TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2021141749
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210916
出願番号2020038861
出願日20200306
発明の名称車両
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人中部国際特許事務所
主分類B60L 7/24 20060101AFI20210820BHJP(車両一般)
要約【課題】 実用性の高い車両を提供する。
【解決手段】 左右2つの前輪10Fおよび左右2つの後輪10Rを備える車両に対して、2つの前輪と2つの後輪との一方だけの各々に、摩擦力を利用して、互いに独立してブレーキ力を付与可能なブレーキシステム(14,14)と、2つの前輪と2つの後輪との少なくとも他方の各々を、その各々に対応する駆動源である電動モータ22b,70bの力によって駆動するとともに、その各々に、対応する電動モータによる回生を利用して、互いに独立してブレーキ力を付与可能な駆動システム(12F,12F,12R,12R)とを設ける。ブレーキ力発生手段の構造上の制約を比較的小さくしつつ信頼性を担保することができる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
左右2つの前輪および左右2つの後輪と、
前記2つの前輪と前記2つの後輪との一方だけの各々に、摩擦力を利用して、互いに独立してブレーキ力を付与可能なブレーキシステムと、
前記2つの前輪と前記2つの後輪との少なくとも他方の各々を、その各々に対応する駆動源である電動モータの力によって駆動するとともに、その各々に、対応する前記電動モータによる回生を利用して、互いに独立してブレーキ力を付与可能な駆動システムと
を備えた車両。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記ブレーキシステムが、2つの前輪にブレーキ力を付与するものである請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記駆動システムが、前記2つの前輪と前記2つの後輪との他方だけの各々を駆動するものである請求項1または請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記駆動システムが、
駆動される車輪ごとに設けられてその車輪のリム内に前記電動モータが配置された複数のインホイールモータ型車輪駆動装置を含んで構成された請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車両。
【請求項5】
前記ブレーキシステムが、左右の車輪に対応した2つの車輪ブレーキ装置を含んで構成され、
それら2つの車輪ブレーキ装置の各々が、
車輪とともに回転する回転体と、
その回転体に押し付けられる摩擦部材と、
車輪を回転可能に保持するキャリアに保持され、自身が有するピストンを前進させて前記摩擦部材を前記回転体に押し付けるブレーキアクチュエータと
を有する請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の車両。
【請求項6】
前記ブレーキアクチュエータが、駆動源としての電動モータと、その電動モータの回転動作を前記ピストンの進退動作に変換する動作変換機構とを有する電動ブレーキアクチュエータである請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記ブレーキアクチュエータが、自身に供給される作動液の圧力によって前記ピストンを前進させる液圧シリンダを有する液圧ブレーキアクチュエータであり、
前記ブレーキシステムが、
液圧源を有して、その液圧源からの作動液を、前記2つの車輪ブレーキ装置の各々の前記ブレーキアクチュエータの前記液圧シリンダに供給するとともに、各液圧シリンダに供給される作動液の圧力を個別に調整可能な作動液供給装置を備えた請求項5に記載の車両。
【請求項8】
前記ブレーキシステムが、運転者によって操作されるブレーキ操作部材を有し、前記作動液供給装置の失陥時には、運転者によって前記ブレーキ操作部材に加えられる力によって、各液圧シリンダに供給される作動液を加圧可能に構成された請求項7に記載の車両。
【請求項9】
