TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2021148842
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210927
出願番号2020045833
出願日20200316
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人特許業務法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/097 20060101AFI20210830BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低温低湿環境において、帯電性及び耐久性に優れ、長期使用においても転写性に優れたトナー。
【解決手段】結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面の有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、該有機ケイ素重合体粒子の濡れ性試験におけるメタノール濃度a(体積%)、及び該トナー粒子の濡れ性試験におけるメタノール濃度b(体積%)が下記式(I)を満たし、
|a-b|≦25 ・・・(I)
下記式(II)で計算される、ポリカーボネート膜に対する該有機ケイ素重合体粒子の固着指数が、3.5以下であることを特徴とするトナー。
固着指数=該ポリカーボネート膜に移行した該有機ケイ素重合体粒子の面積率c/該トナー粒子表面における該有機ケイ素重合体粒子の被覆率d×100 ・・・(II)
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面の有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、
該有機ケイ素重合体粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をa(体積%)とし、
該トナー粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をb(体積%)としたとき、
下記式(I)を満たし、
|a−b|≦25 ・・・(I)
下記式(II)で計算される、ポリカーボネート膜に対する該有機ケイ素重合体粒子の固着指数が、3.5以下であることを特徴とするトナー。
固着指数=該ポリカーボネート膜に移行した該有機ケイ素重合体粒子の面積率c/該トナー粒子表面における該有機ケイ素重合体粒子の被覆率d×100 ・・・(II)
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記メタノール濃度a(体積%)が、50体積%〜100体積%である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記有機ケイ素重合体粒子の前記トナー表面における分散度評価指数が、0.5以上2.0以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項4】
前記有機ケイ素重合体粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm〜500nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項5】
前記有機ケイ素重合体粒子の10Hzで測定される比誘電率εraが、3.50以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項6】
前記有機ケイ素重合体粒子が、下記式(1)で表されるT3単位構造を有し、


−SiO
3/2
・・・(1)
(式(1)中、R

は、炭素数が1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。)
前記有機ケイ素重合体粒子の
29
Si−NMR測定において、前記有機ケイ素重合体粒子に含有される全ケイ素元素に由来するピークの合計面積に対する、該T3単位構造を構成するケイ素に由来するピークの面積の割合が、0.50〜1.00である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項7】
透過型電子顕微鏡により前記トナーの断面画像の観察を行い、前記トナー粒子の輪郭線を直線に展開して得られた該断面画像の展開画像において、
前記トナー粒子の表面から前記トナー粒子の内部に侵入した前記有機ケイ素重合体粒子の侵入深さをe(nm)とし、前記トナー粒子の表面からの前記有機ケイ素重合体粒子の凸高さをf(nm)としたとき、該侵入深さe及び該凸高さfが、下記式(IV)を満たす請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
0.05≦e/(e+f)≦0.40 ・・・(IV)
(前記有機ケイ素重合体粒子の侵入深さe(nm)とは、該展開画像において、
前記有機ケイ素重合体粒子の輪郭線のうち前記有機ケイ素重合体粒子が前記トナー粒子に接触している部分の輪郭線を輪郭線Xとし、
該輪郭線Xの両端を直線で結んで得られる線分を線分Zとしたとき、
該線分Zから該輪郭線Xへ下した垂線及び該輪郭線Xとの交点xと、該線分Zと、の距離のうち最大のものを意味する。
前記有機ケイ素重合体粒子の凸高さf(nm)とは、該展開画像において、
前記有機ケイ素重合体粒子の輪郭線のうち該輪郭線X以外の部分の輪郭線を輪郭線Yとし
たとき、
該線分Zから該輪郭線Yへ下した垂線及び該輪郭線Yとの交点yと、該線分Zと、の距離のうち最大のものを意味する。)
【請求項8】
前記結着樹脂が、結晶性部位を有する樹脂を含有し、
該結晶性部位を有する樹脂が、下記式(1A)で表されるモノマーユニットを有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。
(式(1A)中、R
Z1
は、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数18〜36のアルキル基を表す。)
【請求項9】
前記結晶性部位を有する樹脂が、前記式(1A)で表される第一のモノマーユニット、及び該第一のモノマーユニットとは異なる第二のモノマーユニットを有する重合体Aであり、
該重合体Aが、ビニル樹脂であり、
該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%以上60.0モル%以下であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%以上95.0モル%以下であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP
11
(J/cm


