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公開番号2021131227
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210909
出願番号2021093980
出願日20210604
発明の名称可搬型保冷庫
出願人工機ホールディングス株式会社
代理人青稜特許業務法人
主分類F25D 11/00 20060101AFI20210813BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】肩掛けベルトをキャスタ移動時の引っ張り紐として使用できるようにした可搬型保冷庫を提供する。
【解決手段】容器部10と、ドア部30と、容器部10の庫内を冷却する熱交換機構50と、制御部と、キャスタ88aと、キャスタ88aの位置する短辺側に設けられ、第一貫通孔を有する第一ベルト取付部16と、反キャスタ側に設けられ第二貫通孔を有する第二ベルト取付部17と、を備えた可搬型保冷庫1において、第一貫通孔と第二貫通孔を通すように取り付けられる肩掛けベルト65の一部を、ユーザが把持するグリップ69にて引っ張るようにして、可搬型保冷庫1をキャスタ88aを用いて移動できるようにした。
【選択図】図12

特許請求の範囲【請求項1】
上側に開口を有する容器部と、
前記開口を閉鎖するドア部と、
前記容器部の庫内を冷却する熱交換機構と、
前記熱交換機構を制御する制御部と、を備え、
着脱可能なバッテリによって駆動可能な可搬型保冷庫であって、
前記容器部の底壁部のうち左右方向の一方側に設けられる一対のキャスタと、
前記左右方向において前記キャスタの位置する側に設けられ、前記容器部の側壁部から外方に突出し、ユーザが把持可能な取っ手となる第一ベルト取付部と、
前記第一ベルト取付部に設けられた第一貫通孔と、
前記第一ベルト取付部の下面側に設けられ、ユーザの指を掛けるための第一窪み部と、
前記左右方向において前記キャスタの位置する側とは反対側に設けられ、前記容器部の側壁部から外方に突出し、ユーザが把持可能な取っ手となる第二ベルト取付部と、
前記第二ベルト取付部に設けられた第二貫通孔と、
前記第二ベルト取付部の下面側に設けられ、ユーザの指を掛けるための第二窪み部と、
前記第一貫通孔と前記第二貫通孔に取り付けられるベルトと、
前記第二ベルト取付部が位置する側の前記容器部の側壁部に設けられ、前記可搬型保冷庫を前記キャスタによって移動する際にユーザが把持可能な把持部と、
を備えることを特徴とする可搬型保冷庫。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記バッテリを2個収容することができるバッテリ収容室が、前記容器部の短辺側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の可搬型保冷庫。
【請求項3】
外部電源と接続可能とするための電源接続部を備え、
前記電源接続部は、前記容器部の短辺側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の可搬型保冷庫。
【請求項4】
前記電源接続部は、前記バッテリ収容室が配置されている前記短辺側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の可搬型保冷庫。
【請求項5】
前記バッテリを2個収容することができるバッテリ収容室を備え、
前記バッテリ収容部に前記バッテリを2個収容した状態では前記バッテリを1個ずつ使用可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の可搬型保冷庫。
【請求項6】
前記キャスタは、前記容器部が水平に載置された状態においてはその機能が制限され、前記反対側を浮かした状態でのみ機能することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の可搬型保冷庫。
【請求項7】
前記バッテリ収容室は、前記バッテリを内部に装着可能とするための開口部と、前記開口部を閉鎖する回動式のカバーと、を有し、
前記キャスタの回転軸の軸方向と、前記バッテリ収容室の前記カバーの回動軸の軸方向と、が交差するように配置されることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の可搬型保冷庫。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬式であってバッテリによって駆動可能な保冷庫に関する。
