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公開番号2021093835
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210617
出願番号2019223060
出願日20191210
発明の名称回転電機
出願人本田技研工業株式会社
代理人特許業務法人創成国際特許事務所
主分類H02K 3/28 20060101AFI20210521BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】出力や出力トルクの向上を、製造ココストの増加を抑制し得るように実現することができる回転電機を提供することを目的とする。
【解決手段】ステータコア11の複数のスロット12には、複数の二股形状のセグメントコイル41の要素導体(脚部)42が、ステータコア11の径方向に並ぶようにして配置され、要素導体42の先端部43同士を接合することにより各相のコイル21Xが構成される。各スロット12に配置される要素導体42の個数は2で割った値が奇数となる個数である。各相のコイル21Xの要素導体42は、波巻部25と重ね巻部26とがステータコア11の周方向に交互に並び、且つ、重ね巻部26は、二重巻の重ね部である。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
複数のスロットが周方向に並ぶように形成されたステータコアと、
該ステータコアに装着される複数相のコイルとを備えると共に、
前記ステータコアの周方向で所定の間隔を存する2つのスロットに各々配置されると共に、該2つのスロットの一方のスロットでは前記ステータコアの径方向での内周寄りの位置に配置され、他方のスロットでは前記径方向での外周寄りの位置に配置される2つの要素導体と、前記ステータコアの軸心方向の両端のうちの第1端側で前記2つの要素導体を連結する渡り部導体とを各々有する複数のセグメントコイルを、各相のコイルの構成要素として備えており、各相のコイルは、該複数のセグメントコイルの各要素導体の先端部が、前記ステータコアの軸方向の両端のうちの第2端側で前記周方向に折り曲げられた状態で該複数のセグメントコイルの要素導体の先端部同士が接合された構造のコイルであり、
さらに、前記ステータコアの各スロットには、所定数の要素導体が前記径方向に並ぶと共に、前記複数相のうちの同一の相のコイルの要素導体のみが配置されるスロットと、二つ以上の相のコイルの要素導体が配置されるスロットとが前記周方向に交互に並ぶように、前記所定数の要素導体が配置される回転電機であって、
前記各スロットに配置される要素導体の個数である前記所定数は、2で除算してなる値が奇数となる偶数値に設定されており、
各相のコイルの複数のセグメントコイルの要素導体は、前記周方向で波巻部と重ね巻部とが交互に並び、且つ、二重巻の重ね部を含むように接続されることを特徴とする回転電機。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
請求項1記載の回転電機において、
前記各相のコイルは、並列接続される第1コイル及び第2コイルにより構成され、該第1コイルの要素導体と、該第2コイルの要素導体とが前記周方向で隣り合うスロットに配置されることを特徴とする回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータに装着されるステータコイルを備える回転電機に関する。
続きを表示(約 6,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られる如く、二股形状(略U字形状)に形成された導体線により構成されたセグメントコイルの複数を直列に接続した構造のコイルを、ステータコアに装着される各相のコイルとして備える回転電機が知られている。
【0003】
この回転電機では、ステータコアの内周部に周方向に一定間隔で並ぶように形成された複数のスロットにおいて、ステータコアの周方向に一定の間隔を有する2つのスロットの各対に、セグメントコイルの2つの脚部としての要素導体がステータコアの軸方向の一端側から挿入される。各要素導体は、スロットをステータコアの軸心方向に貫通して、該ステータコアの他端側に突出される。
【0004】
この場合、各セグメントコイルは、その2つの要素導体(脚部)がステータコアの周方向に間隔を有することに加えて、ステータコアの径方向に所定間隔を有するように形成されている。そして、各セグメントコイルの一方の要素導体はステータコアの内周寄りの位置で、各対の2つのスロットのうちの一方のスロット内に配置され、他方の要素導体はステータコアの外周寄りの位置で、他方のスロット内に配置される。そして、各スロットには、ステータコアの外周寄り位置に4個の要素導体がステータコアの径方向に並ぶと共に、ステータコアの内周周寄り位置に4個の要素導体がステータコアの径方向に並ぶようにして、8個のセグメントコイルのそれぞれの要素導体が挿入される。
【0005】
また、ステータコアの軸方向の他端側に突出された各要素導体(脚部)の先端部は、ステータコアの周方向に折り曲げられる(以降、該先端部を折り曲げ部という)。この場合、各要素導体の折り曲げ部の折り曲げ量(スロットに配置される要素導体の直線部から折り曲げ部の先端部までの間隔(ステータコアの周方向での間隔))は互いに同一である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015−23670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に見られる回転電機では、各スロットに配置される要素導体(セグメントコイルの脚部)は8個であるが、回転電機の出力(単位時間当たりの出力エネルギー)もしくは出力トルクの向上のために、各スロットに配置される要素導体の個数を8個よりも少なくし、あるいは、多くすることが要求される場合がある。
