TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
公開番号2021090327
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210610
出願番号2019220960
出願日20191206
発明の名称インバータ装置
出願人アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
代理人特許業務法人R&C
主分類H02M 7/48 20070101AFI20210514BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】良好なスイッチング素子ユニットを冷却する冷却性能を長期間に亘って維持可能なインバータ装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子11を備えたスイッチング素子ユニット1と、互いに反対側を向く第1面31a及び第2面31bを有する金属製の伝熱板31と、第2面31bを覆うように配置され、冷媒Rが流動する冷却路Cを伝熱板31との間に形成する冷却路形成部材4と、を備えたインバータ装置であって、スイッチング素子ユニット1は、接合材5を介して第1面31aに接合され、接合材5は、伝熱板31を構成する素材よりも耐食性が高い素材を用いて構成され、板厚方向Tに沿う板厚方向視で、第2面31bにおける接合材5と重複する領域を第1領域A1とし、第2面31bにおける第1領域A1を除く領域を第2領域A2として、第2領域A2は、第1領域A1と比べて耐食性が高い構造を備えている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
インバータ回路を構成するスイッチング素子を備えたスイッチング素子ユニットと、
前記スイッチング素子ユニットが載置される第1面、及び当該第1面とは反対側を向く第2面を有する金属製の伝熱板と、
前記第2面を覆うように配置され、冷媒が流動する冷却路を前記伝熱板との間に形成する冷却路形成部材と、を備えたインバータ装置であって、
前記スイッチング素子ユニットは、接合材を介して前記第1面に接合され、
前記接合材は、前記伝熱板を構成する素材よりも耐食性が高い素材を用いて構成され、
前記第2面に直交する方向を板厚方向とし、前記板厚方向に沿う板厚方向視で、前記第2面における前記接合材と重複する領域を第1領域とし、前記第2面における前記第1領域を除く領域を第2領域として、
前記第2領域は、前記第1領域と比べて耐食性が高い構造を備えている、インバータ装置。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記第1領域は、前記伝熱板を構成する素材よりもイオン化傾向が大きい素材を用いて構成された第1防食材により被覆され、
前記第2領域は、前記伝熱板を構成する素材よりもイオン化傾向が小さい素材を用いて構成された第2防食材により被覆されている、請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項3】
前記第1領域は、前記伝熱板を構成する素材が前記冷却路に対して露出するように構成され、
前記第2領域は、前記伝熱板を構成する素材よりもイオン化傾向が小さい素材を用いて構成された第2防食材により被覆されている、請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項4】
前記伝熱板の前記板厚方向の寸法は、前記伝熱板を備えた伝熱部材における、前記冷却路に面する部分であって、前記伝熱板を除く部分の厚み、及び、前記冷却路形成部材における前記冷却路に面する部分の厚みよりも小さい、請求項1から3のいずれか一項に記載のインバータ装置。
【請求項5】
前記スイッチング素子ユニットは、前記スイッチング素子が載置された基板を備え、
前記基板における前記スイッチング素子が載置された面とは反対側の面が、前記接合材を介して前記第1面に接合されており、
前記基板は、電気的絶縁性を有する素材を用いて構成され、
前記伝熱板は、アルミニウム合金を用いて構成され、
前記接合材は、はんだである、請求項1から4のいずれか一項に記載のインバータ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ回路を構成するスイッチング素子を備えたスイッチング素子ユニットと、当該スイッチング素子ユニットが載置される第1面、及び当該第1面とは反対側を向く第2面を有する金属製の伝熱板と、第2面を覆うように配置され、冷媒が流動する冷却路を伝熱板との間に形成する冷却路形成部材と、を備えたインバータ装置に関する。
続きを表示(約 5,600 文字)【背景技術】
【0002】
このようなインバータ装置では、伝熱板を介して、冷却路を流動する冷媒によりスイッチング素子ユニットの冷却を行っているが、インバータ装置の継続的な使用に伴い、冷媒に接触する伝熱板の第2面等が腐食する場合がある。伝熱板の腐食が進行すると、最終的には第1面と第2面とが連通するように伝熱板に開口が形成され、冷媒が冷却路から漏れ出す恐れがあった。
【0003】
伝熱板の腐食による開口を形成し難くするために、冷却路を構成する部材(伝熱板及び冷却路形成部材)の厚みを大きくすることが考えられる。しかしながら、伝熱板の厚みが大きくなった場合、伝熱板の熱抵抗が増加するため、伝熱板を介してスイッチング素子ユニットが冷却され難くなることや、重量が増加すること等の点で不利である。