0.5
とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP
21
(J/cm


0.5
としたとき、下記式(V)を満たす請求項8に記載のトナー。
3.00≦(SP
21
−SP
11
)≦25.00 ・・・(V)
【請求項10】
前記第二のモノマーユニットが、下記式(2A)で表されるモノマーユニット及び下記式(3A)で表されるモノマーユニットからなる群から選択される少なくとも一である請求項9に記載のトナー。
(式(2A)中、Xは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。


は、ニトリル基(−C≡N)、
アミド基(−C(=O)NHR
10
(R
10
は水素原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基を表す。))、
ヒドロキシ基、
−COOR
11
(R
11
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6
のヒドロキシアルキル基を表す。)、
ウレア基(−NH−C(=O)−N(R
13


(2つのR
13
はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。))、
−COO(CH



NHCOOR
14
(R
14
は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)、又は
−COO(CH



−NH−C(=O)−N(R
15


(2つのR
15
はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
である。R

は、水素原子又はメチル基を表す。)
(式(3A)中、R

は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R

は、水素原子又はメチル基を表す。)
【請求項11】
前記トナー中の前記有機ケイ素重合体粒子の含有量が、0.2質量%〜6.0質量%である請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法などを利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 8,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子写真技術を使用する複写機やプリンター等の画像形成装置は、使用目的及び使用環境の多様化が進んでいる。また、それと共に更なる長寿命化や小型化が強く求められている。
小型化という観点では、トナーの消費量を低減することが重要である。トナーの消費量を低減することで、トナーカートリッジの体積を低減することができる。そのために種々のトナーや外添剤が提案されている。
トナーの消費量を低減するためには、トナーの転写性を向上させることが重要である。そのため、外添剤として、大粒径のシリカや樹脂微粒子をスペーサー粒子として用いたトナーが提案されている。しかし、大粒径のシリカや樹脂微粒子を外添したトナーは、初期特性は良好であるが、トナーが現像器内で繰り返し摺擦を受けることで、外添剤がトナー粒子表面から次第に別のトナー粒子表面やカートリッジ部材に移行しやすい。また、外添剤がトナー粒子表面に埋没しやすい。
そのため、さらなる高寿命化を考慮し、長期間安定した転写性を持続するためには課題があった。移行とは、外添剤がトナーから別のトナー粒子表面やカートリッジ部材へ移動して付着することを指す。また、シリカは高抵抗材料であるため、トナー粒子の表面で転がって偏在することにより、トナー粒子の表面に局所的な帯電の分布の偏りが生じやすい。
【0003】
また、低温低湿環境(例えば15℃/10RH%)においては、トナーの帯電性が高くなりやすいため、トナーの静電的な付着力が高まりやすい。加えて、流動性も低下しやすく、帯電分布が不均一になりやすいため、転写性の低下がより顕著となる課題があった。
そこで、このような課題の解決に向けて、有機ケイ素重合体粒子の検討が行われている。有機ケイ素重合体粒子は一般的な無機材料に比べると、硬度が低く、弾性体であるため、これを外添剤として用いることで、現像器内での摺擦においてもトナー粒子への外添剤の埋没を抑制しやすくなる。
しかし、一方で、有機ケイ素重合体粒子はトナー粒子表面に固着させにくく、移行や偏在しやすくなるため、長期使用における安定した帯電性には未だ課題があった。
そこで長期使用における帯電特性を満足させる1つの方法としては、以下の手法が提案されている。
特許文献1では、真球状のシリコーン微粒子を固着又は埋没させてトナーの長期使用においても帯電性を安定化する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平4−50859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のトナーは、耐久性及び帯電性をある程度改善できている。しかし、低温低湿環境においては、帯電分布の均一性が不足しており、転写性において、さらなる検討の余地があることがわかった。
すなわち、本開示は、低温低湿環境において、帯電性及び耐久性に優れ、長期使用にお
いても転写性に優れたトナーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面の有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、
