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公開番号2021124654
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210830
出願番号2020019279
出願日20200207
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/097 20060101AFI20210802BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】グロスムラのない画像を出力しうると共に、現像性と保存安定性に優れたトナーを得ることにある。
【解決手段】結着樹脂、結晶性樹脂、炭化水素ワックス、着色剤を含むトナー粒子を有するトナーであって、
該結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上4500以下であり、
該結晶性樹脂と該炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂、結晶性樹脂、炭化水素ワックス、着色剤を有するトナー粒子を含むトナーであって、
該結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上4500以下であり、
該結晶性樹脂と該炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であることを特徴とするトナー。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
該炭化水素ワックスと該結晶性樹脂の結晶化温度の差が2℃以上ある請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
該結晶性樹脂が結晶性ポリエステルである請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
該結晶性ポリエステルが脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの縮合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項5】
該炭化水素ワックスの重量平均分子量が300以上2000以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項6】
該結晶性ポリエステルが脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸で構成される成分が主成分であり、脂肪族ジオールの炭素数が7以上であり、かつ、脂肪族ジカルボン酸の炭素数が12以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項7】
該炭化水素ワックスと該結晶性樹脂が該トナーの内部で複合結晶を形成している請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項8】
該着色剤が磁性体である請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項9】
該脂肪族ジカルボン酸が直鎖状のアルキレン基の両末端にカルボキシル基を有する構造であり、該脂肪族ジオールが直鎖状のアルキレン基の両末端にヒドロキシル基を有する構造である請求項4または6に記載のトナー。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のトナーの製造方法であって、炭化水素ワックス、結晶性樹脂を溶融状態で混合する工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法に用いるトナーに関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置は、使用目的及び使用環境の多様化が進むと共に、更なる省エネルギー性と画質の両立が求められている。省エネルギー性の改善という観点では、低温定着性がより向上するトナーがまず挙げられる。
トナーの低温定着性を向上するために、ワックスや結晶性樹脂などの結晶性材料が用いられる。結晶性材料は、その材料の持つ融点で溶融し、トナーの結着樹脂を可塑化し、トナーの溶融変形を促す。
こうした定着性の良化に伴い、トナーの溶融特性にばらつきが生じると、グロスが大きく振れ、グロスムラが発生することがある。グロスムラは、印字率の高い画像で目立ちやすく、高まり続けるプリント画質への要求に応えるためにも、改善が求められている。
更に、溶融特性を改善する過程において、溶融温度そのものを下げることも手段としてよく用いられる。その場合、多様な環境で使用されることを想定した場合、トナーの保存安定性が損なわれてしまうことも少なくない。環境に依らず、安定してプリンターを使うために保存安定性の改善が求められている。
上記課題に対して、従来より数多くの技術が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2)。しかしながら、これら提案のトナーであっても、現像性、グロスムラ抑制、保存安定性の高度な成立に関しては不十分であり改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017−111283号公報
