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公開番号2021182845
公報種別公開特許公報(A)
公開日20211125
出願番号2020115013
出願日20200702
発明の名称電動切断工具
出願人北斗制御株式会社
代理人特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
主分類H02P 7/29 20160101AFI20211029BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】機構部の偏摩耗あるいはブラシ付きモータのブラシ部の故障を低減し装置の信頼性を向上し、切削刃の被切断物に対する噛みこみ停止が発生した場合は切断作業を中断することなく噛みこみ状態を解消し作業の効率と安全性を向上し、あわせて工具の低コスト化と長寿命化も可能な電動切断工具を提供する。
【解決手段】回転指令入力部17より回転指令が入力されると回転状態検出部13aによりモータの回転状態を検出し、制御回路13は所要の始動ルーチンを実行し回転方向記憶部16に記憶された回転方向情報に応じてモータの回転方向を決定しゲート出力部からゲート信号を出力して出力回路14を通じて直流モータ4に通電して始動する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
前進方向及び後退方向の両面に切削刃を備えた切断部を直流モータにより往復運動させる電動切断工具であって、
前記切断部を駆動する直流モータを正逆回転可能な駆動回路と、
前記駆動回路に回転指令を送出する回転指令入力部と、を備え、
前記駆動回路は、
前記回転指令入力部からの入力に応じてモータの回転状態を検出する回転状態検出部と、
前記駆動回路の電源が遮断されてもモータの回転方向情報を保持する不揮発性メモリーを有する回転方向記憶部と、
モータの回転方向に応じたゲート信号を出力するゲート出力部を有する制御回路と、
前記ゲート出力部から出力されたゲート信号に応じて出力素子群を通じて前記直流モータに通電する出力回路と、を備え、
前記回転指令入力部より回転指令が入力されると前記回転状態検出部によりモータの回転状態を検出し、前記制御回路は所要の始動ルーチンを実行し前記回転方向記憶部に記憶された回転方向情報に応じてモータの回転方向を決定し前記ゲート出力部からゲート信号を出力して前記出力回路を通じて前記直流モータに通電して始動することを特徴とする電動切断工具。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記回転指令入力部より回転指令が入力された際に、前記回転状態検出部は非通電状態のコイル電圧を測定して誘起電圧を検出しあるいは回転センサ信号の周期を検出し、それらの検出結果から前記制御回路はモータが回転中と判定したら、前記回転方向記憶部に記憶した回転方向情報を変更せず保持し、モータが停止中と判断したら、前記回転方向記憶部に記憶した回転方向情報を反転するように書き換えて始動ルーチンを実行する請求項1記載の電動切断工具。
【請求項3】
前記制御回路は、前記駆動回路に電源が供給された時に、モータの回転状態を検出して始動ルーチンを実行する請求項1又は請求項2記載の電動切断工具。
【請求項4】
前記駆動回路に直流電源を常時印加し、前記制御回路はマイクロコントローラがスタンバイ状態となるスリープモードとしておき、前記回転指令入力部から回転指令が前記制御回路に入力されると、入力された回転指令に基づいて前記マイクロコントローラはスリープモードからウェイクアップモードに切り替わり、前記制御回路はウェイクアップモードに切り替わった時にモータの回転状態を検出して始動ルーチンを実行する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動切断工具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばヘッジトリマー、レシプロソー、バリカンなどの樹木や植栽を切断する園芸用の電動切断工具に係り、特に駆動源として直流モータを用いた電動切断工具に関する。
続きを表示(約 9,900 文字)【背景技術】
【0002】
ネオジム磁石やリチウムイオン電池の普及によりガソリンエンジンを用いていた園芸用の切断工具、例えばヘッジトリマーやレシプロソーなども電動化が可能となり、低騒音化や化石燃料の使用量削減など環境問題の解決に貢献することができる。
