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公開番号2021166450
公報種別公開特許公報(A)
公開日20211014
出願番号2020069589
出願日20200408
発明の名称ブラシレスモータ及びブラシレスモータ制御方法
出願人株式会社ミツバ
代理人個人
主分類H02K 3/12 20060101AFI20210917BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】2系統の界磁巻線を備えた(10P12S)×n又は(14P12S)×n構成のブラシレスモータにおいて振動や作動音を抑制する。
【解決手段】ブラシレスモータ1はステータ2とロータ3を有し、ステータ2は12×n個のティース5と複数相のコイル7とを備え、ロータ3は10×n個又は14×n個のマグネット12を備える。コイル7は2系統の界磁巻線A,Bを形成する。同一相を形成するコイル7をグループ化し、コイル7を電気角にて隣接又は重複する位置に設定する。また、前記位置のコイル7が巻装されたティース5を電気角に対応した機械角にてステータ2に配置する。そして、コイル7を2系統に分割し、この2系統の界磁巻線に対し、所定の位相差にて通電を行う。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ステータと、前記ステータの径方向内側に配置されたロータと、を有し、
前記ステータは、12×n個のティースと、該ティースに集中巻にて巻装された複数相のコイルと、を備え、
前記ロータは、10×n個又は14×n個のマグネットを備え、
前記コイルは、別系統として通電される2系統の界磁巻線を形成してなるブラシレスモータであって(nは正の整数)、
同一相を形成する前記コイルをグループ化し、該コイルを電気角にて隣接又は重複する位置に設定し、
該位置の前記コイルが巻装された前記ティースを、前記電気角に対応した機械角にて前記ステータに配置し、
前記コイルを前記2系統に分割すると共に、前記2系統の前記界磁巻線は、所定の位相差にて通電されることを特徴とするブラシレスモータ。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1記載のブラシレスモータにおいて、
前記ステータは12個のティースを備え、前記ロータは10個又は14個のマグネットを備え、前記コイルには3相の電流が通電され、
前記ティースは、隣接する4個ずつを1つのグループとして同相の前記コイルが巻装され、
同相内の4つの前記ティースの前記コイルは、隣接する2個ずつが前記界磁巻線の各系統に属し、
2系統の前記界磁巻線には60°の位相差にて通電が行われることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項3】
請求項1記載のブラシレスモータにおいて、
前記ステータは12個のティースを備え、前記ロータは10個又は14個のマグネットを備え、前記コイルには3相の電流が通電され、
前記ティースは、隣接する該ティース同士が異相となるように前記コイルが巻装され、
それぞれ異なる相に属する隣接する3つの前記ティースを1つのグループとしたとき、前記グループ内の隣接する2つの前記ティースの前記コイルは、前記2系統の前記界磁巻線のうちの一方の系統に属し、前記グループ内の残りの1個の前記ティースの前記コイルは前記2系統のうちの他方の系統に属し、
2系統の前記界磁巻線には60°の位相差にて通電が行われることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項4】
請求項1記載のブラシレスモータにおいて、
前記ステータは12個のティースを備え、前記ロータは10個又は14個のマグネットを備え、前記コイルには3相の電流が通電され、
前記ティースは、隣接する3個ずつを1つのグループとして同相の前記コイルが巻装され、隣接する前記グループの間に配された1個の前記ティースには、両側の前記グループとは異相の前記コイルが巻装され、
前記グループ内の前記ティースの前記コイルは、隣接する2個が前記2系統の前記界磁巻線のうちの一方の系統に属し、前記グループ内の残りの1個と他相の前記グループの間に配された1個の前記ティースの前記コイルは前記2系統のうちの他方の系統に属し、
