TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
公開番号2021134846
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210913
出願番号2020031077
出願日20200226
発明の名称車両用駆動装置
出願人株式会社アイシン
代理人特許業務法人近島国際特許事務所
主分類F16H 3/72 20060101AFI20210816BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】車両への搭載性を向上する。
【解決手段】ハイブリッド駆動装置は、サンギヤSとリングギヤRとキャリヤCRを回転要素として有する遊星歯車機構6と、いずれかの回転要素に係合して回転を伝達可能な係合状態と係合を解除した解放状態とに切替可能な第1クラッチC1を備える。ハイブリッド駆動装置は、リングギヤRの外周側においてリングギヤRの同心上に配置され、径方向から視て少なくとも一部がリングギヤRと軸方向にずれて配置され、リングギヤRと一体回転可能な第1カウンタギヤ61と、第1カウンタギヤ61の同心上に配置され、第1カウンタギヤ61の歯面61aよりも内周側で第1カウンタギヤ61をケース40に対して支持する第1軸受66と、を備える。第1クラッチC1は、径方向から視て少なくとも一部が第1軸受66と軸方向に重なるように配置される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ケースと、
中心軸上に配置されたサンギヤと、前記サンギヤの同心上に配置されたリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤの少なくとも一方に噛合した複数のピニオンギヤを回転自在に支持して、前記サンギヤ及び前記リングギヤの同心上に配置されたキャリヤと、を回転要素として有する遊星歯車機構と、
いずれかの前記回転要素に係合して回転を伝達可能な係合状態と係合を解除した解放状態とに切替可能な係合装置と、
前記リングギヤの外周側において前記リングギヤの同心上に配置され、径方向から視て少なくとも一部が前記リングギヤと前記中心軸の軸方向にずれて配置され、前記リングギヤと一体回転可能なカウンタギヤと、
前記カウンタギヤの同心上に配置され、前記カウンタギヤの歯面よりも内周側で前記カウンタギヤを前記ケースに対して支持する第1軸受と、を備え、
前記係合装置は、径方向から視て少なくとも一部が前記第1軸受と前記軸方向に重なるように配置されている車両用駆動装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
ステータと、ロータと、前記ロータの回転を前記カウンタギヤに伝達可能な回転軸と、を有する回転電機を備える請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記回転軸は、径方向から視て少なくとも一部が前記第1軸受と前記軸方向に重なるように配置されている請求項2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記回転軸には、回転を出力するモータ出力ギヤが一体回転可能に設けられ、
前記モータ出力ギヤは、径方向から視て少なくとも一部が前記第1軸受と前記軸方向に重なるように配置されている請求項3に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記モータ出力ギヤと前記カウンタギヤとに噛合して介在されるアイドラギヤを備え、
前記アイドラギヤは、径方向から視て少なくとも一部が前記第1軸受と前記軸方向に重なるように配置されている請求項4に記載の車両用駆動装置。
【請求項6】
前記アイドラギヤを前記ケースに対して回転自在に支持するアイドラギヤ軸受を備え、
前記アイドラギヤ軸受は、径方向から視て少なくとも一部が前記第1軸受と前記軸方向に重なるように配置されている請求項5に記載の車両用駆動装置。
【請求項7】
前記ケースに設けられた固定子と、前記回転軸及び前記ロータと一体回転可能に設けられた回転子と、を有するレゾルバを備え、
前記レゾルバは、径方向から視て少なくとも一部が前記遊星歯車機構と前記軸方向に重なるように配置されている請求項2乃至6のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