当該車両が、ブレーキ力要求に対して、前記駆動システムによるブレーキ力を優先的に発生させ、不足分を前記ブレーキシステムによって賄うようにされた請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の車両。
【請求項10】
車輪にブレーキ力が付与されているときのその車輪のロックに対して、その車輪に前記ブレーキシステムと前記駆動システムとの一方がブレーキ力を付与している場合には、その一方が、その車輪に前記ブレーキシステムと前記駆動システムとの両方がブレーキ力を付与している場合には、その両方が、ABS動作を行うようにされた請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキシステムと駆動システムとを備えた車両に関する。
続きを表示(約 9,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば、前後左右に4つの車輪を有する一般的な車両には、4つの車輪のいずれに対しても、いわゆる摩擦ブレーキ装置が配備されている。摩擦ブレーキ装置は、典型的には、ディスクロータ等の車輪とともに回転する回転体と、その回転体に押し付けられるブレーキパッド等の摩擦部材と、その摩擦部材をその回転体に押し付けるためのアクチュエータとを含んで構成されている。近年、いわゆる電気自動車では、下記特許文献に記載されているように、そのような摩擦ブレーキ装置に代えて、回生ブレーキ、すなわち、車両の駆動源である電動モータによるエネルギ回生を利用したブレーキを採用することも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013−135532号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
摩擦ブレーキ装置は、長い歴史があって信頼性に優れている反面、車輪のリム内に何某かの構成要素が配設されるため、構造上の制約を受ける。一方で、回生ブレーキは、ブレーキ力を発生させるための特別な構成要素を必要とせずに駆動システムだけで実現できるが、大きなブレーキ力を得られないというデメリットもある。摩擦ブレーキ装置と回生ブレーキとの組み合わせに工夫を凝らすことにより、車両の実用性を向上させることが可能である。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両は、
左右2つの前輪および左右2つの後輪と、
前記2つの前輪と前記2つの後輪との一方だけの各々に、摩擦力を利用して、互いに独立してブレーキ力を付与可能なブレーキシステムと、
前記2つの前輪と前記2つの後輪との少なくとも他方の各々を、その各々に対応する駆動源である電動モータの力によって駆動するとともに、その各々に、対応する前記電動モータによる回生を利用して、互いに独立してブレーキ力を付与可能な駆動システムと
を備える。
【発明の効果】
【0006】
上記ブレーキシステムは、摩擦ブレーキ装置を含んで構成され、上記駆動システムは、回生ブレーキを実現させるものである。本発明の車両は、簡単に言えば、摩擦ブレーキ装置が前輪と後輪との一方にしか設けられてなく、前輪と後輪との少なくとも他方に、回生ブレーキが採用されたものと考えることができる。摩擦ブレーキ装置が、4つの車輪のすべてに設けられるのではなく、2つの車輪に対してだけ設けられているため、当該車両全体におけるブレーキ力発生手段の構造上の制約が比較的小さく、逆に言えば、2つの車輪には摩擦ブレーキ装置が設けられているため、そのブレーキ力発生手段の信頼性を担保することが可能となる。また、少なくとも摩擦ブレーキ装置が設けられていない車輪には、回生ブレーキを作用させることができるため、本発明の車両では、比較的大きなブレーキ力要求にも充分に応えることができる。
【発明の概要】
発明の態様
【0007】
摩擦ブレーキ装置の信頼性が高く、摩擦ブレーキ装置が比較的大きなブレーキ力を付与可能であることを考慮すれば、ブレーキシステムがブレーキ力を付与する前輪と後輪との一方は、前輪であることが望ましい。また、当該車両の構成ができるだけ簡素になるという観点からすれば、駆動システムは、ブレーキシステムによってはブレーキ力が付与されない前輪と後輪との他方だけを駆動するものであることが、つまり、その他方だけに回生によるブレーキ力を付与するものであることが望ましい。
【0008】