該有機ケイ素重合体粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をa(体積%)とし、
該トナー粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をb(体積%)としたとき、
下記式(I)を満たし、
|a−b|≦25 ・・・(I)
下記式(II)で計算される、ポリカーボネート膜に対する該有機ケイ素重合体粒子の固着指数が、3.5以下であることを特徴とするトナー。
固着指数=該ポリカーボネート膜に移行した該有機ケイ素重合体粒子の面積率c/該トナー粒子表面における該有機ケイ素重合体粒子の被覆率d×100 ・・・(II)
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、低温低湿環境において、帯電性及び耐久性に優れ、長期使用においても転写性に優れるトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
混合処理装置の一例を示す模式図
混合処理装置に使用される撹拌部材の構成の一例
有機ケイ素重合体粒子の侵入深さの算出方法を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。例えば、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の、炭素−炭素結合1区間を1ユニットとする。ビニル系モノマーとは下記式(Z)で示すことができる。
[式(Z)中、R
Z1
は、水素原子、又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基)を表し、R
Z2
は、任意の置換基を表す。]
結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示す樹脂を指す。
【0010】
まず、転写性について考察する。
転写性に関する課題について着目すると、静電潜像担持体上のトナーが転写バイアスを受けても、静電的引力によって記録媒体上にトナーを転写できない場合がある。これは、
静電潜像担持体に対するトナーの静電的又は非静電的な付着力が高いことによるものである。
また、逆極性のトナーの比率が高いと転写バイアスを受けても転写できない場合もある。
【0011】
このような転写性に関する課題を解決するためには、静電的若しくは非静電的な付着力を低減する、又はトナー粒子間の帯電分布を均一にすることが重要である。
装置の長期使用においては、現像器内でトナーが繰り返し摺擦を受けるため、トナー粒子表面から外添剤が移行し、又は外添剤が次第にトナー粒子に埋め込まれる。その結果、非静電付着力の増加及びトナー粒子間の帯電分布の均一性の低下により、転写性を維持しにくいことが課題である。
そこで、本発明者らは、長期使用においても、安定した転写性を得られる方法を検討した。
【0012】
まず、転写性を改良する方法として有機ケイ素重合体粒子に注目した。有機ケイ素重合体粒子の有する弾性と帯電性により、長期に渡って帯電を安定化させる方法を検討した。
ここで弾性とは、カートリッジ内での摺擦などの外力を受けたとしても塑性変形せずに復元する特性のことを意味する。有機ケイ素重合体粒子は一般的な無機材料や樹脂微粒子に比べると、硬度が低く、弾性体であるため、これらの粒子を外添剤として用いることで、トナーが摺擦を受けてもトナー粒子表面への外添剤の埋没を抑制することができるのではないかと考えた。
加えて、本発明者らは、有機ケイ素重合体粒子のトナー粒子表面への固着性を高めることで、有機ケイ素重合体粒子の移行を抑制することを考えた。検討の結果、有機ケイ素重合体粒子の固着性を高めることで、トナーの弾性効果を得ることができるようになり、長期使用における外添剤の移行や埋め込みを抑制することができた。
【0013】
しかし、上述した構成のみでは、低温低湿環境における長期使用時の転写性を充分に改善することはできなかった。低温低湿環境においては依然として長期に渡る帯電分布の安定性が得られにくい。また、弾性を有する有機ケイ素重合体粒子は、長期に渡ってトナー粒子表面へ固着させておくことが難しく、現像器内で受ける摺擦により有機ケイ素重合体粒子がトナー粒子表面から移行しやすい。
そこで、本発明者らは、さらに転写性を改善する方法を検討した。
本発明者らは、鋭意検討の結果、有機ケイ素重合体粒子をトナー粒子に固着させることに加えて、トナー粒子の濡れ性と有機ケイ素重合体粒子の濡れ性の差を少なくすることで長期使用における転写性の改良ができることを突き止めた。
【0014】
上記効果が発現する理由について、本発明者らは次のように考えている。
濡れ性とは、メタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度のことである。濡れ性は、材料表面の親水性/疎水性の程度を示している。
トナー粒子の表面の濡れ性と有機ケイ素重合体粒子の表面の濡れ性を近づけることにより、両者の界面における表面張力を低減させることができる。その結果、外添時に両者の界面を隙間なく密着させることができ、有機ケイ素重合体粒子の脱離を抑制できる。また、有機ケイ素重合体粒子の有する電荷をトナー粒子表面に拡散させることができるため、トナー粒子表面の帯電分布を均一にすることができると考えている。
【0015】
有機ケイ素重合体粒子の濡れ性とトナーの濡れ性が離れていると、外添時にこれらを隙間なく密着させにくい。また、これらを密着させられたとしても、長期使用による摺擦を受けると有機ケイ素重合体粒子とトナー粒子との界面に微小な隙間(クラック)が生じやすい。その結果、現像器内で受ける摺擦により有機ケイ素重合体粒子の移行が発生しやす
