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公開番号2021166460
公報種別公開特許公報(A)
公開日20211014
出願番号2020069888
出願日20200408
発明の名称モータ
出願人株式会社デンソー
代理人個人
主分類H02K 5/04 20060101AFI20210917BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ケースを他のコンポーネントに取り付ける際に取付部の反りを抑制することができるモータを提供する。
【解決手段】モータ1のケース2は、上端に開放部20を有する筒状に形成され、内部にステータが固定される。ケース2の上端には、エンドフレーム10が開放部20を塞ぐように固定されている。ケース2のフランジ23には、他のコンポーネントにボルト締めされる複数の取付部24がケース2の径外方向へ突出するように形成されている。エンドフレーム10の外周には、ケース2の内壁面22に圧入される複数の圧入部104が設けられている。各圧入部104は、取付部24に形成されたボルト穴26の中心からケース2の周方向へ所定の角度を離隔した位置に設けられている。圧入部104の個数をnとしたとき、所定の角度θ1(度)は360/8n<θ1<360/4nの不等式を満たす値に設定されている。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向の一端に開放部(20)を有し、内部にステータ(3)が固定された筒状のケース(2)と、
前記開放部を塞ぐように前記ケースの一端に固定されたエンドフレーム(10)と、を備え、
前記ケースに、他のコンポーネント(7)にボルト締めされる複数の取付部(24)が前記ケースの径外方向へ突出するように形成され、
前記エンドフレームは、前記ケースの内壁面(22)に圧入される複数の圧入部(104)を有し、
前記圧入部は、前記ケースの軸(O)を中心として、それぞれ、前記取付部のボルト穴(26)の中心から前記ケースの周方向へ所定の角度(θ1,θ2,θ3)を離隔した位置に設けられ、
前記圧入部の個数をn(nは2以上の整数)としたとき、前記所定の角度θ(度)は次の不等式
360/8n<θ<360/4n
を満たす値に設定されているモータ。
続きを表示(約 100 文字)【請求項2】
前記圧入部の圧入代(σ)が0.1mm以上に設定されている請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記圧入部の個数が4以下に設定されている請求項1または2に記載のモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
続きを表示(約 5,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、他のコンポーネントに取り付けられるケースを備えたモータが知られている。例えば、特許文献1に記載されたモータでは、ケースが車両用電動ブレーキ装置に取り付けられている。ケースは有底筒状に形成され、一端の開放部にエンドフレームが固定され、エンドフレームの中心にモータシャフトの軸受が保持されている。
【0003】
エンドフレームの外周部には、ケースの内壁面に圧入される複数の圧入部が形成されている。圧入部と同じ軸方向位置においてケースには、複数の取付部がケースの径外方向へ突出するように設けられている。そして、各取付部に形成されたボルト穴を通るボルトによって、ケースが電動ブレーキ装置に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011−179655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来のモータによると、ケースにエンドフレームを固定する際に、圧入力でケースの取付部に反りが発生することがあった。取付部に反りが発生すると、ケースを他のコンポーネントにボルト締めするときにボルトに過大な荷重が作用する。また、電動ブレーキ装置との間にシール材を介在させる場合、取付部の局部的な反りによってシール機能が低下する可能性もある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ケースを他のコンポーネントに取り付ける際に、取付部の反りを抑制することができるモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のモータ(1)は、軸方向の一端に開放部(20)を有し、内部にステータ(3)が固定された筒状のケース(2)と、開放部を塞ぐようにケースの一端に固定されたエンドフレーム(10)とを備え、ケースに、他のコンポーネント(7)にボルト締めされる複数の取付部(24)がケースの径外方向へ突出するように形成され、エンドフレームは、ケースの内壁面(22)に圧入される複数の圧入部(104)を有し、圧入部は、ケースの軸(O)を中心として、それぞれ、取付部のボルト穴(26)の中心からケースの周方向へ所定の角度(θ1,θ2,θ3)を離隔した位置に設けられ、圧入部の個数をn(nは2以上の整数)としたとき所定の角度θ(度)が次の不等式