続きを表示(約 13,000 文字)【背景技術】
【0002】
飲食物等を収容可能な筺体を有し、当該筐体に収容された飲食物等(収容物)を保冷可能な可搬式の可搬型保冷庫が市販されている(特許文献1)。特許文献1に記載の保冷庫は、外部電源を使用可能な場所においては、外部電源にてペルチェ素子を駆動することにより収容物を冷却する。この際、装着されているバッテリパックを充電しながらの冷却が可能である。外部電源を使用できない場所においては、充電された内部バッテリの電力を用いてペルチェ素子を駆動することで収容物を冷却する。ペルチェ素子とは、直流電流により冷却又は加熱等の温度制御を自由に行える半導体素子であり、素子の両面に温度差を発生させることができる。このペルチェ素子に直流電流を流すことにより、低温側で吸熱、高温側で発熱を起こすことができ、ペルチェ素子に与える電圧を変えることによって、ポンピングされる熱量の大きさを変えることができる。また、ペルチェ素子に流す電流の極性を変えるだけでポンピングする熱の方向を変えることができるので、保冷庫だけでなく保温庫として使用することもでき、特許文献1の技術においては保温も可能にした冷温庫としている。
【0003】
図18は従来の保冷庫101の構成を示す図である。保冷庫101は容器部110の上部開口を開閉するドア部130にペルチェ素子151を用いた熱交換機構150を設けたもので、容器部110の側面に設けられたバッテリ収容室120の内部に収容されたバッテリ61によって駆動される。容器部110の左右両側の上方には、把持する際の取ってとなる第一把持部116と第二把持部117が形成される。熱交換機構150は、庫内を冷却するものであってドア部130に設けられるペルチェ素子151と、庫内の空気を攪拌するためであってドア部130の内側(内壁)に設けられる庫内ファン157と、ペルチェ素子151を冷却するためであってドア部130の外側(外壁)に設けられる外側ファン155を含んで構成される。ペルチェ素子151の外側には外側ヒートシンク154が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017−122521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の可搬型保冷庫においては、外気温に対して20℃程度の冷却性能を期待できるが、夏場のように外気温が高い場合は更なる冷却性能が欲しいという要望があった。また、保冷庫をできるだけ可搬しやすい構成すると共に、限られた筐体の外部容積に対して庫内の容量(内部容積)をできるだけ大きくしたいという要望があった。
更に、アスファルト路面などの平坦な地面を移動を容易にするために、底部に2つのキャスタを設け、キャスタと反対側の側面部に合成樹脂製の大きな把手を設け、把手によって容器部の片側を持ち上げながら移動させる(キャスタ移動モード)。しかしながら、専用の把手を設けているので、把手の大きさが比較的大きくてかさばってしまう。特にキャスタ移動を行わない、又はほとんど行わないユーザには把手がない方が有利である。
【0006】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、ペルチェ素子を2つ以上備えることにより冷却性能を向上させた可搬型保冷庫を提供することにある。
本発明の他の目的は、ペルチェ素子と素子冷却ファンの電源をそれぞれ別に設けて、ペルチェ素子とファンを効率良く制御することにより、省電力を図りつつ冷却効率を向上さ
せた可搬型保冷庫を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、容器部の一方側の底部にキャスタを設け、他方の側面側に肩掛けベルトが掛けられる第三のベルト取付部を設けて、キャスターモード時の運搬を容易にした可搬型保冷庫を提供することにある。
更に、容器部の一方側の底部にキャスタを設けて、肩掛けベルトを用いた運搬だけでなくキャスタを用いた運搬を可能とした保冷庫を提供することにある。
