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公開番号2021093437
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210617
出願番号2019222801
出願日20191210
発明の名称受光素子
出願人住友電気工業株式会社
代理人個人
主分類H01L 31/10 20060101AFI20210521BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】歪みを抑制し、かつカットオフ波長およびエネルギー障壁を所望の大きさとすることが可能な受光素子を提供する。
【解決手段】第1バリア層18と、第1バリア層18の上に設けられ、光を吸収する吸収層20と、吸収層20の上に設けられた第2バリア層22と、を具備し、第1バリア層18および吸収層20はそれぞれ、ガリウムアンチモン層とインジウム砒素層とを積層した超格子層であり、第1バリア層18に含まれる1つのガリウムアンチモン層の厚さおよび第1バリア層18に含まれる1つのインジウム砒素層の厚さを所定の範囲とする受光素子。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1バリア層と、
前記第1バリア層の上に設けられ、光を吸収する吸収層と、
前記吸収層の上に設けられた第2バリア層と、を具備し、
前記第1バリア層および前記吸収層はそれぞれ、ガリウムアンチモン層とインジウム砒素層とを積層した超格子構造を有し、
前記第1バリア層に含まれる1つの前記ガリウムアンチモン層の厚さは2モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる1つの前記インジウム砒素層の厚さは1モノレイヤである、
または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは3モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、3モノレイヤ以下である、
または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは4モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、4モノレイヤ以下である、
または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは6モノレイヤ以上、8モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下である、
または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは9モノレイヤ以上、14モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、6モノレイヤ以下である、
または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは15モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、7モノレイヤ以下であり、
前記吸収層に含まれる1つの前記ガリウムアンチモン層の厚さは1モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる1つの前記インジウム砒素層の厚さは4モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは2モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは5モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは3モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは6モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは4モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは7モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは6モノレイヤ以上、7モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは8モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは8モノレイヤ以上、12モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは9モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは13モノレイヤ以上、15モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは10モノレイヤである受光素子。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは5モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは7モノレイヤ以上、8モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは6モノレイヤ以上、7モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは8モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは8モノレイヤ以上、12モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは9モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、
または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは13モノレイヤ以上、15モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは10モノレイヤである請求項1に記載の受光素子。
【請求項3】
前記第1バリア層および前記吸収層それぞれに含まれる前記ガリウムアンチモン層と前記インジウム砒素層とのペアの数は50以下である請求項1または請求項2に記載の受光素子。
【請求項4】
前記第1バリア層の厚さは17nm以上である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受光素子。
【請求項5】
前記第1バリア層の導電型はn型であり、
前記第2バリア層の導電型はp型である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受光素子。
【請求項6】
前記第2バリア層はガリウムアンチモン層とインジウム砒素層とを積層した超格子構造を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受光素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は受光素子に関するものである。
