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公開番号2021156370
公報種別公開特許公報(A)
公開日20211007
出願番号2020057675
出願日20200327
発明の名称変速装置
出願人株式会社アイシン
代理人特許業務法人アイテック国際特許事務所
主分類F16H 3/58 20060101AFI20210910BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ドラム部材の変形を抑制する。
【解決手段】軸方向における一方側に第1クラッチの第1クラッチドラムとして機能するドラム部を有すると共に軸方向における他方側に第2クラッチの第2クラッチハブとして機能するハブ部を有するプレス加工品であるドラム部材と、ドラム部材のドラム部とハブ部との軸方向における間の内周に接合部を介して接合されると共に環状壁部を有する支持部材とを備える。そして、第1クラッチは、第1クラッチハブと、ドラム部と、複数の第1摩擦係合プレートと、複数の第2摩擦係合プレートと、第1ピストンとを有し、第2クラッチは、ハブ部と、第2クラッチドラムと、複数の第3摩擦係合プレートと、複数の第4摩擦係合プレートと、第2ピストンとを有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1クラッチハブと、第1クラッチドラムと、前記第1クラッチハブに嵌合される複数の第1摩擦係合プレートと、前記第1摩擦係合プレートと交互に並ぶように前記第1クラッチドラムに嵌合される複数の第2摩擦係合プレートと、前記第1摩擦係合プレートおよび前記第2摩擦係合プレートを摩擦係合させる第1ピストンとを有する第1クラッチと、
第2クラッチハブと、第2クラッチドラムと、前記第2クラッチハブに嵌合される複数の第3摩擦係合プレートと、前記第3摩擦係合プレートと交互に並ぶように前記第2クラッチドラムに嵌合される複数の第4摩擦係合プレートと、前記第3摩擦係合プレートおよび前記第4摩擦係合プレートを摩擦係合させる第2ピストンとを有する第2クラッチと、
を備える変速装置であって、
軸方向における一方側に前記第1クラッチドラムとして機能するドラム部を有すると共に前記軸方向における他方側に前記第2クラッチハブとして機能するハブ部を有するプレス加工品であるドラム部材と、
前記ドラム部材の前記ドラム部と前記ハブ部との前記軸方向における間の内周に接合部を介して接合されると共に環状壁部を有する支持部材と、
を備える変速装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
請求項1記載の変速装置であって、
前記ハブ部の径は、前記ドラム部の径よりも小さい、
変速装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の変速装置であって、
前記環状壁部および前記第1ピストンは、前記第1クラッチの係合油室を画成し、
前記第1クラッチは、前記係合油室内で発生する遠心油圧をキャンセルするための遠心油圧キャンセル室を前記ピストンと共に画成するキャンセル室画成部材を更に有し、
前記ドラム部材は、前記ドラム部と前記ハブ部との前記軸方向における間に筒状部を更に有し、
前記支持部材の外周は、前記筒状部の内周に前記接合部を介して接合され、
前記筒状部の外径は、前記遠心油圧キャンセル室の外径よりも小さい、
変速装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の変速装置であって、
前記ドラム部材は、前記ドラム部と前記ハブ部との前記軸方向における間に筒状部を更に有し、
前記支持部材は、前記環状壁部の外周から前記軸方向に延出されると共に前記筒状部の内周に前記接合部を介して接合される外筒部を有し、
前記環状壁部および前記第1ピストンは、前記外筒部に対して径方向内側に前記係合油室を画成する、
変速装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちの何れか1つの請求項に記載の変速装置であって、
前記ドラム部材は、前記ドラム部と前記ハブ部との前記軸方向における間に筒状部を更に有し、
前記支持部材の外周は、前記筒状部の内周に前記接合部を介して接合され、
前記ハブ部の径は、前記筒状部の径よりも小さい、
変速装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちの何れか1つの請求項に記載の変速装置であって、
第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素を有し、前記第1回転要素が静止部材に回転不能に接続され、前記第3回転要素が入力部材に常時連結された遊星歯車機構を備え、
前記第1クラッチは、前記第2回転要素と第4回転要素とを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
前記第2クラッチは、前記第3回転要素と前記第4回転要素とを互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
前記軸方向において、前記遊星歯車機構、前記第1クラッチ、前記第2クラッチの順に配置され、
前記第2クラッチドラムは、連結部材を介して前記第3回転要素に連結され、