回生ブレーキ力を車輪に付与するという観点からすれば、駆動システムは、それぞれが駆動される車輪ごとに設けられてその車輪のリム内に前記電動モータが配置された複数のインホイールモータ型車輪駆動装置を含んで構成されることが望ましい。詳しく言えば、インホイールモータ型車輪駆動装置は、電動モータが車体に配設された駆動装置と異なり、比較的長いドライブシャフトを必要としないことから、回生ブレーキに対するABS動作(アンチロックブレーキ動作)において応答性に優れるからである。
【0009】
ブレーキシステムは、左右の車輪に対応した2つの車輪ブレーキ装置を含んでいる場合、それら2つの車輪ブレーキ装置の各々は、車輪とともに回転する回転体と、その回転体に押し付けられる摩擦部材と、車輪を回転可能に保持するキャリアに保持され、自身が有するピストンを前進させて前記摩擦部材を前記回転体に押し付けるブレーキアクチュエータとを有するように構成すればよい。
【0010】
上記ブレーキアクチュエータは、駆動源としての電動モータと、その電動モータの回転動作を上記ピストンの進退動作に変換する動作変換機構とを有する電動ブレーキアクチュエータとすることが可能である。つまり、上記車輪ブレーキ装置を、電動モータの力によって摩擦部材を回転体に押し付けるようにされた電動ブレーキ装置とすることが可能である。電動ブレーキ装置は、ブレーキ力要求への応答性に優れる。
【0011】
また、上記ブレーキアクチュエータを、自身に供給される作動液の圧力によって上記ピストンを前進させる液圧シリンダを有する液圧ブレーキアクチュエータとすることも可能である。その場合、ブレーキシステムは、作動液供給装置を備えるようにし、その作動液供給装置は、液圧源を有し、その液圧源からの作動液を2つの車輪ブレーキ装置の各々の液圧ブレーキアクチュエータの液圧シリンダに供給するとともに、各液圧シリンダに供給される作動液の圧力を個別に調整可能に構成すればよい。つまり、ブレーキシステムとして、信頼性の比較的高い液圧ブレーキシステムを採用することも可能なのである。液圧ブレーキシステムを採用する場合、フェールセーフの観点から、運転者によって操作されるブレーキ操作部材を有し、例えば上記作動液供給装置の電気的失陥時等において、運転者によってブレーキ操作部材に加えられる力によって、各液圧シリンダに供給される作動液を加圧可能に構成することが望ましい。
【0012】
駆動システムの回生ブレーキによるブレーキ力(以下、「回生ブレーキ力」という場合がある)と、ブレーキシステムによるブレーキ力(以下、「摩擦ブレーキ力」という場合がある)との発生に関して説明すれば、例えば、当該車両の省エネルギの観点に鑑みれば、当該車両へのブレーキ力要求に対して、駆動システムによるブレーキ力、すなわち、回生ブレーキ力を優先的に発生させ、不足分をブレーキシステムのブレーキ力、すなわち、摩擦ブレーキ力によって賄うようにすることが望ましい。
【0013】
ブレーキシステムと駆動システムとのいずれもが、自身がブレーキ力を付与する複数の車輪に対して、個別にブレーキ力を付与可能とされることから、本車両は、車輪にブレーキ力が付与されているときのその車輪のロックに対して、その車輪が前後左右いずれの車輪であっても、ABS動作を行わせることが可能である。詳しく言えば、車輪にブレーキ力が付与されているときのその車輪のロックに対して、その車輪にブレーキシステムと駆動システムとの一方がブレーキ力を付与している場合には、その一方が、その車輪にブレーキシステムと駆動システムとの両方がブレーキ力を付与している場合には、その両方が、ABS動作を行うようにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
第1実施例の車両の全体構成を示す模式図である。
前輪駆動装置と車輪ブレーキ装置とを含んで構成された車輪配設モジュールを示す斜視図である。
車輪ブレーキ装置を示す図である。
車輪ブレーキ装置が有するブレーキアクチュエータの断面図である。
後輪駆動装置を示す図である。
第1実施例の車両において実行される統括駆動制御プログラムのフローチャートである。
第1実施例の車両において実行される統括ブレーキ制御プログラムのフローチャートである。
第1実施例の車両において実行される車輪駆動制御プログラムおよび車輪ブレーキ制御プログラムのフローチャートである。
第2実施例の車両の全体構成を示す模式図である。
