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公開番号2021166461
公報種別公開特許公報(A)
公開日20211014
出願番号2020069986
出願日20200408
発明の名称インバータ制御装置、電動車両システム
出願人日立Astemo株式会社
代理人特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
主分類H02M 7/48 20070101AFI20210917BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ゼロクロス近傍領域において発生するインバータ出力電流の直流成分や電流リプルを低減する。
【解決手段】インバータ制御装置200は、インバータ100を制御するためのPWMパルスを生成するPWM制御部220と、PWM制御部220により生成されたPWMパルスのパルスエッジの位相を補正(シフト)するパルスエッジ制御を行うパルスエッジ制御部250とを備える。PWM制御部220は、電圧指令(Vd*,Vq*)に基づく変調率を用いて、PWMパルスを生成する。パルスエッジ制御部250は、変調波が0を跨いで変化するゼロクロス点とPWMパルスのパルスエッジとの位相差が所定の範囲内になるように、PWMパルスを補正する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電圧指令に基づく変調波を用いて、インバータを制御するためのPWMパルスを生成するPWM制御部と、
前記変調波が0を跨いで変化するゼロクロス点と前記PWMパルスのパルスエッジとの位相差が所定の範囲内になるように、前記PWMパルスを補正するパルスエッジ制御部と、を備えるインバータ制御装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載のインバータ制御装置において、
前記PWM制御部は、前記ゼロクロス点を含む所定のゼロクロス近傍領域において前記変調波を直線近似し、直線近似した前記変調波に基づいて前記PWMパルスのデューティを演算することで、前記PWMパルスを生成するインバータ制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のインバータ制御装置において、
前記パルスエッジ制御部は、直線近似した前記変調波の傾きに基づいて前記PWMパルスのシフト方向を決定し、決定した前記シフト方向に前記PWMパルスをシフトすることで、前記PWMパルスを補正するインバータ制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載のインバータ制御装置において、
前記パルスエッジ制御部は、前記ゼロクロス点とシフト後の前記PWMパルスのパルスエッジとの位相差が前記所定の範囲内とならない場合、シフト後の前記PWMパルスにおいて前記所定の範囲からはみ出た部分をパルス誤差とし、前記パルス誤差をシフト後の前記PWMパルスから切り離して配置するインバータ制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載のインバータ制御装置において、
前記パルスエッジ制御部は、前記ゼロクロス点とシフト後の前記PWMパルスのパルスエッジとの位相差が前記所定の範囲内とならない場合、シフト後の前記PWMパルスにおいて前記所定の範囲からはみ出た部分をパルス誤差とし、前記パルス誤差を複数の前記ゼロクロス点に分散して配置するインバータ制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載のインバータ制御装置において、
前記パルスエッジ制御部は、前記電圧指令に基づく変調率が所定値未満の場合、前記PWMパルスの補正を実施しないインバータ制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載のインバータ制御装置において、
前記パルスエッジ制御部は、前記変調波の1周期に含まれる前記PWMパルスのパルス数が減少するように、前記PWMパルスを補正するインバータ制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載のインバータ制御装置において、
前記インバータは、モータに接続されており、
前記PWM制御部は、前記モータを弱め界磁制御するために前記インバータが前記モータに出力する電流量が減少するように、前記電圧指令に基づく変調率および前記変調波の位相をそれぞれ補正するインバータ制御装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のインバータ制御装置と、
前記インバータ制御装置により制御される前記インバータと、
前記インバータにより駆動される三相同期電動機と、を備え、
前記三相同期電動機の回転駆動力を用いて走行する電動車両システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ制御装置と、これを用いた電動車両システムとに関する。
続きを表示(約 5,500 文字)【背景技術】
【0002】
PWM(パルス幅変調)制御によりインバータの駆動を制御してモータを回転駆動させるインバータ制御装置が広く利用されている。こうしたインバータ制御装置において、モータの高回転化のため、インバータの出力電圧指令がインバータの最大出力レベル(正弦波)を上回る過変調モード(過変調領域)で動作させるとともに、さらに出力電圧を大きくするため、PWMパルス列が繋がって1つのパルスになる1パルスモード(1パルス領域)で動作させる技術が知られている。
【0003】