前記連結部材は、外周が前記第2クラッチドラムに連結されると共に径方向に延在する径方向延在部と、前記径方向延在部の内周から前記第1クラッチよりも径方向内側で前記軸方向における前記遊星歯車機構側に延在すると共に遊端部で前記第3回転要素に連結される軸方向延在部とを有し、
前記支持部材の内周は、前記軸方向延在部の外周により回転自在に支持される、
変速装置。
【請求項7】
請求項6記載の変速装置であって、
ケースには、前記第2クラッチドラムの外周面と対向するように、前記クラッチドラムの回転数を検出する回転数センサが配置される、
変速装置。
【請求項8】
請求項7記載の変速装置であって、
前記第2クラッチドラムは、前記複数の第4摩擦係合プレートが嵌合される筒状部を有し、
前記筒状部は、前記径方向に貫通する油孔を有し、
前記回転数センサは、前記径方向からみて前記油孔とは前記軸方向に重ならない位置で前記筒状部の外周面と対向する、
変速装置。
【請求項9】
請求項7または8記載の変速装置であって、
前記ドラム部材は、前記ドラム部と前記ハブ部との前記軸方向における間に筒状部を有し、
前記支持部材の外周は、前記筒状部の内周に前記接合部を介して接合され、
前記回転数センサは、前記径方向からみて前記筒状部と前記支持部材との接合部と前記軸方向に重なる、
変速装置。
【請求項10】
請求項7ないし9のうちの何れか1つの請求項に記載の変速装置であって、
前記第2クラッチドラムの径は、前記第1クラッチドラムの径よりも小さい、
変速装置。
【請求項11】
請求項10記載の変速装置であって、
前記第2クラッチハブの径は、前記第1クラッチハブの径よりも小さい、
変速装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、変速装置に関する。
続きを表示(約 8,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の変速装置としては、軸方向における一端部にクラッチのクラッチドラムとして機能するドラム部を有すると共に軸方向における中央部にブレーキのブレーキハブとして機能するハブ部を有するドラム部材と、ドラム部の軸方向における他端部の内周に固定されると共に環状壁部を有する支持部材と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この変速装置では、クラッチは、ドラム部に加えて、クラッチハブや摩擦係合プレート、ピストンなどを備える。そして、ピストンの外周部は、ハブ部の内周部に嵌合され、ハブ部により支持される。ブレーキは、ハブ部に加えて、ブレーキドラム(ケース)や摩擦係合プレート、ピストンなどを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006−322602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の変速装置では、ドラム部材の軸方向における端部に支持部材が固定されるため、ドラム部材と支持部材との固定位置とドラム部材の重心との変速装置の軸方向におけるずれが大きくなりやすい。このため、ドラム部材が高回転時などに変形が生じやすくなる可能性がある。
【0005】
本開示の変速装置は、ドラム部材の変形を抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の変速装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の変速装置は、
第1クラッチハブと、第1クラッチドラムと、前記第1クラッチハブに嵌合される複数の第1摩擦係合プレートと、前記第1摩擦係合プレートと交互に並ぶように前記第1クラッチドラムに嵌合される複数の第2摩擦係合プレートと、前記第1摩擦係合プレートおよび前記第2摩擦係合プレートを摩擦係合させる第1ピストンとを有する第1クラッチと、
第2クラッチハブと、第2クラッチドラムと、前記第2クラッチハブに嵌合される複数の第3摩擦係合プレートと、前記第3摩擦係合プレートと交互に並ぶように前記第2クラッチドラムに嵌合される複数の第4摩擦係合プレートと、前記第3摩擦係合プレートおよび前記第4摩擦係合プレートを摩擦係合させる第2ピストンとを有する第2クラッチと、
を備える変速装置であって、
軸方向における一方側に前記第1クラッチドラムとして機能するドラム部を有すると共に前記軸方向における他方側に前記第2クラッチハブとして機能するハブ部を有するプレス加工品であるドラム部材と、
前記ドラム部材の前記ドラム部と前記ハブ部との前記軸方向における間の内周に接合部を介して接合されると共に環状壁部を有する支持部材と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