本発明の他の目的は、ベルト取付部を有して肩掛けベルトを取り付けできる可搬型保冷庫において、追加のベルト取付部を設けて、肩掛けベルトをキャスタ移動時の引っ張り紐としても使用できるようにした可搬型保冷庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、物品が収容される庫内を画定する容器部と、容器部の開口を閉鎖するドア部と、庫内を冷却する複数のペルチェ素子と、庫内の空気を攪拌する庫内ファンと、ペルチェ素子を冷却するための外側ファンと、ペルチェ素子を制御する制御部と、着脱可能なバッテリによって駆動可能な可搬型保冷庫であって、ペルチェ素子は第一電源部により駆動され、庫内ファンと外側ファンは第二電源部によって駆動され、第一電源部と第二電源部は互いに独立して制御されるように構成した。また、第二電源部を独立した2つの電源部にて構成し、庫内ファンと外側ファンも独立して駆動する。ペルチェ素子は複数設けられ、これらを共通の電源部に並列接続する。
本発明の他の特徴によれば、ドア部に2つのペルチェ素子を配置し、2つのペルチェ素子の内面側に共通に接する一つの熱伝導体及び内側フィンを設け、内側フィンに隣接するように庫内ファンを設け、2つのペルチェ素子の外面側に共通に接する外側フィン(外側ヒートシンク)を設け、外側フィンに隣接するように外側ファンを設けた。また、上面視で開口に対面するドア部の面積の半分以下の領域内に、ペルチェ素子と熱伝導体を配置した。ペルチェ素子は上面視で四角形であり、四角形の一辺の角部付近から電線が引き出されており、2つのペルチェ素子は、電力線の引き出し方向がそれぞれ反対となるように2つ並べて配置される。電線が引き出されるペルチェ素子の一辺は、それぞれドア部の長辺部と近接するように配置される。
【0008】
本発明のさらに他の特徴によれば、庫内の温度を目標値とするために、ペルチェ素子の駆動率を定格電圧又はそれに近い第1の駆動電圧と、その電圧よりも低い第2の駆動電圧を用いて、第1の駆動電圧と第2の駆動電圧と駆動停止を切り替えながら庫内の温度制御を行うようにした。また、バッテリによる電力供給に加えて、外部電源供給手段を有し、ペルチェ素子は、外部電源からの電力供給時には、その駆動率を100%で駆動する。さらに、庫内の温度を目標値に保つためにペルチェ素子を第2の駆動電圧に下げた場合であっても、庫内ファンと外側ファンの駆動を一定のままとする。
本発明のさらに他の特徴によれば、可搬型保冷庫においてペルチェ素子を2つ設け、これらを共通の電源部に並列接続する。庫内の温度を検出する温度センサを設け、制御部は温度センサからの出力に基づいて2つのペルチェ素子への通電又は遮断を独立して制御する。容器部は上面部分が開口とされ、ドア部は閉鎖時に水平となる揺動式であって、上面視で略長方形の形状である。ペルチェ素子はドア部に、電力線の引き出し方向がそれぞれ反対となるように2つ並べて配置される。この際、2つのペルチェ素子は、ペルチェ素子の内面側に接するように設けられる金属製の熱伝導体と、ペルチェ素子の外面側に設けられる外側フィンと、熱伝導体の内側に設けられる内側フィンに、それぞれ共通して取りつけられる。また、外側フィンに一つの外側ファンが設けられ、内側フィンに庫内ファンが設けられる。容器部の外側部分には突出する筐体を有し、バッテリを2個収容することができるバッテリ収容室が、容器部の短辺側側面に配置される。
【0009】
本発明のさらに他の特徴によれば、容器部の底面のうち一方側に設けられたキャスタと、容器部の開口の外縁部であってキャスタの位置する側に設けられる第一ベルト取付部と、開口の外縁部であってキャスタの位置する側とは反対側に設けられる第二ベルト取付部を有し、第一ベルト取付部と第二ベルト取付部に肩掛け用のベルトを通すようにした可搬型保冷庫であって、第二ベルト取付部の近傍に第三ベルト取付部を設け、ベルトは第一及び第二ベルト取付部を用いた第1の取付状態で使用可能とした。また、肩掛け用のベルトの一部を、第三ベルト取付部にも係合させることで第二ベルト取付部と第三ベルト取付部の間からベルトの一部を引き出し可能とすることにより、キャスタを接地させて容器部の一方側を浮かした状態で可搬可能とした(第2の取付状態)。第1の取付状態と第2の取付状態は選択可能である。また、容器部の内部を冷却するためのペルチェ素子と、ペルチェ素子に電力を供給するための着脱可能なパック式のバッテリを有し、容器部の第三ベルト取付部が設けられる側の側面にバッテリを収容するバッテリ収容室を設けるようにした。
本発明のさらに他の特徴によれば、キャスタは、容器部が水平に載置された状態においてはその機能が制限され、片側を浮かした状態でのみ機能する。また、第二ベルト取付部と第三ベルト取付部に沿わされるベルトの一部を引き出し用リングに通すようにして、ユーザが引き出し用リングを引き出すことによって第1の取付状態から第2の取付状態へ変更できるようにした。
