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公開番号2021105146
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210726
出願番号2019238107
出願日20191227
発明の名称樹脂組成物及び樹脂フィルム
出願人日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,特許業務法人田治米国際特許事務所
主分類C08L 79/08 20060101AFI20210625BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】脂肪族系ポリイミドの誘電特性をさらに改善することによって、電子機器の高周波化への対応が可能な樹脂組成物及び樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】(A)テトラカルボン酸無水物成分と、全ジアミン成分に対し、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマージアミンを主成分とするダイマージアミン組成物を40モル%以上含有するジアミン成分と、を反応させてなるポリアミド酸又はポリイミドを含有する不揮発性有機化合物成分、及び、(B)シリカ粒子、を含有するとともに、(B)成分が(A)成分(ただし、ポリアミド酸はイミド化されたポリイミドに換算する)及び(B)成分の合計に対し5〜60重量%の範囲内である樹脂組成物。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
下記の成分(A)及び(B)、
(A)テトラカルボン酸無水物成分と、全ジアミン成分に対し、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマージアミンを主成分とするダイマージアミン組成物を40モル%以上含有するジアミン成分と、を反応させてなるポリアミド酸又はポリイミドを含有する不揮発性有機化合物成分、及び
(B)シリカ粒子、
を含有するとともに、前記(B)成分が前記(A)成分(ただし、ポリアミド酸はイミド化されたポリイミドに換算する)及び前記(B)成分の合計に対し5〜60重量%の範囲内である樹脂組成物。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記(B)成分が、CuKα線によるX線回折分析スペクトルの2θ=10°〜90°の範囲におけるSiO

に由来する全ピークの総面積に対するクリストバライト結晶相及びクオーツ結晶相に由来するピークの合計面積の割合が20重量%以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)成分のレーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D
50
が6〜20μmの範囲内である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)成分は、全テトラカルボン酸無水物成分に対して、下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物を合計で90モル%以上含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[一般式(1)中、Xは、単結合、または、下式から選ばれる2価の基を示し、一般式(2)中、Yで表される環状部分は、4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環から選ばれる環状飽和炭化水素基を形成していることを示す。]
[上記式において、Zは−C



−、−(CH

)n−又は−CH

−CH(−O−C(=O)−CH

)−CH

−を示すが、nは1〜20の整数を示す。]
【請求項5】
ポリイミド層を含む樹脂フィルムであって、
前記ポリイミド層が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物をフィルム化したものである樹脂フィルム。
【請求項6】
厚みが15〜100μmの範囲内である請求項5に記載の樹脂フィルム。
【請求項7】
前記(B)成分が前記(A)成分及び前記(B)成分の合計に対し3〜41体積%の範囲内である請求項5又は6に記載の樹脂フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板等の回路基板において接着剤として有用な樹脂組成物及び樹脂フィルムに関する。
続きを表示(約 5,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、携帯電話等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。
【0003】
高密度化に加えて、機器の高性能化が進んだことから、伝送信号の高周波化への対応も必要とされている。情報処理や情報通信においては、大容量情報を伝送・処理するために伝送周波数を高くする取り組みが行われており、プリント基板材料は絶縁層の薄化と絶縁層の誘電特性の改善による伝送損失の低下が求められている。今後は、高周波化に対応するFPCや接着剤が求められ、伝送損失の低減が重要となる。例えば、回路基板の絶縁樹脂層として用いるポリイミド系樹脂にシリカ粒子を配合することによって、熱膨張係数と誘電率の低減を図ることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0004】
ところで、ポリイミドを主成分とする接着層に関する技術として、ダイマー酸(二量体脂肪酸)などから誘導される脂肪族ジアミン化合物を原料とするポリイミドと、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物と、を反応させて得られる架橋ポリイミド樹脂を、カバーレイフィルムの接着剤層に適用することが提案されている(特許文献3)。ダイマー酸は、例えば大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、菜種油脂肪酸等の天然の脂肪酸及びこれらを精製したオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等を原料に用いてディールス−アルダー反応させて得られる二量体化脂肪酸であり、ダイマー酸から誘導される多塩基酸化合物は、原料の脂肪酸や三量体化以上の脂肪酸の組成物として得られることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001−185853号公報
特開2018−012747号公報
特開2013−1730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3で提案されているような脂肪族ジアミン化合物を原料とするポリイミド(以下、「脂肪族系ポリイミド」と記すことがある)は、難燃性に改善の余地があるものの、低い誘電正接と可撓性を有しており、さらに、これを架橋させた架橋ポリイミド樹脂は、耐熱性と接着性とを併有する材料である。このことから、脂肪族系ポリイミドは、5G通信の普及により使用量が増加する高速伝送FPC向け材料として期待される。その一方で、FPCを流れる信号の周波数は今後さらに高くなると予想されているため、脂肪族系ポリイミドをベースにした、さらに良好な誘電特性を有する材料が求められている。
【0007】
従って、本発明の目的は、脂肪族系ポリイミドの誘電特性をさらに改善することによって、電子機器の高周波化への対応が可能な樹脂組成物及び樹脂フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の樹脂組成物は、下記の成分(A)及び(B)、
(A)テトラカルボン酸無水物成分と、全ジアミン成分に対し、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマージアミンを主成分とするダイマージアミン組成物を40モル%以上含有するジアミン成分と、を反応させてなるポリアミド酸又はポリイミドを含有する不揮発性有機化合物成分、
及び
(B)シリカ粒子、
を含有するとともに、前記(B)成分が前記(A)成分(ただし、ポリアミド酸はイミド化されたポリイミドに換算する)及び前記(B)成分の合計に対し5〜60重量%の範囲内である。
【0009】
本発明の樹脂組成物は、前記(B)成分が、CuKα線によるX線回折分析スペクトルの2θ=10°〜90°の範囲におけるSiO

