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公開番号2021143725
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210924
出願番号2020043002
出願日20200312
発明の名称制御装置
出願人株式会社アイシン
代理人特許業務法人R&C
主分類F16H 61/08 20060101AFI20210827BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】第1変速機及び第2変速機を備えた車両用駆動装置において、第1変速機や第2変速機の変速動作時の車両挙動を安定的なものとしやすい技術を実現する。
【解決手段】車両用駆動装置を制御対象とする制御装置は、第1変速機TM1の変速動作が行われる第1変速期間P1と第2変速機TM2の変速動作が行われる第2変速期間P2とが重複しないように、第1変速機TM1及び第2変速機TM2のそれぞれの変速動作の開始時期を制御する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
第1駆動力源と第1車輪とを結ぶ第1動力伝達経路に、変速比を変更可能な第1変速機を備え、第2駆動力源と第2車輪とを結び且つ前記第1動力伝達経路とは分離した第2動力伝達経路に、変速比を変更可能な第2変速機を備えた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置であって、
前記第1変速機の変速動作が行われる第1変速期間と前記第2変速機の変速動作が行われる第2変速期間とが重複しないように、前記第1変速機及び前記第2変速機のそれぞれの変速動作の開始時期を制御する、制御装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記第1変速機は、複数の第1係合装置を備え、複数の前記第1係合装置のうちの第1解放側係合装置の解放と第1係合側係合装置の係合とを行って変速比を変更し、
前記第2変速機は、複数の第2係合装置を備え、複数の前記第2係合装置のうちの第2解放側係合装置の解放と第2係合側係合装置の係合とを行って変速比を変更し、
前記第1変速期間は、前記第1変速機が伝達するトルクの前記第1係合側係合装置と前記第1解放側係合装置との間での分担割合が変化する第1トルク相の期間と、前記第1変速機の入力回転速度が変速前の変速比に応じた回転速度から変速後の変速比に応じた回転速度に変化する第1イナーシャ相の期間と、を含み、
前記第2変速期間は、前記第2変速機が伝達するトルクの前記第2係合側係合装置と前記第2解放側係合装置との間での分担割合が変化する第2トルク相の期間と、前記第2変速機の入力回転速度が変速前の変速比に応じた回転速度から変速後の変速比に応じた回転速度に変化する第2イナーシャ相の期間と、を含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2変速機の変速動作の完了後に前記第1変速機の変速動作を開始する場合に、前記第2トルク相及び前記第2イナーシャ相の双方の期間の終了後に、前記第1係合側係合装置及び前記第1解放側係合装置の少なくとも一方の係合圧を変化させるための第1準備制御を開始し、
前記第1変速機の変速動作の完了後に前記第2変速機の変速動作を開始する場合に、前記第1トルク相及び前記第1イナーシャ相の双方の期間の終了後に、前記第2係合側係合装置及び前記第2解放側係合装置の少なくとも一方の係合圧を変化させるための第2準備制御を開始する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1変速機の変速動作を制御する第1変速制御部と、前記第2変速機の変速動作を制御する第2変速制御部と、前記第1変速制御部及び前記第2変速制御部を制御する統合制御部と、を備え、
前記第1変速制御部は、前記第1変速機の変速比を変更しようとする場合に第1信号を前記統合制御部に出力し、
前記第2変速制御部は、前記第2変速機の変速比を変更しようとする場合に第2信号を前記統合制御部に出力し、
前記第1駆動力源は、内燃機関及び第1回転電機を含み、
前記第2駆動力源は、第2回転電機を含み、
前記統合制御部は、前記第1信号が、前記第2信号と同時期に、或いは前記第2信号よりも早く入力された場合には、前記第1変速機の変速動作の完了後に前記第2変速機の変速動作を開始するように前記第1変速制御部及び前記第2変速制御部を制御し、