【請求項8】
前記ステータは、径方向から視て少なくとも一部が前記遊星歯車機構と前記軸方向に重なるように配置されている請求項2乃至7のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
【請求項9】
前記中心軸の同心上に配置された外ドラムと、前記外ドラムより小径で同心上に配置された内ドラムと、前記外ドラムの前記軸方向の一方側と前記内ドラムの前記軸方向の他方側とを径方向に連結する連結部と、を有するリング部材と、
前記リングギヤの同心上に配置され、前記リングギヤの歯面よりも外周側で前記リングギヤを前記ケースに対して支持する第2軸受と、を備え、
前記カウンタギヤは、前記外ドラムの外周側に形成され、
前記リングギヤは、前記内ドラムの内周側に形成され、
前記第1軸受は、前記外ドラムの内周側に設けられ、
前記第2軸受は、前記内ドラムの外周側に設けられ、前記軸方向から視て少なくとも一部が前記第1軸受と重なるように配置されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
【請求項10】
前記係合装置は、前記係合状態において、2つの前記回転要素を一体回転可能に連結する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
【請求項11】
2つの前記回転要素は、前記キャリヤと前記リングギヤとである請求項10に記載の車両用駆動装置。
【請求項12】
前記係合装置は、いずれかの前記回転要素に係合して回転を伝達可能な係合状態と係合を解除した解放状態とに切替可能な係合要素と、作動油圧により前記ケースに対して前記軸方向に摺動可能であり、前記係合要素の前記係合状態と前記解放状態とを切り替えるように押圧可能なピストンと、前記遊星歯車機構と前記係合要素との間に設けられ、前記係合要素を前記ピストンによる押圧方向とは反対向きの前記軸方向に付勢するリターンスプリングと、を有し、
前記ケースは、前記ピストンを前記軸方向に摺動可能に支持するシリンダを有し、
前記シリンダは、径方向から視て少なくとも一部が前記第1軸受と前記軸方向に重なるように配置されている請求項1乃至11のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
【請求項13】
前記リターンスプリングは、前記キャリヤと前記係合要素との間に設けられ、前記軸方向から視て少なくとも一部が前記キャリヤと重なると共に、径方向から視て少なくとも一部が前記キャリヤと前記軸方向に重なるように配置されている請求項12に記載の車両用駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この技術は、例えば自動車等の車両に搭載され、車輪を駆動させる車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 9,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、車両に用いて好適な車両用駆動装置においては、2つのモータジェネレータと、遊星歯車機構と、カウンタギヤとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。2つのモータジェネレータは遊星歯車機構に連結されており、2つのモータジェネレータのいずれか一方または両方の駆動力は、回転軸からカウンタギヤを介して車輪に伝達可能になっている。この遊星歯車機構では、内歯のリングギヤと外歯のカウンタギヤとが一体化されて、リング部材を構成している。このリング部材は、リングギヤの外周側をケースに対して支持するリングギヤ軸受と、カウンタギヤの内周側をケースに対して支持するカウンタギヤ軸受と、の2つの玉軸受により回転可能に支持されている。また、車両用駆動装置においては、係合装置(クラッチ機構)を備えたものが普及している。係合装置の一例としては、例えば、遊星歯車機構のいずれかの回転要素に係合して回転を伝達可能にする係合状態と、その係合を解除した解放状態と、に切替可能なものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019−94930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の車両用駆動装置では、カウンタギヤの内周側を支持するカウンタギヤ軸受はケースの軸受支持部により支持されており、カウンタギヤ軸受の内周側の大部分はケースの軸受支持部で占められている。このため、遊星歯車機構のいずれかの回転要素に係脱可能な係合装置を設ける場合、カウンタギヤ軸受を支持するケースの軸受支持部の分だけ係合装置を遊星歯車機構から軸方向に離して配置する必要がある。これにより、車両用駆動装置の軸方向の長さが長くなってしまい、車両への搭載性が悪くなる虞がある。