インバータ制御装置を過変調領域から1パルス領域まで動作させると、インバータの出力において電圧誤差が発生し、インバータの出力電流に含まれる直流成分やリプル成分が増大するため、モータの出力トルク変動や騒音・振動が発生する。そのため、過変調領域から1パルス領域に移行する領域の電圧誤差を抑制し、電流の直流成分やリプル成分を低減する技術が求められている。
【0004】
過変調領域の電流リプルの低減に関して、特許文献1の技術が知られている。特許文献1には、過変調領域において台形波を用いた台形波変調を行う際に、台形波の底辺から上辺に変化する変調波の反転領域における複数のPWMパルスのオンパルスとオフパルスの面積をそれぞれ積分した値が等しくなるように、PWMパルスを生成するインバータ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015−19458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、変調波が0を跨いで変化するゼロクロス点を含むゼロクロス近傍領域において、ゼロクロスのタイミングやPWMパルスのエッジのタイミングを適切に制御することができない。そのため、インバータの出力電圧に誤差が発生し、インバータの出力電流において直流成分や電流リプルが増大してしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるインバータ制御装置は、電圧指令に基づく変調波を用いて、インバータを制御するためのPWMパルスを生成するPWM制御部と、前記変調波が0を跨いで変化するゼロクロス点と前記PWMパルスのパルスエッジとの位相差が所定の範囲内になるように、前記PWMパルスを補正するパルスエッジ制御部と、を備える。
本発明による電動車両システムは、インバータ制御装置と、前記インバータ制御装置により制御される前記インバータと、前記インバータにより駆動される三相同期電動機と、を備え、前記三相同期電動機の回転駆動力を用いて走行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゼロクロス近傍領域において発生するインバータ出力電流の直流成分や電流リプルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係るインバータ制御装置を有するモータ装置の構成を示すブロック図。
一実施形態における変調波を示す波形図。
一実施形態におけるパルスエッジ制御の一例の説明図。
一実施形態におけるPWMパルス生成およびパルスエッジ制御の処理を示すフローチャート。
一実施形態におけるパルスエッジ制御の別例の説明図。
インバータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の構成図。
インバータ制御装置が適用された電動車両の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、PWM制御でインバータの制御を行うインバータ制御装置であって、変調率が所定値以上の過変調領域において、例えば正弦波を台形状に変化させた台形波を変調波に用いた台形波変調を行う際に、変調波のゼロクロス点との位相差が所定の範囲内になるようにPWMパルスのパルスエッジを出力することで、インバータの出力電流の直流成分やリプル成分を低減しつつ、インバータを高出力化させるインバータ制御装置を提供するものである。以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るインバータ制御装置200を有するモータ装置1の構成を示すブロック図である。モータ装置1は、バッテリ2と接続されており、インバータ100、インバータ制御装置200およびモータ300を有している。
【0012】
バッテリ2は、インバータ100の直流電圧源である。バッテリ2の直流電圧DCVは、インバータ100によって可変電圧、可変周波数の3相交流電圧に変換され、モータ300に印加される。
【0013】
モータ300は、3相交流電圧の供給により回転駆動される同期モータである。モータ300には、インバータ100からモータ300に印加される3相交流電圧の位相をモータ300の誘起電圧の位相に合わせて制御するために、回転位置センサ320が取り付けられている。ここで、回転位置センサ320には、例えば鉄心と巻線とから構成されるレゾルバなどを用いることができる。あるいは、GMRセンサやホール素子を用いて回転位置センサ320を構成してもよい。
【0014】
インバータ制御装置200は、電流制御部210、PWM制御部220、パルスエッジ制御部250、ドライブ信号生成部260、回転位置検出部270、および電流検出部280を有している。
【0015】
回転位置検出部270は、回転位置センサ320の出力信号に基づいて、モータ300におけるロータの回転位置θを検出する。
【0016】
電流検出部280は、モータ300に流れる3相の電流検出値(Iu,Iv,Iw)を電流センサIctから取得し、回転位置検出部270で検出された回転位置θに基づいてこれらの電流検出値を3相/2相変換することで、dq軸の電流検出値(Id,Iq)を求める。
【0017】
インバータ制御装置200は、モータ300の出力を制御するための電流制御機能を有している。電流制御部210は、電流検出部280により検出された電流検出値(Id,Iq)と、不図示の上位制御器から入力された電流指令値(Id*,Iq*)とが一致するように、電圧指令(Vd*,Vq*)を出力する。
【0018】
