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公開番号2021153893
公報種別公開特許公報(A)
公開日20211007
出願番号2020057775
出願日20200327
発明の名称聴診器
出願人新日本無線株式会社
代理人個人
主分類A61B 7/02 20060101AFI20210910BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】簡便に所望の周波数帯域の音に対する感度を上げることができるダイヤフラム型聴診器を提供する。
【解決手段】集音部材1と、集音部材1に連続あるいは当接する押圧部材4a、4bと、集音部材1の先端の開口部を覆うように伸展性材料からなるダイヤフラム6を配置するダイヤフラム支持部材5とを備え、押圧部材4a、4bに圧力を加えることで集音部材1の先端がダイヤフラム6を押圧し、ダイヤフラム6の張力を変化させる。その結果、低周波帯域の音に対する感度を高くしたり、低周波帯域の音に対する感度を低くして高周波帯域の音に対する感度を高くしたりすることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
チェストピースを備えた聴診器であって、
前記チェストピースは、集音部材と、該集音部材に連続あるいは当接する押圧部材と、前記集音部材の先端の開口部を覆うように伸展性を有するダイヤフラムを配置するダイヤフラム支持部材とを備え、
前記押圧部材に加える圧力に応じ、前記集音部材の先端が前記ダイヤフラムを押圧することを特徴とする聴診器。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
請求項1記載の聴診器において、
前記押圧部材に加える圧力に応じ、前記ダイヤフラムの張力が変化することを特徴とする聴診器。
【請求項3】
請求項1又は2いずれか記載の聴診器において、
前記ダイヤフラムは、シリコーンあるいはポリウレタンを含む弾性材料で構成されていることを特徴とする聴診器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、チェストピースを備えたダイヤフラム型の聴診器に関する。
続きを表示(約 5,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な聴診器は、ダイヤフラム型のチェストピースと、ベル型のチェストピースを備えている(例えば特許文献1)。このようなダイヤフラム型聴診器とベル型聴診器は、それぞれ感度の高い周波数帯域が異なっている。具体的には、図6に示すようにダイヤフラム型聴診器と、ベル型聴診器では、低周波帯域の音に対する感度に差がある。
【0003】
そこで診察者は、音源(聴診対象の生体音)の高周波帯域の呼吸音等を聴診する際にはダイヤフラム型聴診器を使用し、低周波帯域の心音等を聴診する際にはベル型聴診器を使用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000−237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な聴診器を使用する場合、診察者は聴診する音によってダイヤフラム型聴診器とベル型聴診器とを使い分けている。本発明は、簡便に所望の周波数帯域の音に対する感度を上げることができるダイヤフラム型聴診器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る発明は、チェストピースを備えた聴診器であって、前記チェストピースは、集音部材と、該集音部材に連続あるいは当接する押圧部材と、前記集音部材の先端の開口部を覆うように伸展性を有するダイヤフラムを配置するダイヤフラム支持部材とを備え、前記押圧部材に加える圧力に応じ、前記集音部材の先端が前記ダイヤフラムを押圧することを特徴とする。
【0007】
本願請求項2に係る発明は、請求項1記載の聴診器において、前記押圧部材に加える圧力に応じ、前記ダイヤフラムの張力が変化することを特徴とする。
【0008】
本願請求項3に係る発明は、請求項1又は2いずれか記載の聴診器において、前記ダイヤフラムは、シリコーンあるいはポリウレタンを含む弾性材料で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の聴診器は、押圧部材に加える圧力を調整することで集音部材の先端がダイヤフラムを押す圧力を変化させ、所望の周波数帯域の音に対する感度を上げることができる。特に、通常のダイヤフラム型聴診器では感度が低い低周波帯域の音に対する感度を上げることができ、ベル型聴診器とダイヤフラム型聴診器を使い分ける煩わしさがなくなる。
【0010】