前記第2信号が、前記第1信号よりも早く入力された場合には、前記第2変速機の変速動作の完了後に前記第1変速機の変速動作を開始するように前記第1変速制御部及び前記第2変速制御部を制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1変速機及び前記第2変速機のそれぞれは、変速比の異なる複数の変速段を形成可能であり、
前記第1変速機が形成可能な変速段の段数が、前記第2変速機が形成可能な変速段の段数よりも多い、請求項4に記載の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、第1駆動力源と第1車輪とを結ぶ動力伝達経路に変速比を変更可能な第1変速機を備え、第2駆動力源と第2車輪とを結ぶ動力伝達経路に変速比を変更可能な第2変速機を備えた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置に関する。
続きを表示(約 9,600 文字)【背景技術】
【0002】
上記のように第1変速機及び第2変速機を備えた車両用駆動装置の一例が、特開2011−51460号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1の車両用駆動装置は、第1駆動力源としてのエンジン(101)と第1車輪としての前輪(111,113)とを結ぶ動力伝達経路に、変速比を変更可能な第1変速機としてのトランスミッション(103)を備え、第2駆動力源としてのモータ/ジェネレータ(5)と第2車輪としての後輪(121,123)とを結ぶ動力伝達経路に、変速比を変更可能な第2変速機としてのプラネタリーギヤ機構(7)を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011−51460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、変速機の変速動作時には、一般に、トルク比の変化やイナーシャトルクの発生により車両加速度が変化する。車両加速度の変化を小さく抑え或いは意図的に大きくする等、変速機の変速動作時の車両加速度の変化を運転者の好むシフトフィーリングに合わせて調整する技術も知られているが、このような調整の有無にかかわらず、変速機の変速動作時の車両挙動は安定的であること(すなわち、車両挙動が変化する場合であってもその変化が安定的に制御されたものであること)が望ましい。上記のように第1変速機及び第2変速機を備えた車両用駆動装置においては、第1変速機の変速動作による車両加速度の変化と、第2変速機の変速動作による車両加速度の変化との双方を考慮する必要があるが、特許文献1にはこの点についての記載はない。
【0005】
そこで、第1変速機及び第2変速機を備えた車両用駆動装置において、第1変速機や第2変速機の変速動作時の車両挙動を安定的なものとしやすい技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、第1駆動力源と第1車輪とを結ぶ第1動力伝達経路に、変速比を変更可能な第1変速機を備え、第2駆動力源と第2車輪とを結び且つ前記第1動力伝達経路とは分離した第2動力伝達経路に、変速比を変更可能な第2変速機を備えた車両用駆動装置を制御対象とする制御装置であって、前記第1変速機の変速動作が行われる第1変速期間と前記第2変速機の変速動作が行われる第2変速期間とが重複しないように、前記第1変速機及び前記第2変速機のそれぞれの変速動作の開始時期を制御する。
【0007】
本構成では、第1変速期間と第2変速期間とが重複しないように、第1変速機及び第2変速機のそれぞれの変速動作の開始時期が制御される。よって、第1変速機の変速動作と第2変速機の変速動作とが干渉することを回避して、第1変速機の変速動作による車両加速度の変化と、第2変速機の変速動作による車両加速度の変化とが、重ならないようにすることができる。このため、本構成では、これら2つの車両加速度の変化が重なる場合に比べて、車両加速度の急激な変化を回避しやすくなっていると共に、車両加速度の変化を調整する場合の制御も容易となっている。例えば、第1変速機の変速動作による車両加速度の変化を、第2駆動力源の出力トルクにより調整することが容易となっている。この結果、第1変速機や第2変速機の変速動作時の車両挙動を安定的なものとしやすくなっている。なお、本構成では、第1変速機の変速動作と第2変速機の変速動作とが干渉することを回避することができるため、第1変速機の変速動作の学習(個体差や経時変化を補正するための学習)や第2変速機の変速動作の学習を正確に行いやすいという利点もある。