特開2007−114627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、グロスムラのない画像を出力しうると共に、現像性と保存安定性に優れたトナーを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、結着樹脂、結晶性樹脂、炭化水素ワックス、着色剤を有するトナー粒子を含むトナーであって、
該結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上4500以下であり、
該結晶性樹脂と該炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であることを特徴とするトナーに関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、グロスムラのない画像を出力しうると共に、現像性と保存安定性に優れたトナーを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0008】
本発明は、結着樹脂、結晶性樹脂、炭化水素ワックス、着色剤を有するトナー粒子を含むトナーであって、
該結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上4500以下であり、
該結晶性樹脂と該炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であることを特徴とするトナーである。
【0009】
ここで、グロスムラについて、本発明者らの検討を踏まえた説明をする。グロスムラは、特にベタ画像のごとき印字率が高い画像を出力した際に、グロスの高い部分と低い部分が出来ることによって発生する。グロスは、画像上のトナーが溶融して平滑面が出ていると高く、トナー粒子の形が残っていると反射光が減ることで低くなる。すなわち、画像上のトナー変形量をいかに均一にするかが重要である。
【0010】
本発明者らの検討において、結晶性樹脂の挙動は変形量への影響が大きく、グロスを大きく向上させるとともに定着性も向上させる効果が高かった。しかし、保存性に対する弊害も大きく、また、結晶性樹脂の分散状態にムラがあると、そのままグロスムラに繋がってしまう。
【0011】
更なる検討により、結晶性樹脂と炭化水素ワックスがより良く混合するよう、材料物性の関係を調整することで、定着性、保存性、そしてグロスムラが飛躍的に改善することを見出し、本発明に至った。以下、具体的に本発明の内容を説明する。
【0012】
以下、本発明のトナーに関して、好ましい形態について説明する。
【0013】
本発明のトナーは、炭化水素ワックスと結晶性樹脂を含有する。これは、両者が混合した結晶(以下、共晶、または、複合結晶とも言う)を形成した際に、本発明の課題を大幅に改善させる効果があるためであり、本発明には必須の材料である。なお、本発明における結晶性とは、材料単体の示差走査熱量測定(以下、DSC測定とも言う)において吸熱ピークを有するものを指す。
【0014】
また、本発明における結晶性樹脂は、以下の条件を満たす。DSC測定において、一度180℃まで昇温(1
st
−run)した後に再度180℃まで昇温する(2
nd
−run)。その際、1
st
−runで得られた吸熱ピーク温度Tm1と、2
nd
−runで得られた吸熱ピーク温度Tm2の温度差Tm1−Tm2が1.5℃以上であるものを結晶性樹脂とした。例えば、ジペンタエリスリトールテトラベヘネートのごとき高分子量エステルワックスは、上記測定を行うとTm1−Tm2が1℃未満であり、結晶性樹脂には含まれない。
【0015】
次に、本発明のトナーに含まれる結晶性樹脂は重量平均分子量が1000以上4500以下である。好ましくは、1000以上3500以下である。トナー製造工程において、1000以上4500以下であると、グロスムラ抑制に優れる傾向があるためである。
【0016】
結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上4500以下であり、且つ後述する溶解度パラメータの範囲を満たすと、炭化水素ワックスと共晶を形成することができる。結晶性樹脂と炭化水素ワックスは従来、混合しにくく、トナー内部において独立に存在することが多い。そのため、トナー内に均一に存在しにくく、結晶性樹脂の結着樹脂への相溶が進む部分と進みにくい部分が出来てしまう。共晶として存在すると、炭化水素ワックスと結晶性樹脂が同一箇所に存在するため、炭化水素ワックスが多い部分、または結晶性樹脂が多い部分といったトナー内でのムラを非常に小さくできる。そのため、熱定着時の溶けムラがなくなり、グロスムラが大幅に低減する。また、結晶化度が低い結晶性樹脂に起因した保存性悪化も、炭化水素との共晶化により、経時による表面滲出が抑制され、保存安定性が大幅に改善される。
【0017】
本発明の結晶性樹脂と炭化水素ワックスは溶解度パラメータを調整することが必須であり、両者の親和性を高めることで混合性が上がり、共晶が形成される。溶解度パラメータには、種々の計算手法があるが、本発明においては、Hansenの溶解度パラメータの極性項を用いる。これは、結晶性樹脂と炭化水素ワックスの親和性とよく相関するためであり、極性項の差が小さいと親和性が高いことを示す。具体的には、Hansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であると、グロスムラ抑制、保存安定性、現像性が大幅に向上する。2.5を上回ると、炭化水素ワックスと結晶性樹脂の親和性が下がり、トナー内部においてそれぞれ単独で存在するようになる。そのため、熱定着時に染み出しや変形にムラが出来ることでグロスムラが大幅に悪化する。また、炭化水素ワックスと結晶性樹脂が経時で表面に滲出するなどして保存安定性や現像安定性が大きく悪化する。
