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公開番号2021166452
公報種別公開特許公報(A)
公開日20211014
出願番号2020069622
出願日20200408
発明の名称モータ制御装置
出願人株式会社ジェイテクト
代理人個人,個人
主分類H02P 29/028 20160101AFI20210917BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】制御部間の通信の異常に対処するために必要な構成を追加するための変更規模を抑えることのできるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】モータ制御装置は、マスター制御部と、スレーブ制御部とを備えている。スレーブ制御部は、マイコン間通信について、異常を検出し、当該異常を検出してから異常を確定するまでの一連の状況を監視する異常監視部62を備えている。そして、スレーブ制御部は、異常監視部62がマイコン間通信の異常を検出してから確定するまでの間、マスター制御部が生成するトルク指令値T*に基づき演算される電流指令値I2*ではなく、マイコン間通信とは異なる経路で得られ、マイコン間通信が正常状態の間に第2の巻線群に対する給電の制御で用いるために確保している情報である実電流値I2を用いて電流指令値I2*を生成するバックアップ制御を実行するようにしている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
モータに設けられた複数の巻線にそれぞれ対応する複数の制御部を備えており、前記複数の制御部間の通信を通じて得られる各種情報を用いた各制御部の制御を通じて各巻線に対する給電を制御するモータ制御装置において、
前記複数の制御部は、各巻線に対する給電を制御するために必要な制御情報として前記モータが発生させるモータトルクを制御するための給電制御指令値を生成するマスター制御部と、当該マスター制御部が生成する前記給電制御指令値を前記制御部間の通信を経路として得られる毎に更新することで最新の前記給電制御指令値に基づき対応する巻線に対する給電を制御するスレーブ制御部とを含み、
前記制御部間の通信について、異常を検出し、当該異常を検出してから所定の条件を満たすことを契機として異常を確定するまでの一連の状況を監視する異常監視部を備え、
前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間、前記制御部間の通信を経路として得られる毎に更新される前記給電制御指令値ではなく、前記制御部間の通信とは異なる経路で得られ、前記制御部間の通信の異常が検出されていない正常状態の間に前記巻線に対する給電の制御で用いるために確保している情報を用いて前記給電制御指令値を生成し、当該給電制御指令値をホールドするバックアップ制御を実行するように構成されている
ことを特徴とするモータ制御装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間、前記制御部間の通信が正常状態の間に前記巻線に対する給電の制御で用いるために確保している情報として、対応する前記巻線に流れている電流値である実電流値を用いる請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間、前記制御部間の通信が正常状態の間に前記巻線に対する給電の制御で用いるために確保している情報として、ゼロ値を用いる請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記マスター制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間であって、前記スレーブ制御部が前記バックアップ制御を実行している間、前記給電制御指令値として、前記異常監視部が前記制御部間の通信が正常状態の場合と比較して対応する巻線に対する給電量を増加させるように制御する請求項3に記載のモータ制御装置。
【請求項5】
前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信が正常状態と判定する間、前記マスター制御部が生成する前記給電制御指令値に対応する情報として、当該マスター制御部と同一手法のもとでスレーブ側給電制御指令値を生成するように構成されており、
前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間、前記制御部間の通信が正常状態の間に前記巻線に対する給電の制御で用いるために確保している情報として、前記スレーブ側給電制御指令値を用いる請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項6】
前記給電制御指令値は、前記給電のために前記巻線に流れている電流値である実電流値をフィードバック制御するための電流指令値と、当該電流指令値を生成するために前記マスター制御部が生成するトルク指令値とのことである請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項7】
前記給電制御指令値は、前記給電のために前記巻線に流れている電流値である実電流値をフィードバック制御するための電流指令値を生成するためのトルク指令値である請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項8】
前記給電制御指令値は、前記給電のために前記巻線に流れている電流値である実電流値をフィードバック制御するための電流指令値である請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のモータ制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御装置に関する。
続きを表示(約 5,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、車両の操舵機構に付与されるアシストトルクの発生源であるモータの駆動を制御する制御装置が知られている。例えば、特許文献1の制御装置は、2系統の巻線に対する給電を制御する。制御装置は、2系統の巻線にそれぞれ対応する2組の制御部を有している。
【0003】