2系統の前記界磁巻線には30°の位相差にて通電が行われることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項5】
ステータと、前記ステータの径方向内側に配置されたロータと、を有し、
前記ステータは、12×n個のティースと、該ティースに集中巻にて巻装された複数相のコイルと、を備え、
前記ロータは、10×n個又は14×n個のマグネットを備え、
前記コイルは、別系統として通電される2系統の界磁巻線を形成してなるブラシレスモータの制御方法であって(nは正の整数)、
同一相を形成する前記コイルをグループ化し、該コイルを電気角にて隣接又は重複する位置に設定し、
該位置の前記コイルが巻装された前記ティースを、前記電気角に対応した機械角にて前記ステータに配置し、
前記コイルを前記2系統に分割し、
前記2系統の前記界磁巻線に対し、所定の位相差にて通電を行うことを特徴とするブラシレスモータ制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2系統の界磁巻線を備えたブラシレスモータに関し、特に、12×n個のティースに対し、10×n個又は14×n個のマグネットを配したブラシレスモータに関する。
続きを表示(約 8,900 文字)【背景技術】
【0002】
電動パワーステアリング用モータ等の車両用モータでは、小型高出力に加え、低トルクリップルや低コギング等の性能が求められている。このため、車両用モータにおいては、それらの達成手段の1つとして、従来より、モータを10極12スロットや14極12スロット構成とすることが行われている。また、自動車用等の車両用モータには、上記の性能のみならず高い安全性が求められている。そこで、かかるモータでは、従来は1系統のみであった機能を独立した多重系統とすることにより、ある系統が失陥しても、他の系統で機能を継続させる冗長性が重要になってきている。
【0003】
図14は、従来の車両用(電動パワーステアリング装置用)モータの構成を示す説明図である。図14のブラシレスモータ51は、ステータ52と、ステータ52内に回転自在に配されたロータ53を備えている。ロータ53には、10個のマグネット54が取り付けられている。また、ステータ52には、径方向に沿ってティース55が突設されており、ブラシレスモータ51は、10極12スロット(以下、磁極数をP、スロット数をSとし、10P12Sのように略記する)構成となっている。各ティース55には、U,V,Wの3相の界磁巻線を形成するコイル56が巻装されている。
【0004】
ブラシレスモータ51では、界磁巻線は2系統(A,B)に分かれて配されており、コイル56も各系統ごとに各相のものが設けられている(56AU:A系統・U相,56BU:B系統・U相など)。図中において、負記号(マイナス)のコイル56は、同系統・同相の記号なしのコイル56に対し、ティース55への巻回方向が逆方向になっていることを示している。このようなブラシレスモータ51では、A,B両系統の各相のコイル56が順次通電されることにより、マグネット54が励磁されたティース55に引き付けられ、ロータ53が回転する。その際、コイル56は異なる2つ系統からなるため、仮に一方の系統が故障した場合でも、他系統のコイルによりモータの動作は確保されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005−237068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図14のような構成のブラシレスモータの場合、機械角で180°対向する隣接した2つのティース同士が同じ相となる。すなわち、例えば、図14におけるコイル56AU,−56AU、コイル56BU,−56BU(図中で破線で囲んだ組み合わせ)が巻装されたティース55が同じ相になる。このため、コイル通電時に矢示方向の電磁加振力が加わり、ステータ52が円環2次の振動モードで楕円状に変形し、振動や騒音の一因となるという問題があった。特に、それがモータの固有振動数と共振した場合、大きな振動が発生してしまう可能性があった。
【0007】