360/8n<θ<360/4n
を満たす値に設定されている。
【0008】
本発明のモータによれば、ケースに対するエンドフレームの圧入位置が取付部に対する所定の角度に設定されているので、ケースを他のコンポーネントにボルト締めする際に取付部の反りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態を示すモータの断面図である。
図1のII−II線断面図である。
エンドフレームの圧入部を示す図2のIII−III線断面図である
圧入部の配置角度と取付部の反りとの相関を示すグラフである。
圧入部の好ましい配置角度を示すグラフである。
圧入部の他の配置例を示す図2相当図である。
圧入部のさらに他の配置例を示す図2相当図である。
【0010】
<一実施形態>
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1に示すモータ1は、車両のブレーキ油圧を発生するシステムに用いられる3相ブラシレスモータである。このモータ1は、ブレーキ油圧発生システムを構成する他のコンポーネント7に取り付けられるケース2を備えている。なお、以下の説明中、図1において、他のコンポーネント7が配置される側をモータ1の「上」、反対側を「下」と呼ぶ。
【0011】
ケース2は、軸方向の上端に開放部20を備えた有底筒状に形成されている。ケース2の内側にはステータ3が固定され、ステータ3に巻かれた巻線5がハーネス6を介して他のコンポーネント7の電気制御基板(図示略)に接続される。ステータ3の上側には、複数の巻線5を対応するハーネス6に接続するための配線ホルダ12が配置されている。配線ホルダ12の上には、ハーネス6を一括保持して他のコンポーネント7の内部に導くスリーブ13が設置されている。
【0012】
ステータ3の内側にはロータ4が配置され、ロータ4の中心にシャフト8が固定されている。シャフト8の上端は、上軸受9によりエンドフレーム10を介してケース2の上部に保持されている。シャフト8の下端は、下軸受11を介してケース2の底壁部21に支持されている。そして、巻線5に電源が供給されると、ステータ3とロータ4との間に形成された回転磁界によって、シャフト8が自身の軸線Oを中心軸として回転される。
【0013】
図2、図3に示すように、ケース2の上端外周には、フランジ23がケース2の全周にわたって形成されている。フランジ23には、その全周を略3等分した位置に3つの取付部24がケース2の径外方向へ突出するように形成されている。各取付部24は、他のコンポーネント7に着座する取付面25と、ボルト14が通るボルト穴26とを有し、ボルト14によって他のコンポーネント7に締め付けられる。取付面25は、フランジ23の上面よりも若干高い位置に形成されている。
【0014】
エンドフレーム10は金属板でカップ形(図1参照)に形成され、上端にケース2の開放部20を塞ぐ円板部101を備え、下端に上軸受9を保持する軸受保持部102を備えている。円板部101の外周には、スリーブ13が嵌合するスリット103と、ケース2の内壁面22に圧入される複数の圧入部104とが形成されている。圧入部104は、圧入機の圧力によって図3に示すように塑性変形し、エンドフレーム10の外周から突出した部分においてケース2の内壁面22に圧接されている。
【0015】
所要の圧接力を得るために、各圧入部104の圧入代σは0.1mm以上に設定されている。圧入部104の個数は、スリット103と反対側の取付部24(A)の両側に2つ、取付部24(B)よりスリット103側に1つ、取付部24(C)よりスリット103側に1つ、合計4個である。4個の圧入部104は、ケース2の軸(シャフトの軸線Oと一致)を中心として、それぞれ、対応する取付部24のボルト穴26の中心からケース2の周方向へ同じ角度を離隔した位置に配置されている。
【0016】
図4は、ボルト穴26の中心から圧入部104の中心までの離隔角度と取付部24(A)の変位(反り)量との相関を示している。この図から、離隔角度が約17.5度で取付部24(A)の変位量がゼロとなり、離隔角度が17.5度を下回るほど取付部24(A)がケース2の上方へ大きく変位し、離隔角度が17.5度を上回るほど取付部24(A)がケース2の下方へ大きく変位することが分かる。
【0017】