【0010】
本発明のさらに他の特徴によれば、第三ベルト取付部は、バッテリ収容室の上部に設けられ、第二ベルト取付部と第三ベルト取付部とは水平方向又は/及び垂直方向に距離を隔てるように配置される。また、ドア部のうちキャスタとは反対側の、バッテリ収容室に近い側に、ペルチェ素子と、庫内ファンと、外側ファンと、外側ヒートシンクが設けられる。さらに、外側ヒートシンクとドア部の筐体との隙間に、弾性体を設けることによってキャスタ移動時の外側ヒートシンクのがたつきを抑制するようにした。
本発明のさらに他の特徴によれば、キャスタの回転軸の軸方向と、ドア部の回動軸の軸方向とが交差するように配置される。また、キャスタの回転軸の軸方向とバッテリの装着のためのスライド方向とが平行になるように配置される。さらに、バッテリ収容室はバッテリを内部に装着可能とするための開口と、開口を閉鎖する回動式のカバーを有し、キャスタの回転軸の軸方向と、バッテリ収容室のカバーの回動軸の軸方向とが交差するように配置される。さらに、キャスタ移動モードとなる第2の取付状態では、ベルトがドア部を押さえるように働くので、移動中におけるドア部のがたつきを抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、限られた筐体の内部に複数のペルチェ素子を効率良く配置したので、冷却効率を大幅に向上させることができた。また、ペルチェ素子と素子冷却用のファン(庫内ファンと外側ファン)の電源をそれぞれ別に設けたので、ペルチェ素子の電圧切替によるファンの回転変動を防止でき、ペルチェ素子の稼働状況に左右されないでファンの安定した送風効果を維持でき、冷却効率を従来よりもアップすることができた。また、得られる冷却効果に対する運転時間を長くすることが可能となるので、バッテリ使用時の使用可能時間を延ばすことができる。
更に、肩掛けベルトの使い方を変えることによって、肩掛け状態(第1の取付状態)だけでなく、キャスタを用いてキャスタと反対側を上方に持ち上げて転がしながら移動させるキャスタ利用状態(第2の取付状態)に容易に変更することができるので、使い勝手の良い可搬型保冷庫を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の実施例に係る保冷庫1の正面図である。
図1の保冷庫1の右側面図である。
図1の保冷庫1の右側面図であって、バッテリ収容室20のカバー24を開けた状態を示している。
図1のA−A断面図である。
図4の熱交換機構50を示す部分拡大図である。
図1のB−B断面図である。
図2のD−D断面図である。
図1のC−C断面図である。
本発明の実施例に係る保冷庫1の回路図である。
従来の携帯型保冷庫におけるペルチェ素子電圧の制御と庫内温度の関係を示す図である。
本実施例の保冷庫1におけるペルチェ素子電圧の制御と庫内温度の関係を示す図である。
本実施例の保冷庫1における肩掛けベルト65の一部を引き出して第2の取付状態にした状態を示す図である。
図12の保冷庫1の引き出し用のリングとして設けるグリップ69の形状を示す斜視図である。
図13のグリップ69単体の図であり、(A)は正面図であり、(B)は上面図であり、(C)は左側面図である。
本実施例の保冷庫1における肩掛けベルトの一部を第三ベルト取付部にも係合させた第2の取付状態を示す図である。
本実施例の保冷庫1における肩掛けベルトの一部を第三ベルト取付部にも係合させた取付状態を示す図である。
本実施例の第2の実施例に係る保冷庫1Aを示す図である。
従来の保冷庫101の縦断面図である。
従来の保冷庫101におけるペルチェ素子151の配置状態を示す水平断面図である。
DC接続ケーブルと、ACアダプタを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
【0014】