【0005】
そこで、車両への搭載性を向上できる車両用駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本車両用駆動装置は、ケースと、中心軸上に配置されたサンギヤと、前記サンギヤの同心上に配置されたリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤの少なくとも一方に噛合した複数のピニオンギヤを回転自在に支持して、前記サンギヤ及び前記リングギヤの同心上に配置されたキャリヤと、を回転要素として有する遊星歯車機構と、いずれかの前記回転要素に係合して回転を伝達可能な係合状態と係合を解除した解放状態とに切替可能な係合装置と、前記リングギヤの外周側において前記リングギヤの同心上に配置され、径方向から視て少なくとも一部が前記リングギヤと前記中心軸の軸方向にずれて配置され、前記リングギヤと一体回転可能なカウンタギヤと、前記カウンタギヤの同心上に配置され、前記カウンタギヤの歯面よりも内周側で前記カウンタギヤを前記ケースに対して支持する第1軸受と、を備え、前記係合装置は、径方向から視て少なくとも一部が前記第1軸受と前記軸方向に重なるように配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本車両用駆動装置によると、車両への搭載性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図。
本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の遊星歯車機構及びK0クラッチを示す縦断面図。
本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の遊星歯車機構、リング部材、第1クラッチを示す縦断面図。
本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の遊星歯車機構及び解放状態の第1クラッチを示す縦断面図。
本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の遊星歯車機構及び係合状態の第1クラッチを示す縦断面図。
本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の遊星歯車機構を示す横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態を図1乃至図6に沿って説明する。まず、図1に沿って、本実施形態に係る車両用駆動装置を搭載したハイブリッド自動車について説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両1は、左右の前輪5の動力伝達系として、内燃エンジン2と、内燃エンジン2のクランク軸2aに接続された車両用駆動装置の一例としてのハイブリッド駆動装置4とを備えている。これにより、前輪5は所謂1モータパラレル式のハイブリッド走行が可能である。尚、各図中における左右方向は、車両用駆動装置を車両に搭載した状態における左右方向に対応するが、説明の便宜上、内燃エンジン側を「前方側」、内燃エンジンとは反対側を「後方側」というものとする。また、駆動連結とは、互いの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、それら回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いはそれら回転要素がクラッチ等を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いる。
【0010】
[車両用駆動装置の概略構成]
