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公開番号2021090326
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210610
出願番号2019220926
出願日20191206
発明の名称ステータコアへの絶縁紙挿入装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人
主分類H02K 15/10 20060101AFI20210514BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】エアが流入した場合であっても絶縁紙の保持状態を維持できるステータコアへの絶縁紙挿入装置の提供。
【解決手段】ステータコアのスロットに絶縁紙を挿入する絶縁紙挿入装置であって、前記絶縁紙を周囲に巻き付け可能なブレードを備え、前記ブレードは、前記絶縁紙との間に負圧を発生可能な複数の吸引部を備え、前記複数の吸引部は、各々独立した吸引経路と、各吸引経路に接続する各々独立した真空源とを備えることを特徴とするステータコアへの絶縁紙挿入装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ステータコアのスロットに絶縁紙を挿入する絶縁紙挿入装置であって、
前記絶縁紙を周囲に巻き付け可能なブレードを備え、
前記ブレードは、前記絶縁紙との間に負圧を発生可能な複数の吸引部を備え、
前記複数の吸引部は、各々独立した吸引経路と、各吸引経路に接続する各々独立した真空源とを備えることを特徴とするステータコアへの絶縁紙挿入装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータコアへの絶縁紙挿入装置に関する。
続きを表示(約 6,400 文字)【背景技術】
【0002】
電動機や発電機等の回転電機のステータには、通常、ステータコアに設けられたスロット内に巻装されるステータコイル外周面と、スロット内周面との間に、絶縁紙がスロット内周面を囲むように装着され、コイルとコアが接触することを防いでいる。
【0003】
ステータコアへ絶縁紙を挿入するための絶縁紙挿入装置は種々検討されている。特許文献1には、ステータコイルへの相間絶縁紙の挿入を自動化する装置であって、テープ状の絶縁紙を解除可能に吸着保持する保持部と、この保持部を移動させる駆動機構とを有する絶縁紙挿入装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭63−268453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の絶縁紙挿入装置は、保持部(以下、吸引部ともいう)からの吸引により絶縁紙を保持し、その保持された絶縁紙をステータコアに挿入したのち、吸引を解除することで、スロット内に絶縁紙を配置している。しかしながら、通常、絶縁紙を吸引するための負圧を絶縁紙との間に発生させる真空系統が1系統で構成されており、例えば、絶縁紙にめくれやしわが発生して、絶縁紙と挿入装置との間に部分的にでも隙間が発生すると、負圧が低下し、絶縁紙が脱離してしまうことがあった。このように、エアが流入した際に、全ての吸引部の負圧が低下し、吸引力を失ってしまうことがあった。
【0006】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、エアが流入した場合であっても絶縁紙の保持状態を維持できるステータコアへの絶縁紙挿入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一態様は、ステータコアのスロットに絶縁紙を挿入する絶縁紙挿入装置であって、前記絶縁紙を周囲に巻き付け可能なブレードを備え、前記ブレードは、前記絶縁紙との間に負圧を発生可能な複数の吸引部を備え、前記複数の吸引部は、各々独立した吸引経路と、各吸引経路に接続する各々独立した真空源とを備える。
【0008】
本発明に係るステータコアへの絶縁紙挿入装置では、負圧を発生させる真空源を多系統に独立させることで、1つの真空系統にエアが流入しても残りの真空系統により吸引力を維持することができる。従って、絶縁紙がはがれたり、しわが寄ったりした場合であっても、絶縁紙の保持状態を容易に維持することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エアが流入した場合であっても絶縁紙の保持状態を維持できるステータコアへの絶縁紙挿入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に係る絶縁紙挿入装置の一実施形態を説明するための概略図である。
本発明に係る絶縁紙挿入装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
ステータコアへの絶縁紙挿入装置における課題を説明するための図である。
本発明の効果を説明するための図である。
本発明に係る絶縁紙挿入装置の一実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