図1は、保冷庫1の正面図である。保冷庫1は、いわゆるクーラーボックス型の容器に、電力を利用した熱交換機構を付加したものであって、ここでは電動工具用に広く用いられているパック式のバッテリ61、62(図3参照)を電源として、内部に収容された飲食物等(以下、「収容物」と呼ぶ)を冷却又は保温可能に構成した。保冷庫1は内容積が10〜40リットル程度、例えば25リットルの携帯可能な構成である。保冷庫1の熱交換機構としてはペルチェ素子を用い、冷却だけでなく保温も可能とするが、本実施例の構成を用いて冷却だけの専用の保冷庫、又は、保温だけの専用の保温庫とすることも可能である。本明細書では、保温機構の有無に関わらずに冷却機能があれば「保冷庫」と呼ぶことにする。保冷庫1は、上側に開口を有する略直方体状の容器部10に、開口を閉鎖する蓋となるドア部30を設けたものである。容器部10は略直方体であって、一面(上面)だけが開口となるような形状であり、開口を規定する4つの側壁部(前壁部11a、後壁部11b(図2参照)、右壁部11c、左壁部11d)と、容器部10の開口からみて反対側の面となる底壁部12bを有する。前壁部11aと後壁部11b(図2参照)は略平行に配置され、右壁部11cは、前壁部11aの右端縁と後壁部11bの右端縁とを接続し、左壁部11dは、前壁部11aの左端縁と後壁部11bの左端縁とを接続する。また、前壁部11a、後壁部11b、右壁部11c及び左壁部11dのそれぞれの上端部は、平面視略矩形状の開口を規定する。
【0015】
容器部10の開口は、容器部10に対して開閉可能なドア部30にて閉鎖される。ドア部30は、容器部10の開口のうち、長辺の一辺側に蝶番19(図4にて後述)にて軸支される。ドア部30の開口のうち、蝶番の設けられる長辺部と反対側の長辺部(ここでは前壁部11aの上縁部)には、2つのラッチ18a、18bが設けられる。ラッチ18a、18bは、ドア部30側に形成される凸部34a、34b(図6で後述)にラッチ18a、18b側に形成された凸部に引っかけるようにして固定する手動操作可能なロック機構であり、パッチン錠、ラッチなど、公知の固定部材を用いることができる。容器部10の前壁部11aの上縁部には、ラッチ18a、18bを保持すると共に、ドア部30を開ける際の手を入れる窪み14aが形成するための凸部14が形成される。窪み14aの上側には、ドア部30の外縁の一部の底面が露出するので、ラッチ18a、18bを開放状態とした際に、ドア部30の手前の外縁部を容易に上方側に引き上げることができる。図1の状態は、容器部10の開口を閉塞している閉状態にある。ドア部30が上方に回動して開状態になると、容器部10の開口は開放され、開口を介して収容物を収容空間内に収容可能である。また、ドア部30が閉状態においては開口が閉塞されるので、収容空間13は密閉状態となり、内外気の空気の直接接触による熱交換が最小化される。
【0016】
容器部10の開口の左側側方には第一把持部16が形成される。同様にして、容器部10の開口の右側側方には第二把持部17が形成される。第一把持部16と第二把持部17は、両手で保冷庫1の対向する短辺付近を把持しながら運搬するために形成される凸部であり、容器部10の右壁部11cと左壁部11dの上方付近に設けられる。第一把持部16と第二把持部17は、合成樹脂で製造される容器部10の外面と一体に成形される。第一把持部16と第二把持部17の水平方向外側に突出する部分の下面側には、作業者が両手で把持する際に持ちやすくするための窪み部16a、17aが形成される。また、窪み部16a、17aの前後方向中央付近には、肩掛けベルト65を上から下まで貫通させるための図示しない貫通孔(後述)が形成される。貫通孔が形成された第一把持部16が第一ベルト取付部となり、貫通孔が形成された第二把持部17が第二ベルト取付部となる。
【0017】
第一ベルト取付部と第二ベルト取付部の間は、帯状の1本の肩掛けベルト65が掛け渡される。ベルトアジャスター66、67は、肩掛けベルト65の両端を折り返して重ねた部分を貫通させることによって、重ねたベルトが相対移動しないように固定すると共に、肩掛け用に利用する有効長さを調整する部材である。ベルトアジャスター66、67は一体成形の合成樹脂または金属製のパーツであって、3本の平行して延びる細長い板状の両端部を直交する連結部にて連結したような形状であって、アルファベットのE状の部材を2つ準備し、開口側を向かい合わせて接合したような形状である。ベルトアジャスター66、67を合成樹脂で作る場合は十分な強度を持たせる。肩掛けベルト65には肩掛け時に作業者の肩にかかる局所的な負荷を分散させるための肩パッド68が設けられる。肩パッド68は公知のものを使うことが可能であり、どのような形状、材質とするかは任意である。
【0018】