図1に示すように、ハイブリッド車両1は、駆動源として、内燃エンジン2の他に、回転電機であるモータジェネレータ(モータ)3を有している。ハイブリッド車両1のパワートレーンを構成するハイブリッド駆動装置4は、ケース40と、モータ3と、内燃エンジン2と前輪5との間の伝動経路上に設けられた遊星歯車機構6と、遊星歯車機構6と内燃エンジン2との間に配置され、内燃エンジン2と遊星歯車機構6の入力軸60とを駆動連結して動力を伝達し得る動力伝達装置7と、遊星歯車機構6と前輪5との間に配置され、遊星歯車機構6の動力を前輪5に伝達可能なカウンタシャフト部8及びディファレンシャル部9と、を備えている。また、ハイブリッド駆動装置4は、油圧制御装置(V/B)51と、モータ3及び内燃エンジン2を自在に指令制御し得ると共に、油圧制御装置51を電子制御し得る制御装置としての制御部(ECU)50と、を備えている。尚、本実施形態では、制御部50は、ECUとしてまとめて記載しているが、実際には、ハイブリッド駆動装置4のECUと内燃エンジン2のECUとが分かれていてもよい。
【0011】
本実施形態では、ハイブリッド駆動装置4は、動力伝達装置7に設けられたK0クラッチ70と、遊星歯車機構6に設けられた第1クラッチC1と、カウンタシャフト部8に設けられた第2クラッチC2と、の3つのクラッチを有している。制御部50は、K0クラッチ70、第1クラッチC1、第2クラッチC2の各係合状態を、油圧制御装置51により変更可能である。
【0012】
[動力伝達装置]
動力伝達装置7は、内燃エンジン2のクランク軸2aにドライブプレート71を介して接続されるダンパ72と、ダンパ72を介して内燃エンジン2に駆動連結されている接続軸73と、この接続軸73と遊星歯車機構6の入力軸60との間の動力伝達を接断するK0クラッチ70と、を有している。K0クラッチ70は、例えば多板式クラッチからなり、接続軸73に駆動連結された外摩擦板74と、入力軸60に駆動連結された内摩擦板75とを有している。図2に示すように、接続軸73は、軸方向の両端部において軸受76,77によりケース40に回転可能に支持されている。入力軸60は、接続軸73と同軸上に配置された略円筒形状で、接続軸73に対してブッシュb2を介して回転可能に支持されている。
【0013】
図2に示すように、モータ3は、ロータ3aとその径方向外側にステータ3bとが対向するように配置されて構成され、ロータ3aと一体回転可能な回転軸3cを備えている。回転軸3cには、回転を出力するギヤ(モータ出力ギヤ)30が一体回転可能に設けられている。尚、ステータ3bは、コイルエンド部3eを有している。回転軸3cには、ケース40に設けられた固定子32aと、回転軸3c及びロータ3aと一体回転可能に設けられた回転子32bと、を有して、モータ3の回転状態を検出可能なレゾルバ32が設けられている。ギヤ30はアイドラギヤ31に噛合されており、アイドラギヤ31は遊星歯車機構6のリングギヤRの外周側に一体形成された第1カウンタギヤ61に噛合されている。即ち、アイドラギヤ31は、ギヤ30と第1カウンタギヤ61とに噛合して介在されている。また、アイドラギヤ31は、アイドラギヤ軸受33によりケース40に対して回転自在に支持されている。これにより、回転軸3cは、ロータ3aの回転を第1カウンタギヤ61に伝達可能である。
【0014】
[遊星歯車機構]
図1及び図3に示すように、遊星歯車機構6は、入力軸60上において、サンギヤS、キャリヤCR、リングギヤRの3つの回転要素を備えており、キャリヤCRに、サンギヤS及びリングギヤRに噛合するピニオンギヤPを有している所謂シングルピニオンプラネタリギヤである。サンギヤSは、中心軸の一例であるスリーブ状の入力軸60上(中心軸上)に配置され、入力軸60の外周部に一体的に固定されている。サンギヤSの後方側の端面は、スラスト軸受b1によりケース40に対して回転可能に支持されると共に、後方への移動が規制され、ケース40に対して入力軸60の軸方向に固定されている。尚、本実施形態では、シングルピニオンプラネタリギヤに適用した場合について説明しているが、これには限られず、所謂ダブルピニオンプラネタリギヤに適用してもよい。
【0015】