【0008】
制御装置の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係る車両の模式図
実施形態に係る車両用駆動装置の一部の模式図
実施形態に係る車両用駆動装置の別の一部の模式図
第1変速制御部において実行される制御フローの一例を示すフローチャート
第2変速制御部において実行される制御フローの一例を示すフローチャート
統合制御部において実行される制御フローの一例を示すフローチャート
第1変速機の変速動作の完了後に第2変速機の変速動作を開始する場合の制御挙動の一例を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
制御装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等)が含まれていてもよい。
【0011】
制御装置30は、車両用駆動装置90を制御対象とする制御装置である。図1〜図3に示すように、制御装置30による制御対象の車両用駆動装置90は、第1駆動力源1と第1車輪W1とを結ぶ第1動力伝達経路T1に、変速比を変更可能な第1変速機TM1を備え、第2駆動力源2と第2車輪W2とを結び且つ第1動力伝達経路T1とは分離した第2動力伝達経路T2に、変速比を変更可能な第2変速機TM2を備えている。すなわち、車両用駆動装置90は、第1車輪W1を駆動する第1駆動ユニット91と、第2車輪W2を駆動する第2駆動ユニット92と、を備えている。第2車輪W2は、第1車輪W1とは独立に回転可能な車輪である。ここでは、第1車輪W1及び第2車輪W2の一方が、車両用駆動装置90が搭載される車両100の前輪とされ、第1車輪W1及び第2車輪W2の他方が、車両100の後輪とされる。本実施形態では、第1車輪W1は、車両100の前輪であり、第2車輪W2は、車両100の後輪である。
【0012】
本明細書では、数を明記している場合や単数と複数を区別している場合を除き、「車輪」は単数及び複数のいずれをも含む概念として用いている。図1〜図3に示すように、本実施形態では、第1車輪W1は、一対の第1車輪W1(ここでは、左右一対の前輪)であり、第2車輪W2は、一対の第2車輪W2(ここでは、左右一対の後輪)である。すなわち、本実施形態では、車両用駆動装置90は、左右一対の前輪及び左右一対の後輪を駆動する4輪駆動方式の駆動装置である。
【0013】
図1及び図2に示すように、第1駆動ユニット91は、第1駆動力源1と、第1駆動力源1と第1車輪W1との間で駆動力を伝達する第1伝達装置11と、を備えている。第1伝達装置11は、第1変速機TM1を備えている。本実施形態では、第1動力伝達経路T1は、第1駆動力源1と一対の第1車輪W1とを結ぶ動力伝達経路であり、第1伝達装置11は、第1駆動力源1と一対の第1車輪W1との間で駆動力を伝達する。そのため、図2に示すように、第1伝達装置11は、第1変速機TM1と一対の第1車輪W1との間の動力伝達経路に、第1変速機TM1の側(言い換えれば、第1駆動力源1の側)から伝達される回転を一対の第1車輪W1に分配する第1出力用差動歯車装置71を備えている。第1出力用差動歯車装置71は、第1差動入力ギヤ71Aを備えており、第1変速機TM1の側から第1差動入力ギヤ71Aに入力される回転を一対の第1車輪W1に分配する。第1出力用差動歯車装置71は、例えば、傘歯車式又は遊星歯車式の差動歯車機構とされる。図2に示す例では、第1伝達装置11は、第1変速機TM1と第1出力用差動歯車装置71との間の動力伝達経路に、カウンタギヤ機構70を備えている。
【0014】
図1及び図3に示すように、第2駆動ユニット92は、第2駆動力源2と、第2駆動力源2と第2車輪W2との間で駆動力を伝達する第2伝達装置12と、を備えている。第2伝達装置12は、第2変速機TM2を備えている。本実施形態では、第2動力伝達経路T2は、第2駆動力源2と一対の第2車輪W2とを結ぶ動力伝達経路であり、第2伝達装置12は、第2駆動力源2と一対の第2車輪W2との間で駆動力を伝達する。そのため、図3に示すように、第2伝達装置12は、第2変速機TM2と一対の第2車輪W2との間の動力伝達経路に、第2変速機TM2の側(言い換えれば、第2駆動力源2の側)から伝達される回転を一対の第2車輪W2に分配する第2出力用差動歯車装置72を備えている。第2出力用差動歯車装置72は、第2差動入力ギヤ72Aを備えており、第2変速機TM2の側から第2差動入力ギヤ72Aに入力される回転を一対の第2車輪W2に分配する。第2出力用差動歯車装置72は、例えば、傘歯車式又は遊星歯車式の差動歯車機構とされる。