容器部10の底壁部12bの左側端部付近には一対のキャスタ88aが設けられる。後方の壁部と左壁部11dと底壁部12bの角部付近にも同様にキャスタ88b(図1では見えない)が設けられ、キャスタ88aは容器部10によって軸支され、その回転軸89aは前後方向に向く。図1では図示していないが、後方側のキャスタ88bの回転軸は、回転軸89aと同軸上に位置し、その軸方向は前後方向となる。図1のように容器部10が水平に保たれた状態においては、キャスタ88a、88bが設置されていてもキャスタ88a、88bが実質的に動作しない状態にあり、容器部10を斜めにすることでキャスタ88a、88bが動作可能になる。ここで、キャスタ88a、88bが実質的に動作しない状態とは、底壁部12bの下面のうちキャスタ88a、88bの反対側が接地していることで容器部10の水平方向の移動が制限される状態を含む。
【0019】
容器部10の右壁部11cには、第2の直方体状の筐体を有するバッテリ収容室20が設けられる。バッテリ収容室20の筐体容積は、容器部10の筐体容積よりも十分小さく構成される。バッテリ収容室20は、2つのバッテリ(後述)と、制御回路基板(後述)を収容するための独立した空間である。容器部10の外壁とバッテリ収容室20の外壁は、合成樹脂の一体成形により製造すると強度を十分高めることができる。このように保冷庫の容器としての容器部10と、図示しないバッテリ等の電源部を収容するバッテリ収容室20を別々の区画で構成したので、容器部10の内部空間がバッテリの装着のために圧迫されることなく、限られたスペースを有効に活用できる。
【0020】
開閉可能なドア部30には、ペルチェ素子を用いた熱交換機構50(図5にて後述)が設けられる。容器部10にはファンやヒートシンク等の熱交換機構の本体構成部品はいずれも設けられない。熱交換機構を設けたためにドア部30の上側の一部には、後述する外側ファンの吸気口35が設けられ、ドア部30の前側側面の一部には排気口36が設けられる。尚、図1では見えないが、ドア部30の後側側面の一部にも前方の排気口36と同様の排気口が設けられる。吸気口35からドア部30の内部に吸引された空気は、前方の排気口36と後方の排気口(図1では見えない)から排気される。
【0021】
図2は保冷庫1の右側面図である。ここでは肩掛けベルト65(図1参照)を取り外した状態を示している。ドア部30は、上部に吸気口35と排気口36(図1参照)を有する点を除き、市販されているクーラーボックスのドア部とほぼ同様の外観である。但し、ドア部30内に熱交換機構が収容されるため、ドア部30の上下方向に占める高さが大きくなる。容器部10の右側に配置されるバッテリ収容室20は、容器部10の外側筐体よりも上下方向、前後方向とも小さい筐体とされる。また、バッテリ収容室20の前壁部21a、後壁部21b、上側壁21c、下側壁21dは容器部10の右壁部11cと接合部に隙間が無いように接続される。バッテリ収容室20の前後方向中央面(D−D断面)よりも後方側には、開口部21f(後述する図3参照)が設けられ、その開口部21fを覆うために開閉式のカバー24が設けられる。カバー24はバッテリ収容室20の右壁部21eから後壁部21bに至る2面に渡るように形成され、前側縁部を鉛直方向に軸線が延びる回動軸24aによって軸支され、後壁部21bにて2つのラッチ手段、即ち第一ラッチ26aと第二ラッチ26bによって閉鎖状態がロックされる。ラッチ手段としては、例えば、カバー24側に形成された凸状の掛止部に可動式の爪部を係合させるような樹脂製のパッチン錠を用いることができる。図2では説明のために第一ラッチ26aをアンロック状態にて図示し、第二ラッチ26bをロック状態にて図示している。
【0022】
バッテリ収容室20に前側の下方の一部には、後述する電源コードを接続する電源ジャック71へのアクセス用開口を覆う電源ジャックカバー23が形成される。電源ジャックカバー23は板状であって一辺を軸支し、対向する他辺にロック機構を有する開閉式の蓋である。バッテリ収容室20の外面の一部領域22には、図示しない操作表示パネルが設けられる。操作表示パネルには、図示しない電源スイッチ、各種操作ボタン(冷却/加熱の切替、出力モード設定)、稼働状態を示す表示ランプ等が設けられる。
【0023】
