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公開番号2021100344
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210701
出願番号2019231444
出願日20191223
発明の名称モータ
出願人株式会社デンソー
代理人特許業務法人太陽国際特許事務所
主分類H02K 11/01 20160101AFI20210604BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】低周波磁界の遮蔽効果を向上させる。
【解決手段】ファンモータ10は、磁性材料を用いて形成されたステータコア32と、導電性の巻線を用いて形成されステータコア32に支持されたコイル体34と、を有するステータ22を備えている。また、ファンモータ10は、コイル体34に通電されることで回転するロータ20と、磁性材料を用いて形成されていると共にステータコア32との間に磁路が形成される遮蔽部材24と、を備えている。遮蔽部材24は、ステータ22に対して少なくとも軸方向一方側においてコイル体34の一部と軸方向に対向して配置された対向部(第1対向部42A、第2対向部44A)と、対向部とつながっていると共にステータコア32と接した状態又は近接した状態で配置されたステータコア係合部(第1内周壁部42B及び第2内周壁部44B)と、を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
磁性材料を用いて形成されたステータコア(32)と、導電性の巻線を用いて形成され前記ステータコアに支持されたコイル(34)と、を有するステータ(22)と、
前記コイルに通電されることで回転するロータ(20)と、
磁性材料を用いて形成され、前記ステータに対して少なくとも軸方向一方側において前記コイルの一部と軸方向に対向して配置された対向部(42A、44A)と、該対向部とつながっていると共に前記ステータコアと接した状態又は近接した状態で配置されたステータコア係合部(42B、44B)と、を有し、前記ステータコアとの間に磁路が形成される遮蔽部材(24、48)と、
を備えたモータ(10)。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記コイルへの通電を制御する駆動回路を有する制御部(16)をさらに備え、
前記遮蔽部材が、前記駆動回路のグランド電位側(16A)と導通されている請求項1記載のモータ。
【請求項3】
前記コイルは、前記ステータコアの軸方向一方側の面、軸方向他方側の面及び径方向一方側の面に沿ってそれぞれ配置される第1コイルエンド(34B)、第2コイルエンド(34C)及び導線部(34A)を含んで構成され、
前記ロータは、前記導線部と径方向に対向して配置されるロータマグネット(30)を含んで構成され、
前記対向部は、前記第1コイルエンド及び前記第2コイルエンドとそれぞれ対向して配置される第1対向部(42A)及び第2対向部(44A)とされている請求項1又は請求項2記載のモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
続きを表示(約 6,500 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ステータが回転磁界を発生させることでロータが回転する電気モータが開示されている。この文献に記載された電気モータでは、銅やアルミニウム等の非磁性体を用いて形成された遮蔽部材が、ステータのステータコアに取付けられている。これにより、ステータからの電磁界を遮蔽部材によって遮蔽することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018−68101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された電気モータのように非磁性体を用いて形成された遮蔽部材によってステータからの磁界を遮蔽する構造では、低周波磁界の遮蔽効果を向上させることが難しい。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、低周波磁界の遮蔽効果を向上させることができるモータを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するモータ(10)は、磁性材料を用いて形成されたステータコア(32)と、導電性の巻線を用いて形成され前記ステータコアに支持されたコイル(34)と、を有するステータ(22)と、前記コイルに通電されることで回転するロータ(20)と、磁性材料を用いて形成され、前記ステータに対して少なくとも軸方向一方側において前記コイルの一部と軸方向に対向して配置された対向部(42A、44A)と、該対向部とつながっていると共に前記ステータコアと接した状態又は近接した状態で配置されたステータコア係合部(42B、44B)と、を有し、前記ステータコアとの間に磁路が形成される遮蔽部材(24、48)と、を備えている。