特許文献1の制御装置は、制御部間の通信を通じて得られる各種情報を用いた各制御部の制御を通じて各系統の巻線に対する給電を制御するようにしている。この場合、各制御部は、制御部間の通信線の断線や、ノイズ重畳による信号のビット化け等による、制御部間の通信の異常に対処するべく、当該通信の異常が検出されていないときに、他の制御部から通信にて取得される値をホールド値として保持しておくようにしている。そして、実際に通信の異常を検出してから確定させるまでの間、各制御部がホールド値を用いた制御を実行することで、誤った情報を用いた制御が行われるのを防ぐようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/088465号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の制御装置では、制御部間の通信の異常に対処するべく保持しておくホールド値の取得に先立って、制御部間の通信の異常の影響でホールド値が異常な内容に更新等されて書き換えられることがないように隔離するべく、専用の記憶領域を個別に確保しておくことが必須である。
【0006】
本発明の目的は、制御部間の通信の異常に対処するために必要な構成を追加するための変更規模を抑えることのできるモータ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するモータ制御装置は、モータに設けられた複数の巻線にそれぞれ対応する複数の制御部を備えており、前記複数の制御部間の通信を通じて得られる各種情報を用いた各制御部の制御を通じて各巻線に対する給電を制御するモータ制御装置において、前記複数の制御部は、各巻線に対する給電を制御するために必要な制御情報として前記モータが発生させるモータトルクを制御するための給電制御指令値を生成するマスター制御部と、当該マスター制御部が生成する前記給電制御指令値を前記制御部間の通信を経路として得られる毎に更新することで最新の前記給電制御指令値に基づき対応する巻線に対する給電を制御するスレーブ制御部とを含み、前記制御部間の通信について、異常を検出し、当該異常を検出してから所定の条件を満たすことを契機として異常を確定するまでの一連の状況を監視する異常監視部を備え、前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間、前記制御部間の通信を経路として得られる毎に更新される前記給電制御指令値ではなく、前記制御部間の通信とは異なる経路で得られ、前記制御部間の通信の異常が検出されていない正常状態の間に前記巻線に対する給電の制御で用いるために確保している情報を用いて前記給電制御指令値を生成し、当該給電制御指令値をホールドするバックアップ制御を実行するようにしている。
【0008】
上記構成によれば、スレーブ制御部がバックアップ制御の実行で用いる給電制御指令値は、スレーブ制御部が制御部間の通信とは異なる経路で得られる情報を用いて生成されるので、制御部間の通信の異常が検出されている状況であっても、当該異常の影響を受けて異常となっている可能性が低いと言える。つまり、スレーブ制御部が制御部間の通信とは異なる経路で得る情報は、制御部間の通信の異常が検出されているなかで仮に更新されて書き換えられたとしても問題を生じさせるものではないと言える。これにより、スレーブ制御部がバックアップ制御を実行する際の給電制御指令値を生成するための情報の確保のために正常動作時から用いられている記憶領域の他、当該確保に先立って情報を隔離等するための専用の記憶領域を個別に確保しておくことが必須ではなくなる。したがって、制御部間の通信の異常に対処するために必要な構成を追加するための変更規模を抑えることができる。
【0009】
上記モータ制御装置において、前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間、前記制御部間の通信が正常状態の間に前記巻線に対する給電の制御で用いるために確保している情報として、対応する前記巻線に流れている電流値である実電流値を用いることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、スレーブ制御部がバックアップ制御を実行するように切り替わる際に、スレーブ制御部に対応する巻線に対する給電の急変を抑えることができ、モータトルクの急変を抑えることができる。
【0011】
また、上記モータ制御装置において、前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間、前記制御部間の通信が正常状態の間に前記巻線に対する給電の制御で用いるために確保している情報として、ゼロ値を用いることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、スレーブ制御部がバックアップ制御を実行する間、スレーブ制御部に対応する巻線に対する給電を停止させることができ、モータトルクが異常になることを抑えることができる。
【0013】
この場合、モータトルクが異常になることを抑えることができる一方で、モータトルクが足りなくなるという事態が発生する可能性がある。
そこで、上記モータ制御装置において、前記マスター制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間であって、前記スレーブ制御部が前記バックアップ制御を実行している間、前記給電制御指令値として、前記異常監視部が前記制御部間の通信が正常状態の場合と比較して対応する巻線に対する給電量を増加させるように制御することが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、スレーブ制御部がバックアップ制御を実行する間、スレーブ制御部に対応する巻線に対する給電を停止させることを前提とすれば、モータトルクが異常になることを抑えることができるとともに、モータトルクが足りなくなるという事態の発生を抑えることができる。
【0015】
また、上記モータ制御装置において、前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信が正常状態と判定する間、前記マスター制御部が生成する前記給電制御指令値に対応する情報として、当該マスター制御部と同一手法のもとでスレーブ側給電制御指令値を生成するように構成されており、前記スレーブ制御部は、前記異常監視部が前記制御部間の通信の異常を検出してから確定するまでの間、前記制御部間の通信が正常状態の間に前記巻線に対する給電の制御で用いるために確保している情報として、前記スレーブ側給電制御指令値を用いることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、スレーブ制御部がバックアップ制御を実行するように切り替わる際に、スレーブ制御部に対応する巻線に対する給電の急変を抑えることができ、モータトルクの急変を抑えることができる。