【0003】
これらの機器に用いられる電動機は効率とトルク特性からブラシレスDCモータあるいはブラシ付きDCモータなどの直流モータが適している。
図7に、直流モータ101の代表例としてブラシ付きDCモータを示す。ステータ102は外周ケースを兼用し、内周面に2極の永久磁石界磁102aを備えている。ステータ102に囲まれた外周ケース内には、ロータ103が回転可能に設けられたインナーロータ型モータである。ロータ103は、ロータ軸103aを中心にロータコア103bが回転可能に設けられている。ロータコア103bには径方向外向きに3本の極歯103cが突設されており、極歯103cの周囲には三相コイル103dが巻かれている。三相コイル103dはデルタ結線されており、ロータ軸103aに設けられたコミュテータ104に接続されている。コミュテータ104には、ブラシ105が摺動可能に当接している。尚、三相コイル103dの一端を共通接続としコモンとするスター結線でもよい。電源端子105a及び105bから供給された直流電流はブラシ105とコミュテータ104により整流されて三相コイル103dに120°通電されて回転磁界が発生し、ロータ103が連続回転する。
【0004】
図8に、ブラシ付きDCモータ駆動回路ブロック図の一例を示す。
電源は充電式バッテリー51(BATTERY)である。電源電流は電源スイッチ52(PWR−SW)を通って駆動回路53(DRIVER)の電源端子(IN−A、B)に給電され、駆動回路53(DRIVER)はマイクロコントローラによる制御回路54(MPU)とHブリッジ構成の出力回路55(INV)で構成され、コイル出力(OUT−A、B)はブラシ付きDCモータ56(MOTOR)の電源端子(P、N)に接続される。またモータ近傍には回転センサ57(SENSOR)が配置され回転信号(FG)を制御回路54(MPU)に送出する。
コイル電流センサ58(抵抗:RS)はコイル電流を検出し電流信号(CUR)を制御回路54(MPU)へ送出する。
【0005】
制御回路54(MPU)は回転指令スイッチ(RUN−SW)の信号(RUN)と回転方向指令スイッチ(DIR−SW)の信号(DIR)及び回転センサ57(SENSOR)の信号(FG)とコイル電流センサ58(RS)の信号(CUR)を入力し、出力回路55(INV)にゲート信号(GATE−1〜4)を出力する。
ゲート信号を適宜出力することでコイル出力が通電し、正転、逆転、ブレーキ、停止の各通電モードを選択できまたPWM制御によりトルク制御できる。通電モードについては例えばGATE−1とGATE−4をオンすればモータP端子が+V、N端子がGNDと接続され正転する。GATE−2とGATE−3をオンすればモータP端子がGND、N端子が+Vと接続され逆転する。GATE−2とGATE−4をオンすればモータP端子・N端子ともGNDに接続され短絡ブレーキがかかる。GATE−1〜4をオフすればモータP端子・N端子とも解放(ハイインピーダンス状態)となり停止する。なお、三相ブラシ付きDCモータに代えて三相ブラシレスDCモータを用いる場合は、駆動回路(DRIVER53)のHブリッジ回路を三相インバータ回路に置き換え、ホールICなどの位置センサ信号を入力すれば駆動することができる。
【0006】
以下に、直流モータを用いた園芸用電動切断工具に関する先行技術を例示する。
第1の文献はヘッジトリマーの操作性を向上する案であり、電動ヘッジトリマーの構成例を示すものである。ヘッジトリマーは、三角形の刃が多数並んだ直線状の刃物を2枚重ねそれぞれ逆方向に往復運動させて生垣や植木の枝先を刈り込む植木用と、複数の三角刃のある2枚重ねの刃物がそれぞれ逆方向に揺動運動して芝生を刈りこむ芝生用(バリカンと呼ぶ)とがある(特許文献1参照)。
【0007】
第2の文献はレシプロソーの振動を抑制する案であり、電動レシプロソーの構成例を示すものである。レシプロソーは、三角形の刃が多数並んだ直線状の1枚の刃物を往復運動させて樹木の枝を切断するもので、高枝用は長い支柱の先端にモータ及び刃物が配置される(特許文献2参照)。
【0008】
ヘッジトリマー、レシプロソー、バリカンなどの樹木や植栽を切断する園芸用電動切断工具において、モータの回転運動を往復運動に変換するための機構(カムあるいはクランク)が必要でありモータは常に一定方向に回転することから偏摩耗しやすく振動や騒音あるいは効率低下の原因となる。