【0007】
この様に構成することで、低周波磁界の遮蔽効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態に係るファンモータを軸方向に沿って切断した断面を示す断面図である。
第1実施形態に係るファンモータのステータ等を模式的に示した断面図である。
第1実施形態に係るファンモータの1回転あたりの磁束密度の変化を示すグラフであり、ロータマグネットの内周面における所定の位置で観測される磁束密度の変化を示している。
図3に示された磁束密度の変化をFFT解析した結果を示すグラフである。
比較例に係るファンモータの1回転あたりの磁束密度の変化を示すグラフであり、ロータマグネットの内周面における所定の位置で観測される磁束密度の変化を示している。
図5に示された磁束密度の変化をFFT解析した結果を示すグラフである。
第2実施形態に係るファンモータを軸方向に沿って切断した断面を示す断面図である。
第2実施形態に係るファンモータのステータ等を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び図2を用いて第1実施形態に係るモータについて説明する。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態のモータとしてのファンモータ10は、車両用空調装置の一部を構成するファンを回転させるために用いられる10極30スロットのブラシレスモータである。このファンモータ10は、回転軸12を回転させるモータ本体14と、モータ本体14への通電を制御することにより回転軸12の回転を制御する駆動回路を有する制御部16と、モータ本体14及び制御部16を支持するセンタピース18と、を備えている。なお、図中に適宜示す矢印Z方向、矢印R方向及び矢印C方向は、回転軸12の回転軸方向一方側、回転径方向外側及び回転周方向一方側をそれぞれ示すものとする。また以下、単に軸方向、径方向、周方向を示す場合は、特に断りのない限り、回転軸12の回転軸方向、回転径方向、回転周方向を示すものとする。
【0011】
モータ本体14は、回転軸12と、ロータ20と、ステータ22と、遮蔽部材24と、を主要な要素として構成されている。
【0012】
回転軸12は、円柱状の鋼材を用いて形成されている。この回転軸12は、センタピース18に固定された一対のベアリング26によって回転自在に支持されている。
【0013】
ロータ20は、軸方向他方側が開放された有底円筒状に形成されたロータハウジング28にロータマグネット30が固定されることによって構成されている。ロータハウジング28は、円板状に形成された底壁28Aと、底壁28Aの径方向外側の端から軸方向他方側へ屈曲して延びる円筒状の周壁28Bと、を備えている。底壁28Aの中心部には、回転軸12が挿入される挿入部28Cが設けられている。回転軸12が挿入部28Cに圧入されることで、ロータハウジング28と回転軸12とが一体回転可能に結合されている。
【0014】
本実施形態のロータマグネット30としては、N極とS極とが周方向に交互に配列された単一のロータマグネット30(リングマグネット)を用いることもできるし、周方向に間隔をあけて配置された複数のロータマグネット30(セグメントマグネット)を用いることもできる。なお、本実施形態では、N極の数とS極の数とを足し合わせた数が10となっている。
【0015】
ロータマグネット30は、ロータハウジング28の周壁28Bの径方向内側の面に接着剤等を介して固定されている。また、ロータマグネット30は、当該ロータマグネット30の軸方向の中心とステータコア32の径方向外側の部分32Aの軸方向の中心とが一致した状態で、ステータ22と径方向に対向して配置されている。
【0016】
ステータ22は、環状に形成されたステータコア32と、ステータコア32の径方向外側の部分32Aに固定された環状のコイル体34と、を含んで構成されている。