【0017】
また、上記給電制御指令値は、前記給電のために前記巻線に流れている電流値である実電流値をフィードバック制御するための電流指令値と、当該電流指令値を生成するために前記マスター制御部が生成するトルク指令値とで具体化したり、前記給電のために前記巻線に流れている電流値である実電流値をフィードバック制御するための電流指令値を生成するためのトルク指令値で具体化したり、前記給電のために前記巻線に流れている電流値である実電流値をフィードバック制御するための電流指令値で具体化したりできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の操舵制御装置によれば、制御部間の通信の異常に対処するために必要な構成を追加するための変更規模を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
モータ制御装置の概略構成図。
モータ制御装置について第1実施形態の各マイクロコンピュータの機能を示すブロック図。
第2実施形態の各マイクロコンピュータの機能を示すブロック図。
第3実施形態の各マイクロコンピュータの機能を示すブロック図。
第4実施形態の各マイクロコンピュータの機能を示すブロック図。
第5実施形態の第2のマイクロコンピュータの機能としてガード処理部を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、モータ制御装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、モータ制御装置11は、モータ12の駆動を制御する。なお、モータ制御装置11は、モータ12の駆動を制御することによって、例えば、車両の操舵機構にモータトルクを付与し、運転者のステアリング操作を補助するパワステ制御等を実行する制御ユニットである。
【0021】
モータ12は、三相のブラシレスモータである。モータ12は、ロータ13、第1の巻線群14、第2の巻線群15、第1の回転角センサ16、及び第2の回転角センサ17を備えている。第1の巻線群14及び第2の巻線群15は、それぞれU相コイル、V相コイル、及びW相コイルを備えている。第1の回転角センサ16及び第2の回転角センサ17は、モータ12が備えるロータ13の回転角θm1,θm2を検出する。
【0022】
モータ制御装置11と、モータ12、すなわち第1の巻線群14及び第2の巻線群15との間は、バスバーあるいはケーブルなどによって互いに接続されている。モータ制御装置11は、第1の巻線群14及び第2の巻線群15に対する給電を系統毎に制御する。モータ制御装置11は、第1の巻線群14に対する給電を制御する第1の制御部であるマスター制御部20及び第2の巻線群15に対する給電を制御する第2の制御部であるスレーブ制御部30を有している。
【0023】
マスター制御部20は、制御回路としての第1のマイクロコンピュータ(以下、「第1のマイコン」という。)21、第1のインバータ回路22、及び第1の電流センサを有している。
【0024】
第1のマイコン21には、第1の回転角センサ16と、第1の電流センサ23と、車速センサ40と、第1のトルクセンサ41とが接続されている。第1の電流センサ23は、第1の巻線群14に流れている電流値である実電流値I1を検出する。なお、実電流値I1は、第1のインバータ回路22と、第1の巻線群14との間の給電経路に生じる各相の電流値として検出される。図1では、説明の便宜上、各相の接続線及び各相の電流センサをそれぞれ1つにまとめて図示している。車速センサ40は、車両の走行速度である車速を示す値である車速値Vを検出する。第1のトルクセンサ41は、運転者のステアリング操作により操舵機構に付与されたトルクを示す値である操舵トルクTh1を検出する。
【0025】
第1のマイコン21は、第1のインバータ回路22に対するPWM信号としての指令信号S1を生成する。第1のマイコン21は、回転角θm1と、実電流値I1とを使用して第1の巻線群14に対する給電を制御する。
【0026】
第1のインバータ回路22は、PWM方式の三相インバータであって、第1のマイコン21により生成される指令信号S1に基づいて各相のスイッチング素子がスイッチングすることにより、直流電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。第1のインバータ回路22を通じて指令信号S1に応じた電流が第1の巻線群14に供給される。
【0027】
スレーブ制御部30は、基本的にマスター制御部20と同様の構成を有している。すなわち、スレーブ制御部30は、制御回路としての第2のマイクロコンピュータ(以下、「第2のマイコン」という。)31、第2のインバータ回路32、及び第2の電流センサを有している。
【0028】
第2のマイコン31には、第2の回転角センサ17と、第2の電流センサ33と、車速センサ40と、第2のトルクセンサ42とが接続されている。第2の電流センサ33は、第2の巻線群15に流れている電流値である実電流値I2を検出する。なお、実電流値I2は、第2のインバータ回路32と、第2の巻線群15との間の給電経路に生じる各相の電流値として検出される。図1では、説明の便宜上、各相の接続線及び各相の電流センサをそれぞれ1つにまとめて図示している。第2のトルクセンサ42は、運転者のステアリング操作により操舵機構に付与されたトルクを示す値である操舵トルクTh2を検出する。
【0029】
第2のマイコン31は、第2のインバータ回路32に対するPWM信号としての指令信号S2を生成する。第2のマイコン31は、回転角θm2と、実電流値I2とを使用して第2の巻線群15に対する給電を制御する。
【0030】
第2のインバータ回路32は、PWM方式の三相インバータであって、第2のマイコン31により生成される指令信号S2に基づいて各相のスイッチング素子がスイッチングすることにより、直流電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。第2のインバータ回路32を通じて指令信号S2に応じた電流が第2の巻線群15に供給される。
(【0031】以降は省略されています)

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