本開示の変速装置では、軸方向における一方側に第1クラッチの第1クラッチドラムとして機能するドラム部を有すると共に軸方向における他方側に第2クラッチの第2クラッチハブとして機能するハブ部を有するプレス加工品であるドラム部材と、ドラム部材のドラム部とハブ部との軸方向における間の内周に接合部を介して接合されると共に環状壁部を有する支持部材とを備える。したがって、ドラム部材がドラム部とハブ部との軸方向における間で支持部材に固定されるから、ドラム部材が軸方向における端部で支持部材に固定されるものに比して、ドラム部材と支持部材との固定位置とドラム部材の重心との軸方向におけるずれを小さくすることができる。これにより、ドラム部材が高回転時などに変形するのを抑制することができる。また、ドラム部材をプレス加工により成形することができるから、ドラム部材および支持部材を切削加工やフローフォーミング加工により一体に成形するものに比して、径方向における形成の自由度の向上や、コストの削減などを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の動力伝達装置10の概略構成図である。
自動変速機20の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1,B2の作動状態との関係を表した作動表である。
動力伝達装置10の要部を示す拡大断面図である。同図は、動力伝達装置10の自動変速機20のクラッチC3,C4の周辺の構成を示すものである。
比較形態の自動変速機20Bの要部を示す拡大断面図である。
ドラム部材30および支持部材31の一体部品の製造工程の一例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
図1は、本開示の動力伝達装置10の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置10は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに接続されると共にエンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置10は、トランスミッションケース(静止部材)11や、発進装置(流体伝動装置)12、オイルポンプ17、エンジン等から入力軸(入力部材)20iに伝達された動力を変速して出力軸(出力部材)20oに伝達する自動変速機20等を備える。
【0012】
発進装置12は、図示しないドライブプレート等を介してエンジンのクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに連結されるフロントカバー13や、フロントカバー13に密に固定されるポンプシェルを有する入力側のポンプインペラ14p、自動変速機20の入力軸20iに連結される出力側のタービンランナ14t、ポンプインペラ14pおよびタービンランナ14tの内側に配置されてタービンランナ14tからポンプインペラ14pへの作動油(ATF)の流れを整流するステータ14s、ステータ14sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ14o等を有するトルクコンバータ(流体伝動装置)を備える。なお、発進装置12は、ステータ14sを有さない流体継手を備えるものであってもよい。
【0013】
更に、発進装置12は、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ15と、フロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとの間で振動を減衰するダンパ機構16とを備える。本実施形態において、ロックアップクラッチ15は、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)を有する多板摩擦式油圧クラッチとして構成されている。ただし、ロックアップクラッチ15は、単板摩擦式油圧クラッチであってもよい。
【0014】
オイルポンプ17は、チェーン18を介して発進装置12のポンプインペラ14pに連結されるロータと、複数の外歯を有すると共にロータと一体に回転する外歯ギヤ(ドライブギヤ)と、外歯ギヤの外歯に噛合する外歯の総数よりも1つ多い複数の内歯を有すると共に外歯ギヤに対して偏心して配置される内歯ギヤ(ドリブンギヤ)とを備える。オイルポンプ17は、チェーン18等を介して伝達されるエンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油を吸引して図示しない油圧制御装置に圧送する。
【0015】
自動変速機20は、8段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸20iや図示しないデファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸20oに加えて、自動変速機20(入力軸20iや出力軸20o)の軸方向に並べて配設される、第1遊星歯車機構21および第2遊星歯車機構25を備える。第1遊星歯車機構21は、ダブルピニオン式遊星歯車である。第2遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式遊星歯車とシングルピニオン式遊星歯車とを組み合わせて構成されるラビニヨ式遊星歯車機構(複合遊星歯車機構)である。更に、自動変速機20は、入力軸20iから出力軸20oまでの動力伝達経路を変更するための4つのクラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2を備える。
【0016】