【0017】
図1及び図2に示されるように、ステータコア32は、磁性材料である鉄や鋼の板材を用いて所定の形状に形成された複数のコアシート36が軸方向に積層されて一体化されること等によって形成されている。ここで、複数のコアシート36は、その一部が互いに凹凸嵌合されることにより一体化されている。そして、複数のコアシート36において互いに凹凸嵌合された部分を凹凸嵌合導通部38と呼ぶ。そして、凹凸嵌合導通部38等を通じて複数のコアシート36間の導通状態が確保されている。
【0018】
図1に示されるように、ステータコア32の径方向外側の部分32Aの軸方向への厚み寸法は、ステータコア32の径方向の中心部32Bの軸方向への厚み寸法よりも厚くなっている。これにより、ステータコア32の径方向外側の部分32Aとステータコア32の径方向の中心部32Bとの境目における軸方向一方側及び軸方向他方側には、それぞれ軸方向に高さの差を有する段差部32Cが形成されている。なお、段差部32Cが形成されていない構成としてもよい。
【0019】
また、ステータコア32の径方向の中心部32Bには、センタピース18に形成されたステータコア支持部18Aが挿入される支持孔32Dが形成されている。そして、センタピース18に形成されたステータコア支持部18Aがステータコア32の支持孔32Dに挿入されることで、ステータコア32(ステータ22)のセンタピース18に対する周方向への位置決めがなされる。また、ステータコア32(ステータ22)は、ステータコア支持部18Aに圧入等により固定されている。
【0020】
コイルとしてのコイル体34は、巻線としての複数の導線40がステータコア32の径方向外側の部分32Aを覆う形状に湾曲及び屈曲されること等により形成されている。なお、本実施形態では、一例として、U相、V相、W相をそれぞれ構成する3本の導線40を所謂波巻することでコイル体34が形成されている。また、3本の導線40は、制御部16に接続されている。これにより、コイル体34(3本の導線40)への通電が制御部16によって制御されるようになっている。
【0021】
ここで、U相、V相、W相をそれぞれ構成する3本の導線40においてステータコア32の径方向外側の部分32Aにおける径方向外側の面32A0に沿って配置される部分を導線部34Aと呼ぶ。導線部34Aは、軸方向にのびる導線40の一部が周方向に配列されることにより構成されており、U相の導線部34A、V相の導線部34A及びW相の導線部34Aは、周方向に沿ってこの順で配列されている。また、本実施形態では、導線部34Aの数が30個となっている。
【0022】
また、U相、V相、W相をそれぞれ構成する3本の導線40においてステータコア32の径方向外側の部分32Aにおける軸方向一方側の面32A1に沿って配置される部分を第1コイルエンド34Bと呼ぶ。さらに、U相、V相、W相をそれぞれ構成する3本の導線40においてステータコア32の径方向外側の部分32Aにおける軸方向他方側の面32A2に沿って配置される部分を第2コイルエンド34Cと呼ぶ。
【0023】
なお、本実施形態では、ステータコア32の径方向外側の部分32Aの外周面に沿ってコイル体34を所謂波巻で形成した構成について説明したが、他の構成としてもよい。例えば、ステータコアが周方向に間隔をあけて配置された複数のティースを有する構成とし、このティースのまわりに導線を分布巻きや集中巻きにより巻回することにより、ティースのまわりにコイルを形成した構成としてもよい。
【0024】
図1及び図2に示されるように、遮蔽部材24は、磁性材料である鉄や鋼の板材を用いて所定の形状にプレス加工等することにより形成されている。ここで、本実施形態では、2つの遮蔽部材24が、ステータコア32の軸方向一方側及び軸方向他方側にそれぞれ取付けられている。なお、ステータコア32の軸方向一方側に取付けられた遮蔽部材24を第1遮蔽部材42と呼び、ステータコア32の軸方向他方側に取付けられた遮蔽部材24を第2遮蔽部材44と呼ぶ。
【0025】