【0015】
第1駆動力源1及び第2駆動力源2のそれぞれは、駆動力を出力する装置を1つ以上含む。駆動力を出力する装置は、例えば、回転電機や内燃機関とされる。ここで、内燃機関は、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)である。図2及び図3に示すように、本実施形態では、第1駆動力源1は、内燃機関EG及び第1回転電機MG1を含み、第2駆動力源2は、第2回転電機MG2を含んでいる。第2回転電機MG2は、第1回転電機MG1とは独立に回転可能な回転電機である。第1駆動ユニット91は、内燃機関EG及び第1回転電機MG1の少なくとも一方の出力トルクを第1車輪W1に伝達させ、第2駆動ユニット92は、第2回転電機MG2の出力トルクを第2車輪W2に伝達させる。
【0016】
第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置3(図1参照)と電気的に接続されており、蓄電装置3から電力の供給を受けて力行し、或いは、内燃機関EGの出力トルクや車両100の慣性力により発電した電力を蓄電装置3に供給して蓄電させる。第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、共通の蓄電装置3に電気的に接続されている。そして、第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2の一方が発電した電力によって他方を力行させることが可能となっている。例えば、第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2として、3相交流(多相交流の一例)で駆動される交流回転電機を用いることができる。
【0017】
図2に示すように、第1変速機TM1は、第1変速入力部材81Aの回転を変速して第1変速出力部材81Bに伝達する。第1変速入力部材81Aは、第1駆動力源1の側から第1変速機TM1に回転を入力するための部材であり、第1変速出力部材81Bは、第1車輪W1の側に第1変速機TM1から回転を出力するための部材である。図2に示す例では、第1変速入力部材81Aは軸部材とされ、第1変速出力部材81Bは歯車部材とされている。第1変速機TM1は、第1変速機TM1の変速比(具体的には、第1変速出力部材81Bの回転速度に対する第1変速入力部材81Aの回転速度の比)を変更可能に構成されている。
【0018】
図2に示す例では、第1回転電機MG1は、第1変速入力部材81Aと一体的に回転するように連結され、内燃機関EGは、クラッチK0を介して第1変速入力部材81Aに連結されている。クラッチK0は、内燃機関EGと第1変速入力部材81Aとを選択的に連結する(すなわち、連結又は連結解除する)。クラッチK0は、内燃機関EGを第1車輪W1から切り離す機能を有する。このような構成に代えて、例えば、クラッチK0が設けられない構成、第1回転電機MG1がクラッチを介して第1変速入力部材81Aに連結される構成、第1駆動力源1と第1変速機TM1との間の動力伝達経路に流体伝動装置(例えば、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ)が設けられる構成、或いは、これらを組み合わせた構成とすることもできる。また、図2に示す例では、第1変速出力部材81Bは、カウンタギヤ機構70を介して第1差動入力ギヤ71Aに連結されている。このような構成に代えて、例えば、カウンタギヤ機構70が設けられず、第1変速出力部材81Bが第1差動入力ギヤ71Aに噛み合う構成とすることもできる。
【0019】
図3に示すように、第2変速機TM2は、第2変速入力部材82Aの回転を変速して第2変速出力部材82Bに伝達する。第2変速入力部材82Aは、第2駆動力源2の側から第2変速機TM2に回転を入力するための部材であり、第2変速出力部材82Bは、第2車輪W2の側に第2変速機TM2から回転を出力するための部材である。図2に示す例では、第2変速入力部材82Aは軸部材とされ、第2変速出力部材82Bは歯車部材とされている。第2変速機TM2は、第2変速機TM2の変速比(具体的には、第2変速出力部材82Bの回転速度に対する第2変速入力部材82Aの回転速度の比)を変更可能に構成されている。
【0020】