第1遊星歯車機構21および第2遊星歯車機構25は、発進装置12すなわちエンジン側(図1における左側)から第1遊星歯車機構21、第2遊星歯車機構25の順に、すなわち、第1遊星歯車機構21、第2遊星歯車機構25を構成するシングルピニオン式遊星歯車機構、第2遊星歯車機構25を構成するダブルピニオン式遊星歯車機構の順に並ぶようにトランスミッションケース11内に配置される。これにより、第1遊星歯車機構21は、発進装置12に近接するように車両の前部側に配置される。第2遊星歯車機構25は、出力軸20oに近接するように車両の後部側に配置される。
【0017】
第1遊星歯車機構21は、外歯歯車であるサンギヤ21sと、サンギヤ21sと同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ21rと、互いに噛合すると共に一方がサンギヤ21sに、他方がリングギヤ21rに噛合する2つのピニオンギヤ21pa,21pbの組を自転自在(回転自在)かつ公転自在に複数保持するプラネタリキャリヤ21cとを有する。図示するように、第1遊星歯車機構21のサンギヤ21sは、トランスミッションケース11に固定されている。第1遊星歯車機構21のプラネタリキャリヤ21cは、入力軸20iに連結されており、入力軸20iと一体に回転する。第1遊星歯車機構21は、いわゆる減速ギヤとして機能し、入力要素であるプラネタリキャリヤ21cに伝達された動力を減速して出力要素であるリングギヤ21rから出力する。
【0018】
第2遊星歯車機構25は、外歯歯車である第1サンギヤ25saおよび第2サンギヤ25sbと、第1、第2サンギヤ25sa,25sbと同心円上に配置される内歯歯車であるリングギヤ25rと、第1サンギヤ25saに噛合する複数のショートピニオンギヤ25paと、第2サンギヤ25sbおよび複数のショートピニオンギヤ25paに噛合すると共にリングギヤ25rに噛合する複数のロングピニオンギヤ25pbと、複数のショートピニオンギヤ25paおよび複数のロングピニオンギヤ25pbを自転自在(回転自在)かつ公転自在に保持するプラネタリキャリヤ25cとを有する。第2遊星歯車機構25のリングギヤ25rは、出力軸20oに連結されており、出力軸20oと一体に回転する。
【0019】
クラッチC1は、第1遊星歯車機構21のリングギヤ21rと第2遊星歯車機構25の第1サンギヤ25saとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、入力軸20iと第2遊星歯車機構25のプラネタリキャリヤ25cとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC3は、第1遊星歯車機構21のリングギヤ21rと第2遊星歯車機構25の第2サンギヤ25sbとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC4は、第1遊星歯車機構21のプラネタリキャリヤ21cと第2遊星歯車機構25の第2サンギヤ25sbとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。
【0020】
ブレーキB1は、第2遊星歯車機構25の第2サンギヤ25sbをトランスミッションケース(静止部材)11に回転不能に固定すると共に第2サンギヤ25sbのトランスミッションケース11に対する固定を解除するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車機構25のプラネタリキャリヤ25cをトランスミッションケース11に回転不能に固定すると共にプラネタリキャリヤ25cのトランスミッションケース11に対する固定を解除するものである。
【0021】
本実施形態では、クラッチC1〜C4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。また、ブレーキB1,B2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。そして、クラッチC1〜C4、ブレーキB1,B2は、油圧制御装置により作動油が給排されることにより動作する。
【0022】
図2は、自動変速機20の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1,B2の作動状態との関係を表した作動表である。図2における丸印は、クラッチまたはブレーキが係合されることを示す。自動変速機20は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1,B2を図2の作動表に示す状態とすることにより、第1速段〜第8速段の前進段と後進段とを提供する。なお、クラッチC1〜C4、ブレーキB1,B2の少なくとも何れかは、ドグクラッチといった噛み合い係合要素であってもよい。
【0023】
図3は、動力伝達装置10の要部を示す拡大断面図である。同図は、動力伝達装置10の自動変速機20のクラッチC3,C4の周辺の構成を示すものである。図示するように、第1遊星歯車機構21のリングギヤ21rと第2遊星歯車機構25の第2サンギヤ25sbとを互いに接続可能なクラッチC3と、第1遊星歯車機構21のプラネタリキャリヤ21cと第2遊星歯車機構25の第2サンギヤ25sbとを互いに接続可能なクラッチC4とは、発進装置12側(図3における左側)からクラッチC4、クラッチC3の順に自動変速機20の軸方向に並ぶように配置される。
