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公開番号2021100807
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210708
出願番号2019233092
出願日20191224
発明の名称繊維強化プラスチック積層成形体、およびその製造方法
出願人日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B29C 43/34 20060101AFI20210611BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】 フェノキシ樹脂と無水マレイン酸共重合体をマトリックス樹脂として用いるFRP積層成形体であって、優れた機械強度と耐熱性を有する繊維強化プラスチック成形体とその製造方法を提供する。
【解決手段】 フェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とするシート状の強化繊維成プラスチック成形材料と、重量平均分子量が20000以上かつ酸価が100以上の無水マレイン酸共重合体のフィルムとを準備し、両者を交互もしくはランダムに積層したのち、加熱しながら加圧成形を行ってFRP積層成形体を得る。FRP積層成形体は、フェノキシ樹脂を含有する層と無水マレイン酸共重合体フィルムを含有する層とが両者の積層界面において架橋反応により接合されている層間接合部位を1以上含み、FRP積層成形体としてのガラス転移点温度が160℃以上と示す。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
フェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化プラスチック層と無水マレイン酸共重合体層による多層構造を有する繊維強化プラスチック積層成形体であって、
前記無水マレイン酸共重合体の酸価が150以上であり、
前記繊維強化プラスチック積層成形体のガラス転移温度が160℃以上であることを特徴とする繊維強化プラスチック積層成形体。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量が20000以上である請求項1に記載の繊維強化プラスチック積層成形体。
【請求項3】
繊維強化プラスチック層の強化繊維基材が、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス系繊維、金属繊維及び有機繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の連続繊維である請求項1または2に記載の繊維強化プラスチック積層成形体。
【請求項4】
フェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とするシート状の繊維強化プラスチック成形材料2枚以上と、無水マレイン酸共重合体フィルム1枚以上を準備し、前記シート状の繊維強化プラスチック成形材料で前記無水マレイン酸共重合体フィルムを挟み込むようにして層状に積層し、熱プレス機にて加熱プレス成形する請求項1〜3にいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック積層成形体の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載された繊維強化プラスチック積層成形体の製造方法であって、
加熱プレス成形時の最高温度を240℃以上とする繊維強化プラスチック積層成形体の製造方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載された繊維強化プラスチック積層成形体の製造方法であって、
架橋触媒が配合されたフェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とするシート状の繊維強化プラスチック成形材料を使用する繊維強化プラスチック積層成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項4に記載された繊維強化プラスチック積層成形体の製造方法に使用される無水マレイン酸共重合体フィルムであって、無水マレイン酸共重合体をTダイ法用いてフィルム化した厚みが10〜100μmの無水マレイン酸共重合体フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はフェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とする強化繊維プラスチック成形材料と無水マレイン酸共重合体フィルムから構成される繊維強化プラスチック積層成形体、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 7,600 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に代表される繊維強化プラスチック(FRP)は、軽量かつ高強度の材料として自転車やテニスラケットなどのスポーツ用品から、自動車や鉄道車両、航空機などの各種部材にまで幅広く用いられている。
【0003】
近年はCFRPに耐衝撃性やリサイクル性などを付与するため、熱可塑性樹脂の利用が積極的に検討されているが、ポリアミドなどのエンジニアリングプラスチックは高融点であり、成形加工に高温プロセスを必要とする問題がある。
【0004】
一方、フェノキシ樹脂などの比較的低温で溶融する熱可塑性樹脂は、加工性の面では問題ないものの、FRP材料としての耐熱性に劣り、焼付け塗装などの高温プロセスへの適合性の問題がある。
【0005】