【0018】
本発明のトナーは、上記のように炭化水素ワックスと結晶性樹脂を用いた上で、炭化水素ワックスと結晶性樹脂の溶解度パラメータの関係と、結晶性樹脂の分子量を制御することで初めて炭化水素ワックスと結晶性樹脂の親和性が大幅に高まる。それにより共晶を形成し、熱定着時に炭化水素ワックスの存在状態にムラが出来にくく、画像の溶融具合が均一になるため、グロスムラが大幅に低減する。更に、結晶性樹脂と炭化水素ワックスが混合して結晶を形成すると、経時による結晶性樹脂または炭化水素ワックス同士がより集まって結晶化し、トナー表面に滲出してくるような現象が起きにくくなる。それにより、保存安定性が大きく向上する。また、表面組成の変化が起きにくいため、長期使用における現像安定性も大幅向上する。
【0019】
本発明のトナーは、炭化水素ワックスと結晶性樹脂の結晶化温度の差が2℃以上あり、炭化水素ワックスと結晶性樹脂がトナーの内部で共晶を形成していることが好ましい。炭化水素ワックスと結晶性樹脂の結晶化温度が2℃以上あると、共晶を形成した場合、より経時安定性が高まる傾向であり、7℃以上あるとより好ましい。また、共晶を形成すると、グロスムラ抑制、保存安定性、現像安定性が高まる傾向であり、好ましい。
【0020】
本発明における共晶は、冷結晶化ピーク温度の異なる結晶性物質が2種以上、混合した状態で結晶化した状態を言う。したがって、本発明において共晶の有無は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線における降温時の冷結晶化ピークを見て、単体と異なる温度に冷結晶化ピークが存在するかどうかで判断する。判断基準としては、冷結晶化ピークの全面積に対して、共晶のピーク面積が10%以上あれば、共晶が存在するとした。
【0021】
次に、本発明のトナーに用いる炭化水素ワックスの重量平均分子量は300以上2000以下であることが好ましい。上述したように結晶性樹脂の分子量が炭化水素ワックスと結晶性樹脂の混ざりやすさに効いてくるが、同様に炭化水素ワックスの分子量も影響がある。上述の範囲であると結晶性樹脂と混ざりやすくなり、特に保存性が改善するため、好ましい。
【0022】
本発明のトナーに用いる結晶性樹脂に関して述べる。
【0023】
結晶性樹脂は、結晶性ポリエステルであることが好ましい。これは、前述した炭化水素ワックスとの混ざりやすさやトナー内部での存在状態を制御しやすいためである。
【0024】
また、炭化水素ワックスとの共晶を形成しやすい、という観点で結晶性ポリエステルは脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの縮合物であることが好ましい。
【0025】
更に、本発明者らの検討によると、脂肪族ジオールの炭素数は7以上が好ましく、かつ、脂肪族ジカルボン酸の炭素数が12以上であることが好ましい。上述した共晶を作る効果が高まり、特に、保存性が改善される傾向であるため、好ましい。
【0026】
トナーの製造法としては、トナー粒子の製造方法が炭化水素ワックス、結晶性樹脂を溶融状態で混合する工程を含むことが好ましい。本発明のトナーは、炭化水素ワックスと結晶性樹脂をいかにして混合し、共晶を形成させるかが非常に重要である。そのため、溶融した上で混合する工程があると、混合が促進されるため、好ましい。より好ましくは、懸濁重合法によりトナー粒子を製造することである。
【0027】
本発明の結晶性樹脂のHansenの溶解度パラメータは、炭化水素ワックスとの共晶の形成しやすさから2.5以下であることが好ましく、より好ましくは2.1以下である。また、炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータに関して、結晶性樹脂との共晶の形成しやすさの観点で0.1以下であることが好ましい。
【0028】
次に、本発明のトナーに用いることができる材料構成、製造方法に関して、詳細に説明する。
【0029】
結晶性樹脂としては任意のものを使用できるが、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
【0030】
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーも結晶性を失わないものであれば特に限定されず、任意のものを使用できる。結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分としては、結晶性を高める観点から、炭素数7以上の脂肪族ジオールを用いることが好ましく、直鎖状のアルキレン基の両末端にヒドロキシル基を有する構造が好ましい。炭素数7以上の脂肪族ジオールとしては、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。上記脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80.0モル%以上、100.0モル%以下含有されることが好ましい。
(【0031】以降は省略されています)

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