【0008】
この場合、ステータコイルの構造変更によって、各スロットに配置される要素導体の個数を様々な個数にすることが可能である。ただし、ステータコイルをステータコアに装着してなるステータの製造コストの抑制等の観点から、特許文献1に見られる如き従来の回転電機の生産設備の変更をさほど必要とすることなく、各スロットに配置される要素導体の個数が異なるステータを製造し得ることが望まれる。
【0009】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、出力や出力トルクの向上を、製造ココストの増加を抑制し得るように実現することができる回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の回転電機は、上記の目的を達成するために、
複数のスロットが周方向に並ぶように形成されたステータコアと、
該ステータコアに装着される複数相のコイルとを備えると共に、
前記ステータコアの周方向で所定の間隔を存する2つのスロットに各々配置されると共に、該2つのスロットの一方のスロットでは前記ステータコアの径方向での内周寄りの位置に配置され、他方のスロットでは前記径方向での外周寄りの位置に配置される2つの要素導体と、前記ステータコアの軸心方向の両端のうちの第1端側で前記2つの要素導体を連結する渡り部導体とを各々有する複数のセグメントコイルを、各相のコイルの構成要素として備えており、各相のコイルは、該複数のセグメントコイルの各要素導体の先端部が、前記ステータコアの軸方向の両端のうちの第2端側で前記周方向に折り曲げられた状態で該複数のセグメントコイルの要素導体の先端部同士が接合された構造のコイルであり、
さらに、前記ステータコアの各スロットには、所定数の要素導体が前記径方向に並ぶと共に、前記複数相のうちの同一の相のコイルの要素導体のみが配置されるスロットと、二つ以上の相のコイルの要素導体が配置されるスロットとが前記周方向に交互に並ぶように、前記所定数の要素導体が配置される回転電機であって、
前記各スロットに配置される要素導体の個数である前記所定数は、2で除算してなる値が奇数となる偶数値に設定されており、
各相のコイルの複数のセグメントコイルの要素導体は、前記周方向で波巻部と重ね巻部とが交互に並び、且つ、二重巻の重ね部を含むように接続されることを特徴とする。
【0011】
ここで、本願発明者は、様々な検討によって、前記所定数が、それを2で除算してなる値が奇数となる偶数値(例えば6個、10個等)である場合には、前記特許文献1等に記載されている従来と同様の形状(二股形状)の複数のセグメントコイルを使用すると共に、複数のセグメントコイルの要素導体を、ステータコアの周方向で波巻部と重ね巻部とが交互に並び、且つ、二重巻の重ね部を含むように接続することで、各相のコイルを構成し得ることを知見した。
【0012】
そこで、本発明を上記の如く構成した。この場合、従来と同様の形状(二股形状)の複数のセグメントコイルを使用して各相のコイルを構成できるので、従来の生産設備の多くを、大幅な仕様変更を必要とすることなく、利用できる。例えば各セグメントコイルの脚部としての要素導体をステータコアのスロットに挿入する機械、該セグメントコイルの要素導体の先端部を折り曲げる機械、要素導体の折り曲げた先端部同士を接合する機械として、従来のものを利用できる。従って、ステータコアに各相のコイルを装着してなるステータを、低コストで製造し得る。
【0013】
また、前記所定数を、上記の条件を満たす範囲で、従来よりも少なくすれば、回転電機の出力(単位時間当たりの出力エネルギー)を従来よりも高めることが可能である。また、前記所定数を、上記の条件を満たす範囲で、従来よりも多くすれば、回転電機に出力させ得る最大トルクを従来よりも高めることが可能である。
【0014】
よって、本発明によれば、出力や出力トルクの向上を、製造ココストの増加を抑制し得るように実現することができる。
【0015】
また、本発明では、前記各相のコイルは、並列接続される第1コイル及び第2コイルにより構成される場合、該第1コイルの要素導体と、該第2コイルの要素導体とが前記周方向で隣り合うスロットに配置されることが好ましい。
【0016】
これよれば、各相のコイルを、第1コイルと第2コイルとを並列接続したものとして構成することができ、各相のコイルに通電し得る電流を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)の回転電機のステータコアを示す図。
第1実施形態の回転電機のステータコイルの全体の回路構成を示す回路図。
第1実施形態における各相のコイルを構成する要素導体の配置を示す図。
図4Aは、第1実施形態におけるセグメントコイルを渡り部導体側から見た斜視図、図4Bは該セグメントコイルを要素導体の先端部(折り曲げ部)側から見た斜視図、図4Cはセグメントコイルを作成するための導体線の束を示す図。
第1実施形態における各相のコイルのセグメントコイルの要素導体の配置と接続の形態とを例示する図。
図6Aは第1実施形態におけるU相コイルの一部のコイルの要素導体の配置と接続の形態とを例示する図、図6Bは該一部のコイルの要素導体の接続の形態を例示する図。
図7Aは第1実施形態におけるU相コイルの一部のコイルの要素導体の配置と接続の形態とを例示する図、図7Bは該一部のコイルの要素導体の接続の形態を例示する図。
第2実施形態の回転電機のステータコイルの全体の回路構成を示す回路図。
第2実施形態における各相のコイルのセグメントコイルの要素導体の配置と接続の形態とを例示する図。