キャリヤCRは、複数のピニオンギヤPを回転自在に支持して、サンギヤS及びリングギヤRの同心上に配置されている。キャリヤCRは、前側プレート21と後側プレート22とを有しており、それらによって軸方向に架け渡されるピニオンシャフトPSを支持している。これら前側プレート21、後側プレート22、ピニオンシャフトPSがキャリヤCRの枠体を形成している。ピニオンシャフトPSはピニオンギヤPを回転可能に支持しており、ピニオンギヤPは、サンギヤS及びリングギヤRの少なくとも一方に噛合し、本実施形態ではサンギヤS及びリングギヤRにそれぞれ噛合している。複数のピニオンギヤPは、入力軸60を中心として周方向に間を開けて配置されており、本実施形態では、ピニオンシャフトPSは90°ピッチで4か所に設けられている(図6参照)。
【0016】
前側プレート21の内径側の端部は、前方側においてスラスト軸受b3によりケース40に対して回転可能に支持されると共に、前方への移動が規制され、ケース40に対して入力軸60の軸方向に固定されている。後側プレート22の内径側の端部には、後方側において同軸上にスリーブ63が溶接などで固定されている。スリーブ63の外周側には、同軸上に配置された円筒形状の第2カウンタギヤ62(図2参照)が配置され、スリーブ63と第2カウンタギヤ62とはスプライン係合により一体回転可能に設けられている。尚、第2カウンタギヤ62は、ケース40に対して、例えばアンギュラ玉軸受64(図2参照)により回転可能に支持されている。
【0017】
リングギヤRは、サンギヤSの同心上に配置された略円環形状の内歯車であり、ピニオンギヤPに噛合する。本実施形態では、リングギヤRは、略円環形状のリング部材65の内周部として形成されている。リング部材65は、入力軸60の同心上に配置された外ドラム65bと、外ドラム65bより小径で同心上に配置された内ドラム65cと、外ドラム65b及び内ドラム65cを径方向に連結する連結部としてのフランジ部65aと、を有している。フランジ部65aは、外ドラム65bの軸方向の一方側である後端部と内ドラム65cの軸方向の他方側である前端部とを径方向に連結する。リングギヤRは、内ドラム65cの内周側に形成され、第1カウンタギヤ61は、外ドラム65bの外周側に形成されている。即ち、第1カウンタギヤ61は、リングギヤRの外周側においてリングギヤRの同心上に配置され、径方向から視て少なくとも一部がリングギヤRと軸方向にずれて配置され、リングギヤRと一体回転可能に設けられている。尚、本実施形態では、リングギヤRと第1カウンタギヤ61とがリング部材65として一体形成されている場合について説明しているが、これには限られず、リングギヤRと第1カウンタギヤ61とが別体で形成され、スプライン結合などにより互いに一体回転可能に設けられていてもよい。
【0018】
また、リング部材65は、いずれも玉軸受である第1軸受66及び第2軸受68によりケース40に対して回転可能に設けられている。第1軸受66は、外ドラム65bの内周側に設けられ、第2軸受68は、内ドラム65cの外周側に設けられている。外ドラム65bの内周面とフランジ部65aの前側面とにより、第1軸受66のアウタレースを保持するための保持部67が形成されている。第1軸受66のインナレースは、ケース40の保持部41により内周面及び前側面を保持されている。また、内ドラム65cの外周面とフランジ部65aの後側面とにより、第2軸受68のインナレースを保持するための保持部69が形成されている。第2軸受68のアウタレースは、ケース40の保持部42により外周面及び後側面を保持されている。第1軸受66は、第1カウンタギヤ61の同心上に配置され、第1カウンタギヤ61の外歯の歯面61aよりも内周側で第1カウンタギヤ61をケース40に対して支持する。第2軸受68は、リングギヤRの同心上に配置され、リングギヤRの内歯の歯面Raよりも外周側でリングギヤRをケース40に対して支持する。本実施形態では、第2軸受68は、軸方向から視て少なくとも一部が第1軸受66と重なるように配置されている。これにより、第1軸受66及び第2軸受68が重ならない場合よりも、装置の大型化を抑制することができる。
【0019】
遊星歯車機構6のキャリヤCRとリングギヤRとの近傍には、キャリヤCRとリングギヤRとを直結した結合状態と解放状態とに切替可能な第1クラッチC1が設けられている。第1クラッチC1の構成については後述する。
【0020】
図1に示すように、カウンタシャフト部8は、第1カウンタギヤ61に噛合する第1ドリブンギヤ81と、第2カウンタギヤ62に噛合する第2ドリブンギヤ82と、各ドリブンギヤ81,82の間に設けられる中間回転板83と、各ドリブンギヤ81,82の一方と中間回転板83とを駆動連結可能な第2クラッチC2と、を備えている。