PWM制御部220は、電流制御部210で求められた電圧指令(Vd*,Vq*)と、バッテリ2の直流電圧DCVと、回転位置θとを用いて、三相のパルス幅変調(PWM)を実施し、インバータ100を制御するためのPWMパルスを生成する。具体的には、PWM制御部220は、電圧指令(Vd*,Vq*)を回転位置θに基づき2相/3相変換することで、3相電圧指令(Vu*,Vv*、Vw*)を生成する。そして、電圧指令(Vd*,Vq*)または3相電圧指令(Vu*,Vv*、Vw*)と、バッテリ2の直流電圧DCVとに基づいて変調率を演算し、この変調率と所定周波数のキャリア信号とを用いて、変調率に応じた変調波を生成する。このときPWM制御部220は、変調率が所定値未満、例えば1.15未満の領域では、キャリア信号と変調波を比較してPWMパルスを生成する通常のPWM変調を行い、変調率が所定値以上、例えば1.15以上の領域では、台形波を変調波に用いた台形波変調を行う。なお、台形波変調の詳細については後述する。
【0019】
パルスエッジ制御部250は、PWM制御部220により生成されたPWMパルスのパルスエッジの位相を補正(シフト)するパルスエッジ制御を行う。このパルスエッジ制御により、変調波のゼロクロス点とPWMパルスのパルスエッジとの位相差が所定の範囲内になるように、PWMパルスを調整する。なお、変調波のゼロクロス点とは、変調波が0を跨いで変化する点である。パルスエッジ制御部250によるPWMパルスの調整方法の詳細については後述する。
【0020】
ドライブ信号生成部260は、パルスエッジ制御部250が行うパルスエッジ制御によってパルスエッジの位相を補正されたPWMパルスをドライブ信号DRに変換し、インバータ100に出力する。インバータ100は、3相交流電圧の各相に対応して複数の半導体スイッチ素子を有しており、各半導体スイッチ素子はドライブ信号DRによりオン/オフ制御される。これにより、インバータ制御装置200の制御に応じてインバータ100の出力電圧が調整される。
【0021】
なお上記では、上位制御器からの電流指令に応じてモータ300の電流を制御する場合のモータ装置1の構成例を図1により説明したが、他の制御方法を採用する場合でも、図1の構成を適用可能である。例えば、モータ300の回転速度を制御する場合には、モータ回転速度ωrを回転位置θの時間変化により演算し、上位制御器からの速度指令と一致するように、電圧指令あるいは電流指令を作成する。また、モータ300の出力トルクを制御する場合には、モータ電流(Id,Iq)とモータトルクの関係式あるいはマップを用いて、電流指令(Id*、Iq*)を作成する。
【0022】
次に、図2を用いて、本発明の一実施形態における変調波を示す波形図について説明する。なお以下では、変調信号波形と三角波のキャリア信号とを比較してPWMパルスを生成するPWM変調動作を説明しているが、少なくとも正弦波を台形状に変化させた台形波を変調波に用いた台形波変調では、後述するPWMパルスを直接演算により生成することが好ましい。
【0023】
図2(a)は、変調信号波形とキャリア信号波形の例を示している。変調信号波形では、変調率が比較的低い変調信号(変調波1)と、正弦波変調できる最大の変調波(変調波2)と、正弦波変調を直線近似した台形状の変調波(変調波3)と、インバータ出力が最大となる矩形波状態となる変調波(変調波4)との各波形を示している。キャリア信号波形では、変調波信号と大小比較してPWMパルスを生成する三角波のキャリア信号の波形を示している。
【0024】
図2(b)は、変調波2のときのPWMパルス信号を示し、図2(c)は、変調波3のときのPWMパルス信号を示す。図2(c)では、電気角度30〜150度の区間でほぼ100%のPWMパルスが連続してオンである。図2(d)は、変調波4のPWMパルス信号を示す。このPWMパルス信号は、電気角度0〜180度の全区間でオンである。
【0025】
それぞれの変調波は、3相電圧指令(Vuc,Vvc、Vwc)の1相分の変調波H(θ)と等価であり、デッドタイムを無視すればU相の変調波Hu(θ)=Vuc/(DCV/2)にほぼ等しい。インバータ出力が飽和しない変調率=1となる時の正弦波の実効値を1とすれば、第3高調波を重畳した変調波H(θ)に含まれる基本波成分は1.15倍(115%)である(変調波2)。すなわち、変調率が1.15となる電圧指令まではインバータ出力は飽和しない。
【0026】
図2に示すように、第3高調波を重畳させた変調波H(θ)は、ゼロクロス付近で直線近似することができる。また、変調率が大きくなるほど、変調波H(θ)は変調波2のような形状から変調波3のような台形波に近づいていく。そのため、変調率が所定値以上、例えば1.15以上の領域では、変調波3のような台形波を用いることで演算によるPWMパルスの生成が可能となる。これにより、マイコン等を用いたPWM変調処理を簡素化できると同時に、変調波H(θ)とキャリア信号が非同期であることに起因するPWMパルスの電圧誤差を制御することが可能となる。この場合、PWMパルスの演算周期がキャリア信号の周期に相当する。
【0027】
なお、変調波2のときを考えれば変調波のゼロクロスを中心に電気角度で±30度の角度区間を直線近似することができるが、飽和付近の電圧誤差を考慮すれば電気角度で±35度の角度区間とするのが好ましい。
【0028】
台形波変調を用いたPWMパルス演算では、ゼロクロス付近の直線近似できる区間の変調波の傾きAは、電圧指令値に応じた変調率に比例し、変調波は角度位置θに比例する。例えば、ゼロクロス付近の角度をθ’とし、θ’を−30≦θ’≦30とすると、ゼロクロス付近の変調波H(θ’)は式(1)で表すことができる。
H(θ’)=A・θ’ (1)
【0029】
すなわち、ゼロクロス付近の変調波H(θ)は、変調率の代わりに変調波の傾きAを用いて表すことができるので、ゼロクロス付近のインバータ出力パルス、すなわちPWMパルスは、変調波の傾きAから決定することができる。
【0030】
なお、|H(θ)|<|A・θ|となる条件で、0<θ<180であれば100%、180<θ<360であれば0%としてインバータ出力パルスを決定すれば良い。
(【0031】以降は省略されています)

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