本発明の目的は、12×n個のティースに対し10×n個又は14×n個のマグネットを配したブラシレスモータにおける電磁加振力を低減させ、当該モータの振動や作動音を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のブラシレスモータは、ステータと、前記ステータの径方向内側に配置されたロータと、を有し、前記ステータは、12×n個のティースと、該ティースに集中巻にて巻装された複数相のコイルと、を備え、前記ロータは、10×n個又は14×n個のマグネットを備え、前記コイルは、別系統として通電される2系統の界磁巻線を形成してなるブラシレスモータであって(nは正の整数)、同一相を形成する前記コイルをグループ化し、該コイルを電気角にて隣接又は重複する位置に設定し、該位置の前記コイルが巻装された前記ティースを、前記電気角に対応した機械角にて前記ステータに配置し、前記コイルを前記2系統に分割すると共に、前記2系統の前記界磁巻線は、所定の位相差にて通電されることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、2系統の界磁巻線を備えた(10P12S)×n又は(14P12S)×n構成のブラシレスモータにおいて、電気角にて隣接又は重複する形で同相のコイルを配置しつつ、該コイルが巻装されたティースを電気角に対応した機械角にて配置する。これにより、機械角で180°対向する隣接2ティースが同相にならないようにティースが配設される。また、かかるティース配置を採用しつつ、2系統の同相コイルに対し所定の位相差にて通電を行い、同相の異なる系統のコイルによってティースに生じる誘起電圧のベクトルの角度差を補う。
【0010】
前記ブラシレスモータにおいて、前記ステータは12個のティースを備え、前記ロータは10個又は14個のマグネットを備え、前記コイルには3相の電流が通電され、前記ティースは、隣接する4個ずつを1つのグループとして同相の前記コイルが巻装され、同相内の4つの前記ティースの前記コイルは、隣接する2個ずつが前記界磁巻線の各系統に属し、2系統の前記界磁巻線には60°の位相差にて通電が行われるようにしても良い。
【0011】
また、前記ブラシレスモータにおいて、前記ステータは12個のティースを備え、前記ロータは10個又は14個のマグネットを備え、前記コイルには3相の電流が通電され、前記ティースは、隣接する該ティース同士が異相となるように前記コイルが巻装され、それぞれ異なる相に属する隣接する3つの前記ティースを1つのグループとしたとき、前記グループ内の隣接する2つの前記ティースの前記コイルは、前記2系統の前記界磁巻線のうちの一方の系統に属し、前記グループ内の残りの1個の前記ティースの前記コイルは前記2系統のうちの他方の系統に属し、2系統の前記界磁巻線には60°の位相差にて通電が行われるようにしても良い。
【0012】
さらに、前記ブラシレスモータにおいて、前記ステータは12個のティースを備え、前記ロータは10個又は14個のマグネットを備え、前記コイルには3相の電流が通電され、前記ティースは、隣接する3個ずつを1つのグループとして同相の前記コイルが巻装され、隣接する前記グループの間に配された1個の前記ティースには、両側の前記グループとは異相の前記コイルが巻装され、前記グループ内の前記ティースの前記コイルは、隣接する2個が前記2系統の前記界磁巻線のうちの一方の系統に属し、前記グループ内の残りの1個と他相の前記グループの間に配された1個の前記ティースの前記コイルは前記2系統のうちの他方の系統に属し、2系統の前記界磁巻線には30°の位相差にて通電が行われるようにしても良い。
【0013】
一方、本発明のブラシレスモータ制御方法は、ステータと、前記ステータの径方向内側に配置されたロータと、を有し、前記ステータは、12×n個のティースと、該ティースに集中巻にて巻装された複数相のコイルと、を備え、前記ロータは、10×n個又は14×n個のマグネットを備え、前記コイルは、別系統として通電される2系統の界磁巻線を形成してなるブラシレスモータの制御方法であって(nは正の整数)、同一相を形成する前記コイルをグループ化し、該コイルを電気角にて隣接又は重複する位置に設定し、該位置の前記コイルが巻装された前記ティースを、前記電気角に対応した機械角にて前記ステータに配置し、前記コイルを前記2系統に分割し、前記2系統の前記界磁巻線に対し、所定の位相差にて通電を行うことを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、2系統の界磁巻線を備えた(10P12S)×n又は(14P12S)×n構成のブラシレスモータにおいて、電気角にて隣接又は重複する形で同相のコイルを配置しつつ、該コイルが巻装されたティースを電気角に対応した機械角にて配置する。