図3に示す例では、第2回転電機MG2は、第2変速入力部材82Aと一体的に回転するように連結されている。このような構成に代えて、例えば、第2回転電機MG2がクラッチを介して第2変速入力部材82Aに連結される構成、第2駆動力源2と第2変速機TM2との間の動力伝達経路に流体伝動装置が設けられる構成、或いは、これらを組み合わせた構成とすることもできる。また、図3に示す例では、第2変速出力部材82Bは、第2差動入力ギヤ72Aに噛み合っている。このような構成に代えて、例えば、第2変速出力部材82Bがカウンタギヤ機構を介して第2差動入力ギヤ72Aに連結される構成とすることもできる。
【0021】
第1変速機TM1及び第2変速機TM2として、変速比の異なる複数の変速段を切替可能な有段の自動変速機と、変速比を無段階に変更可能な無段の自動変速機とのいずれを用いてもよい。有段の自動変速機として、遊星歯車式の自動変速機、DCT(Dual Clutch Transmission)、AMT(Automated Manual Transmission)を例示することができる。また、無段の自動変速機として、ベルト式のCVT(Continuously Variable Transmission)を例示することができる。図2に示す例では、第1変速機TM1及び第2変速機TM2の双方が、遊星歯車式の自動変速機とされている。
【0022】
図2に示す例では、第1変速機TM1は、変速比の異なる8つの前進用変速段と、1つの後進用変速段とを形成可能に構成されている。ここで、8つの前進用変速段を、変速比の大きい側から順に(すなわち、低速段側から順に)、第1段、第2段、第3段、第4段、第5段、第6段、第7段、及び第8段とする。第1変速機TM1は、複数の第1係合装置21を備えており、第1係合装置21のそれぞれの係合の状態に応じて、複数の変速段の中のいずれかの変速段が形成される。
【0023】
図2に示す例では、第1変速機TM1は、第1遊星歯車機構PG1及び第2遊星歯車機構PG2の2つの遊星歯車機構を備えている。ここでは、第1遊星歯車機構PG1はダブルピニオン型の遊星歯車機構であり、第2遊星歯車機構PG2はラビニヨ型の遊星歯車機構である。第1変速機TM1が備える複数の第1係合装置21には、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及びワンウェイクラッチF1が含まれている。クラッチ(C1〜C4)は、第1変速機TM1を構成する2つの回転要素を選択的に連結し、ブレーキ(B1,B2)は、第1変速機TM1を構成する回転要素を非回転部材(例えば、第1変速機TM1のケース)に選択的に固定する。また、ワンウェイクラッチF1は、第1変速機TM1を構成する回転要素の回転方向を一方向に規制する。第1係合装置21は、摩擦係合装置及び噛み合い式係合装置のいずれであってもよいが、例えば、全ての第1係合装置21(但し、ワンウェイクラッチF1は除く)を摩擦係合装置とすることができる。なお、ワンウェイクラッチF1は設けられていなくてもよい。
【0024】
図2に示す例では、第1クラッチC1とワンウェイクラッチF1(又は第2ブレーキB2)とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、第1段が形成される。また、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、第2段が形成される。また、第1クラッチC1と第3クラッチC3とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、第3段が形成される。また、第1クラッチC1と第4クラッチC4とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、第4段が形成される。また、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、第5段が形成される。また、第2クラッチC2と第3クラッチC3とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、第6段が形成される。また、第2クラッチC2と第4クラッチC4とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、第7段が形成される。また、第2クラッチC2と第1ブレーキB1とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、第8段が形成される。また、第3クラッチC3と第2ブレーキB2とが係合すると共にそれ以外の第1係合装置21が解放した状態で、後進用変速段が形成される。