【0021】
各ドリブンギヤ81,82と中間回転板83とは、同軸上に配置されている。中間回転板83は、各ドリブンギヤ81,82と同軸上に配置された出力軸84に一体回転可能に設けられている。出力軸84は、入力軸60と平行に設けられ、出力ギヤ85が設けられている。第1ドリブンギヤ81は、第1カウンタギヤ61に噛合するギヤ部81aを備え、第2ドリブンギヤ82は、第2カウンタギヤ62に噛合するギヤ部82aを備えている。
【0022】
第2クラッチC2は、中間回転板83に形成された外スプライン83sと、外スプライン83sに隣接して第1ドリブンギヤ81に形成された外スプライン81sと、外スプライン83sに隣接して第2ドリブンギヤ82に形成された外スプライン82sと、中間回転板83の外周側に設けられる切替スリーブ80と、切替スリーブ80を移動させる不図示の付勢機構(フォーク及びアクチュエータ等)と、を備えている。各外スプライン81s,82s,83sの外径は、同径になっている。
【0023】
切替スリーブ80は、スリーブ状で、内周部に各外スプライン81s,82s,83sに係合可能な内スプライン80sを備え、外スプライン81s,82s,83sに対して軸方向に移動可能に設けられている。切替スリーブ80は、移動により、中間回転板83と第1ドリブンギヤ81とを連結した状態(高速段、Hi)、中間回転板83と第2ドリブンギヤ82とを連結した状態(低速段、Lo)、いずれも連結しない状態(ニュートラル状態、N)との3つの状態に切り替わることができる。なお、本実施形態では、切替スリーブ80は、例えばアクチュエータの駆動によりフォークを介して移動するものとしている。但し、切替スリーブ80を移動させるための機構としては、これに限られず、既知の適宜な機構を適用することができる。
【0024】
この第2クラッチC2では、切替スリーブ80がニュートラル状態から第1ドリブンギヤ81側に移動されると、切替スリーブ80の内スプライン80sは、中間回転板83の外スプライン83sと第1ドリブンギヤ81の外スプライン81sとに跨って係合し、切替スリーブ80が中間回転板83と第1ドリブンギヤ81とを連結する高速段形成状態になる。これにより、リングギヤRの回転は、第1カウンタギヤ61、第1ドリブンギヤ81、切替スリーブ80を介して、中間回転板83に伝達される。また、第2クラッチC2では、切替スリーブ80がニュートラル状態から第2ドリブンギヤ82側に移動されると、切替スリーブ80の内スプライン80sは、中間回転板83の外スプライン83sと第2ドリブンギヤ82の外スプライン82sとに跨って係合し、切替スリーブ80が中間回転板83と第2ドリブンギヤ82とを連結する低速段形成状態になる。これにより、キャリヤCRの回転は、第2カウンタギヤ62、第2ドリブンギヤ82、切替スリーブ80を介して、中間回転板83に伝達される。低速段形成時は、高速段形成時に比べてより大きく減速するように、各部のギヤ比が設定されている。
【0025】
ディファレンシャル部9は、出力軸84と平行な軸上に配置された車軸91に駆動連結されている。ディファレンシャル部9は、出力軸84の出力ギヤ85に噛合されたデフリングギヤ92を備えており、デフリングギヤ92は、デフケースからピニオンギヤやサイドギヤ等を介して車軸91に回転を伝達する。これにより、遊星歯車機構6の回転を出力軸84により減速し、さらにディファレンシャル部9によって減速し、かつ、左右の前輪5の差回転を吸収しつつ回転を伝達する。
【0026】
[第1クラッチ]
図3に示すように、係合装置の一例である第1クラッチC1は、キャリヤCRの前側プレート21に一体化されたクラッチ内筒11と、クラッチ内筒11の同軸上の外周側に配置され、リングギヤRに一体化されたクラッチ外筒12と、これらクラッチ内筒11及びクラッチ外筒12に沿って軸方向に移動可能な略円筒形状のクラッチスリーブ10と、クラッチスリーブ10を移動させることでクラッチ内筒11及びクラッチ外筒12を接断する油圧サーボ13と、を有している。
【0027】