またブラシ付きモータを使う場合は定方向運転するとブラシ部分にゴミがたまり故障しやすいことが知られている。
また切断作業中に刃物が被切断物に食い込み停止する、あるいはヘッジトリマーのように2枚刃構成の場合は切断面だけでなく摺動面の隙間に着衣やゴミなどの異物が挟まるなどして急停止する不具合(以後、噛みこみ停止と言う)が多発する。作業を再開するためには刃物から被切断物を除去する必要があり手間がかかりケガをする恐れもあり、さらには工具を分解修理しなければ除去できないケースも発生し作業効率と工具の維持管理費を大きく損なうことになる。
【0009】
図9に上記電動切断工具の切削刃形状の一例を図示する。切削刃61の水平断面(X−X'断面)は概台形状をしており両斜辺は刃が設けられた刃部62となっている。図中のピッチより長い距離で切削刃61が往復運動すると両面の刃部62が交互に被切断物に接触し、前進方向と後退方向とで切削能力は等しく切削刃61の動作方向には依存しないという特徴がある。したがって、駆動源であるモータ56は正転と逆転のどちらに回転駆動しても構わない。
【0010】
この特徴を利用して、噛みこみ停止時に被切断物と切削刃を分離する手段として、モータの回転方向を逆転させて切削刃の動作方向を切り変える方法が提案されている。特許文献3はその一例で、ヘッジトリマーの切削刃の動作方向を反転させる切り替え手段に連動して変速機構を切り替えるものである。一般的に切削刃の動作方向を切り替えるには、モータの回転方向指令スイッチを設けて回転方向を切り替えてから回転指令スイッチを操作するようになっており、回転指令スイッチのほかに回転方向を指定するための回転方向指令スイッチの切り替え操作が必要である(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
特開2019−134693号公報
特開2019−198961号公報
特開2005−269972公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
切断作業時モータは常に同じ方向に回転しており、モータの定方向回転に起因するカム機構等の偏摩耗による振動や騒音を低減し、またブラシ付きモータのブラシ部の故障を低減し信頼性を向上することが望まれる。
また、噛みこみ停止時の復旧作業すなわち切削刃を被切断物から分離する復旧作業はいったん切断作業を中断して行う必要があり、上述のモータを逆転させる方法を講じたとしても手間と時間がかかり作業効率の低下を招いている。
図10に、モータを逆転させて噛みこみ停止を解除するタイミングチャート例を示し作業効率の低下について詳述する。PWR−SWは電源スイッチ、RUN−SWは回転指令スイッチ、DIR−SWは回転方向指令スイッチ、FGは回転信号である。MOTORはモータであり、RUN−SW入力に応じて回転し、回転方向はDIR−SWに応じて切り替わり図中にCW(正転)とCCW(逆転)を記入した。電動機をオンしオフする一連の工程をオンサイクルとして、最下段にオンサイクルの回数を記入し、以下オンサイクルごとに具体的な復旧手順を説明する。
【0013】
オンサイクル1にて切削刃の噛みこみが発生して停止した場合を例示した。
噛みこみ停止が発生すると作業者は直ちにRUN−SWをオフし、モータへの通電を停止する。次にDIR−SW(回転方向指令スイッチ)を切り替えて逆転方向にセットしてから再びRUN−SW(回転指令スイッチ)をオンにして逆転始動させる(オンサイクル2)。被切断物が分離されたことを目視で確認し分離しきれていないときは再度モータを停止させて手で取り除き再始動する(オンサイクル3)。被切断物を分離できたらRUN−SW(回転指令スイッチ)を再びオフとしモータが停止したらDIR−SW(回転方向指令スイッチ)を正転に戻し、RUN−SW(回転指令スイッチ)を再びオンにして切削作業を再開する(オンサイクル4)。
このように噛みこみ停止時の復旧手順は煩雑で時間を要し切削刃が指先に触れてけがをするおそれもあった。
【0014】