そのため、特許文献1、2では、フェノキシ樹脂の側鎖にある水酸基を利用した架橋反応によりガラス転移温度を上げる手法が提案されている。これは水酸基と酸無水物基とのエステル化反応を利用したフェノキシ樹脂の3次元架橋によるものであるが、架橋剤として使用される芳香族酸二無水物が吸湿しやすく、保管環境の条件によっては架橋反応の反応性が変動してしまう課題がある。さらに、樹脂組成物を溶融混合したり、溶剤に溶解して混合すると架橋反応が開始してゲル化するため、粉末化した材料をドライブレンドしたものを強化繊維基材に付着させるなどの方法をとらなければならないほか、架橋反応を完結させるために30〜60分のポストキュアを行うことが推奨されるため、成形時のタクトタイムが長くなるなど、製造コストの低減が難しい。
【0006】
また、酸無水物と水酸基による架橋反応を利用した樹脂組成物として特許文献3のようにビスフェノールF型エポキシ樹脂に無水マレイン変性スチレン樹脂およびナフタレンエポキシ樹脂、潜在性硬化剤を配合した接着性樹脂組成物があり、実施例にはビスフェノールF型フェノキシ樹脂と無水マレイン酸変性スチレン樹脂、イミダゾール硬化剤の配合物が開示されている。
しかし、特許文献3は、回路基板材料のための導電性の樹脂組成物であり、可とう性の発現とエポキシ樹脂の硬化反応の促進のためにビスフェノールF型フェノキシ樹脂を用い、スチレン共重合体は粘度調整と気泡の抑制に使用されていて、両者を組み合わせる目的については潜在性硬化剤とエポキシ樹脂の接触を常温域では阻害することにある。また、得られる樹脂組成物のTgは130℃以下であって、FRPのマトリックス樹脂として使用するために必要な溶融粘度などの必要物性は一切開示されていない。
【0007】
特許文献4においても、無水マレイン酸変性ポリプロピレンとフェノキシ樹脂を配合した接着剤用の樹脂組成物が開示されているが、フェノキシ樹脂は20wt%程度で変性ポリプロピレンが主成分となる配合であり、その評価も接着強度のみで、Tgの向上やFRPのマトリックス樹脂としての必要な物性については開示されていない。
【0008】
さらに特許文献1〜4はいずれも、開示されている樹脂組成物はいずれもフェノキシ樹脂や無水マレイン酸共重合体を粉末状体でしたり、溶剤もしくは加熱によりメルトブレンドされたものであって、それ以外の手法を着想させるような記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
WO2014/157132
WO2016/152856
特開平9−143445号公報
特開2014−218633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、フェノキシ樹脂の特徴である良成形性を持ちつつ、架橋反応によって課題であった高温環境下における力学特性の変化が抑えられて過酷な環境においても使用可能な高い耐熱性と、優れた常温および熱間における機械強度を有しながら従来よりも簡単な構造であるFRP成形体と、前記FRP材料を容易にかつ安価に製造することができる製造方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、繊維強化基材のマトリックス樹脂として熱可塑性のフェノキシ樹脂を使用したシート状の繊維強化プラスチック成形材料と、特定の架橋剤フィルムとを熱プレス成形することによって上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、フェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化プラスチック層と無水マレイン酸共重合体層による多層構造を有する繊維強化プラスチック積層成形体であって、前記無水マレイン酸共重合体の酸価が150以上であり、前記繊維強化プラスチック積層成形体のガラス転移温度が160℃以上であることを特徴とする繊維強化プラスチック積層成形体である。
【0013】
本発明の繊維強化プラスチック積層成形体は、無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量が20000以上であることが好ましく、前記繊維強化プラスチック成形材料はフェノキシ樹脂の他に架橋触媒を含むことが好ましい。
また、繊維強化プラスチック成形材料の強化繊維基材が、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス系繊維、金属繊維及び有機繊維から選ばれる少なくとも1種以上の連続繊維であることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、フェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とするシート状の繊維強化プラスチック成形材料2枚以上と、無水マレイン酸共重合体フィルム1枚以上を準備し、前記シート状の繊維強化プラスチック成形材料で前記無水マレイン酸共重合体フィルムを挟み込むようにして層状に積層し、熱プレス機にて加熱プレス成形する請求項1〜4にいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック積層成形体の製造方法である。
加熱プレス成形時の最高温度は240℃以上とすることが好適であり、架橋触媒が配合されたフェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とするシート状の繊維強化プラスチック成形材料を使用することもまた好適である。
【0015】
さらに、本発明は、上記繊維強化プラスチック積層成形体の製造方法に使用される無水マレイン酸共重合体フィルムであって、無水マレイン酸共重合体をTダイ法用いてフィルム化した厚みが10〜100μmの無水マレイン酸共重合体フィルムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化プラスチック成形材料と無水マレイン酸共重合体フィルムを積層し、積層界面でフェノキシ樹脂の水酸基と無水マレイン酸共重合体の酸無水物基とのエステル化反応を利用した3次元架橋をさせることによって安定的かつ強固な層間接合を持ち、高い機械物性と耐熱性を有する繊維強化プラスチック積層成形体(以下、「FRP積層成形体」と記すことがある)をきわめて容易に提供することができる。
