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公開番号2021110014
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210802
出願番号2020003712
出願日20200114
発明の名称接続端子
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社,三菱マテリアル株式会社
代理人特許業務法人上野特許事務所
主分類C22C 9/04 20060101AFI20210705BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】耐力、曲げ加工性、耐応力緩和特性に優れ、安価に製造することができる銅合金を基材とする接続端子を提供する。
【解決手段】質量%で、21%≦Zn≦27%、0.6%≦Sn≦0.9%、2.5%≦Ni≦3.7%、0.01%≦P≦0.03%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、620MPa以上、700MPa以下の0.2%耐力と、15%IACS以上、20%IACS以下の導電率と、を有する銅合金を基材としてなる接続端子とする。
【選択図】図3A
特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
21%≦Zn≦27%、
0.6%≦Sn≦0.9%、
2.5%≦Ni≦3.7%、
0.01%≦P≦0.03%を含有し、
残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、
620MPa以上、700MPa以下の0.2%耐力と、
15%IACS以上、20%IACS以下の導電率と、を有する銅合金を基材としてなる、接続端子。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記基材におけるZn、Sn、Niの含有量を、それぞれ、質量%を単位として、[Zn]、[Sn]、[Ni]とし、
以下の式で算出される固溶強化指数τ

が、60≦τ

≦75を満たす、請求項1に記載の接続端子。
τ

=(164[Zn]
2/3
+858[Sn]
2/3
+45.6[Ni]
2/3
)/(190−0.1[Zn]−0.9[Sn]+0.1[Ni])
2/3
【請求項3】
前記銅合金の平均結晶粒径が、2.0μm以上、5.0μm以下である、請求項1または請求項2に記載の接続端子。
【請求項4】
前記銅合金はさらに、0.02質量%以下のFeを含有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の接続端子。
【請求項5】
前記銅合金はさらに、Co、Cr、Zr、Ti、Mn、Vより選択される少なくとも1種を、合計で0.1質量%以下含有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の接続端子。
【請求項6】
前記銅合金は、圧延方向と垂直な方向に、620MPa以上、700MPa以下の0.2%耐力を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の接続端子。
【請求項7】
相手方の電気接点と電気的に接触する接点部を含む領域に、前記銅合金の板材を圧延方向に垂直な方向に曲げてなるバネ部を有する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の接続端子。
【請求項8】
メス型端子である、請求項7に記載の接続端子。
【請求項9】
前記接続端子がメス型端子である場合に、嵌合可能な相手方のオス型端子のタブの幅として規定され、前記接続端子がオス型端子である場合に、該オス型端子のタブの幅として規定されるタブ幅が、0.5mm以下である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の接続端子。
【請求項10】
前記銅合金が、板厚0.20mm以下の板材として、前記接続端子を構成している、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の接続端子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、接続端子に関する。
続きを表示(約 5,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来一般に、自動車内等で電気接続に用いられる接続端子を構成する基材として、銅および銅合金が用いられてきた。中でも、固溶強化型銅合金である黄銅やリン青銅が、広く用いられてきた。
【0003】
近年、自動車の軽量化や電子制御の高度化に伴い、接続端子の小型化が進められている。接続端子を小型化した際に、十分な通電特性を維持するためには、接点部を構成するバネ部が、高い耐力を有している必要がある。また、そのように高い耐力を有する材料を小型の接続端子に成形するためには、材料が、高い曲げ加工性を有している必要がある。さらに、自動車のエンジンルーム付近等、高温になる環境で接続端子が使用される場合には、応力緩和現象によって接点部を構成するバネ部の弾性力が低下してしまうのを避けるために、接続端子の構成材料が高い耐応力緩和特性を有していることが求められる。
【0004】
上記の黄銅やリン青銅は、接続端子の小型化に適した十分に高い耐力、曲げ加工性、また耐応力緩和特性を有していない。そこで、耐力、曲げ加工性、耐応力緩和特性に優れた銅合金として、析出強化型合金であるコルソン合金(Cu−Ni−Si系合金)が、接続端子を構成するのに用いられる場合がある。例えば、特許文献1に、自動車用コネクタ等の電気・電子部品に使用されるコルソン合金が開示されている。このコルソン合金は、強度異方性が小さく、曲げ加工性に優れているとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011−162848号公報
国際公開第2015/046470号
国際公開第2015/046421号
特開2013−213237号公報
特開2009−185341号公報
R.Labusch,”A Statistical Theory of Solid Solution Hardening”、Physica Status Solidi,1970年,41巻,659−669頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、接続端子の基材としてコルソン合金を用いれば、接続端子の小型化に伴って要求される高い耐力、曲げ加工性、耐応力緩和特性を利用することができる。しかし、コルソン合金をはじめとする析出強化型合金は、特許文献1にも記載されるように、製造時に、溶体化処理や時効処理等の処理工程を必要とする。そのため、析出強化型合金は、固溶強化型合金に比べて高価となる。よって、接続端子の基材としてコルソン合金を用いると、接続端子の材料コストが高くなってしまう。
【0007】
そこで、耐力、曲げ加工性、耐応力緩和特性に優れ、安価に製造することができる銅合金を基材とする接続端子を提供することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の接続端子は、質量%で、21%≦Zn≦27%、0.6%≦Sn≦0.9%、2.5%≦Ni≦3.7%、0.01%≦P≦0.03%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、620MPa以上、700MPa以下の0.2%耐力と、15%IACS以上、20%IACS以下の導電率と、を有する銅合金を基材としてなる。
【発明の効果】
【0009】
本開示にかかる接続端子を構成する基材は、上記のように、所定の成分組成を有するとともに、所定範囲の0.2%耐力を有している。その結果、基材は、耐力、曲げ加工性、耐応力緩和特性に優れたものとなっている。また、これらの銅合金は、固溶強化型合金であり、溶体化や時効硬化のように、材料コストを上昇させる処理工程を含まずに製造することができる。さらに、これらの銅合金は、比較的安価な元素であるZnを多く含有し、CuやSn、Niの含有量を少なく抑えたものとなっている。そのため、基材を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本開示の一実施形態にかかる接続端子として、メス型端子の構成を示す断面図である。
図2は、図1の接続端子において、弾性接触片の折り曲げ部を拡大して示す斜視図である。
図3Aは、実施例における各試料について、固溶強化指数τ