く、また、前述した電荷の拡散効果が得られにくいため、上記効果が得られにくいと考えている。
以上の観点から、トナー粒子表面の濡れ性と有機ケイ素重合体粒子の濡れ性を近づけつつ、しっかり固着させることで、低温低湿環境での長期使用における転写性を改善できることを見出した。
【0016】
具体的には、結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面の有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、
該有機ケイ素重合体粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をa(体積%)とし、
該トナー粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をb(体積%)としたとき、
下記式(I)を満たし、
|a−b|≦25 ・・・(I)
下記式(II)で計算される、ポリカーボネート膜に対する該有機ケイ素重合体粒子の固着指数が、3.5以下であるトナーに関する。
固着指数=該ポリカーボネート膜に移行した該有機ケイ素重合体粒子の面積率c/該トナー粒子表面における該有機ケイ素重合体粒子の被覆率d×100 ・・・(II)
【0017】
前述した式(I)の通り、有機ケイ素重合体粒子の濡れ性試験におけるメタノール濃度a(体積%)と、トナー粒子のメタノール濃度b(体積%)の差の絶対値が、25以下であることが必要である。
|a−b|を25以下にすることで、有機ケイ素重合体粒子とトナーの界面におけるクラックの発生を抑制することができるため転写性が向上する。前述の効果をより発現させるため、|a−b|は、好ましくは20以下であり、より好ましくは15以下である。
|a−b|の下限は特に制限されないが、好ましくは0以上である。
トナー粒子の材料の種類や量及び有機ケイ素重合体粒子の組成や表面処理を変更することで、濡れ性の差を上記範囲に制御することができる。
【0018】
また、メタノール濃度aは、50体積%〜100体積%であることが好ましく、55体積%〜90体積%であることがより好ましい。濡れ性が上記範囲にあることにより有機ケイ素重合体粒子の帯電低下を抑制できるとともに、トナー粒子との親和性が向上しやすくなり、高温高湿環境(30℃、80RH%)においても、転写性の低下を抑制しやすくなる。
有機ケイ素重合体粒子の濡れ性は、有機ケイ素重合体粒子の組成や表面処理する材料の種類や量により制御することができる。
メタノール濃度bは、20体積%〜100体積%であることが好ましく、30体積%〜80体積%であることがより好ましい。
【0019】
さらに、式(II)で計算される、ポリカーボネート膜に対する有機ケイ素重合体粒子の固着指数が、3.5以下である必要がある。
固着指数=ポリカーボネート膜に移行した有機ケイ素重合体粒子の面積率c/該トナー粒子表面における有機ケイ素重合体粒子の被覆率d×100 ・・(II)
固着指数は、好ましくは3.2以下であり、より好ましくは3.0以下である。
【0020】
固着指数とは、ポリカーボネート膜に対する有機ケイ素重合体粒子の移行しやすさを示した値である。数値が小さいほど有機ケイ素重合体粒子がトナー粒子から外れにくく、他の部材へ移行しにくいことを意味する。有機ケイ素重合体粒子の表面とトナー粒子表面の性質を近づけることによって、より固着させやすくなる。
固着指数は外添条件の変更、トナー粒子及び有機ケイ素重合体の濡れ性を制御すること
で制御できる。
固着指数を3.5以下にすることで、現像機内で生じる摺擦を受けても、有機ケイ素重合体粒子の移行を抑えることができ、長期使用における転写性が向上する。
一方、下限は特に制限されないが、好ましくは0.0以上である。
【0021】
以下、トナーの好ましい形態について説明する。
有機ケイ素重合体粒子について詳細に説明する。有機ケイ素重合体粒子とは、有機基をもつケイ素と酸素が交互に結合してできた主鎖より構成される粒子である。
有機ケイ素重合体粒子の製法は特に限定されず、例えば水にシラン化合物を滴下し、触媒により加水分解、縮合反応させた後、得られた懸濁液を濾過、乾燥し得ることができる。触媒の種類、配合比、反応開始温度、滴下時間などにより、有機ケイ素重合体粒子の一次粒子の個数平均粒径をコントロールすることができる。
触媒として酸性触媒は塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、塩基性触媒はアンモニア水、水酸ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0022】
有機ケイ素重合体粒子は、ケイ素原子と酸素原子とが交互に結合した構造を有し、好ましくは下記式(1)で表されるT3単位構造を有している。
有機ケイ素重合体粒子の
29
Si−NMR測定において、有機ケイ素重合体粒子に含有される全ケイ素元素に由来するピークの合計面積に対する、T3単位構造を有するケイ素に由来するピークの面積の割合が、0.50〜1.00であることが好ましい。より好ましくは0.70〜1.00であり、さらに好ましくは0.90〜1.00である。上記範囲であると、有機ケイ素重合体粒子に適切な弾性を持たせることができるため、長期耐久性の効果が得られやすい。
T3単位構造を有するケイ素に由来するピークの面積の割合は、有機ケイ素重合体粒子の重合に使用する有機ケイ素化合物の種類、特に三官能性シランの種類及び割合の少なくとも一方を変更することにより制御することができる。
【0023】