第1遮蔽部材42は、軸方向を厚み方向として径方向に延びる円板状に形成された対向部としての第1対向部42Aと、第1対向部42Aの径方向内側の端から軸方向他方側へ屈曲して延びる円筒状に形成されたステータコア係合部としての第1内周壁部42Bと、を備えている。そして、第1内周壁部42Bの軸方向他方側の端部42Cにおける径方向外側の面及び軸方向他方側の端が、ステータコア32における軸方向一方側の段差部32Cと対応する位置においてステータコア32の径方向外側の部分32Aの径方向内側の面及び中心部32Bの軸方向一方側の面にそれぞれ接した状態で、第1遮蔽部材42がステータコア32に取付けられている。また、第1遮蔽部材42がステータコア32に取付けられた状態では、第1遮蔽部材42とステータコア32との間の磁路が確保されている。なお、第1遮蔽部材42とステータコア32とは、両者間の磁路が確保できる程度に離間していてもよい。また、第1遮蔽部材42がステータコア32に取付けられた状態では、第1対向部42Aが、コイル体34の第1コイルエンド34Bと軸方向に対向してかつ近接して配置されている。なお、図2に示された模式図においては、ステータコア32の中心部32Bの図示を省略している。
【0026】
第2遮蔽部材44は、第1遮蔽部材42と同様の形状に形成されている。すなわち、第2遮蔽部材44は、軸方向を厚み方向として径方向に延びる円板状に形成された対向部としての第2対向部44Aと、第2対向部44Aの径方向内側の端から軸方向一方側へ屈曲して延びる円筒状に形成されたステータコア係合部としての第2内周壁部44Bと、を備えている。なお、本実施形態では、第2対向部44Aの外径が第1遮蔽部材42の第1対向部42Aの外径よりも小さな外径に設定されている。そして、第2内周壁部44Bの軸方向一方側の端部44Cにおける径方向外側の面及び軸方向他方側の端が、ステータコア32における軸方向他方側の段差部32Cと対応する位置においてステータコア32の径方向外側の部分32Aの径方向内側の面及び中心部32Bの軸方向他方側の面にそれぞれ接した状態で、第2遮蔽部材44がステータコア32に取付けられている。また、第2遮蔽部材44がステータコア32に取付けられた状態では、第2遮蔽部材44とステータコア32との間の磁路が確保されている。なお、第2遮蔽部材44とステータコア32とは、両者間の磁路が確保できる程度に離間していてもよい。また、第2遮蔽部材44がステータコア32に取付けられた状態では、第2対向部44Aが、コイル体34の第2コイルエンド34Cと軸方向に対向してかつ近接して配置されている。
【0027】
また、本実施形態では、第1遮蔽部材42及び第2遮蔽部材44と制御部16の駆動回路のグランド電位側16Aとの導通状態が、配線46等を介して確保されている。
【0028】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0029】
図1及び図2に示されるように、本実施形態のファンモータ10では、ステータ22のコイル体34への通電が制御部16によって制御されると、コイル体34が磁束(磁界)を発する。これにより、ロータ20が回転軸12と共に回転する。
【0030】
ここで、コイル体34が発する磁束の一部は、ロータマグネット30に向かうことなく(ロータ20の回転に寄与することなく)ファンモータ10の外部へ放出される(磁界漏洩をする)ことが考えられる。しかしながら、本実施形態では、前述の構成の第1遮蔽部材42及び第2遮蔽部材44が設けられている。そのため、コイル体34において第1コイルエンド34Bが発した磁束の一部は、第1遮蔽部材42の第1対向部42A内に導入される。また、第1対向部42A内に導入された磁束は、第1内周壁部42Bを通してステータコア32へ導入される。また、コイル体34において第2コイルエンド34Cが発した磁束の一部は、第2遮蔽部材44の第2対向部44A内に導入される。また、第2対向部44A内に導入された磁束は、第2内周壁部44Bを通してステータコア32へ導入される。このように、本実施形態では、第1コイルエンド34Bが発した磁束に対する閉磁回路C1を第1遮蔽部材42とステータコア32との間に形成することができると共に、第2コイルエンド34Cが発した磁束に対する閉磁回路C1を第2遮蔽部材44とステータコア32との間に形成することができる。これにより、磁界漏洩を効果的に抑制することができる。特に、本実施形態では、磁性体(磁性材料)の遮蔽部材24を上記のように磁路として磁束を誘導する構成とすることにより、低周波磁界の磁界漏洩を効果的に抑制することができる。なお、図2においては、閉磁回路C1を実線により模式的に示している。なお、図1に示された矢印A1及び矢印A2は、コイル体34内の電流の向きを示している。
(【0031】以降は省略されています)

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