油圧サーボ13は、シリンダ17と、シリンダ17内を軸方向に摺動可能で、クラッチスリーブ10を後方側に押圧可能なピストン14と、クラッチスリーブ10をピストン14の押圧方向とは反対の前方側に付勢するリターンスプリング15と、を有しており、シリンダ17及びピストン14により作動油室16を構成している。シリンダ17は、入力軸60の同軸上に設けられたケース40の外ドラム状部43と、外ドラム状部43と同軸上で内周側に設けられたケース40の内ドラム状部44と、外ドラム状部43及び内ドラム状部44を略径方向に連結するフランジ部45とに囲まれた空間により形成され、後方側に向けて開口している。フランジ部45には、不図示のオイルポンプから作動油室16に作動油を供給するための油路46が設けられている。この油圧サーボ13は、ケース40にシリンダ17を構成し、ピストン14を内蔵させた静止シリンダ型としている。尚、第1軸受66のインナレースを保持するケース40の保持部41は、外ドラム状部43の外周面を含んでいる。
【0028】
クラッチ内筒11は、キャリヤCRの前側プレート21から前側に向けて同軸上に配置され、外周側に外スプライン11sを有している。クラッチ内筒11は、外スプライン11sがピニオンシャフトPSの入力軸60側の端部と略同等の高さに位置する外径を有しており、前側プレート21に溶接などにより固定されている。クラッチ外筒12は、リングギヤRから前側に向けて同軸上に配置され、内周側に内スプライン12sを有している。クラッチ外筒12は、クラッチ内筒11の同軸の外周側に配置され、径方向から視た場合に内スプライン12sが外スプライン11sの前端部には重ならず、後側部に重なるように配置されている。
【0029】
係合要素の一例であるクラッチスリーブ10は、クラッチ内筒11の外スプライン11sにスプライン係合可能な内スプライン10aと、クラッチ外筒12の内スプライン12sにスプライン係合可能な外スプライン10bとを有している。クラッチスリーブ10は、内スプライン10aをクラッチ内筒11の外スプライン11sにスプライン係合させた状態で、クラッチ内筒11により軸方向に移動可能、かつ、クラッチ内筒11と一体回転可能に支持されている。
【0030】
図4に示すように、クラッチスリーブ10は、クラッチ内筒11の外スプライン11sの前側部と係合し、クラッチ外筒12の内スプライン12sに係合しない場合は、第1クラッチC1は解放状態であり、クラッチ内筒11とクラッチ外筒12とは連結されていない。一方、図5に示すように、クラッチスリーブ10は、クラッチ内筒11の外スプライン11sの後側部と係合すると共に、クラッチ外筒12の内スプライン12sに係合する場合は、第1クラッチC1は係合状態であり、クラッチ内筒11とクラッチ外筒12とは連結された直結状態になる。即ち、クラッチスリーブ10は、サンギヤS及びリングギヤRの一方(本実施形態ではリングギヤR)とキャリヤCRとを一体回転可能に連結した係合状態と、連結を解除した解放状態と、に切替可能である。本実施形態では、クラッチスリーブ10は、サンギヤS及びリングギヤRの一方とキャリヤCRとを係合状態にする係合位置(図5参照)と、解放状態にする解放位置(図4参照)と、に選択的に位置可能なドグクラッチである。
(【0031】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社アイシン
加湿器
株式会社アイシン
載置台
株式会社アイシン
リーマ
株式会社アイシン
制御装置
株式会社アイシン
回転電機
株式会社アイシン
回転電機
株式会社アイシン
回転電機
株式会社アイシン
回転電機
株式会社アイシン
ステータ
株式会社アイシン
変速装置
株式会社アイシン
駆動装置
株式会社アイシン
便座装置
株式会社アイシン
摺動部材
株式会社アイシン
回転電機
株式会社アイシン
制御装置
株式会社アイシン
制御装置
株式会社アイシン
回転電機
株式会社アイシン
ダンパ装置
株式会社アイシン
電力変換器
株式会社アイシン
気液分離器
株式会社アイシン
電力変換器
株式会社アイシン
ダンパ装置
株式会社アイシン
自動変速機
株式会社アイシン
レーダ装置
株式会社アイシン
電力変換器
株式会社アイシン
局部洗浄装置
株式会社アイシン
洗浄便座装置
株式会社アイシン
車高調整装置
株式会社アイシン
洗浄便座装置
株式会社アイシン
差動ギヤ機構
株式会社アイシン
オイルポンプ
株式会社アイシン
発電制御装置
株式会社アイシン
油圧制御装置
株式会社アイシン
衛生洗浄装置
株式会社アイシン
電気接続装置
株式会社アイシン
オイルポンプ
続きを見る