−SiO
3/2
・・・(1)
(式(1)中、R

は炭素数が1〜6(好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2)のアルキル基又はフェニル基を表す。)
【0024】
有機ケイ素重合体粒子は、下記式(2)で表される構造を有する有機ケイ素化合物の縮重合物であることが好ましい。
【0025】
【0026】
(式(2)中、R

、R

、R

及びR

は、それぞれ独立して、炭素数1〜6(好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2)のアルキル基、フェニル基、又は反応基(例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3の)アルコキシ基)を表す。)
【0027】
有機ケイ素重合体粒子を得るには、
式(2)の一分子中に4つの反応基を有する有機ケイ素化合物(四官能性シラン)、
式(2)中のR

がアルキル基又はフェニル基であり、3つの反応基(R

、R

、R

)を有する有機ケイ素化合物(三官能性シラン)、
式(2)中のR

、R

がアルキル基又はフェニル基であり、2つの反応基(R

、R

)を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)、
式(2)中のR

、R

、R

がアルキル基又はフェニル基であり、1つの反応基(R

)を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン)を用いることができる。
T3単位構造に由来するピークの面積の割合を、0.50〜1.00とするためには、有機ケイ素化合物として三官能性シランを50モル%以上使用することが好ましい。
【0028】
式(2)のR

は、炭素数1〜6(好ましくは1〜4、より好ましくは1又は2)のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。R

、R

及びR

は、それぞれ独立して、反応基(ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3の)アルコキシ基であることが好ましい。
これらの反応基が加水分解、付加重合及び縮合重合させて架橋構造を形成し、有機ケイ素重合体粒子を得ることができる。R

、R

及びR

の加水分解、付加重合及び縮合重合は、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
【0029】
四官能性シランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソシアネートシランなどが挙げられる。
【0030】
三官能性シランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシラン、ペンチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
(【0031】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

キヤノン株式会社
基板
キヤノン株式会社
素子
キヤノン株式会社
筐体
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
包装箱
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
トナー
キヤノン株式会社
光学機器
キヤノン株式会社
撮像装置
キヤノン株式会社
電子装置
キヤノン株式会社
撮像装置
キヤノン株式会社
撮像装置
キヤノン株式会社
電子機器
キヤノン株式会社
電子機器
キヤノン株式会社
電子機器
キヤノン株式会社
電子機器
続きを見る