続きを表示(約 9,200 文字)【背景技術】
【0002】
ガリウムアンチモン(GaSb)とインジウム砒素(InAs)を積層した超格子層を含み、赤外光を受光する受光素子が開発されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Kohei MIURA, Yasuhiro IGUCHI, Tsukuru KATSUYAMA and Yuichi KAWAMURA, "Mid-infrared Sensors with InAs/GaSb Superlattice Absorption Layers Grown on InP Substrates", SEI TECHNICAL REVIEW, NUMBER 78, APRIL 2014, pp. 58-62
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
受光素子は、InAs/GaSb超格子層である吸収層およびバリア層を含む。受光素子が例えば中赤外光を受光するように、吸収層のカットオフ波長は所定の値以上に定められる。また、暗電流を抑制するため、バリア層のエネルギー障壁は大きいことが好ましい。一方、所望の特性を得るため、こうした超格子層の歪みを抑制することが好ましい。そこで、歪みを抑制し、かつカットオフ波長およびエネルギー障壁を所望の大きさとすることが可能な受光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る受光素子は、第1バリア層と、前記第1バリア層の上に設けられ、光を吸収する吸収層と、前記吸収層の上に設けられた第2バリア層と、を具備し、前記第1バリア層および前記吸収層はそれぞれ、ガリウムアンチモン層とインジウム砒素層とを積層した超格子構造を有し、前記第1バリア層に含まれる1つの前記ガリウムアンチモン層の厚さは2モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる1つの前記インジウム砒素層の厚さは1モノレイヤである、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは3モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、3モノレイヤ以下である、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは4モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、4モノレイヤ以下である、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは6モノレイヤ以上、8モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下である、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは9モノレイヤ以上、14モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、6モノレイヤ以下である、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは15モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、7モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる1つの前記ガリウムアンチモン層の厚さは1モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる1つの前記インジウム砒素層の厚さは4モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは2モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは5モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは3モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは6モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは4モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは7モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは6モノレイヤ以上、7モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは8モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは8モノレイヤ以上、12モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは9モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは13モノレイヤ以上、15モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは10モノレイヤである。
【発明の効果】
【0006】
上記開示によれば、歪みを抑制し、かつカットオフ波長およびエネルギー障壁を所望の大きさとすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1(a)は実施例1に係る受光素子を例示する平面図であり、図1(b)は受光素子を例示する断面図である。
図2(a)はホールバリア層を例示する断面図であり、図2(b)はエネルギーバンドを例示する模式図である。
図3(a)はカットオフ波長のシミュレーションの結果を示す図であり、図3(b)はエネルギー障壁高さのシミュレーションの結果を示す図である。
図4は暗電流密度の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0009】
本願発明の一形態は、(1)第1バリア層と、前記第1バリア層の上に設けられ、光を吸収する吸収層と、前記吸収層の上に設けられた第2バリア層と、を具備し、前記第1バリア層および前記吸収層はそれぞれ、ガリウムアンチモン層とインジウム砒素層とを積層した超格子構造を有し、前記第1バリア層に含まれる1つの前記ガリウムアンチモン層の厚さは2モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる1つの前記インジウム砒素層の厚さは1モノレイヤである、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは3モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、3モノレイヤ以下である、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは4モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、4モノレイヤ以下である、