容器部10の上端の開口12aに近い外縁部には、水平方向外側に凸状に突出するフランジ状の第二把持部17が形成される。第二把持部17は、ユーザが第一把持部16と共に両手で把持するための取っ手となるもので、ユーザの手に比べて前後方向に十分な長さを有し、指を掛けやすくするための窪み部17aが形成され、窪み部17aの前後方向中央付近には肩掛けベルト65を貫通させるために、第二把持部17の上から下まで貫通させた貫通孔(第二ベルト取付部17b)が形成される。貫通孔の断面形状は細長い略四角形であり、第二ベルト取付部17bたる貫通孔の幅WB(長辺方向の長さ)は、帯状の肩掛けベルト65の幅よりもわずかに大きくし、貫通孔の短辺の長さは肩掛けベルト65の厚さより大きくすることにより、貫通する肩掛けベルト65が貫通孔に対して容易に相対移動できるようにする。第二把持部17からバッテリ収容室20の上側壁21cにかけて細長く外側に突出するコード収容凸部15が形成される。コード収容凸部15は、その内側部分に配線のための空間を確保するために形成されるものである。
【0024】
図3は、図2の状態からカバー24を開けた状態を示している。カバー24は回動軸24aを中心に約180度程度回動可能とされる。回動軸24aは鉛直方向(上下方向)に延びるように配置される。仮に、キャスタ88a、88bの回転軸89aの軸方向(前後方向)と、回動軸24aの軸方向(上下方向)が平行である場合、キャスタ88a、88bの回転軸89aを中心に発生する振動方向とカバー24の回動軸方向が同一となるためにカバー24を開けようとする力が繰り返し働くことになり、第一ラッチ26a及び第二ラッチ26bと回動軸24aにかかる負荷が高くなる。これに対して、本実施例の回動軸24aの配置では、キャスタ88a、88bを中心に発生する振動方向と回動軸24aの軸方向が交差する関係となることで、振動によってカバー24が開こうとする方向に力がかかることを抑制できる。
【0025】
バッテリ61、62は、接続端子が配置される装着面が、鉛直方向に向くようにして上下に2つ並べて配置される。その装着方向はバッテリ収容室20の後方から前方側に向けてであって、バッテリ61、62を横倒しにした状態で、後方から前方に移動させることで装着される。右側面から見た際に、開口部21fの前後方向長さは、収容されるバッテリ61、62の略半分程度の長さD

とされる。この長さD

は、ユーザがバッテリ収容室20に装着された状態のバッテリ61、62の図示しないラッチボタンを押す操作に支障が無い程度の長さとする。また、バッテリ収容室20の内部の収容空間の高さH

は、ユーザがそれぞれのラッチボタンを押す操作と、バッテリ61、62を引き出す操作が可能なように、バッテリ2つ分の大きさ以上であって、バッテリ61、62の周囲に所定のスペースを確保したような大きさとする。ここでは収容空間の高さH

と、開口部21fの高さをほぼ等しくしている。本実施例では、バッテリ収容室20にバッテリを複数収容可能とし、開口部分に開閉可能な蓋(カバー24)を設けることによってバッテリ収容室20の収容空間を密閉できるので、バッテリ61、62や制御回路基板等を完全に覆うことができ、粉塵や雨水等の侵入から保護できる。
【0026】
図4は図1のA−A断面図である。収容空間13は、収容物を入れる空間であり、周囲の壁部の内側面(前壁部11aの後面、後壁部11bの前面、右壁部11cの左面及び左壁部11dの右面と底壁部12bの上面)によって画成される。容器部10の壁部の外面と内面は、例えばABS樹脂により構成され、外面と内面の間に発泡ウレタン等の断熱材33が充填されることにより、収容空間13内の断熱性が確保される。ドア部30には外壁31と内壁32が設けられる。ドア部30の内部には熱交換機構50が設けられる。熱交換機構50は収容空間13内の熱を奪って大気中に排出するか、又は、大気中の熱を吸収して収容空間13内に放出する冷却、又は加熱装置である。熱交換機構50は、2つのペルチェ素子51、52と、ペルチェ素子51、52の表面側(外面側)に配置される外側ヒートシンク54及び外側ファン55と、ペルチェ素子51、52の裏面側(内面側)に配置される内側ヒートシンク56(56a〜56c)と、庫内ファン57によって主に構成される。本実施例ではバッテリ61、62をドア部30ではなくてバッテリ収容室20に収容したので、ドア部30の重量増加を抑制でき、重心が下がり保冷庫1の安定性や可搬性を向上できる。尚、特許文献1で開示されたように、熱交換機構50だけでなくバッテリ61をドア部30に装着するように構成することも考えられる。しかしながら、そのような構成によるとドア部30が重くなってしまい、開閉しにくくなる可能性が高い。
【0027】
