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