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは6モノレイヤ以上、8モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下である、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは9モノレイヤ以上、14モノレイヤ以下であり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、6モノレイヤ以下である、または前記第1バリア層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは15モノレイヤであり、前記第1バリア層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは1モノレイヤ以上、7モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる1つの前記ガリウムアンチモン層の厚さは1モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる1つの前記インジウム砒素層の厚さは4モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは2モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは5モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは3モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは6モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは4モノレイヤ以上、5モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは7モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは6モノレイヤ以上、7モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは8モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは8モノレイヤ以上、12モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは9モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは13モノレイヤ以上、15モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは10モノレイヤである受光素子である。これにより歪みを抑制し、かつカットオフ波長およびエネルギー障壁を所望の大きさとすることができる。
(2)前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは5モノレイヤであり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは7モノレイヤ以上、8モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは6モノレイヤ以上、7モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは8モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは8モノレイヤ以上、12モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは9モノレイヤ以上、10モノレイヤ以下である、または前記吸収層に含まれる前記1つのガリウムアンチモン層の厚さは13モノレイヤ以上、15モノレイヤ以下であり、前記吸収層に含まれる前記1つのインジウム砒素層の厚さは10モノレイヤでもよい。これにより歪みを抑制し、かつカットオフ波長およびエネルギー障壁を所望の大きさとすることができる。
(3)前記第1バリア層および前記吸収層それぞれに含まれる前記ガリウムアンチモン層と前記インジウム砒素層とのペアの数は50以下でもよい。暗電流を抑制することができる。
(4)前記第1バリア層の厚さは17nm以上でもよい。キャリアのトンネルを抑制することができる。
(5)前記第1バリア層の導電型はn型であり、前記第2バリア層の導電型はp型でもよい。これにより暗電流を抑制することができる。
(6)前記第2バリア層はガリウムアンチモン層とインジウム砒素層とを積層した超格子構造を有してもよい。これにより暗電流を抑制することができる。
【0010】
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る受光素子の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【実施例】
【0011】
図1(a)は実施例1に係る受光素子100を例示する平面図である。図1(a)に示すように受光素子100は矩形のチップであり、一辺は例えば5mm以上、20mm以下である。
【0012】
受光素子100の半導体基板10の中央側から外周側にかけて、メサ13、テラス15、溝17、およびテラス19が形成されている。複数のメサ13は、受光素子100の中央部に2次元アレイ状に設けられている。各メサ13がフォトダイオードとして機能する。メサ13間は溝11で分離されている。メサ13の設けられた領域を囲むようにテラス15が設けられている。テラス15よりも外周側には、テラス15を囲む溝17が設けられ、溝17はさらに外周側のテラス19に囲まれる。
【0013】
メサ13のピッチ(隣り合うメサ13間の距離)P1は例えば0.5〜3μmである。テラス15の幅W1は例えば50〜100μm、溝17の幅W2は例えば20〜290μm、テラス19の幅W3は例えば55〜300μmである。テラス15の幅W1はメサ13の幅よりも大きく、例えばメサ13の幅の2倍以上である。
【0014】
図1(b)は受光素子を例示する断面図であり、1つのメサ13を拡大している。図1(b)に示すように、メサ13は基板10側から順に積層されたバッファ層12および14、n型超格子層16、ホールバリア層18(第1バリア層)、吸収層20、電子バリア層22(第2バリア層)、p型超格子層24、およびコンタクト層26を含む。溝11はコンタクト層26からn型超格子層16の途中まで達する。基板10、バッファ層12および14、n型超格子層16は、複数のメサ13、テラス15および19にわたって広がる。複数のメサ13はn型超格子層16により電気的に接続される。
【0015】
複数のメサ13、テラス15および19は絶縁膜30で覆われる。絶縁膜30の開口部に電極32および34が設けられる。電極32はメサ13から離間し、n型超格子層16の表面に設けられる。電極34はメサ13の上であってコンタクト層26の表面に設けられる。基板10の裏面には反射防止膜36が形成されている。
【0016】
基板10は例えば厚さ350μmのインジウムリン(InP)で形成された化合物半導体基板である。バッファ層12は例えば厚さ0.3μmのインジウムガリウム砒素(InGaAs)で形成されている。バッファ層14は例えば厚さ0.61μmのガリウムアンチモン(GaSb)で形成されている。コンタクト層26はp型のGaSbで形成されている。
