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公開番号2021161954
公報種別公開特許公報(A)
公開日20211011
出願番号2020065200
出願日20200331
発明の名称圧縮機
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F04C 18/344 20060101AFI20210913BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】固定体面に平坦面を有しつつもベーンの振動を抑制できる圧縮機を提供すること。
【解決手段】フロント固定体90のフロントカム面103は、第1角度位置θ1と第1変曲角度位置θM1との間に、正の加速度を生じさせるフロント凹面103aを有するとともに、第2角度位置θ2と第2変曲角度位置θM2との間に、負の加速度を生じさせるフロント凸面103bと、を有している。また、フロントカム面103は、第1変曲角度位置θM1と第2変曲角度位置θM2との間に加速度をゼロとするフロント傾斜面104を有している。フロント固定体面100には、第1フロント平坦面101、フロント凹面103a、フロント傾斜面104、フロント凸面103b、及び第2フロント平坦面102が、上記順序で周方向に連続して配置されている。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸線を中心に一定の回転速度で回転するものであって、前記回転軸線に対して交差している回転体面を有する回転体と、
回転しないものであって、前記回転体面と前記回転軸線の延びる軸方向に対向する固定体面を有する固定体と、
前記回転体の周方向へ120°ずれた位置に形成された3つのベーン溝に挿入され、前記回転体の回転に伴って前記軸方向に移動しながら回転する3枚のベーンと、を備え、
前記固定体面は、
前記軸方向と交差するとともに前記回転体の周方向に180°ずれた位置にある一対の平坦面と、
前記一対の前記平坦面を繋ぐ一対のカム面と、を備え、
前記固定体面における周方向位置を角度位置とすると、
一方の前記平坦面における前記周方向の中間の角度位置を第1中間角度位置とし、
他方の前記平坦面における前記周方向の中間の角度位置を第2中間角度位置とし、
各カム面と一方の平坦面の境界部分の角度位置を第1角度位置とし、
各カム面と他方の平坦面との境界部分の角度位置を第2角度位置とし、
前記第1中間角度位置から60°ずれた角度位置を第3角度位置とし、
前記第1中間角度位置から120°ずれた角度位置を第4角度位置とし、
前記第3角度位置から前記第1中間角度位置側へ前記第1角度位置の角度ずれた角度位置を第1変曲角度位置とし、
前記第4角度位置から前記第2中間角度位置側へ前記第1角度位置の角度ずれた角度位置を第2変曲角度位置とし、
前記第2角度位置から前記第2中間角度位置側へ前記第1角度位置の角度ずれた角度位置が前記第2中間角度位置となり、
前記ベーンが前記軸方向へ移動するときの速度変化を前記ベーンの加速度とし、前記回転体面に対し相対的に前記ベーンが前記固定体面に近づく正方向へ移動するときの前記速度変化を正の加速度とし、前記回転体面に対し相対的に前記ベーンが前記固定体面から離れる負方向へ移動するときの前記速度変化を負の加速度とした場合、
各カム面は、
前記第1角度位置と前記第1変曲角度位置との間に位置して前記正の加速度を生じさせる第1加速面と、
前記第2角度位置と前記第2変曲角度位置との間に位置して前記負の加速度を生じさせる第2加速面と、
前記第1変曲角度位置と前記第2変曲角度位置との間に位置し、前記加速度をゼロとする加速度一定面と、を有し、
前記固定体面には、前記一方の前記平坦面、前記第1加速面、前記加速度一定面、前記第2加速面、及び前記他方の前記平坦面が、上記順序で前記周方向に連続して配置されていることを特徴とする圧縮機。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記ベーンが前記第1加速面を通過するときの前記正の加速度は一定であり、前記第2加速面を通過するときの前記負の加速度は一定である請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記正の加速度が一定になるまでに要する時間及び前記正の加速度がゼロになるまでに要する時間と、前記負の加速度が一定になるまでに要する時間及び前記負の加速度がゼロになるまでに要する時間とは同一であり、前記正の加速度が一定である時間と、前記負の加速度が一定である時間とは同一である請求項2に記載の圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機に関する。