に由来する全ピークの総面積に対するクリストバライト結晶相及びクオーツ結晶相に由来するピークの合計面積の割合が20重量%以上であってもよい。
【0010】
本発明の樹脂組成物は、前記(B)成分のレーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D
50
が6〜20μmの範囲内であってもよい。
【0011】
本発明の樹脂組成物は、前記(A)成分が、全テトラカルボン酸無水物成分に対して、下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物を合計で90モル%以上含有するものであってもよい。
【0012】
【0013】
一般式(1)中、Xは、単結合、または、下式から選ばれる2価の基を示し、一般式(2)中、Yで表される環状部分は、4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環から選ばれる環状飽和炭化水素基を形成していることを示す。
【0014】
【0015】
上記式において、Zは−C



−、−(CH

)n−又は−CH

−CH(−O−C(=O)−CH

)−CH

−を示すが、nは1〜20の整数を示す。
【0016】
本発明の樹脂フィルムは、ポリイミド層を含む樹脂フィルムであって、前記ポリイミド層が、上記いずれかの樹脂組成物をフィルム化したものである。
【0017】
本発明の樹脂フィルムは、厚みが15〜100μmの範囲内であってもよい。
【0018】
本発明の樹脂フィルムは、前記(B)成分が前記(A)成分及び前記(B)成分の合計に対し3〜41体積%の範囲内であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の樹脂組成物は、(A)成分の不揮発性有機化合物成分及び(B)成分のシリカ粒子を含有しているので、これを用いて形成した樹脂フィルムは、脂肪族系ポリイミドに特有の優れた誘電特性及び可撓性を有し、かつ、シリカ粒子の配合によってさらに改善された誘電特性及び難燃性を有している。従って、本発明の樹脂組成物及び樹脂フィルムは、例えば、高速信号伝送を必要とする電子機器において、FPC等の回路基板材料として特に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
[樹脂組成物]
本発明の一実施の形態に係る樹脂組成物は、下記の成分(A)及び(B)、
(A)テトラカルボン酸無水物成分と、全ジアミン成分に対し、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマージアミンを主成分とするダイマージアミン組成物を40モル%以上含有するジアミン成分と、を反応させてなるポリアミド酸又はポリイミドを含有する不揮発性有機化合物成分、及び
(B)シリカ粒子、
を含有するとともに、前記(B)成分が前記(A)成分(ただし、ポリアミド酸はイミド化されたポリイミドに換算する)及び前記(B)成分の合計に対し5〜60重量%の範囲内である。樹脂組成物は、ポリアミド酸を含有するワニス(樹脂溶液)であってもよく、溶剤可溶性のポリイミドを含有するポリイミド溶液であってもよい。
【0022】
<(A)成分:不揮発性有機化合物成分>
(A)成分の不揮発性有機化合物成分は、樹脂組成物から溶剤及び無機固形分を除いた固形分を意味する。すなわち、不揮発性有機化合物成分は、ポリアミド酸又はポリイミドを含有し、任意成分として、ポリイミド以外の樹脂、架橋剤、有機フィラー、可塑剤、硬化促進剤、カップリング剤、有機顔料、有機系難燃剤などを含有することができる。ここで、ポリイミド以外の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、オレフィン系樹脂、マレイミド樹脂、エラストマー樹脂などを挙げることができる。架橋剤としては、後述する少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物(架橋形成用アミノ化合物)、ビスマレイミド化合物、アクリル(メタクリル)系化合物、スチレン系化合物などを挙げることができる。有機フィラーとしては、例えば、液晶ポリマー粒子、フッ素系ポリマー粒子、オレフィン系ポリマー粒子などを挙げることができる。
【0023】
(A)成分中のポリアミド酸又はポリイミドの含有率は、60重量%以上であることが好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上が最も好ましい。(A)成分中のポリアミド酸又はポリイミドの含有率が60重量%未満であると、ポリイミドの靭性が低下し、樹脂フィルムを形成したときのフィルム保持性が低下する。なお、ポリアミド酸の場合はイミド化されたポリイミドに換算して重量比を算出するものとする。