【0017】
n型超格子層16、ホールバリア層18、吸収層20、電子バリア層22、p型超格子層24は、それぞれInAs層とGaSb層とを含む超格子層であり、タイプIIのバンド構造を有する。n型超格子層16およびホールバリア層18の導電型はn型である。n型超格子層16およびホールバリア層18には例えばシリコン(Si)がドープされており、ドーピング濃度は例えば2×10
18
cm
−3
である。n型超格子層16の厚さは例えば2.3μm、ホールバリア層18の厚さは例えば0.017μm以上、吸収層20の厚さは例えば1.03μmである。
【0018】
電子バリア層22およびp型超格子層24の導電型はp型である。電子バリア層22およびp型超格子層24には例えばベリリウム(Be)がドープされており、ドーピング濃度は例えば2×10
18
cm
−3
である。電子バリア層22の厚さは例えば0.243μm以上、p型超格子層24の厚さは例えば0.219μmである。
【0019】
図2(a)はホールバリア層18を例示する断面図である。図2(a)に示すように、ホールバリア層18は複数のInAs層18aと複数のGaSb層18bとを含む。InAs層18aとGaSb層18bとは交互に積層されている。1つのInAs層18aと1つのGaSb層18bとはペア18cを形成する。ホールバリア層18に含まれるペア18cの数は例えば50であり、3以上50以下の範囲にある。ホールバリア層18全体の厚さT5は例えば0.017μm以上である。
【0020】
n型超格子層16、吸収層20、電子バリア層22、およびp型超格子層24はホールバリア層18と同様にInAs/GaSb超格子構造を有する。n型超格子層16における1つのInAs層の厚さは例えば7ML(モノレイヤ、Monolayer)であり、1つのGaSb層の厚さは11MLであり、ペア数は420である。電子バリア層22におけるInAs層の厚さは例えば7MLであり、GaSb層の厚さは13MLであり、ペア数は40である。p型超格子層24におけるInAs層の厚さは例えば7MLであり、GaSb層の厚さは5MLであり、ペア数は60である。吸収層20のペア数は例えば200〜360である。
【0021】
図2(b)はエネルギーバンドを例示する模式図である。図2(b)に示すように電子バリア層22は伝導帯にバリアを有する。ホールバリア層18は価電子帯にバリアを有する。
【0022】
受光素子100は例えば波長5μm〜15μmなどの赤外線を受光する。受光素子100の吸収層20以外の層は赤外線に対して例えば90%以上の高い透過率を有する。吸収層20は赤外線を吸収し、図2(b)に示すようにキャリアである電子(e)およびホール(h)を発生させる。すなわち赤外線を受光することで受光素子100は電流を出力する。ホールバリア層18および電子バリア層22が障壁として機能するため、暗電流を抑制することができる。
【0023】
受光素子100はカットオフ波長未満の波長を有する光を吸収しにくく、カットオフ波長以上の波長を有する光を吸収しやすい。また、暗電流を抑制するためには、ホールバリア層18および電子バリア層22が十分な高さの障壁を有していればよい。
【0024】
超格子構造においてInAs層を厚くし、GaSb層を薄くするほど歪みが大きくなる。したがって歪みを小さくするためにはInAs層を薄く、GaSb層を厚くすることが好ましい。その一方で、カットオフ波長は吸収層20におけるInAs層およびGaSb層の厚さで決まる。ホールバリア層18のエネルギー障壁の高さはホールバリア層18のInAs層およびGaSb層の厚さで決まる。歪みを抑制し、カットオフ波長および障壁高さを所望の大きさとするため、吸収層20およびホールバリア層18におけるInAs層の厚さおよびGaSb層の厚さは後述の表1および表2に示す範囲とする。
【0025】
図3(a)はカットオフ波長のシミュレーションの結果を示す図である。吸収層20中の1つのInAs層の厚さT3およびGaSb層の厚さT4を変化させ、カットオフ波長を計算した。吸収層20のペア数は260である。横軸はGaSb層の厚さT4であり、縦軸はカットオフ波長である。白い円はInAs層の厚さT3が10MLの例、白い三角は厚さT3が9MLの例、白い四角は厚さT3が8MLの例、黒い円は厚さT3が7MLの例、黒い三角は厚さT3が6MLの例、黒い四角は厚さT3が5MLの例、十字は厚さT3が4MLの例を表す。
【0026】
図3(a)に示すように吸収層20のGaSb層が厚いほどカットオフ波長は短くなり、GaSb層が薄いほどカットオフ波長は長くなる。また、InAs層が薄いほどカットオフ波長は短くなり、厚いほどカットオフ波長は長くなる。例えばカットオフ波長を5μm以上とするためには、吸収層20のGaSb層およびInAs層の厚さを表1に示す範囲とする。
【0027】
表1に示すようにGaSb層の厚さT4が1MLならばInAs層の厚さT3は4ML以上、10ML以下とする。GaSb層の厚さT4が2MLならばInAs層の厚さT3は5〜10MLとする。GaSb層の厚さT4が3MLならばInAs層の厚さT3を6〜10MLとする。GaSb層の厚さT4が4〜5MLならばInAs層の厚さT3を7〜10MLとする。GaSb層の厚さT4が6〜7MLならばInAs層の厚さT3を8〜10MLとする。GaSb層の厚さT4が8〜12MLならばInAs層の厚さT3を9〜10MLとする。GaSb層の厚さT4が13〜15MLならばInAs層の厚さT3を10MLとする。
【0028】
厚さが表1の範囲から外れるとカットオフ波長は5μmより短くなり、受光素子100が赤外線以外の光も受光してしまう。GaSb層が厚いほど歪みは抑制される。一方で、GaSb層の厚さT4が16ML以上になるとトラップが多くなり暗電流が増加する恐れがある。またトンネル電流が流れにくくなり超格子構造が機能しにくくなる。したがって厚さT4の上限を15MLとする。InAs層が厚くなるとトラップおよび歪みが増大する。トラップおよび歪み抑制のため厚さT3の上限を10MLとする。
【0029】
なお、InAs層が厚く、GaSb層が薄いほど歪みが入りやすくなる。つまり、GaSb層に対するInAs層の比が高くなると歪みが入りやすくなる。例えば表1の範囲内であっても、GaSb層の厚さが1〜4MLの場合、およびGaSb層の厚さが5MLかつInAs層の厚さが9〜10MLの場合、歪みが大きくなる。したがって、表1の中でも特にGaSb層の厚さは5MLかつInAs層の厚さは7〜8ML、またはGaSb層の厚さは6〜7MLかつInAs層の厚さは8〜10ML、またはGaSb層の厚さは8〜12MLかつInAs層の厚さは9〜10ML、またはGaSb層の厚さは13〜15MLかつInAs層の厚さは10MLとする。これによりカットオフ波長を5μm以上とし、かつ歪みを抑制することができる。
【0030】
図3(b)はエネルギー障壁高さのシミュレーションの結果を示す図である。横軸はホールバリア層18中の1つのGaSb層18bの厚さT1を表す。縦軸はホールバリア層18のエネルギー障壁の高さを表す。ホールバリア層18中の1つのInAs層18aの厚さT2を2〜15MLとした。
(【0031】以降は省略されています)

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