と0.2%耐力および導電率との関係を示す図である。
図3Bは、図3Aの一部を拡大して表示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態を列挙して説明する。
【0012】
本開示の一実施形態にかかる接続端子は、質量%で、21%≦Zn≦27%、0.6%≦Sn≦0.9%、2.5%≦Ni≦3.7%、0.01%≦P≦0.03%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、620MPa以上、700MPa以下の0.2%耐力と、15%IACS以上、20%IACS以下の導電率と、を有する銅合金を基材としてなる。
【0013】
上記実施形態にかかる接続端子を構成する基材は、Zn、Sn、Ni、Pをそれぞれ所定量含有する銅合金よりなっている。そのような成分組成を有する銅合金は、高耐力、高い曲げ加工性、優れた耐応力緩和特性を発揮しやすい。特に、銅合金が、620MPa以上の0.2%耐力を有することで、小型の接続端子において必要となる十分なバネ性を発揮する。一方、基材の0.2%耐力が700MPa以下に抑えられていることにより、接続端子の成形に必要な曲げ加工性が確保される。
【0014】
また、基材を構成する銅合金は、比較的安価な元素であるZnを21%以上含有しており、その分、相対的に高価な元素であるCuやSn、Niの含有量が少なく抑えられている。そのため、基材の材料コストが抑えられる。さらに、この銅合金は、固溶強化型合金であるため、コルソン合金のような析出強化型合金とは異なり、溶体化や時効硬化のように、加工コストを上昇させる処理工程を含まずに製造することができる。結果として、基材の製造コストが抑制され、接続端子が安価に製造できる。
【0015】
さらに、接続端子を構成する基材が、15%IACS以上の導電率を有していることにより、小型の接続端子においても、抵抗発熱が抑えられ、耐熱性が高くなる。一方、導電率が20%IACS以下に抑えられていることにより、銅合金中のZnの濃度を高めることができ、基材の製造コストが効果的に抑制される。
【0016】
上記実施形態にかかる接続端子において、固溶強化指数τ