これにより、機械角で180°対向する隣接2ティースが同相にならないようにティースが配設される。また、かかるティース配置を採用しつつ、2系統の同相コイルに対し所定の位相差にて通電を行い、同相の異なる系統のコイルによってティースに生じる誘起電圧のベクトルの角度差を補う。
【発明の効果】
【0015】
本発明のブラシレスモータによれば、2系統の界磁巻線を備えた(10P12S)×n又は(14P12S)×n構成のブラシレスモータにおいて、電気角にて隣接又は重複する形で同相のコイルを配置しつつ、該コイルが巻装されたティースを電気角に対応した機械角にて配置し、2系統の同相コイルに対し所定の位相差にて通電を行うようにしたので、機械角で180°対向する隣接2ティースが同相にならないようにティースが配設され、さらに、同相の異なる系統のコイルによってティースに生じる誘起電圧のベクトルの角度差を補う形で通電を行うことが可能となる。このため、機械角で180°対向するティースが同時には励磁されることがなく、コイル通電時に径方向の電磁加振力が加わらず、モータの振動や騒音を抑えることが可能となる。
【0016】
また、本発明のブラシレスモータ制御方法によれば、2系統の界磁巻線を備えた(10P12S)×n又は(14P12S)×n構成のブラシレスモータにおいて、電気角にて隣接又は重複する形で同相のコイルを配置しつつ、該コイルが巻装されたティースを電気角に対応した機械角にて配置し、2系統の同相コイルに対し所定の位相差にて通電を行うようにしたので、機械角で180°対向する隣接2ティースが同相にならないようにティースが配設され、さらに、同相の異なる系統のコイルによってティースに生じる誘起電圧のベクトルの角度差を補う形で通電を行うことが可能となる。このため、機械角で180°対向するティースが同時には励磁されることがなく、コイル通電時に径方向の電磁加振力が加わらず、モータの振動や騒音を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施の形態1であるブラシレスモータの構成を示す説明図である。
10P12S構成のブラシレスモータにおける相配置を示す説明図である。
本発明の実施の形態1であるブラシレスモータにおける相配置を示す説明図である。
図1のブラシレスモータにおけるU相の誘起電圧ベクトルを示す説明図である。
ロータ回転角とトルクとの関係を従来のモータと本発明によるモータにて比較した説明図である。
平均トルクとトルクリップルについて従来のモータと本発明によるモータを比較した説明図である。
従来のモータと本発明によるモータの電磁力による加振周波数応答解析結果を示す説明図であり、回転次数と加速度振幅の関係を示している。
図7の結果から10次、50次、70次、71次の成分を取りだして比較した説明図である。
(a),(b)は本発明の実施の形態2であるブラシレスモータにおける相配置を示す説明図、(c)は該ブラシレスモータの構成を示す説明図である。
図9のブラシレスモータにおけるU相の誘起電圧ベクトルを示す説明図である。
(a),(b)は本発明の実施の形態3であるブラシレスモータにおける相配置を示す説明図、(c)は該ブラシレスモータの構成を示す説明図である。
図11のブラシレスモータにおけるU相の誘起電圧ベクトルを示す説明図である。
14P12Sのブラシレスモータに本発明を適用した場合の相配置の一例を示す説明図であり、(a)は実施の形態1、(b)は実施の形態2、(c)は実施の形態3にそれぞれ対応した配置である。
従来の車両用ブラシレスモータの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態1であるブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)の構成を示す説明図である。図1に示すように、モータ1は、図14のモータ51と同様に、ステータ(固定子)2の内部にロータ(回転子)3を回転自在に配したインナーロータ型の構成となっており、例えば電動パワーステアリング装置の駆動源として使用される。
