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公開番号2021148842
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210927
出願番号2020045833
出願日20200316
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人特許業務法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/097 20060101AFI20210830BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低温低湿環境において、帯電性及び耐久性に優れ、長期使用においても転写性に優れたトナー。
【解決手段】結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面の有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、該有機ケイ素重合体粒子の濡れ性試験におけるメタノール濃度a(体積%)、及び該トナー粒子の濡れ性試験におけるメタノール濃度b(体積%)が下記式(I)を満たし、
|a-b|≦25 ・・・(I)
下記式(II)で計算される、ポリカーボネート膜に対する該有機ケイ素重合体粒子の固着指数が、3.5以下であることを特徴とするトナー。
固着指数=該ポリカーボネート膜に移行した該有機ケイ素重合体粒子の面積率c/該トナー粒子表面における該有機ケイ素重合体粒子の被覆率d×100 ・・・(II)
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面の有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、
該有機ケイ素重合体粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をa(体積%)とし、
該トナー粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をb(体積%)としたとき、
下記式(I)を満たし、
|a−b|≦25 ・・・(I)
下記式(II)で計算される、ポリカーボネート膜に対する該有機ケイ素重合体粒子の固着指数が、3.5以下であることを特徴とするトナー。
固着指数=該ポリカーボネート膜に移行した該有機ケイ素重合体粒子の面積率c/該トナー粒子表面における該有機ケイ素重合体粒子の被覆率d×100 ・・・(II)
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記メタノール濃度a(体積%)が、50体積%〜100体積%である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記有機ケイ素重合体粒子の前記トナー表面における分散度評価指数が、0.5以上2.0以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項4】
前記有機ケイ素重合体粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm〜500nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項5】
前記有機ケイ素重合体粒子の10Hzで測定される比誘電率εraが、3.50以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項6】
前記有機ケイ素重合体粒子が、下記式(1)で表されるT3単位構造を有し、


−SiO
3/2
・・・(1)
(式(1)中、R

は、炭素数が1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。)
前記有機ケイ素重合体粒子の
29
Si−NMR測定において、前記有機ケイ素重合体粒子に含有される全ケイ素元素に由来するピークの合計面積に対する、該T3単位構造を構成するケイ素に由来するピークの面積の割合が、0.50〜1.00である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項7】
透過型電子顕微鏡により前記トナーの断面画像の観察を行い、前記トナー粒子の輪郭線を直線に展開して得られた該断面画像の展開画像において、
前記トナー粒子の表面から前記トナー粒子の内部に侵入した前記有機ケイ素重合体粒子の侵入深さをe(nm)とし、前記トナー粒子の表面からの前記有機ケイ素重合体粒子の凸高さをf(nm)としたとき、該侵入深さe及び該凸高さfが、下記式(IV)を満たす請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
0.05≦e/(e+f)≦0.40 ・・・(IV)
(前記有機ケイ素重合体粒子の侵入深さe(nm)とは、該展開画像において、
前記有機ケイ素重合体粒子の輪郭線のうち前記有機ケイ素重合体粒子が前記トナー粒子に接触している部分の輪郭線を輪郭線Xとし、
該輪郭線Xの両端を直線で結んで得られる線分を線分Zとしたとき、
該線分Zから該輪郭線Xへ下した垂線及び該輪郭線Xとの交点xと、該線分Zと、の距離のうち最大のものを意味する。
前記有機ケイ素重合体粒子の凸高さf(nm)とは、該展開画像において、
前記有機ケイ素重合体粒子の輪郭線のうち該輪郭線X以外の部分の輪郭線を輪郭線Yとし
たとき、
該線分Zから該輪郭線Yへ下した垂線及び該輪郭線Yとの交点yと、該線分Zと、の距離のうち最大のものを意味する。)
【請求項8】
前記結着樹脂が、結晶性部位を有する樹脂を含有し、
該結晶性部位を有する樹脂が、下記式(1A)で表されるモノマーユニットを有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。
(式(1A)中、R
Z1
は、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数18〜36のアルキル基を表す。)
【請求項9】
前記結晶性部位を有する樹脂が、前記式(1A)で表される第一のモノマーユニット、及び該第一のモノマーユニットとは異なる第二のモノマーユニットを有する重合体Aであり、
該重合体Aが、ビニル樹脂であり、
該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%以上60.0モル%以下であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%以上95.0モル%以下であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP
11
(J/cm


0.5
とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP
21
(J/cm


0.5
としたとき、下記式(V)を満たす請求項8に記載のトナー。
3.00≦(SP
21
−SP
11
)≦25.00 ・・・(V)
【請求項10】
前記第二のモノマーユニットが、下記式(2A)で表されるモノマーユニット及び下記式(3A)で表されるモノマーユニットからなる群から選択される少なくとも一である請求項9に記載のトナー。
(式(2A)中、Xは単結合又は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。