第2実施例の車両が備えるブレーキシステムの液圧回路図、および、そのシステムを構成する車輪ブレーキ装置の概略構造を示す断面図である。
第2実施例の車両において実行されるブレーキ制御プログラムのフローチャートである。
第3実施例の車両の全体構成を示す模式図である。
第4実施例の車両の全体構成を示す模式図である。
第1変形例の車両の全体構成を示す模式図である。
第2変形例の車両の全体構成を示す模式図である。
第3変形例の車両の全体構成を示す模式図である。
第4変形例の車両の全体構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例であるいくつかの車両およびそれら変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕に記載された形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。なお、実施例,変形例の車両は、前後左右4つの車輪を有する車両であり、以下の説明において、それら4つの車輪を、それぞれ、左前輪10FL,右前輪10FR,左後輪10RL,右後輪10RRと表すとともに、左右を区別する必要のない場合には、左前輪10FL,右前輪10FRの各々を、前輪10Fと、左後輪10RL,右前輪10RRの各々を、後輪10Rと、さらに、前後左右を区別する必要のない場合には、左前輪10FL,右前輪10FR,左後輪10RL,右後輪10RRの各々を、車輪10と、それぞれ総称する場合があることとする。
【実施例】
【0016】
第1実施例の車両は、全体構成を図1に模式的に示すように、4つの車輪10をそれぞれ駆動する4つの車輪駆動装置12を含んで構成される駆動システムと、左右の前輪10Fをそれぞれ制動する2つの車輪ブレーキ装置14を含んで構成されるブレーキシステムとを備えている。なお、2つの前輪10Fに対する2つの車輪駆動装置12の各々を、前輪駆動装置12Fと、2つの後輪10Rに対する2つの車輪駆動装置12の各々を、後輪駆動装置12Rと、区別して呼ぶ場合があることとする。
【0017】
i)前輪側のハード構成
前輪駆動装置12Fと、車輪ブレーキ装置14とは、図2に示すような、車輪配設モジュール20(以下、単に、「モジュール20」という場合がある)に組み込まれている。モジュール20は、タイヤ10aが装着されたホイール10bを車体に配設するためのモジュールである。ホイール10b自体を車輪10と考えることができるが、本実施例においては、便宜的に、タイヤ10aが装着されたホイール10bを車輪10と呼ぶこととする。
【0018】
前輪駆動装置12Fは、車輪駆動ユニット22を中心的要素として構成されている。車輪駆動ユニット22は、ハウジング22aと、ハウジング22aに内蔵された駆動源としての電動モータである駆動モータ22bおよびその駆動モータ22bの回転を減速する減速機22c(ともに構造の図示を省略する)と、ホイール10bが取り付けられるアクスルハブ(図では隠れて見えない)とを有している。車輪駆動ユニット22は、ホイール10bのリム10cの内側に配置された所謂インホイールモータユニットと呼ばれるものであり、前輪駆動装置12Fは、インホイールモータ型車輪駆動装置である。車輪駆動ユニット22は、よく知られた構造のものであるため、それについてのここでの説明は省略する。
【0019】
前輪駆動装置12Fは、駆動モータ22bに電流を供給することで、その電流の大きさに応じた駆動力で、前輪10Fを駆動する。一方で、駆動モータ22bには、前輪10Fの回転によって生じる起電力に基づく電流が生じ、その電流を電源に回収することで、つまり、エネルギ回生を行うことで、前輪10Fに、それの回転に対するブレーキ力(以下、「車輪回転ブレーキ力」という場合がある)を付与することが可能とされている。つまり、前輪駆動装置12Fは、駆動モータ22bを発電機として利用することで、車輪回生ブレーキ装置としても機能するものとされているのである。
【0020】
本モジュール20は、マクファーソン型サスペンション装置(「マクファーソンストラット型」とも呼ばれる)を含んで構成されている。このサスペンション装置において、車輪駆動ユニット22のハウジング22aは、車輪を回転可能に保持するとともに車体に対しての上下動が許容されたキャリアとして、さらに言えば、ハウジング22aは、後に説明する車輪転舵装置におけるステアリングナックルとして機能する。したがって、サスペンション装置は、サスペンションアームであるロアアーム24と、車輪駆動ユニット22のハウジング22aと、ショックアブソーバ26と、サスペンションスプリング28とを含んで構成されている。サスペンション装置自体は一般的な構造のものであるため、詳しい説明は省略する。