また、電動切断工具はイナーシャが大きく通電を遮断しても数秒間は惰性回転するため、惰性回転中に回転方向を切り替えて始動すると誘起電圧に比例する逆転ブレーキが発生する。実際の切断作業においては短時間の停止指令などロータがまだ停止せず惰性回転中に再始動するケースも多発し、回転方向を切り替える方式を採用する場合は惰性回転方向とは反対方向に始動してしまい逆転ブレーキが発生することも考慮しなければならない。逆転ブレーキが発生すると機構部にストレスがかかり機械的な故障を誘発し、また過大なブレーキ電流が流れることからモータコイルあるいは駆動回路あるいはバッテリー等が劣化し破損や焼損する可能性もあり、この問題を解決しない工具はひどく信頼性の低い製品とならざるを得ない。
また駆動回路にて自動的に噛みこみ停止を検出して解除する方法も種々考えられるが、負荷条件は様々であり完璧な自動化は困難でありコスト増ともなり、しかも作業者が手あるいは剪定バサミ等を用いて挟まれた切断物を取り除く可能性のある手持ち工具であることから、作業者が意図せずに自動的に切断刃が作動することは工具に対する安心感を損ないまたケガを誘発する恐れさえあり安全上好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、前述した従来技術の課題を解決し、機構部の偏摩耗あるいはブラシ付きモータのブラシ部の故障を低減し装置の信頼性を向上し、切削刃の被切断物に対する噛みこみ停止が発生した場合は切断作業を中断することなく噛みこみ状態を解消し作業の効率と安全性を向上し、あわせて工具の低コスト化と長寿命化も可能な電動切断工具を提供することにある。
【0016】
前進方向及び後退方向の両面に切削刃を備えた切断部を直流モータにより往復運動させる電動切断工具であって、前記切断部を駆動する直流モータを正逆回転可能な駆動回路と、前記駆動回路に回転指令を送出する回転指令入力部と、を備え、前記駆動回路は、前記回転指令入力部からの入力に応じてモータの回転状態を検出する回転状態検出部と、前記駆動回路の電源が遮断されてもモータの回転方向情報を保持する不揮発性メモリーを有する回転方向記憶部と、モータの回転方向に応じたゲート信号を出力するゲート出力部を有する制御回路と、前記ゲート出力部から出力されたゲート信号に応じて出力素子群を通じて前記直流モータに通電する出力回路と、を備え、前記回転指令入力部より回転指令が入力されると前記回転状態検出部によりモータの回転状態を検出し、前記制御回路は所要の始動ルーチンを実行し前記回転方向記憶部に記憶された回転方向情報に応じてモータの回転方向を決定し前記ゲート出力部からゲート信号を出力して前記出力回路を通じて前記直流モータに通電して始動することを特徴とする。
【0017】
電動切断工具はイナーシャが大きく通電を遮断しても数秒間惰性回転し、惰性回転中に反対方向に再始動すると逆転ブレーキがかかり機構部や回路部の破損などのおそれがある。そこで前回の回転方向を不揮発性メモリーに記憶しておき回転指令が入力された時に回転状態検出部によりモータの回転状態を検出して所要の始動ルーチンで始動することとする。これにより惰性回転方向と始動方向を一致させることで逆転ブレーキを回避することができる。また、機構部にストレスは発生せず機械的な故障を防ぎ、また過大なブレーキ電流が流れることもないためモータコイルあるいは駆動回路あるいはバッテリー等が劣化し破損や焼損する可能性もなく、信頼性が向上する。
【0018】
前記回転指令入力部より回転指令が入力された際に、前記回転状態検出部は非通電状態のコイル電圧を測定して誘起電圧を検出しあるいは回転センサ信号の周期を検出し、それらの検出結果から前記制御回路はモータが回転中と判定したら、前記回転方向記憶部に記憶した回転方向情報を変更せず保持し、モータが停止中と判断したら、前記回転方向記憶部に記憶した回転方向情報を反転するように書き換えて始動ルーチンを実行することが好ましい。
回転指令が入力された際にモータが回転していたら前回と同じ方向で始動する。惰性回転と前回回転方向は一致することは自明であり、従って惰性回転方向と始動方向は一致し逆転ブレーキを回避することができる。また、回転指令が入力された際にモータが停止していたらいずれの方向でも始動可能であるが前回とは反対の方向で始動する。これによりモータ停止ごとに反転することで機構部の偏摩耗やブラシ付きモータのブラシ故障を低減し、さらに噛みこみ停止時は噛みこみ状態を解除することができる。
【0019】
前記制御回路は、前記駆動回路に電源が供給された時に、モータの回転状態を検出して始動ルーチンを実行するようにしてもよい。
これにより、駆動回路に電源スイッチにて通電し、回転指令入力部の入力操作に代えてモータを始動する場合に適用できる。このとき、駆動回路の電源が投入されたらモータを始動するように駆動回路を構成すれば、回転指令を与える必要がなく、回転指令入力部を省略して電源スイッチのみで動作できる。