【0024】
<ポリアミド酸又はポリイミド>
本実施の形態で用いるポリアミド酸又はポリイミドは、テトラカルボン酸無水物成分と、全ジアミン成分に対し、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級アミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマージアミンを主成分とするダイマージアミン組成物を40モル%以上含有するジアミン成分と、を反応させて得られる前駆体のポリアミド酸、これをイミド化したポリイミドである。本実施の形態で用いるポリアミド酸又はポリイミドは、脂肪族系のポリアミド酸又はポリイミドであるため、熱可塑性ポリイミドであり、可撓性に富み、シリカ粒子を大量に添加した場合でも十分な靭性を有し、樹脂フィルムを形成した場合にその形状を保持する能力が高い。なお、「熱可塑性ポリイミド」とは、一般にガラス転移温度(Tg)が明確に確認できるポリイミドのことであるが、本発明では、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以上であり、300℃における貯蔵弾性率が3.0×10

Pa未満であるポリイミドをいう。また、「非熱可塑性ポリイミド」とは、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドのことであるが、本発明では、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以上であり、300℃における貯蔵弾性率が3.0×10

Pa以上であるポリイミドをいう。
【0025】
本実施の形態で用いるポリアミド酸又はポリイミドは、原料のテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基及び原料のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を含んでいる。原料であるテトラカルボン酸無水物及びジアミン化合物をほぼ等モルで反応させることによって、原料の種類と量に対して、ポリアミド酸又はポリイミド中に含まれるテトラカルボン酸残基及びジアミン残基の種類と量をほぼ対応させることができる。
【0026】
(テトラカルボン酸無水物成分)
本実施の形態で用いるポリアミド酸又はポリイミドは、原料として一般に熱可塑性ポリイミドに使用されるテトラカルボン酸無水物を特に制限なく使用できるが、全テトラカルボン酸無水物成分に対して、下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物を合計で90モル%以上含有することが好ましい。換言すれば、本実施の形態で用いるポリアミド酸又はポリイミドは、全テトラカルボン酸残基100モル部に対して、下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基を、合計で90モル部以上含有することが好ましい。下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基を、テトラカルボン酸残基100モル部に対して合計で90モル部以上含有させることによって、ポリイミドの柔軟性と耐熱性の両立が図りやすく好ましい。下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるテトラカルボン酸無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基の合計が90モル部未満では、ポリイミドの溶剤溶解性が低下する傾向になる。
【0027】
【0028】
一般式(1)中、Xは、単結合、または、下式から選ばれる2価の基を示し、一般式(2)中、Yで表される環状部分は、4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環から選ばれる環状飽和炭化水素基を形成していることを示す。
【0029】
【0030】
上記式において、Zは−C



−、−(CH

)n−又は−CH

−CH(−O−C(=O)−CH

)−CH

−を示すが、nは1〜20の整数を示す。
(【0031】以降は省略されています)

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