また押圧部材に加える圧力を調整することで、所望の周波帯域の音に対する感度を簡便調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の第1の実施例の聴診器のチェストピースの断面図である。
本発明の第1の実施例の聴診器のダイヤフラムの張力を変えるときの状態を説明する断面図である。
本発明の第1の実施例の聴診器の周波数と感度の関係を示すグラフである。
本発明の第2の実施例の聴診器のチェストピースの断面図である。
本発明の第2の実施例の聴診器のダイヤフラムの張力を変えるときの状態を説明する断面図である。
従来の聴診器の周波数と感度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、チェストピースの形状に大きな特徴を有する聴診器であり、チェストピースに接続されるチューブ、耳管部、イヤーチップ等は通常の形状を採用することができる。
【0013】
従来のダイヤフラム型聴診器は、呼吸音のような高周波帯域の音の聴診に適しており、心音のような低周波帯域の音の聴診には必ずしも適していない。そこで本発明は、低周波帯域の聴診にも適した聴診器とするため、従来のダイヤフラム型の聴診器について必要に応じて低周波帯域の感度を上げることができる構成としている。具体的にはダイヤフラムの張力を変化させることで、ダイヤフラムの共振周波数を変え、低周波帯域の音に対する感度を高くしたり、低周波帯域の音に対する感度を低くして高周波帯域の音に対する感度を高くしたりすることができる構成としている。以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例】
【0014】
まず、第1の実施例について説明する。図1は、本発明の第1の実施例のチェストピース10aの断面図である。図1において、1は集音部材で、例えば従来型の聴診器と同様の構造とする。この集音部材1には、集音された音をイヤーチップまで伝搬させるチューブや耳管部に接続するための音波出力孔2および連通孔3を備えている。また集音部材1から突出する突起部4aを備えている。この突起部4aは、集音部材1とは別の部材として、集音部材1に接触(当接)あるいは接続する構造とすることもできる。また突起部4aは、加圧部4bに接触あるいは接続する構造となっている。突起部4aと加圧部4bは押圧部材に相当し、後述するようにダイヤフラム6に圧力を加えるために使用される。
【0015】
集音部材1の周囲には、ダイヤフラム支持部5が配置され、ダイヤフラム6が集音部材1の先端の開口部に接触し隙間なく覆うように配置されている。一般的に集音部材1は外周が円形であるため、ダイヤフラム支持部5は円柱状の形状とし、内部に円柱状の空洞を備え、底面となる一方の面は開口し、他方の面に突起部4aが貫通する開口を備える構造とすることができる。ダイヤフラム支持部5に通常の方法により支持されるダイヤフラム6は、通常のダイヤフラム型聴診器に使用されるダイヤフラムより伸展性の大きい材料から選択する。伸展性の大きい材料とは、集音部材1をダイヤフラム6に押圧することでダイヤフラム6の張力を変化させる(換言すれば共振周波数を変化させる)ことができる材料となる。ダイヤフラム支持部5と加圧部4bとの間には、弾性部材として例えばバネ7を配置する。当然ながらバネ以外の弾性部材を用いてもよい。
【0016】
図1に示すチェストピース10aを備える聴診器を用いて聴診する場合、診察者は、ダイヤフラム支持部5を拇指と、薬指および小指で挟み、加圧部4bの凸部の両側に示指と中指を添えてチェストピース10aを持つ。この状態では加圧部4bに圧力は加わらないあるいはわずかな圧力しか加わらないため、ダイヤフラム6の張力は大きくない。この状態で聴診器として使用可能な張力となるようにダイヤフラム6を保持すれば、このまま聴診器として使用可能となる。
【0017】
ダイヤフラム6としてシリコーンあるいはポリウレタンを含む弾性材料、一例としてシリコーンゴムを使用し、ダイヤフラム6の張力が大きくない場合の聴診可能な音の周波数と感度の関係を図3に示す。先に図6で示したベル型聴診器およびダイヤフラム型聴診器の感度と比較すると、本実施例の聴診器は、ダイヤフラム6を備えながら従来のベル型聴診器と同様に低周波帯域の音に対する感度が高いことがわかる。
【0018】
高周波帯域の音の聴診を行いたい場合には、図2に示すように加圧部4bを矢印Aの方向に押す。その圧力は突起部4aに加わり、さらに集音部材1に加わり、集音部材1の先端がダイヤフラム6を矢印Bの方向に押すことになる。集音部材1の先端は円形の開口となっているため、ダイヤフラム6は円形に均等に押され、ダイヤフラム6の張力が増すことになる。
【0019】