は、ニトリル基(−C≡N)、
アミド基(−C(=O)NHR
10
(R
10
は水素原子、若しくは炭素数1〜4のアルキル基を表す。))、
ヒドロキシ基、
−COOR
11
(R
11
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6
のヒドロキシアルキル基を表す。)、
ウレア基(−NH−C(=O)−N(R
13


(2つのR
13
はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。))、
−COO(CH



NHCOOR
14
(R
14
は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)、又は
−COO(CH



−NH−C(=O)−N(R
15


(2つのR
15
はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
である。R

は、水素原子又はメチル基を表す。)
(式(3A)中、R

は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R

は、水素原子又はメチル基を表す。)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法などを利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子写真技術を使用する複写機やプリンター等の画像形成装置は、使用目的及び使用環境の多様化が進んでいる。また、それと共に更なる長寿命化や小型化が強く求められている。
小型化という観点では、トナーの消費量を低減することが重要である。トナーの消費量を低減することで、トナーカートリッジの体積を低減することができる。そのために種々のトナーや外添剤が提案されている。
トナーの消費量を低減するためには、トナーの転写性を向上させることが重要である。そのため、外添剤として、大粒径のシリカや樹脂微粒子をスペーサー粒子として用いたトナーが提案されている。しかし、大粒径のシリカや樹脂微粒子を外添したトナーは、初期特性は良好であるが、トナーが現像器内で繰り返し摺擦を受けることで、外添剤がトナー粒子表面から次第に別のトナー粒子表面やカートリッジ部材に移行しやすい。また、外添剤がトナー粒子表面に埋没しやすい。
そのため、さらなる高寿命化を考慮し、長期間安定した転写性を持続するためには課題があった。移行とは、外添剤がトナーから別のトナー粒子表面やカートリッジ部材へ移動して付着することを指す。また、シリカは高抵抗材料であるため、トナー粒子の表面で転がって偏在することにより、トナー粒子の表面に局所的な帯電の分布の偏りが生じやすい。
【0003】
また、低温低湿環境(例えば15℃/10RH%)においては、トナーの帯電性が高くなりやすいため、トナーの静電的な付着力が高まりやすい。加えて、流動性も低下しやすく、帯電分布が不均一になりやすいため、転写性の低下がより顕著となる課題があった。
そこで、このような課題の解決に向けて、有機ケイ素重合体粒子の検討が行われている。有機ケイ素重合体粒子は一般的な無機材料に比べると、硬度が低く、弾性体であるため、これを外添剤として用いることで、現像器内での摺擦においてもトナー粒子への外添剤の埋没を抑制しやすくなる。
しかし、一方で、有機ケイ素重合体粒子はトナー粒子表面に固着させにくく、移行や偏在しやすくなるため、長期使用における安定した帯電性には未だ課題があった。
そこで長期使用における帯電特性を満足させる1つの方法としては、以下の手法が提案されている。
特許文献1では、真球状のシリコーン微粒子を固着又は埋没させてトナーの長期使用においても帯電性を安定化する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平4−50859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のトナーは、耐久性及び帯電性をある程度改善できている。しかし、低温低湿環境においては、帯電分布の均一性が不足しており、転写性において、さらなる検討の余地があることがわかった。
すなわち、本開示は、低温低湿環境において、帯電性及び耐久性に優れ、長期使用にお
いても転写性に優れたトナーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
結着樹脂を含有するトナー粒子、及び該トナー粒子の表面の有機ケイ素重合体粒子を有するトナーであって、
該有機ケイ素重合体粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をa(体積%)とし、
該トナー粒子のメタノール/水混合溶媒を用いた濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度をb(体積%)としたとき、
下記式(I)を満たし、
|a−b|≦25 ・・・(I)
下記式(II)で計算される、ポリカーボネート膜に対する該有機ケイ素重合体粒子の固着指数が、3.5以下であることを特徴とするトナー。
固着指数=該ポリカーボネート膜に移行した該有機ケイ素重合体粒子の面積率c/該トナー粒子表面における該有機ケイ素重合体粒子の被覆率d×100 ・・・(II)
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、低温低湿環境において、帯電性及び耐久性に優れ、長期使用においても転写性に優れるトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
混合処理装置の一例を示す模式図
混合処理装置に使用される撹拌部材の構成の一例
有機ケイ素重合体粒子の侵入深さの算出方法を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。例えば、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の、炭素−炭素結合1区間を1ユニットとする。ビニル系モノマーとは下記式(Z)で示すことができる。
[式(Z)中、R
Z1
は、水素原子、又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基)を表し、R
Z2
は、任意の置換基を表す。]
結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示す樹脂を指す。
【0010】
まず、転写性について考察する。
転写性に関する課題について着目すると、静電潜像担持体上のトナーが転写バイアスを受けても、静電的引力によって記録媒体上にトナーを転写できない場合がある。これは、
静電潜像担持体に対するトナーの静電的又は非静電的な付着力が高いことによるものである。
また、逆極性のトナーの比率が高いと転写バイアスを受けても転写できない場合もある。
(【0011】以降は省略されています)

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