従って、本発明のFRP材料は、自動車部材、電気・電子機器筐体、航空機部材などの広範な用途における構造部材として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の一実施形態に係るFRP積層成形体の製造方法の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のFRP積層成形体は、フェノキシ樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化プラスチック成形材料(以下、「フェノキシ樹脂FRPプリプレグ」と記すことがある)と無水マレイン酸共重合体フィルムが積層された状態となっているものである。ここで、本発明においてフェノキシ樹脂FRPプリプレグを使用することは、フェノキシ樹脂の強化繊維基材への含浸性が良好であり、かつ接着力も無水マレイン酸共重合体よりも高いためである。
積層状態は、所望するFRP積層成形体の特性によって任意の構造をとることが可能であり、フェノキシ樹脂FRPプリプレグ層と無水マレイン酸共重合体フィルムが交互に積層された状態であってもよいし、ランダムに積層された状態であっても構わない。フェノキシ樹脂含有層と無水マレイン酸共重合体フィルムがランダムに積層されている場合、フェノキシ樹脂FRPプリプレグ層と無水マレイン酸共重合体フィルムとが接合された層間接合部位を、少なくとも1以上含むように積層されていればよいが、FRP積層成形体の機械的強度と耐熱性を優れたものにするため、好ましくは、すべての層間接合部位の75%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上が、フェノキシ樹脂FRPプリプレグ層と無水マレイン酸共重合体フィルムとが接合された層間接合部位であることがよい。
なお、本発明のFRP積層成形体は、ダイヤモンドカッターなどを用いて切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察すると、強化繊維を含む層と樹脂のみの層の多層構造となっている。
【0019】
本発明のFRP積層成形体は、JIS K 7078において規定されている層間せん断強度の評価方法の一つであるILSS法により測定される層間せん断強度が20MPa以上となる。
FRP成形体は、プリプレグと呼称されるシート状のFRP成形用材料を複数枚積層し、熱プレス機やオートクレーブなどを用いて加熱加圧成形を行って製造する方法が一般的であるが、層間せん断強度が低いと外部からの応力がかかると層間剥離を起こして成形体としての強度が大きく低下してしまう。このため、層間せん断強度は、20MPa以上あることが好ましいが、25〜40MPaの範囲内であることがより好ましく、30〜40MPaの範囲内にあることが最も好ましい。
【0020】
本発明のFRP積層成形体は、発明の効果を損なわない範囲で、フェノキシ樹脂FRPプリプレグ及び無水マレイン酸共重合体フィルム以外の任意の樹脂を使用した層(例えば、任意の樹脂によるFRP成形用材料層、任意の樹脂による樹脂フィルムなど)を含有することができる。ここで、任意の樹脂としては、特に制限はないが、フェノキシ樹脂との接着性が良好な樹脂(例えばポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートなど)が好ましい。一方、本発明のFR積層成形体は、優れた機械的強度を維持するため、FRP材料を構成するすべての層数に対するフェノキシ樹脂FRPプリプレグ層及び無水マレイン酸共重合体フィルムの合計の比率(積層枚数基準)が、例えば60%以上、より好ましくは90%以上であることが好ましい。
【0021】
本発明のFRP積層成形体における繊維体積含有率(Vf)は、例えば45〜67%の範囲内であることが好ましい。ここで、Vfは、FRP積層成形体中に含まれる強化繊維の体積含有率のことを指す。Vfを上記範囲とすることは、FRP材料の力学特性の観点から好ましい。Vfが高すぎる場合には、強化繊維基材の空隙をマトリックス樹脂としてのフェノキシ樹脂(熱可塑性樹脂)で埋めることができず、繊維量に見合う力学特性が得られない場合がある。
【0022】
本発明のFRP積層成形体は、層状に積層されたフェノキシ樹脂FRPプリプレグと無水マレイン酸共重合体フィルムが両者の接触界面においてフェノキシ樹脂と無水マレイン酸共重合体との3次元架橋反応によって強固に結合されている層間接合部位を含んでいる。
この架橋反応はフェノキシ樹脂の2級水酸基(−OH)と、無水マレイン酸共重合体の酸無水物基との反応であり、フェノキシ樹脂と無水マレイン酸共重合体の混合物の溶融粘度の著しい増加と赤外吸光分析による架橋固化物におけるエステル結合の存在によって確認される。そして、この架橋反応を、フェノキシ樹脂と無水マレイン酸共重合体の界面にて起こさせることによって、機械的強度の向上に利用したものが本発明のFRP成形体(積層成形体)である。
なお、本発明のFRP積層成形体においては、成形体断面の強化繊維が存在する層と樹脂のみの層の境界部分について顕微ATR法などを用いて測定することにより、エステル結合の存在(1751cm−1近辺で観察される赤外光吸収スペクトルのピークの有無)を確認することにより架橋構造の有無を確認することができる。
【0023】
本発明のFRP積層成形体を構成するフェノキシ樹脂FRPプリプレグのフェノキシ樹脂と無水マレイン酸共重合体フィルムの無水マレイン酸共重合体、強化繊維基材については、その詳細を以下で説明する。
【0024】