【0021】
車輪ブレーキ装置14は、ホイール10bとともにアクスルハブに取り付けられて車輪10とともに回転する回転体であるディスクロータ30と、そのディスクロータ30を跨ぐようにして車輪駆動ユニット22のハウジング22aに保持されたブレーキキャリパ32とを含んで構成されている。ブレーキキャリパ32は、摩擦部材としてのブレーキパッドと、電動モータを有してその電動モータの力でブレーキパッドをディスクロータ30に押し付けることで車輪10の回転を止めるためのブレーキアクチュエータとを有している。
【0022】
図3を参照しつつ詳しく説明すれば、ブレーキキャリパ32(以下、単に、「キャリパ32」という場合がある)は、ディスクロータ30を跨ぐようにして、車輪駆動ユニット22のハウジング22aに設けられたマウントに、軸線方向(図の左右方向)に移動可能に保持されている。ブレーキパッド34a,34b(以下、単に、「パッド34a,34b」という場合がある)は、軸線方向の移動が許容された状態で、ディスクロータ30を挟むようにしてマウントに保持されている。
【0023】
便宜的に、図における左方を前方と、右方を後方として説明すれば、前方側のパッド34aは、キャリパ本体36の前端部である爪部38に支持されるようにされている。ブレーキアクチュエータ40(以下、単に、「アクチュエータ40」という場合がある)は、キャリパ本体36の後方側の部分に、当該アクチュエータ40のハウジング42が固定されるようにして、保持されている。アクチュエータ40は、ハウジング42に進退可能に保持されたピストン44を有し、そのピストン44は、前進することによって、先端部が、後方側のパッド34bと係合する。そして、ピストン44が、係合した状態でさらに前進することで、1対のパッド34a,34bは、ディスクロータ30に、それを挟み付けるようにして押し付けられる。この押付けによって、ディスクロータ30とパッド34a,34bとの間の摩擦力に依存する車輪の回転に対するブレーキ力である車輪摩擦ブレーキ力、つまり、車両を減速,停止させるためのブレーキ力が発生させられるのである。
【0024】
アクチュエータ40について、断面を示す図4を参照しつつ簡単に説明すれば、アクチュエータ40は、電動ブレーキアクチュエータであり、上述のハウジング42,ピストン44の他、駆動源としての電動モータであるブレーキモータ46,ブレーキモータ46の回転(詳しくは、中空のモータ軸48の回転)を減速させるための減速機構50,その減速機構50を介したブレーキモータ46の回転によって回転させられる回転シャフト52を有してその回転シャフト52の回転動作をピストン44の進退動作に変換する動作変換機構54等を含んで構成されている。ブレーキモータ46への供給電流を制御することによってピストン44は進退し、パッド34a,34bのディスクロータ30への押付力、すなわち、車輪摩擦ブレーキ力の大きさは、供給される電流の大きさに概して比例する。ちなみに、減速機構50は、直列的に配置された2つの内接式遊星歯車機構を含む差動減速機構であり、動作変換機構54は、ねじ機構である。なお、車輪ブレーキ装置14は、電動ブレーキアクチュエータであるアクチュエータ40を含んで構成される電動ブレーキ装置であり、応答性に優れたものとされている。簡単に言えば、ブレーキ力要求に対する実際のブレーキ力の発生の遅れが小さくなっているのである。
【0025】
前輪10Fは、転舵輪であり、モジュール20には、図2に示すように、前輪駆動装置12F,車輪ブレーキ装置14に加えて、車輪転舵装置60が組み込まれている。車輪転舵装置60は、ロアアーム24に固定された転舵アクチュエータ62と、タイロッド64と、車輪駆動ユニット22のハウジング22aから延び出すナックルアーム22dとを含んで構成されている。転舵アクチュエータ62は、駆動源としての電動モータである転舵モータ62aと、転舵モータ62aの回転を減速する減速機62bと、転舵モータ62aの減速機62bを介した回転によって回動させられてピットマンアームとして機能するアクチュエータアーム62cとを有している。タイロッド64は、アクチュエータアーム62cとナックルアーム22dとを連結している。転舵モータ62aを作動させることで、図2に太い矢印で示すように、アクチュエータアーム62cは回動させられ、その回動がタイロッド64によって伝達されて、前輪10Fは、キングピン軸線KP回りに転舵される。