【0004】
下記の特許文献1には、冷却路(11a)の表面が防食材(12)により被覆されたインバータ装置が開示されている。このインバータ装置では、防食材(12)によって伝熱板(11)が腐食し難くなるため、伝熱板(11)の厚みを小さく抑えることができる。なお、括弧内に示す符号は、特許文献1のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019−047031号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、防食材(12)による被覆に一部でも欠陥があると、当該欠陥部分から腐食が進行する可能性があるため、長期間の使用に耐えられるようにするためには、伝熱板(11)の厚みを小さくすることにも限界があった。そのため、伝熱板(11)の熱抵抗を低減して冷却性能を向上することにも限界があった。
【0007】
そこで、良好なスイッチング素子ユニットを冷却する冷却性能を長期間に亘って維持可能なインバータ装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記に鑑みた、インバータ装置の特徴構成は、
インバータ回路を構成するスイッチング素子を備えたスイッチング素子ユニットと、
前記スイッチング素子ユニットが載置される第1面、及び当該第1面とは反対側を向く第2面を有する金属製の伝熱板と、
前記第2面を覆うように配置され、冷媒が流動する冷却路を前記伝熱板との間に形成する冷却路形成部材と、を備えたインバータ装置であって、
前記スイッチング素子ユニットは、接合材を介して前記第1面に接合され、
前記接合材は、前記伝熱板を構成する素材よりも耐食性が高い素材を用いて構成され、
前記第2面に直交する方向を板厚方向とし、前記板厚方向に沿う板厚方向視で、前記第2面における前記接合材と重複する領域を第1領域とし、前記第2面における前記第1領域を除く領域を第2領域として、
前記第2領域は、前記第1領域と比べて耐食性が高い構造を備えている点にある。
【0009】
この特徴構成によれば、第2領域は第1領域と比べて耐食性が高い構造を備えているため、第2領域よりも第1領域の方が腐食し易い。そして、第1領域の腐食が進行するのに伴い、伝熱板における第1領域に対応する部分の厚み(板厚方向の寸法)が小さくなり、伝熱板の熱抵抗が減少する。これにより、長期間の使用によってスイッチング素子ユニットを冷却する冷却性能が低下することを防ぎ、むしろ使用期間が長くなることに応じて冷却性能を高めることが可能となる。
また仮に、第1領域の腐食が更に進行して、第2面から第1面まで連通するように伝熱板に開口が形成された場合であっても、第1領域は板厚方向視で接合材と重複しているため、当該開口が第1面側において接合材によって塞がれた状態となっている。これにより、冷却路を流動する冷媒が開口を通って伝熱板の第1面の側に漏れ出すことが回避される。更に、冷媒が接合材に直接接触することになるため、スイッチング素子ユニットの冷却が促進される。なお、接合材は、伝熱板を構成する素材よりも耐食性が高い素材を用いて構成されているため、伝熱板よりも腐食し難い。これにより、第2面から第1面まで連通するように伝熱板に開口が形成された場合であっても、冷媒が漏れ出すことを防止して適切に冷却路を維持することが可能となっている。
以上のように、本構成によれば、良好なスイッチング素子ユニットを冷却する冷却性能を長期間に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1の実施形態に係るインバータ装置の回路を示す図
第1の実施形態に係るインバータ装置のスイッチング素子ユニット、伝熱部材、及び冷却路形成部材を示す分解斜視図
第1の実施形態に係るインバータ装置の伝熱部材及び冷却路形成部材を示す分解斜視図
第1の実施形態に係るインバータ装置のスイッチング素子ユニット、伝熱部材、及び冷却路形成部材を示す断面図
第1の実施形態に係るインバータ装置における伝熱板の第2面の構成を示す底面図
第1の実施形態に係るインバータ装置の継続的な使用に伴って、伝熱板に開口が形成された様子を示す断面図
第2の実施形態に係るインバータ装置のスイッチング素子ユニット、伝熱部材、及び冷却路形成部材を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.第1の実施形態
以下では、第1の実施形態に係るインバータ装置100について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態では、インバータ装置100は、バッテリBTに接続されると共に回転電機MGに接続されて、バッテリBTの直流と回転電機MGの複数相(ここでは、U相、V相及びW相の3相)の交流との間で電力を変換する。回転電機MGは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能、及び動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能を有している。
【0012】
図1に示すように、インバータ装置100は、スイッチング素子ユニット1を備えている。スイッチング素子ユニット1は、インバータ回路11Cを構成するスイッチング素子11を備えている。本実施形態では、複数(本例では、6つ)のスイッチング素子11を備えている。