続きを表示(約 6,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転軸と、ベーン溝としての複数のスリット溝が形成された回転体としての円柱状のロータと、複数のスリット溝に揺動可能に嵌め込まれた複数のベーンと、固定体面としてのカム面が形成された固定体としてのサイドプレートと、を備えたアキシャルベーン型圧縮機について記載されている。特許文献1に記載のアキシャルベーン型圧縮機では、回転軸及びロータの回転に伴い複数のベーンが回転軸の軸方向に移動しながら回転することによって、回転体面としてのロータの軸方向端面とカム面とを用いて区画された圧縮室にて流体の吸入及び圧縮が行われる。また、特許文献1には、サイドプレートのカム面が、軸方向に垂直に広がる平坦面としての頂部側平面部、底部側平面部、及び頂部側平面部と底部側平面部とを接続するように湾曲した曲面部を備える点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015−14250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、カム面をベーンが移動する構成において、ベーンが頂部側平面部と底部側平面部を通過する際は、ベーンの加速度は一定であるが、曲面部を通過する際には加速度が生じ、加速度が生じることを原因として振動が発生する虞がある。
【0005】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、固定体面に平坦面を有しつつもベーンの振動を抑制できる圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するための圧縮機は、回転軸線を中心に一定の回転速度で回転するものであって、前記回転軸線に対して交差している回転体面を有する回転体と、
回転しないものであって、前記回転体面と前記回転軸線の延びる軸方向に対向する固定体面を有する固定体と、前記回転体の周方向へ120°ずれた位置に形成された3つのベーン溝に挿入され、前記回転体の回転に伴って前記軸方向に移動しながら回転する3枚のベーンと、を備え、前記固定体面は、前記軸方向と交差するとともに前記回転体の周方向に180°ずれた位置にある一対の平坦面と、前記一対の前記平坦面を繋ぐ一対のカム面と、を備え、前記固定体面における周方向位置を角度位置とすると、一方の前記平坦面における前記周方向の中間の角度位置を第1中間角度位置とし、他方の前記平坦面における前記周方向の中間の角度位置を第2中間角度位置とし、各カム面と一方の平坦面の境界部分の角度位置を第1角度位置とし、各カム面と他方の平坦面との境界部分の角度位置を第2角度位置とし、前記第1中間角度位置から60°ずれた角度位置を第3角度位置とし、前記第1中間角度位置から120°ずれた角度位置を第4角度位置とし、前記第3角度位置から前記第1中間角度位置側へ前記第1角度位置の角度ずれた角度位置を第1変曲角度位置とし、前記第4角度位置から前記第2中間角度位置側へ前記第1角度位置の角度ずれた角度位置を第2変曲角度位置とし、前記第2角度位置から前記第2中間角度位置側へ前記第1角度位置の角度ずれた角度位置が前記第2中間角度位置となり、前記ベーンが前記軸方向へ移動するときの速度変化を前記ベーンの加速度とし、前記回転体面に対し相対的に前記ベーンが前記固定体面に近づく正方向へ移動するときの前記速度変化を正の加速度とし、前記回転体面に対し相対的に前記ベーンが前記固定体面から離れる負方向へ移動するときの前記速度変化を負の加速度とした場合、各カム面は、前記第1角度位置と前記第1変曲角度位置との間に位置して前記正の加速度を生じさせる第1加速面と、前記第2角度位置と前記第2変曲角度位置との間に位置して前記負の加速度を生じさせる第2加速面と、前記第1変曲角度位置と前記第2変曲角度位置との間に位置し、前記加速度をゼロとする加速度一定面と、を有し、前記固定体面には、前記一方の前記平坦面、前記第1加速面、前記加速度一定面、前記第2加速面、及び前記他方の前記平坦面が、上記順序で前記周方向に連続して配置されていることを要旨とする。
【0007】
かかる構成によれば、加速度一定面をベーンが通過する前、一方の平坦面と第1加速面の境界となる第1角度位置を通過する際に生じる加速度と、第1加速面と加速度一定面の境界となる第1変曲角度位置を通過する際に生じる加速度とを相殺しつつ、第1加速面で一定の正の加速度を生じさせる。また、加速度一定面をベーンが通過した後、加速度一定面と第2加速面の境界となる第2変曲角度位置を通過する際に生じる加速度と、第2加速面と他方の平坦面の境界となる第2角度位置を通過する際に生じる加速度とを相殺しつつ、第2加速面で一定の負の加速度を生じさせる。したがって、加速度一定面をベーンが通過する前と後で生じる加速度を相殺できる。そして、加速度一定面では加速度を一定としている。したがって、一方の平坦面から他方の平坦面に至るまでに生じる加速度を合算で抑えることができる。そして、3枚のベーンが同期して固定体面を通過するため、3枚のベーンそれぞれで加速度を抑え、全体として加速度を原因とした振動を抑制できる。