第2実施形態におけるU相コイルの一部のコイルの要素導体の配置と接続の形態とを例示する図。
図10に示すコイルの要素導体の接続の形態を例示する図。
第2実施形態におけるU相コイルの一部のコイルの要素導体の配置と接続の形態とを例示する図。
図12に示すコイルの要素導体の接続の形態を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1〜図7Bを参照して以下に説明する。本実施形態の回転電機は、ロータ1の周囲に配置される略筒状のステータコア11と、ステータコア11に装着されるステータコイル21とを備える。
【0019】
ステータコア11の内周部には、図1に示すように、複数のスロット12が、ステータコア11の周方向(ステータコア11の軸心周り方向)に一定間隔のピッチで並ぶように形成されている。各スロット12は、ステータコア11をその軸心方向に貫通するように形成されている。
【0020】
ステータコイル21は、図2に示すように、U相コイル21U、V相コイル21V、及びW相コイル21Wの3相のコイルにより構成される。以降の説明では、U相、V相、W相を区別する必要が無い場合に、任意の1つの相に対応する構成要素の参照符号に「X」を付加する。例えば、U相コイル21U、V相コイル21V、及びW相コイル21Wのうちの任意の1つのコイルをコイル21Xと表記する。この場合、「X」は、U、V、Wのいずれかを意味する。
【0021】
本実施形態では、各相のコイル21Xは、2個のコイル21X1,21X2を直列に接続してなるコイルと、2個のコイル21X3,21X4を直列に接続してなるコイルとを並列に接続して構成される。そして、U相、V相、W相のコイル21U,21V,21Wのそれぞれの一端が中性点22にて相互に接続される。また、各相のコイル21Xの他端は、各相毎に、コイル21Xの通電電流の入出部となる電流入出端子23Xにそれぞれ接続される。
【0022】
各相のコイル21X1〜21X4のそれぞれは、その部分的な構成要素として、図3に示すようにスロット12にそれぞれ配置される複数(所定数)の要素導体42を備えている。詳細は後述するが、各要素導体42は、二股形状(略U字形状)に形成されたセグメントコイル41の2つの脚部のうちの一方の脚部に相当する部分である。
【0023】
各要素導体42は、スロット12をステータコア11の軸方向に直線状に貫通するように該スロット12に挿入される。そして、各相のコイル21X1〜21X4のそれぞれは、複数(所定数)の要素導体42を、直列に接続することにより構成される。
【0024】
図3では、ステータコア11の軸方向を紙面に垂直な方向、ステータコア11の周方向を横方向、ステータコア11の径方向を縦方向とし、各要素導体42を、ステータコア11の軸方向で見た形態で記載している。この場合、各相のコイル21X1〜21X4のうち、コイル21X1,21X2の要素導体42をグレー色で示し、コイル21X3、21X4の要素導体42を白色で示している。
【0025】
また、図3において、各要素導体42に付記した符号(13U,66W等)における数字は、電流入出端子23Xから中性点22までの要素導体42の接続順番(導通順番)を表し、該符号中のU,V,Wは、該要素導体42がU相、V相、W相のいずれの相に属するものであるかを表している。なお、図3に示す要素導体42の配置及び接続順番は、ステータコア11の軸方向の一端側(後述の第1端側)から見た場合の配置及び接続順番を示している。
【0026】
本実施形態では、ステータコイル21により生成する磁極の極対数(N極及びS極の対の個数)は、一例として、例えば6極対(全12極)とされている。そして、前記したように、ステータコイル21の相数は3相であり、各相のコイル21Xは、コイル21X1,21X2を直列接続したものと、コイル21X3,21X4を直列接続したものとを並列接続することにより構成される。コイル21X1,21X2は、本発明おける第1コイルに相当し、コイル21X3,21X4は、本発明における第2コイルに相当する。
【0027】
このため、本実施形態では、図3に示すように、1極当たりのスロット数NがN=3×2=6個とされている。そして、総計72(=6×12)個のスロット12がステータコア11に形成されている。また、各スロット12には、6個の要素導体42が、ステータコア11の径方向に6層に整列するようにして配置される。
【0028】
また、各相のコイル21X1〜21X4は、本実施形態では、それぞれ36個の要素導体42(1番目〜36番目の要素導体42又は37番目〜72番目の要素導体42)を有する。そして、各相のコイル21X1〜21X4のそれぞれは、スロット12にそれぞれ挿入した36個の要素導体42を、図3に示した番号順に導通させるように、直列に接続することで構成される。
【0029】
なお、各相のコイル21X1〜21X4のうち、コイル21X1,21X2は直列に接続されるので、図3では、コイル21X1の要素導体42の接続順番を1〜36で示し、コイル21X2の要素導体42の接続順番を37〜72で示している。同様に、コイル21X3の要素導体42の接続順番を1〜36で示し、コイル21X4の要素導体42の接続順番を37〜72で示している。
【0030】
以下に、各相のコイル21X1〜コイル21X4のより具体的な接続構成を詳説する。なお、以降の説明では、各スロット12に挿入される6個の要素導体42のそれぞれの、ステータコア11の径方向での配置位置を、ステータコア11の径方向の内側(内周側)から外側(外周側)に向かって、第1層、第2層、……、第6層という。
(【0031】以降は省略されています)

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