が、60≦τ

≦75を満たしていることが好ましい。そのことにより、基材が、小型の接続端子において求められる十分な耐力を有するとともに、接続端子の成形に必要な曲げ加工性を有するものとなりやすい。
【0017】
さらに、上記実施形態にかかる接続端子は、以下のような構成を有しているとよい。まず、前記銅合金の平均結晶粒径が、2.0μm以上、5.0μm以下であるとよい。その場合には、基材が、耐力および延性と、耐応力緩和特性とを、バランスよく有するものとなる。
【0018】
また、前記銅合金はさらに、0.02質量%以下のFeを含有するとよい。Feは、銅合金中で、固溶強化等の効果を示す。
【0019】
前記銅合金はさらに、Co、Cr、Zr、Ti、Mn、Vより選択される少なくとも1種を、合計で0.1質量%以下含有するとよい。それらの元素は、銅合金の強度および耐応力緩和特性を向上させる効果を発揮する。
【0020】
前記銅合金は、圧延方向と垂直な方向に、620MPa以上、700MPa以下の0.2%耐力を有するとよい。銅合金を圧延して基材を製造する際に、圧延方向と垂直な方向においては、圧延条件により、0.2%耐力を調整しやすい。よって、基材の製造条件の調整により、圧延方向と垂直な方向に、所定範囲の0.2%耐力を有するものとしやすい。
【0021】
前記接続端子は、相手方の電気接点と電気的に接触する接点部を含む領域に、前記銅合金の板材を圧延方向に垂直な方向に曲げてなるバネ部を有するとよい。銅合金の圧延により、圧延方向と垂直な方向における耐力が高められるため、バネ部が、接点部において高い接圧を与えるものとなりやすい。バネ部によって発揮される高い接圧により、バネ部に設けられた接点部と、相手方の電気接点との間に、安定な電気接続が形成される。
【0022】
前記接続端子は、メス型端子であるとよい。メス型端子は、バネ部等、接圧を発生する構造を備えることで、相手方のオス型端子に接圧を印加して、端子間の電気接続を維持するものである。よって、メス型端子の基材を、高い0.2%耐力を有する上記銅合金より構成することで、安定な電気的接続を確保できるメス型端子となる。また、メス型端子は、オス型端子に比べて複雑な形状を有するが、上記銅合金が高い曲げ加工性を有することで、製造を行いやすい。
【0023】
前記接続端子がメス型端子である場合に、嵌合可能な相手方のオス型端子のタブの幅として規定され、前記接続端子がオス型端子である場合に、該オス型端子のタブの幅として規定されるタブ幅が、0.5mm以下であるとよい。そのような小さなタブ幅を有する小型の接続端子においても、高い耐力を有する銅合金より基材を構成することで、接点部において、相手方の電気接点との間に、安定な通電特性が確保されやすくなる。
【0024】
前記銅合金が、板厚0.20mm以下の板材として、前記接続端子を構成しているとよい。そのような板厚の薄い基材より構成される小型の接続端子においても、高い耐力を有する上記銅合金より基材を構成することで、安定な通電特性が確保されやすくなる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を用いて本開示の実施形態にかかる接続端子について、詳細に説明する。本開示の実施形態にかかる接続端子は、所定の成分組成と物理的特性を有する銅合金を基材としてなるものである。
【0026】
以下、本明細書において、合金組成における各元素の含有量の単位は、質量%とする。各物性値は、特記しない限り、室温、大気中にて測定される値を指す。また平行、垂直等、部材の形状や配置を表す概念には、幾何的に厳密な概念のみならず、接続端子として許容される範囲のずれを含むものとする。
【0027】
<接続端子の構造>
まず、本開示の実施形態にかかる接続端子の構造の概略について説明する。本開示の実施形態にかかる接続端子は、具体的な形状や用途を特に限定されるものではないが、一例として、嵌合型のメス型端子10について、以下で簡単に構造を説明する。
【0028】
図1に、メス型端子10の構造の概略を示す。メス型端子10は、公知の嵌合型のメス型端子と同様の形状を有する。すなわち、前方が開口した角筒状に挟圧部13が形成され、挟圧部13の底面13aの内側に、バネ部として、内側後方へ折り返された形状の弾性接触片11を有する。メス型端子10の挟圧部13の内部に、相手方の電気接続部材として、オス型端子30の平板型のタブが挿入されると、メス型端子10の弾性接触片11は、挟圧部13の内側へ膨出したエンボス部11aにおいて、オス型端子30と接触し、オス型端子30に上向きの力を加える。弾性接触片11と相対する挟圧部13の天井部の面が内部対向接触面12とされ、オス型端子30が弾性接触片11によって内部対向接触面12に押し付けられることにより、オス型端子30が挟圧部13の内部で挟圧保持される。
【0029】
メス型端子10は、後に説明する第一の形態または第二の形態にかかる銅合金を基材として形成されている。基材の表面には、適宜、酸化等、基材の変性を防止するため、また通電特性や摩擦特性等の表面特性を向上させるための被覆層が形成されていてもよい。被覆層は、基材より厚さの小さい層であれば、その構成を特に限定されるものではないが、基材と異なる組成の金属を含む層や、有機化合物を含む層を例示することができる。被覆層は、基材の表面に、1層のみ形成されていても、複数種が積層されていてもよい。被覆層としては、スズめっき層等の金属層や、潤滑剤層を例示することができる。
【0030】
メス型端子10を構成する基材の方向は、特に限定されるものではないが、基材の圧延方向Drに垂直な方向が、弾性接触片11の曲げ方向D1となっていることが好ましい。つまり、図2に拡大図を示すとおり、挟圧部13の底面13aから弾性接触片11が折り曲げられている方向である曲げ方向D1が、基材の圧延方向Drに垂直になっている。基材の圧延方向Drは、圧延目と呼ばれる圧延ロールの表面性状が転写され圧延方向に延びた線状の模様により、判別することができる。
(【0031】以降は省略されています)

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