本発明のフェノキシ樹脂FRPプリプレグにて使用されるフェノキシ樹脂は、2価フェノール化合物とエピハロヒドリンとの縮合反応、あるいは2価フェノール化合物と2官能エポキシ樹脂との重付加反応から得られる熱可塑性樹脂であり、溶液中あるいは無溶媒下に従来公知の方法で得ることができる。
平均分子量は、重量平均分子量(Mw)として、通常10,000〜200,000であるが、好ましくは20,000〜100,000であり、より好ましくは30,000〜80,000である。Mwが低すぎると成形体の強度が劣り、高すぎると作業性や加工性に劣るものとなり易い。なお、Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値である。
【0025】
フェノキシ樹脂の水酸基当量(g/eq)は、通常50〜1,000であるが、好ましくは100〜750であり、特に好ましくは200〜500である。水酸基当量が低すぎると水酸基が増えることで吸水率が上がるため、機械物性が低下する懸念がある。水酸基当量が高すぎると水酸基が少ないので、強化繊維基材、特に炭素繊維との濡れ性が低下するため、炭素繊維強化時に十分な補強効果が望めない。ここで、本明細書でいう水酸基当量は、2級水酸基当量を意味する。なお、フェノキシ樹脂の高分子鎖末端官能基については、エポキシ基もしくは水酸基のいずれか又はその両方を有していても構わない。
【0026】
フェノキシ樹脂のガラス転移温度(Tg)は、65℃以上のものが適するが、好ましくは70〜200℃であり、より好ましくは80〜200℃である。ガラス転移温度が65℃よりも低いと成形性は良くなるが、引張弾性率保持率や寸歩変化率保持率が低下する恐れがある。また、200℃を超えるようであると成形加工の際の樹脂の流動性が低くなり、より高温での加工が必要となるため好ましくない。
なお、フェノキシ樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置を用い、10℃/分の昇温条件で、20〜280℃の範囲で測定し、セカンドスキャンのピーク値より求められる数値である。
【0027】
フェノキシ樹脂の種類は、上記の物性を満たしたものであれば特に限定されないが、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(例えば、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製フェノトートYP−50、YP−50S、YP−55U)、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂(例えば、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製フェノトートFX−316)、ビスフェノールAとビスフェノールFの共重合型フェノキシ樹脂(例えば、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製YP−70)、あるいは特殊フェノキシ樹脂(例えば、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製フェノトートYPB−43C、FX293)等が挙げられ、これらを単独または2種以上を混合して使用することができる。
また、フェノキシ樹脂と類似した熱可塑性樹脂である熱可塑性エポキシ樹脂も使用することができるが、一般的にフェノキシ樹脂と呼称されるポリヒドロキシポリエーテル樹脂を使用することが本発明では最も好ましい。
【0028】
また、フェノキシ樹脂は、常温において固形であり、かつ200℃以上の温度において3,000Pa・s以下の溶融粘度を示すものであることが好ましい。より好ましくは2,500Pa・s以下、さらに好ましくは1000Pa・s以下である。
【0029】
繊維強化プラスチック成形材料(FRPプリプレグ)は、マトリックス樹脂として、フェノキシ樹脂と共に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分をさらに含有していてもよい。含有し得るその他の成分としては、例えば、臭素化フェノキシ樹脂などの難燃剤、架橋反応を促進するための架橋触媒、離型剤、染顔料、帯電防止剤、滴下防止剤、セルロースナノファイバー等の衝撃強度改良剤、その他の熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)や熱可塑性樹脂(ポリアミド樹脂や無水マレイン酸共重合体フィルム樹脂、フッ素樹脂など)等が挙げられる。
フェノキシ樹脂FRPプリプレグ層は、他の樹脂成分を含有せず、マトリックス樹脂成分がフェノキシ樹脂のみからなることが最も好ましいが、他の樹脂成分を含有する場合には、フェノキシ樹脂FRPプリプレグ層中のマトリックス樹脂成分100重量%に対して、フェノキシ樹脂を好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上含有するとよい。
【0030】
前記その他の成分のうち、架橋触媒を、フェノキシ樹脂と無水マレイン酸共重合体との架橋反応を促進させるために添加されていることが好ましい。架橋触媒としては、各トリエチレンジアミン等の3級アミン、2‐メチルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィン等の有機フォスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、4‐ジメチルアミノピリジンなどのアミノピリジン類などが挙げられる。これらの架橋触媒(促進剤)は、単独で使用してもよいし、2種類以上併用しても良い。
架橋触媒の配合量は、フェノキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
(【0031】以降は省略されています)

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