【0024】
クラッチC3およびクラッチC4は、第2遊星歯車機構25の第2サンギヤ25sbを共通の接続対象要素とする。このため、クラッチC3およびクラッチC4は、図3に示すように、第2遊星歯車機構25の第2サンギヤ25sb(図1参照)に常時連結(固定)されると共にクラッチC3のクラッチドラムおよびクラッチC4のクラッチハブとして機能するドラム部材30を共用する。
【0025】
ドラム部材30は、プレス加工により形成されたプレス加工品であり、自動変速機20の軸方向に延在する円筒状のドラム部300と、ドラム部300の一端部(図3における左端部)から径方向内側に延出された外側壁部301と、外側壁部301の内周から軸方向におけるドラム部300とは反対側の端部に延出された円筒状の筒状部302と、筒状部302の外側壁部301とは反対側の端部から径方向内側に延出された内側壁部303と、内側壁部303の内周から軸方向における筒状部302とは反対側に延出された円筒状のハブ部304とを備える。ドラム部300の内周部には、スプライン300sが形成されている。ハブ部304の外周部には、スプライン304sが形成されている。
【0026】
クラッチC3は、ドラム部材30のドラム部300に加えて、支持部材31と、クラッチハブ32と、複数の摩擦プレート(第1摩擦係合プレート)34fと、摩擦プレート34fと交互に配設される複数のセパレータプレート(第2摩擦係合プレート)34sおよびバッキングプレート34bと、摩擦プレート34fおよびセパレータプレート34sを押圧して摩擦係合させるピストン35と、キャンセル室画成部材37とを備える。
【0027】
ドラム部材30のドラム部300の遊端部(図3における右端部)は、連結部材を介して第2遊星歯車機構25の第2サンギヤ25sb(図1参照)に連結される。支持部材31は、自動変速機20の軸方向に延在する円筒状の内筒部310と、内筒部310の一端部(図3における左端部)から径方向外側に延出された環状壁部311と、環状壁部311の外周から軸方向における内筒部310と同一側に延出された円筒状の外筒部312とを有する。外筒部312は、内筒部310よりも短尺に形成されている。この外筒部312の外周は、ドラム部材30の筒状部302(ドラム部300とハブ部304との軸方向における間)の内周と溶接により固定される。即ち、外筒部312と筒状部302とは、接合部(溶接部)を介して連結(固定)される。
【0028】
クラッチハブ32は、第1遊星歯車機構21のリングギヤ21rと一体に成形され、円筒状に形成されている。クラッチハブ32の外周面には、スプライン32sが形成されている。複数の摩擦プレート34fは、両面に摩擦材が貼付られた環状部材であり、複数の摩擦プレート34fの内周部がクラッチハブ32のスプライン32sに嵌合される。複数のセパレータプレート34sは、両面が平滑に形成された環状部材であり、複数の摩擦プレート34fと交互に並ぶように複数のセパレータプレート34sの外周部がドラム部材30のドラム部300のスプライン300sに嵌合される。バッキングプレート34bは、最も発進装置12から遠い側(図3における右側)に配置される摩擦プレート34fと当接可能となるようにバッキングプレート34bの外周部がドラム部300のスプライン300sに嵌合される。このバッキングプレート34bは、ドラム部300に装着されたスナップリングにより軸方向に支持される。
【0029】
ピストン35は、摩擦プレート34fおよびセパレータプレート34sよりも発進装置12側(図3における左側)に配置され、支持部材31の内筒部310の外周面と外筒部312の内周面とにより軸方向に移動自在に支持される。また、ピストン35の押圧部の外周部は、ドラム部300のスプライン300sに嵌合される。これにより、ピストン35は、ドラム部300のスプライン300sによってもガイドされる。ピストン35と内筒部310の外周面との間およびピストン35と外筒部312の内周面との間には、シール部材が配置される。これにより、ピストン35と支持部材31の環状壁部311との間には、クラッチC3を係合させるための作動油(係合油圧)が供給される係合油室36が画成される。即ち、支持部材31の内筒部310、環状壁部311、外筒部312とピストン35とにより係合油室36が画成される。実施形態では、この係合油室36は、ドラム部材30の筒状部302に対して径方向内側に画成される。
【0030】
キャンセル室画成部材37は、支持部材31の内筒部310と一体回転するように内筒部310により支持される。このキャンセル室画成部材37は、係合油室36内で発生する遠心油圧をキャンセルするための遠心油圧キャンセル室38をピストン35と共に画成する。実施形態では、この遠心油圧キャンセル室38の外径に比して、ドラム部材30の筒状部302の外径が小さく形成されている。ピストン35とキャンセル室画成部材37との間(遠心油圧キャンセル室38内)には、周方向に間隔をおいて複数のリターンスプリング39が配置される。リターンスプリング39としては、コイルスプリングが用いられる。リターンスプリング39は、ピストン35を摩擦プレート34fおよびセパレータプレート34sから離間するように付勢する。
(【0031】以降は省略されています)

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