このように張力が増したダイヤフラム6は、硬くなり低周波帯域の音を遮断するようになる。そのため、図3に示す本実施例の聴診器の特性は、低周波帯域側の感度が低くなり従来のダイヤフラム型聴診器の特性に近くなるように変化する。このような特性は、高周波帯域の音を聴診する必要がある場合に不要な低周波帯域の音を遮断することができ好適となる。
【0020】
聴診後には、加圧部4bに加えた圧力を開放すると、バネ7が元に戻り、図1に示す状態に戻ることになる。
【0021】
なお図2に示す例では、ダイヤフラム6が伸展する際にダイヤフラム支持部5近傍のダイヤフラム6が伸長するように図示したが、ダイヤフラム6の材料、厚さ等の選定によっては図示できるほど大きく伸長しない場合もある。しかしながらそのような場合であっても、ダイヤフラム6の押圧により低周波帯域の音を遮断するように変化することに変わりはない。
【実施例】
【0022】
次に第2の実施例について説明する。図4は、本発明の第2の実施例のチェストピース10bの断面図である。図4において、1は集音部材で、例えば従来型の聴診器と同様の構造とする。この集音部材1には、集音された音をイヤーチップまで伝搬させるチューブや耳管部に接続するための音波出力孔2および連結孔3を備えている。また集音部材1から突出する押圧部4を備えている。この押圧部4は、集音部材1とは別の部材として、集音部材1に接触する構造とすることもできる。この押圧部4は押圧部材に相当し、後述するようにダイヤフラム6に圧力を加えるために使用される。
【0023】
集音部材1の周囲には、ダイヤフラム支持部5が配置され、ダイヤフラム6が集音部材1の先端の開口部に接触し隙間なく覆うように配置されている。一般的に集音部材1は外周が円形であるため、ダイヤフラム支持部5は円柱状で一方の端部が球状に突出した形状とし、内部に円柱状の空洞を備え、底面となる一方の面は開口し、他方の面に押圧部4が貫通する開口を備える構造とすることができる。ダイヤフラム支持部5に通常の方法により支持されるダイヤフラム6は、通常のダイヤフラム型聴診器に使用されるダイヤフラムより伸展性の大きい材料から選択する。伸展性の大きい材料とは、集音部材1をダイヤフラム6に押圧することでダイヤフラム6の張力を変化させる(換言すれば共振周波数を変化させる)ことができる材料となる。集音部材1とダイヤフラム支持部5との間には、弾性部材として例えばバネ7を配置する。当然ながらバネ以外の弾性部材を用いてもよい。
【0024】
図4に示すチェストピース10bを備える聴診器を用いて聴診する場合、診察者は、ダイヤフラム支持部5を持つ。この状態では押圧部4に圧力は加わらないため、ダイヤフラム6の張力は大きくない。この状態で聴診器として使用可能な張力となるようにダイヤフラム6を保持すれば、このまま聴診器として使用可能となる。
【0025】
上記実施例1同様、ダイヤフラム6としてシリコーンあるいはポリウレタンを含む弾性材料、一例としてシリコーンゴムを使用し、ダイヤフラム6の張力が大きくない場合には、本実施例の聴診器においても図3に示すように、ダイヤフラム6を備えながら従来のベル型聴診器と同様に低周波帯域の音に対する感度が高くなる。
【0026】
高周波帯域の音の聴診を行いたい場合には、図5に示すように押圧部4を矢印Aの方向に押す。その圧力は集音部材1に加わり、集音部材1の先端がダイヤフラム6を矢印Bの方向に押すことになる。集音部材1の先端は円形の開口となっているため、ダイヤフラム6は円形に均等に押され、ダイヤフラム6の張力が増すことになる。
【0027】
このように張力が増したダイヤフラム6は、硬くなり低周波帯域の音を遮断するようになる。そのため、本実施例の聴診器においても図3に示すように、低周波帯域側の感度が低くなり従来のダイヤフラム型聴診器の特性に近くなるように変化する。このような特性は、高周波帯域の音を聴診する必要がある場合に不要な低周波帯域の音を遮断することができ好適となる。
【0028】
聴診後には、押圧部4に加えた圧力を開放すると、バネ7が元に戻り、図4に示す状態に戻ることになる。
【0029】
なお図5に示す例では、ダイヤフラム6が伸展する際にダイヤフラム支持部5近傍のダイヤフラム6が伸長するように図示したが、ダイヤフラム6の材料、厚さ等の選定によっては図示できるほど大きく伸長しない場合もある。しかしながらそのような場合であっても、ダイヤフラム6の押圧により低周波帯域の音を遮断するように変化することに変わりはない。
【0030】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。例えば、上記実施例は従来型の聴診器を例にとり説明したが、電子聴診器に適用することも可能である。この場合、音波出力孔の代わりにマイクロフォンを配置し、所望の信号処理を行い、イヤーチップから音を出す構成とすればよい。
(【0031】以降は省略されています)

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