【0019】
ステータ2は、鉄等にて形成された有底円筒形状のモータケース4の内側に、圧入や接着剤等の固定手段により固定されている。ステータ2は、ティース5を備えたステータコア6と、ティース5に集中巻にて巻装されたコイル7と、を有している。ステータコア6は、電磁鋼板等の薄板材を積層して形成されており、複数個(本実施形態においては12個)のティース5が径方向内側に向かって突設されている。隣接するティース5の間にはスロット8が形成されており、ステータ2は12スロット構成となっている。
【0020】
モータ1においても、コイル7によりU,V,Wの3相の界磁巻線が形成される。図14のモータ51と同様に、モータ1の界磁巻線も並列の2系統(A,B)に分かれて配されており、各コイル7は、別系統として通電される2系統の界磁巻線を形成している。そして、コイル7も各通電系統ごとに各相のものが設けられている(7AU:A系統・U相,7BU:B系統・U相など)。
【0021】
ステータ2の内側にはロータ3が挿入されている。ロータ3は、ロータシャフト(回転軸)9を有しており、図示しないベアリングによって回転自在に軸支されている。ロータ3は、磁性体にて形成された円柱状のロータコア11と、ロータコア11の外周に周方向に沿って等間隔に配設された複数個のマグネット12と、を備えている。ロータコア11もまた電磁鋼板等の薄板材を積層して形成されており、ロータシャフト9の外周に固定されている。マグネット12は略直方体状の永久磁石であり、径方向に沿って着磁され、隣接するマグネット12の極性が互いに異なるように配されている。マグネット12は、ここでは10個設けられており、ロータ3は10極構成となっている。マグネット12の外側には、飛散防止用のカバー13が取り付けられている。
【0022】
ここで、モータ1では、隣接するティース5間の機械角は、360°/12=30°となる。一方、モータ1は10極構成であることから極対数は5となり、隣接するティース5間の電気角は、5(極対数)×30°(機械角)=150°となる。すなわち、図2(a)のように各ティース5に(1)〜(12)の番号を付したとき、例えば、(1)番のティース5aと(2)番のティース5bは、機械角では30°、電気角では150°の関係にあることになる。そこで、各コイル7に生じる誘起電圧を考え、それを円の中心から径方向外側に延びる矢印(ベクトル)で示すと、図2(b)に示すように、(1)番のティース5aを基準とした場合、そこから150°おきに(2)番、(3)番・・・という形で各ベクトルが配列される。
【0023】
次に、図2(b)のベクトルを各位相ごとに分け、対向する一方側のグループのコイル7を逆方向に巻くと、逆巻きのコイル7が巻装されたティース5のベクトルは、図2(b)のベクトルとは逆方向を向く。このベクトルに負(−:マイナス)の記号を付してまとめたものが図2(c)であり、(7),(12),(3),(8),(4),(11)のベクトルを逆向きとし、それらを移動させて記載している。図2(c)では、120°位相を有するベクトル2方向が3グループ(U,V,W)にまとめられ、この形で巻線を設定すると、図14のように機械角で180°対向した隣接2ティースが同じ相となる界磁巻線が形成される。
【0024】
ところが、図14のような巻線形態を採用すると、前述のように、コイル通電時に対向方向の電磁加振力が加わり、振動や騒音の一因となるという問題がある。これに対し、本発明によるモータ1では、図3(a)に示すように、120°位相を有するベクトル4方向を3グループとする。図3(a),(b)はモータ1における相配置過程を示す説明図、(c)はモータ1の相配置を示す説明図である。ここでは、図2(b)のベクトルから、(1),(3),(5),(7),(9),(11)のベクトルをマイナスとし、隣接する4ベクトルを1グループとする。これを各相に割り付けてティース5に配置すると図3(b)のような形となり、さらに、それを2系統巻線(A,B)とすると、各ティース5、コイル7は図3(c)のような相配置となる。
【0025】