【0026】
本モジュール20は、車輪駆動装置12,車輪ブレーキ装置14,車輪転舵装置60が組み込まれてモジュール化されたものであり、車輪駆動装置12,車輪ブレーキ装置14,車輪転舵装置60の車体への組み付け作業を簡便に行うことが可能となる。端的に言えば、ロアアーム24の基端部を車体のサイドメンバーに取り付け、ショックアブソーバ26,サスペンションスプリング28の上端部を構成するアッパサポート66を車体のタイヤハウジングの上部に取り付けることで、当該モジュール20を、すなわち、一度に、車輪駆動装置12,車輪ブレーキ装置14,車輪転舵装置60を、車両に搭載することができるのである。そのように、本モジュール20は、車両に対する搭載性において優れたモジュールとされているのである。
【0027】
なお、摩擦ブレーキ装置である車輪ブレーキ装置14は、長い年月に亘って一般的に使用されているものであり、信頼性が高い。したがって、本車両は、後に説明するように後輪10Rの側には摩擦ブレーキ装置が設けられていないが、前輪10Fに対して摩擦ブレーキ装置が設けられているため、言い換えれば、前輪と後輪との一方に摩擦ブレーキ装置が設けられているため、当該車両全体におけるブレーキ力発生手段の信頼性が担保されているのである。
【0028】
さらに、前輪駆動装置12Fは、インホイールモータ型車輪駆動装置であり、かつ、車輪回生ブレーキ装置としても機能するものとされている。駆動モータが車体に配設される車輪駆動装置の場合には駆動モータとアクスルハブとの間が比較的長いドライブシャフトで連結され、後述する回生ブレーキ力に関連したABS動作において、そのドライブシャフトの存在は、捩じり弾性に起因する応答遅れの一因となる。簡単に言えば、回生ブレーキ力を解除するときや発生させるときに、その捩じり弾性によって、迅速な解除,発生が阻害されるのである。本車両では、図から解るように、そのようなドライブシャフトが配設されていない。したがって、前輪駆動装置12FによるABS動作は、応答性が良好なものとなる。
【0029】
ii)後輪側のハード構成
後輪10Rの側には、トレーリングアーム型のサスペンション装置が配備されており、図5に示すように、後輪駆動装置12Rの中心的構成要素である車輪駆動ユニット70は、トレーリングアーム72の後端部に固定されて取付られている。トレーリングアーム72は、前端部において、車体に、車幅方向に延びる回動軸線TLを中心に回動可能に支持されている。なお、図では、サスペンション装置に関して、サスペンションスプリング,ショックアブソーバ等の他の構成要素は省略されている。
【0030】
車輪駆動ユニット70は、先に説明した車輪駆動ユニット22と同様に、ハウジング70aと、ハウジング70aに内蔵された駆動源としての電動モータである駆動モータ70bおよびその駆動モータ70bの回転を減速する減速機70c(ともに構造の図示を省略する)と、ホイール10bが取り付けられるアクスルハブ70dとを有している。車輪駆動ユニット70は、ホイール10bのリム10cの内側に配置されたいわゆるインホイールモータユニットと呼ばれるものであり、後輪駆動装置12Rは、前輪駆動装置12Fと同様に、インホイールモータ型車輪駆動装置である。車輪駆動ユニット70は、車輪駆動ユニット20と同様、よく知られた構造のものであるため、それについてのここでの説明は省略する。
(【0031】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
治具
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
金型
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
電池
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
金型
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
装置
トヨタ自動車株式会社
装置
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
続きを見る