【0013】
スイッチング素子11には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、SiC−MOSFET(Silicon Carbide - MOSFET)、SiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)等の高周波での動作が可能なパワー半導体素子を適用すると好適である。ここでは、スイッチング素子11としてIGBTを適用している。本実施形態では、複数のスイッチング素子11のそれぞれには、負極から正極へ向かう方向(下段側から上段側へ向かう方向)を順方向として、並列にフリーホイールダイオード12が設けられている。
【0014】
本実施形態では、インバータ装置100は、平滑コンデンサ2を更に備えている。平滑コンデンサ2は、インバータ回路11Cの直流側の電圧(直流リンク電圧)を平滑化するコンデンサである。
【0015】
図2に示すように、インバータ装置100は、伝熱部材3と、冷却路形成部材4と、を備えている。
【0016】
図3に示すように、伝熱部材3は、伝熱板31と、側壁部32と、フランジ部33と、を備えている。
【0017】
伝熱板31は、熱伝導性に優れた金属を用いて構成されている。本実施形態では、伝熱板31は、アルミニウム合金を用いて構成されている。伝熱板31は、互いに反対側を向く第1面31a及び第2面31bを有する板状に形成されている。なお、以下の説明では、第2面31bに直交する方向を「板厚方向T」とする。
【0018】
本実施形態では、伝熱板31は、一様の厚み(板厚方向Tの寸法)を有する板状に形成されている。つまり、第1面31aと第2面31bとは、互いに平行な平面として形成されている。
【0019】
側壁部32は、第2面31bの外縁部に沿って第2面31bから板厚方向Tに突出するように形成されている。本実施形態では、側壁部32は、その高さ(板厚方向Tの寸法)が一様となるように形成されている。
【0020】
フランジ部33は、側壁部32から板厚方向Tに直交する方向に突出するように形成されている。本実施形態では、フランジ部33は、板厚方向Tに沿う板厚方向視で、矩形状に形成されている。また、本実施形態では、フランジ部33は、互いに反対側を向く一対の表面を有する板状に形成され、当該一対の表面のうちの一方が第1面31aと面一となるように形成されている。
【0021】
図2に示すように、第1面31aは、スイッチング素子ユニット1が載置される面である。第1面31aには、スイッチング素子ユニット1が接合材5を介して接合されている。接合材5は、スイッチング素子ユニット1を伝熱板31の第1面31aに接合するために用いられる。接合材5は、伝熱板31を構成する素材よりも耐食性が高い素材を用いて構成されている。本実施形態では、接合材5は、はんだである。ここで、上述したように、本実施形態では、伝熱板31は、アルミニウム合金を用いて構成されている。はんだは、アルミニウム合金の主成分であるアルミニウムよりもイオン化傾向が小さい鉛、錫等が主成分であるため、アルミニウム合金よりも耐食性が高い。
【0022】
本実施形態では、スイッチング素子ユニット1は、複数(本例では、3つ)のスイッチング素子モジュール13と、当該複数のスイッチング素子モジュール13を保持する保持体14と、を備えている。
【0023】
保持体14は、複数のスイッチング素子モジュール13を収容する収容部141を備えている。本実施形態では、収容部141は、保持体14を板厚方向Tに貫通する貫通孔である。図2に示す例では、収容部141は、3つのスイッチング素子モジュール13が板厚方向Tに直交する方向に並んで配置されるように形成されている。
【0024】
複数のスイッチング素子モジュール13のそれぞれは、上記のスイッチング素子11と、基板15と、封止部16と、を備えている。
【0025】
基板15は、板状に形成されている。本実施形態では、基板15は、電気的絶縁性を有する素材を用いて構成されている。本例では、基板15は、セラミックスを用いて構成されている。
【0026】
基板15には、スイッチング素子11が載置されている。本実施形態では、基板15の一方の面(図4における上面)には、複数(本例では、2つ)のスイッチング素子11が載置されている。つまり、本例では、3つのスイッチング素子モジュール13が設けられ、各スイッチング素子モジュール13が2つのスイッチング素子11を備えている。
【0027】
図4に示すように、基板15におけるスイッチング素子11が載置された面とは反対側の面は、接合材5を介して第1面31aに接合されている。本例では、3つの基板15のそれぞれが、接合材5を介して第1面31aに接合されている(図2参照)。
【0028】
封止部16は、スイッチング素子11と基板15とを一体的に保持するように構成されている。本実施形態では、封止部16は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂によって構成され、複数(本例では、2つ)のスイッチング素子11と基板15とを封止している。本例では、封止部16は、スイッチング素子11が載置された基板15が保持体14の収容部141に収容された状態で、当該収容部141に熱硬化性樹脂を流し込むことによって形成されている。
【0029】
冷却路形成部材4は、第2面31bを覆うように配置されている。そして、冷却路形成部材4は、当該冷却路形成部材4と伝熱板31との間に、冷媒Rが流動する冷却路Cを形成している。