【0025】
図3に示す例では、第2変速機TM2は、変速比の異なる2つの変速段を形成可能に構成されている。ここで、2つの変速段を、変速比の大きい側から順に、低速段及び高速段とする。第2変速機TM2は、複数の第2係合装置22を備えており、第2係合装置22のそれぞれの係合の状態に応じて、2つの変速段の中のいずれかの変速段が形成される。
【0026】
図3に示す例では、第2変速機TM2は、第3遊星歯車機構PG3を備えている。ここでは、第3遊星歯車機構PG3はシングルピニオン型の遊星歯車機構である。第2変速機TM2が備える複数の第2係合装置22には、第5クラッチC5及び第3ブレーキB3が含まれている。第5クラッチC5は、第2変速機TM2を構成する2つの回転要素を選択的に連結し、第3ブレーキB3は、第2変速機TM2を構成する回転要素を非回転部材(例えば、第2変速機TM2のケース)に選択的に固定する。図3に示す例では、第3ブレーキB3が係合すると共に第5クラッチC5が解放した状態で低速段が形成され、第5クラッチC5が係合すると共に第3ブレーキB3が解放した状態で高速段が形成される。第2係合装置22は、摩擦係合装置及び噛み合い式係合装置のいずれであってもよいが、例えば、全ての第2係合装置22を摩擦係合装置とすることができる。
【0027】
このように、本実施形態では、第1変速機TM1及び第2変速機TM2の双方が、変速比の異なる複数の変速段を切替可能な有段の自動変速機とされている。すなわち、第1変速機TM1及び第2変速機TM2のそれぞれは、変速比の異なる複数の変速段を形成可能に構成されている。そして、本実施形態では、第1変速機TM1が形成可能な変速段の段数が、第2変速機TM2が形成可能な変速段の段数よりも多くなっている。図2及び図3に示す例では、第1変速機TM1が形成可能な変速段の段数が「8」であり、第2変速機TM2が形成可能な変速段の段数である「2」よりも多くなっている。
【0028】
次に、制御装置30の構成について説明する。制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を中核部材として備えると共に、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の当該演算処理装置が参照可能な記憶装置を備えている。そして、ROM等の記憶装置に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置30の各機能が実現される。制御装置30が備える演算処理装置は、各プログラムを実行するコンピュータとして動作する。
【0029】
車両100には各種センサが備えられており、制御装置30は、当該各種センサの検出情報(センサ検出情報)を取得可能に構成されている。センサ検出情報には、例えば、アクセル開度の情報、車速の情報、蓄電装置3の充電状態又は蓄電量の情報、第1変速入力部材81Aの回転速度の情報、第2変速入力部材82Aの回転速度の情報、車両100の運転者による変速段の変更操作(シフト操作)の情報が含まれる。
【0030】
図1に示すように、本実施形態では、制御装置30は、第1駆動制御部41と、第2駆動制御部42と、第1変速制御部51と、第2変速制御部52と、統合制御部60と、を備えている。制御装置30が備えるこれら複数の機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。なお、制御装置30が備える複数の機能部は、少なくとも論理的に区別されるものであり、物理的には必ずしも区別される必要はない。また、制御装置30が備える複数の機能部は、共通のハードウェアで実現される必要はなく、互いに通信可能な複数のハードウェアに分かれて実現されてもよい。すなわち、制御装置30は、1つのハードウェアではなく、互いに通信可能な複数のハードウェアを用いて構成されてもよい。制御装置30が互いに通信可能な複数のハードウェアを用いて構成される場合に、制御装置30が、車両100に搭載される車内装置と、車両100の外部に設けられて車内装置と通信ネットワーク(例えば、インターネット等)を介して通信可能な車外装置とに分離され、制御装置30の少なくとも一部の機能が車外装置に設けられる構成とすることもできる。
(【0031】以降は省略されています)

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