この場合、ティース5は、隣接する4個ずつを1つのグループとして同相のコイル7が巻装される。また、同相内の4つのティース5に巻装されたコイル7は、隣接する2個ずつが2系統の各系統に属している。すなわち、図3(c)に示すように、例えば(5)〜(8)番のティース5e〜5hは1つのグループを形成し、U相のコイル7AU,7BUが巻装される。その際、U相内の隣接する2個ずつのティース5g,5hとティース5e,5fには、それぞれ異なる系統A,Bに属するコイル7AU,7BUが巻装される。
【0026】
図3(c)から明らかなように、このような巻線構成を採用することにより、モータ1では、機械角で180°対向する隣接2ティースが同相にならない相配置となる。このため、コイル通電時に径方向の電磁加振力が加わり、ステータ2が円環2次の振動モードで楕円状に変形することがなく、モータの振動や騒音を抑えることが可能となる。また、12スロット構造の分割コアモータでは、通常、各分割コアのコイルとバスバー(図示せず)との結線の際に24ヶ所で溶接を行う必要があるが、モータ1のコイル配置は図3(c)のように、同相の2セグメントがペアになる。その結果、2セグメントを連続して巻線を施したユニットを用いることができ、溶接箇所を削減したり、バスバーの層数を減らしモータを軸短化したりするこが可能となる。
【0027】
一方、図3(c)のような巻線構成では、各相のベクトルはA,B2系統間で60°ずれた形となる。図4は、U相の誘起電圧ベクトルを示す説明図である。図4に示すように、U相では、A系統に(8)と−(7)の合成ベクトルVuaが生じ、B系統に(6)と−(5)の合成ベクトルVubが生じ、これらの合成ベクトルVua,Vubの間の角度は60°となる。
【0028】
そこで、本発明によるモータ1では、両ベクトルの発生タイミングに合わせ、2系統の巻線(A,B)に対し、ベクトルの角度差と同じ60°の位相差にて通電を行う。これにより、各相は2系統の巻線がスムーズに順次励磁される。その際、モータ1においては、各相のティース5は、図3(c)から分かるように、同相のものが隣接しており、180°対向する隣接する2ティースが同じ相となることがない。このため、図14の構成のように、コイル通電時に対向方向の電磁加振力が加わらず、振動や騒音の発生が抑えられる。
【0029】
図5は、ロータ回転角とトルクとの関係を従来のモータ(図14)と本発明によるモータにて比較した説明図、図6は、平均トルクとトルクリップルについてそれらを比較した説明図である。また、図7は、従来のモータ(図14)と本発明によるモータの電磁力による加振周波数応答解析結果を示す説明図であり、回転次数と加速度振幅の関係を示している。さらに、図8は、図7の結果から10次、50次、70次、71次の成分を取りだして比較した説明図である。この場合、図5,6は、ステータ外径56mm、ロータ外径28.5mm、マグネット;Nd-Fe-B焼結磁石、ステータ軸長35mm、巻線仕様:φ1.0mm×20ターン(2直列Y結線の2系統)、相電流14.1Arms(id=0A)の条件下での結果である。また、図7,8は、回転数1725rpm、相電流14.1Arms、測定点:ティース中央外側・ステータコア積厚中心・拘束なしのフリー状態での結果である。なお、図5〜8には、後述する実施の形態2,3の場合の結果も併せて記載されており、(a)は実施の形態1の場合、(b)は実施の形態2の場合、(c)は実施の形態3の場合、(p)は従来のモータの場合をそれぞれ示している。
【0030】
図5,6に示すように、トルクやトルクリップルに関しては、トルクリップルはモータ1の方が若干低いものの、両者とも従来のモータと当該モータ1はほぼ同等であった(図5においては、当該モータと従来のモータとほとんど同じであり、グラフ上では区別できない)。次に、加速度振幅に関しては、図7,8に示すように、モータ1は、50次、71次の加速度振幅が従来よりも小さい。特に、71次は大幅に低減されており、ステータの共振が小さく抑えられている。図7,8の加速度振幅は、モータ振動の代替特性とも言え、その解析結果から、モータ1は、振動や作動音が従来のモータよりも低減されることが分かる。
(【0031】以降は省略されています)

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