【0030】
図3に示すように、本実施形態では、冷却路形成部材4は、一様の厚み(板厚方向Tの寸法)を有する板状に形成されている。また、本実施形態では、冷却路形成部材4は、板厚方向Tに沿う板厚方向視で、伝熱部材3の側壁部32の外形に一致する外形を有するように形成されている。そして、冷却路形成部材4は、伝熱部材3における側壁部32に囲まれた内側の領域の全体を完全に塞ぐように側壁部32に当接した状態で、ボルト締結や溶接等によって伝熱部材3と接合されている。つまり、本実施形態では、伝熱板31の第2面31bと、側壁部32における内側(第2面31b側)を向く面と、冷却路形成部材4における第2面31bに対向する面とによって囲まれた空間が、冷却路Cとして機能する。
(【0031】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
ロータ
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
ロータ
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
ロータ
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
制御基板
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
発進装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
回転電機
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
制御基板
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
空調設備
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
回転電機
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
回転電機
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
回転電機
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
制御基板
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
ロータコア
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
無段変速機
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
圧力制御弁
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
熱処理方法
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
トランスファ
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
クラッチ装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
放電抵抗回路
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
ベーンポンプ
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両駆動用装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両駆動用装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両用駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
インバータ装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両用駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両用駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両用駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両用駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
インバータ装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
モータ駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両用駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
インバータ装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両用駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
車両用駆動装置
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
動力伝達制御装置
続きを見る