図5は図4の熱交換機構50を示す部分拡大図である。ドア部30の内壁32には、熱交換機構を設けるための貫通孔32aが形成される。ペルチェ素子51、52は内壁32の面方向と平行になるように前後方向にわずかな隙間53aを有するように隣接して配置される。ペルチェ素子51、52の上面は外側ヒートシンク54に共通して当接し、下面は内側ヒートシンク56の熱伝導体56aに共通に当接する。ペルチェ素子51、52は、それぞれ後述する赤コードと黒コードが接続され、電流が赤コードから黒コードに流れた場合に、上面が発熱し、下面が吸熱する(下面が冷却される)。一方、電流が黒コードから赤コードに流れた場合に、上面が吸熱し、下面が発熱する。熱伝導体56aは、例えばアルミニウムのブロックであり、貫通孔32aに対応する大きさに形成される。ここでは貫通孔32aと熱伝導体56aの隙間32cを有するが、この隙間32cに接着性の樹脂を充填しても良い。
【0028】
外側ヒートシンク54は、ペルチェ素子51、52の上面に接触される板状の基台部54aと、基台部54aから直交方向上側に延びる板状の複数のフィンからなるフィン部54bにより形成される。フィン部54bは前後方向に延び、上下方向に所定の長さを有するものであり、外側ヒートシンク54はアルミニウム等の軽金属の一体成形により製造される。外側ヒートシンク54の基台部54aと内壁32との間には、ゴム等の弾性体58が介在される。このように外側ヒートシンク54とドア部30の筐体との隙間に、弾性体58を設けることによって、キャスタ移動時の外側ヒートシンク54のがたつきを抑制できる。フィン部54bの上側には外側ファン55が隣接して設けられる。外側ファン55は遠心ファンであり、外側ファン55が回転することにより吸気口35の複数形成されたスリット35aから軸方向(上から下方向)に外気を吸引して、矢印AF1のように径方向に流して排気口36(図1参照)から排気される。この際、外気が熱せられた外側ヒートシンク54に接することにより、外側ヒートシンク54から熱を奪う。ここでは矢印AF1は上から後方向に流れるように示しているが、ペルチェ素子52側でも同様にして、上から前方向に流れる空気流が発生する。
【0029】
内側ヒートシンク56は、熱伝導体56aと基台部56bとフィン部56cにより構成され、これらはアルミニウム等の軽金属の一体成形により製造される。熱伝導体56aの下面には、面積が大きい板状の基台部56bが連結され、板状の基台部56bの下方には、基台部56bから直交方向に延びる板状の複数のフィンからなるフィン部56cが形成される。フィン部56cは前後方向に延び、上下方向に所定の長さを有する。フィン部56cの下方には隣接して庫内ファン57が形成される。庫内ファン57の軸方向下側には、複数の風窓(ここでは断面形状の関係から見えない)が形成された合成樹脂製のファンカバー37が設けられる。庫内ファン57は、フィン部56cに接近しており、容器部10の庫内の上面の空気を軸方向下方から吸引して、フィン部56cに空気を十分接するように流して径方向外側に向けて矢印AF2のように排出する。図5では空気流AF2は後方に向けた成分だけを矢印で示したが、内側ヒートシンク56に前方側にも同様に排出される。冷却された内側ヒートシンク56が、AF2のように流れる空気から熱を奪うことにより庫内の温度が低下する。また、矢印AF2のような空気が循環することで、庫内の空気が十分に撹拌される。
【0030】
図6は図1のB−B断面図である。ドア部30の外縁形状は下面視又は上面視で略長方形であり、外縁の長辺側の一方(前方)には、ラッチ18a、18bと係合する凸部34a、34bが形成される。また、凸部34a、34bに挟まれる中央付近には、ユーザがドア部30を開ける際に手を掛けるためのわずかな窪み34cが形成される。外縁の長辺側の他方(後方)には、蝶番19を固定する為の取付部34d、34eが設けられる。ドア部30の内壁のうち、左側の略半分は上方に窪ませた凹部32bが形成され、右側の略半分は熱交換機構50の配置部41となる。凹部32bの左側には、ドア部30を開けた際に所定の角度を隔てて開状態を保つように回動式のストッパー片43が設けられる。ストッパー片43は後方にて回動軸44を介してドア部30に軸支され、前方側43aが自由端部となり、容器部10の開口付近の上面に当接することにより、ドア部30をわずかに開いた状態にて保持できる。
(【0031】以降は省略されています)

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