【0008】
圧縮機について、前記ベーンが前記第1加速面を通過するときの前記正の加速度は一定であり、前記第2加速面を通過するときの前記負の加速度は一定であってもよい。
かかる構成によれば、第1加速面及び第2加速面の形状を曲率が一定の湾曲面とすることができ、第1加速面及び第2加速面を製造しやすい。
【0009】
圧縮機について、前記正の加速度が一定になるまでに要する時間及び前記正の加速度がゼロになるまでに要する時間と、前記負の加速度が一定になるまでに要する時間及び前記負の加速度がゼロになるまでに要する時間とは同一であり、前記正の加速度が一定である時間と、前記負の加速度が一定である時間とは同一であってもよい。
【0010】
かかる構成によれば、カム面において、一方の平坦面から第1加速面を通過して加速度一定面に到達するまでの加速度の変位パターンと、加速度一定面から第2加速面を通過して他方の平坦面に到達するまでの加速度の変位パターンとを相反する方向のなかで同一にできる。このため、正の加速度と負の加速度を相殺してゼロにでき、加速度一定面での加速度ゼロと協働して加速度をゼロにできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、固定体面に平坦面を有しつつもベーンの振動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
実施形態の圧縮機の概要を示す概略図。
実施形態の主要な構成の分解斜視図。
図2とは反対側から見た主要な構成の分解斜視図。
実施形態の圧縮機における主要な構成の断面図。
シリンダの断面図。
図1の6−6線断面図。
図1の7−7線断面図。
図1の8−8線断面図。
回転体、両固定体、及びベーンを模式的に示す展開図。
回転体、両固定体、及びベーンを模式的に示す展開図。
フロント固定体を示す斜視図。
ベーンが半回転するときのベーンの速度、加速度、及び位置を表すグラフ。
ベーンが1回転するときのベーンの速度、加速度、及び位置を表すグラフ。
3枚のベーンの加速度の関係を表すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、圧縮機の一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態の圧縮機は、例えば車両用であり、詳細には車両に搭載されて使用される。圧縮機は、例えば車両用空調装置に用いられるものであり、本圧縮機の圧縮対象の流体はオイルを含む冷媒である。なお、図示の都合上、図1については回転軸12、回転体60、両固定体90,110を側面図で示す。
【0014】
図1に示すように、圧縮機10は、ハウジング11と、回転軸12と、電動モータ13と、インバータ14と、シリンダ30と、リアプレート40と、回転体60と、フロント固定体90と、リア固定体110と、を備えている。
【0015】
ハウジング11は、例えば全体として筒状であり、外部からの吸入流体が吸入される吸入口11a及び吐出口11bを有している。回転軸12、電動モータ13、インバータ14、シリンダ30、回転体60、両固定体90,110は、ハウジング11内に収容されている。
【0016】
ハウジング11は、フロントハウジング21と、リアハウジング22と、インバータカバー25と、吐出カバー26と、リアプレート40と、を備えている。
フロントハウジング21は、有底筒状であり、リアハウジング22に向けて開口している。吸入口11aは、例えばフロントハウジング21の側壁部のうち開口端部よりも底部側の位置に設けられている。但し、吸入口11aの位置は任意である。
【0017】
リアハウジング22は、リアプレート40と協働して両固定体90,110及び回転体60を収容する収容室A3を区画するのに用いられる。リアハウジング22は、有底筒状であり、リアプレート40に向けて開口している。
【0018】
リアハウジング22は、リアハウジング底部23と、リアハウジング底部23からリアプレート40に向けて起立したリアハウジング側壁部24と、を有している。フロントハウジング21とリアハウジング22とは、フロントハウジング21の開口端部とリアハウジング底部23の底部とが向き合う状態でユニット化されている。
【0019】
図1及び図2に示すように、リアハウジング底部23には、回転軸12が挿通可能なフロント挿通孔23cが形成されており、回転軸12は、フロント挿通孔23cに挿通されている。
【0020】
図1に示すように、リアハウジング側壁部24は、内周面であるリアハウジング内周面24aと、リアハウジング内周面24aとは反対側に配置された外周面としてのリアハウジング外周面24bと、を有している。リアハウジング内周面24a及びリアハウジング外周面24bは、例えば軸方向Zを軸線方向とする円筒面である。リアハウジング内周面24aは、シリンダ30の外周面と径方向Rに離間している。