図5は、4個の圧入部104にそれぞれ0.1mmの圧入代σを設定したときの取付部24(A)の変位量を絶対値で示している。この図から、離隔角度が約10度〜約20度の範囲で変位量が約0.02mm〜約0.05mmと比較的小さな値を示し、離隔角度が20度を上回ると、変位量が急増することが分かる。このため、圧入部104の離隔角度を約10度〜約20度の範囲内に設定することで、取付部24の変位量を小さくすることが可能である。
【0018】
しかし、圧入部104の個数は、4個に限定されず、モータ1の用途またはケース2の大きさなどに応じて増減する。本実施形態では、圧入部104の個数をn(nは2以上の整数)としたとき、ボルト穴26の中心から圧入部104の中心までの離隔角度θ(度)が、次の不等式を満足する値に設定されている。
360/8n<θ<360/4n・・・式1
【0019】
図2に示す例では、n=4であるから、圧入部104の離隔角度θ1を11.25度〜22.5度に設定すれば、取付部24の変位量を図5とほぼ同等の範囲内に抑えることができる。したがって、上記式1を用いて圧入部104の離隔角度を設定することにより、ボルト14に過負荷を作用させず、また、シール材を介在させる場合にシール性を低下させることもなく、ケース2を他のコンポーネント7に取り付けることができる。
【0020】
また、圧入部104の個数は、通常少なくなるほど、1つの圧入部104がケース2の内壁面22を押圧する力が増加し、それに伴って取付部24の変位量も増大する。しかし、図5の実験結果に示すように、4個と比較的少数の圧入部104を設けた場合でも、上記式1より求まる離隔角度θ1(11.25度〜22.5度)を設定することで、実際の変位量を約0.02mm〜約0.05mmの範囲に抑えることができる。
【0021】
圧入代についても上述したと同様のことが云える。通常、圧入代は大きな値を設定するほど、圧入部104が内壁面22を押圧する力が増加し、変位量も増大する。しかし、図5に示すように、圧入代を0.1mmと比較的大きな値に設定した場合でも、離隔角度θ1を設定することで、実際の変位量を約0.02mm〜約0.05mmの範囲に抑えることができる。0.1mmを超える圧入代を設定した場合も、取付部24の反りを図5と同程度に抑えることができると推測される。
【0022】
<他の実施形態>
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
(1)図2に示した一実施形態では、ケース2の3つの取付部24およびボルト穴26がケース軸Oを中心軸とする円周の等角度位置に形成されているが、他の実施形態において、3つまたはそれ以上の取付部の円周上の角度を相違させることも可能である。
【0023】
(2)図2に示した一実施形態では、1つの取付部24(A)に対応する2つの圧入部104がボルト穴26の中心からそれぞれ同じ角度θ1を離れた位置に設けられているが、他の実施形態において、上記式1を満足する範囲で2つの圧入部104の離隔角度を相違させることも可能である。
【0024】
(3)図2に示した一実施形態では、エンドフレーム10に4つの圧入部104が設けられているが、図6に示す他の実施形態では、エンドフレーム10に3つの圧入部104が設けられている。この場合、式1において、n=3であるから、圧入部104の離隔角度θ2は15度〜30度となる。したがって、3つの取付部24にそれぞれ1つの圧入部104をボルト穴26の中心から角度θ2だけ離れた位置に配置すれば、取付部24の反りを抑えることができる。
【0025】
(4)図7に示す他の実施形態では、エンドフレーム10に6つの圧入部104が設けられている。この場合、式1において、n=6であるから、圧入部104の離隔角度θ3は7.5度〜15度となる。したがって、3つの取付部24にそれぞれ2つの圧入部を振り分けて配置すれば、取付部24の反りを抑えることができる。その他、圧入部104の個数は適宜に増減することも可能である。
【0026】
(5)図1に示すモータ1は、ブレーキ油圧発生システムを構成する他のコンポーネント7に取り付けて使用されるが、他のコンポーネントの種類は特に限定されない。他の実施形態において、本発明のモータをバルブタイミング装置、パワーステアリングシステム、アクセル装置など、各種コンポーネントに取り付けて使用することも可能である。
【0027】
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の形状および構成を適宜に変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0028】
1・・・モータ、2・・・ケース、3・・・ステータ、7・・・他のコンポーネント、8・・・シャフト、10・・・エンドフレーム、14・・・ボルト、20・・・開放部、22・・・内壁面、24・・・取付部、26・・・ボルト穴、104・・・圧入部、
θ1,θ2,θ3・・・離隔角度、O…シャフトの軸(ケースの軸)。

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