【0020】
前記駆動回路に直流電源を常時印加し、前記制御回路はマイクロコントローラがスタンバイ状態となるスリープモードとしておき、前記回転指令入力部から回転指令が前記制御回路に入力されると、入力された回転指令に基づいて前記マイクロコントローラはスリープモードからウェイクアップモードに切り替わり、前記制御回路はウェイクアップモードに切り替わった時にモータの回転状態を検出して始動ルーチンを実行するようにしてもよい。
これにより、回転指令入力部から回転指令が制御回路に入力されると、入力された回転指令に基づいてマイクロコントローラはスリープモードからウェイクアップモードに切り替わり駆動回路にウェイクアップモードにて通電し、このタイミングでモータの回転状態を検出して始動ルーチンを実行することができる。即ち、駆動回路に通電したままで使用することができ、電源スイッチを省略し回転指令スイッチのみで動作することができる。また、モータ停止時には駆動回路はスリープモードとなり、ほとんど電力を消費せず省エネルギー化を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
上述した電動切断工具によれば、切削刃の被切断物に対する噛みこみ停止が発生した場合、切断作業を中断することなく噛みこみ状態を解消し作業の効率と安全性を向上し、あわせて工具の低コスト化と長寿命化を実現することができる。
また煩雑なスイッチ操作と時間を要していた噛みこみ停止の解消作業が回転指令入力部(回転指令スイッチ)の操作のみとなり、操作性と作業効率と安全性が飛躍的に向上する。また回転方向指令スイッチ、回転センサ等を省略して低コスト化できる。また、始動停止ごとに反転することで機構部の偏摩耗を減らし振動や騒音を低減でき、ブラシ付きモータの場合はブラシのゴミが排出されブラシに起因する故障を減らすことができる。
また電源スイッチあるいは回転指令スイッチを瞬間的にオフにする瞬時オフ操作が行われ惰性回転している場合は反転せずに同じ方向にスムーズに回転し、逆転ブレーキを防止し機構部や回路部の破損を防ぐことができる。
また、高出力工具の場合は、駆動回路に通電しておき小容量の回転指令スイッチで始動停止を制御し容量の大きな出力素子でモータに通電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1は園芸用電動切断工具の構成図である。
図2は噛みこみ停止時に始動するタイミングチャートである。
図3は惰性回転時に始動するタイミングチャートである。
図4は回転指令入力のモータ駆動回路例である。
図5は電源をオンオフするモータ駆動回路例である。
図6はモータの始動ルーチンを示すフローチャートである。
図7はブラシ付きDCモータ例である。
図8は従来構成のモータ駆動回路例である。
図9は切削刃の形状例である。
図10は従来回路の噛みこみ停止タイミングチャートである。
図11はヘッジトリマーの要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る電動切断工具の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本願発明は、ヘッジトリマー、レシプロソー、バリカンなどの樹木や植栽等を切断する園芸用電動切断工具を例示して説明する。直流モータは、図7に示すデルタ結線されたインナーロータ型のブラシ付き直流モータであってもよいし、回転子に永久磁石界磁を備え、固定子に巻き線を120°位相差で配置してスター結線し、相端がモータ出力回路に接続されたBLDC(ブラシレス直流)モータであってもよい。
【0024】
図1に園芸用電動切断工具の構成例を示す。
筐体状の外装ケース1内には、バッテリー2、モータ駆動回路3、直流モータ4、モータ軸5(出力軸)および切削刃6を有する切断部7を有する。外装ケース1よりモータ軸5が外部に延設され、該モータ軸5を中心に切削刃6を往復駆動して被切断部(樹木や植栽等)を切断する。バッテリー2は、商用電源から充電可能なバッテリーであり、外装ケース1に着脱可能に装着されている。
【0025】