【0021】
インバータカバー25は、フロントハウジング21に対してリアハウジング22側とは反対側に配置されている。インバータカバー25は、フロントハウジング21の底部に突き合せられた状態でフロントハウジング21に固定されている。インバータカバー25内には、インバータ14が収容されている。インバータ14は、電動モータ13を駆動させるものである。
【0022】
吐出カバー26は、リアプレート40に対してリアハウジング22側とは反対側に配置されている。吐出カバー26は、カバー底部26aと、カバー底部26aからリアプレート40に向けて起立したカバー側壁部26bと、を有している。吐出カバー26は、リアプレート40におけるリアハウジング22とは反対側に突き合せられた状態でリアプレート40に固定されている。吐出口11bは、カバー側壁部26bに設けられている。但し、吐出口11bの位置及び数は任意である。リアプレート40の外面と吐出カバー26とによって、圧縮流体が存在する吐出室A1が区画されている。本実施形態における吐出室A1は、軸方向Zを中心軸線とする円盤状に形成されている。吐出室A1は、吐出口11bと連通している。吐出室A1内の圧縮流体は、吐出口11bからハウジング11の外部へ吐出される。
【0023】
図1〜図5に示すように、シリンダ30は、両固定体90,110及び回転体60を収容するのに用いられる。シリンダ30は、リアハウジング側壁部24よりも小さく形成された筒状である。シリンダ30は内周面であるシリンダ内周面31と、シリンダ内周面31とは反対側に配置された外周面としてのシリンダ外周面32と、を有している。シリンダ内周面31及びシリンダ外周面32は、例えば軸方向Zを軸線方向とする円筒面である。本実施形態では、シリンダ30は回転体60に固定され、回転体60と一体回転する。
【0024】
図1に示すように、シリンダ外周面32は、リアハウジング内周面24aと径方向に離間している。本実施形態では、リアハウジング底部23の内面となる内側底面23eと、リアハウジング内周面24aと、リアプレート40の内面となる第1プレート面43と、シリンダ外周面32との間に収容室A3が区画されている。本実施形態における収容室A3は、軸方向Zを軸線方向とする円筒状に形成されている。
【0025】
また、ハウジング11内には、フロントハウジング21及びリアハウジング底部23によって区画されたモータ室A2が設けられており、モータ室A2に電動モータ13が収容されている。電動モータ13は、インバータ14から駆動電力を供給されることにより、回転軸12を、矢印Mで示す方向、詳細には電動モータ13から両固定体90,110を見て時計回りの方向(以下、「回転方向M」という。)に回転させる。回転軸12の中心軸線は、回転軸12の回転軸線Lである。つまり、回転軸12は、回転軸線Lを中心に回転する。
【0026】
ちなみに、吸入口11aはモータ室A2を区画するフロントハウジング21に設けられているため、吸入口11aから吸入された吸入流体はハウジング11内のモータ室A2に吸入(換言すれば導入)される。つまり、モータ室A2内には吸入流体が存在する。すなわち、モータ室A2は、吸入流体が吸入される吸入室の一部を形成しているといえる。
【0027】
本実施形態の圧縮機10では、インバータ14、電動モータ13、フロント固定体90、回転体60、リア固定体110が軸方向Zに順に並んでいる。但し、これら各部品の位置は任意であり、例えばインバータ14が電動モータ13に対して回転軸12の径方向R外側に配置されていてもよい。
【0028】
リアプレート40は板状(本実施形態では円板状)であり、その板厚方向が軸方向Zに一致するようにリアハウジング22と吐出カバー26とに挟まれている。リアプレート40の外径は、例えばリアハウジング外周面24b及びカバー側壁部26bの外周面と同一径である。このため、リアプレート40はハウジング11の一部を構成していると言える。
【0029】
リアハウジング22とリアプレート40とは、リアハウジング側壁部24の開口端部がリアプレート40に突き合わせられるように組み付けられており、リアプレート40によってリアハウジング22の開口が塞がれている。また、吐出カバー26とリアプレート40とは、カバー側壁部26bの開口端部がリアプレート40に突き合わされるように組み付けられており、リアプレート40によって吐出カバー26の開口が塞がれている。
【0030】
詳細には、リアプレート40のうちリアハウジング側壁部24の開口端部と軸方向Zに対向する箇所にはプレート窪み42が形成されている。プレート窪み42は、全周に亘って形成されている。リアハウジング22とリアプレート40とは、リアハウジング側壁部24の開口端部がプレート窪み42に嵌合した状態で互いに取り付けられている。
(【0031】以降は省略されています)

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