図11は園芸用電動切断工具の一例としてヘッジトリマーの要部断面を例示している。ヘッジトリマーは、切断部7に一対のバリカン刃(切削刃6)を有する。外装ケース1内にはモータケース4aがねじ止め固定されている。モータケース4aの内周面には固定子が一体に組み付けられている。固定子はモータケース4aの内周面に固定された固定子マグネット4b、後述するコイル5bへ給電するブラシ4cを備えている。モータケース4aは、固定子マグネット4bのバックヨークを形成している。モータケース4aと外装ケース1には一対の転がり軸受4dが各々組み付けられてモータ軸5が回転可能に支持されている。回転子は、モータ軸5に回転子コア5aが一体に組み付けられている。回転子コア5aに径方向外側に向かって突設された極歯にはコイル5bが巻かれている。コイル5bより引き出されたコイルリードは、モータ軸5の反出力側端部に設けられたコミュテータ5c(整流子)に接続されている。コミュテータ5cには、モータケース4aに固定された給電用のブラシ4cが常時当接しており、モータ軸5の回転に伴って摺動するようになっている。
【0026】
また、モータ軸5の出力側端部には切断部7が設けられている。切断部7は、モータ軸5を中心として回転する偏心カム20が抜け止めされて組み付けられている。偏心カム20は、モータ軸5を中心として180度位相が異なる一対のカム部20aを有する。各カム部20aには、バリカン刃(切削刃6)が各々組み付けられている。モータ軸5が正逆いずれかの方向に回転すると偏心カム20も回転し、一対のカム部20aに取り付けられた一対のバリカン刃(切削刃6)が逆向きに往復動する。これにより、小枝などの被切断部を一対のバリカン刃(切削刃6)により剪断するようになっている。
【0027】
先ず直流モータ4の回転停止を検出して回転方向を反転する切断動作について説明する。前進方向及び後退方向の両面に対称な切削刃6を備えた切断部7を往復運動する場合、運動方向が反転しても切断工程は同じであることから双方向運転が可能である。そこで電源投入時あるいは回転指令入力時に直流モータ4が回転停止状態であったら、回転方向を反転して始動することとする。従来のガソリンエンジン式切断工具では回転方向切り替えは困難であり一定方向運転が常態となっていたが、しかし直流モータ4であれば正逆運転が容易で双方向運転が可能である。
【0028】
回転指令入力時に直流モータ4が停止していたら反転始動する機能を付加することで、切削刃6が被切断物を噛み込み停止した場合も直流モータ4は逆転始動し、その結果切断部7も逆方向に移動して切削刃6と被切断物が分離される。ここで重要なことは、作業者は通常作業時と同様に回転指令スイッチを操作するだけで噛みこみ状態を解除できる点である。これが従来の逆転スイッチを操作する方法あるいは自動的に噛みこみを検出して逆転始動する方法との大きな違いで操作性と安全性が改善される。尚、噛みこみ停止からの逆転始動時に大きなトルクが必要な場合は、例えば始動時にカレントリミット値を所定時間だけ大きくすることで瞬間的に始動トルクを倍増させるなどの手法で対応可能である。
【0029】
回転方向を反転する条件は回転指令入力時に直流モータ4が停止していることであり、モータの停止判定が必要である。停止判定は直流モータ4に回転センサを設け回転速度を監視することで実現できるが、回転センサを設けることはスペースやコストから不利である。回転センサとしてはロータ磁束を検出するホールセンサが多く使われるが、特にブラシ付きモータではコイルが回転しマグネットは回転しない構造のため、単にホールセンサを設けても惰性回転は検出できず、回転検出用に別途リングマグネットをモータ軸に設ける必要がありかなりのコストとスペースを要する。実際に車載補器用ブラシ付きモータなどでリングマグネットとホールセンサが追加されている例もある。
【0030】
そこで回転センサを用いることなくモータの停止状態を検出することが望ましく、コイル出力電流やコイル出力電圧などから回転情報を抽出し停止判定を行ってもよい。あるいは制御プログラムの制御量、例えば励磁周期などから停止判定してもよい。さらにはインテリジェント化しているバッテリーとの連携により通信あるいは電源遮断などを情報源として停止状態を検出することも可能である。これらの方法によれば、制御回路13(MPU)内に設けられた回転状態検出部13aでモータ出力を監視することで停止状態を検出できモータに設ける回転センサ及び配線を省略することができる。
(【0031】以降は省略されています)

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