従来の絶縁紙挿入装置では、図3(a)に示すように、吸引により絶縁紙(スロット紙)3をブレード1に密着させる。しかしながら、図3(b−1)に示すように絶縁紙3にめくれが発生したり、図3(b−2)に示すように絶縁紙3にしわが発生したりして、絶縁紙3とブレード1との間に部分的にでも隙間ができると、負圧が低下し、図3(c)に示すように、絶縁紙3がブレード1から脱離してしまうことがあった。これは、従来の絶縁紙挿入装置が、負圧を発生させる真空系統が1系統で構成されているため、矢印aに示すようにエアが流入することにより、全ての吸引部の負圧が低下してしまったことに起因すると考えられる。一方、本実施形態に係る絶縁紙挿入装置(以下、本挿入装置ともいう)は、図1(a)に示すように、各々独立した真空系統を有する複数、すなわち2つ以上の吸引部を備えたブレード1を有する。図1(a)では、各々独立した真空系統を有する3つの吸引部2a〜2cが記載されている。このように、本挿入装置では、複数の各々独立した真空系統を有することで、例えば、1つの真空系統がエア流入により、負圧が低下した場合であっても、他の真空系統により、絶縁紙の吸着保持状態を維持することができる。
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、図1、図2及び図5はそれぞれ、本挿入装置を説明するための概略図である。また、上述した図3は、ステータコアへの絶縁紙挿入装置における課題を説明するための図である。さらに、図4は、本発明の効果を説明するための図である。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されることはなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化されている。
【0013】
本挿入装置は、ブレードを用いてステータコア(不図示)のスロット(不図示)に絶縁紙を挿入するものである。ステータコアは、通常、鋼板が積層されて形成されており、内周側の開口を有し軸方向へ貫通する複数のスロットが、周方向に形成されている。このスロットの例えば下部側から、ブレードを挿入することができる。
【0014】
本挿入装置を用いた絶縁紙の挿入方法は、特に限定されないが、例えば、以下の手順を経ることができる。すなわち、まず、ステータの形状と同様の形状に形成されている仮挿入治具(不図示)の孔部内に、絶縁紙を配置する。次いで、その絶縁紙が配置された孔部内にブレードを挿入する。次に、ブレードの吸引部(例えば、図1(a)に示す吸引部2a〜2c)での吸引を開始し、仮挿入治具の孔部内に配置された絶縁紙をブレードの表面に吸着させ、ブレードの周囲に絶縁紙を巻き付ける。その後、絶縁紙の吸着状態を維持したまま、ブレードを仮挿入治具から引き抜く。次いで、絶縁紙が吸着したブレードを、例えば、図1(b)に示すZ方向に移動させ、ステータコアのスロット内に挿入する。そして、上記吸引部の吸引を停止し、スロット内からブレードを引き抜く。これにより、ステータコアのスロット内に絶縁紙を配置することができる。なお、ブレード数や仮挿入治具の孔部数は、絶縁紙を挿入するステータコアのスロット数に応じて適宜設定できる。
【0015】
本挿入装置は、図2に示すように、絶縁紙を周囲に巻き付け可能なブレード1を有する。また、本挿入装置(絶縁紙挿入装置10)は、ブレード1(の端部)を設置可能な基底部4を有することができる。なお、本挿入装置は、1つの基底部4に設けられた複数のブレード1から構成されることもできる。
【0016】
絶縁紙3は、従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることができる。この絶縁紙は、車両用回転電機を小型化、高出力化するために必要な絶縁性能を高める重要な役割を担っている。絶縁紙の厚みは特に限定されず、適宜設定することができる。
【0017】
基底部4の形状は、特に限定されないが、図2では、複数の真空系統のためのバルブ取り付け用に裾広がりとしている。この他にも、基底部4を、一方の面にブレードの端部が接続された、例えば、X方向及びY方向に延在する板状とすることもできる。
【0018】
ブレード1は、図2に示すように、一端部が基底部4のZ方向上面に接続されて立設され、Z方向上方に向かって延在している。また、ブレード1は、基底部4のZ方向上面において、例えば、円周を描くように複数整列した状態で配置されることができる。
ブレード1は、矩形の板状とすることができ、図2では、X方向の幅をY方向の幅よりも広くし、X方向の面の面積をY方向の面の面積よりも大きく形成している。しかしながら、ブレード1の形状はこの形状に限定されず、ステータコアのスロット形状等に応じて適宜変更することができる。
【0019】
ブレード1は、絶縁紙3との間に負圧を発生可能な複数の吸引部を備えている。これらの吸引部は、各々独立した吸引経路(空気の流路)と、各吸引経路に接続する各々独立した真空源(例えば、真空ポンプ)とを備えている。そして、各真空源の動作により各吸引流路を介して空気を吸いだすことによって、各吸引部において、絶縁紙3をブレード1に吸着させるための負圧を発生させることができる。なお、ここで、上記吸引部は、1つの吸引口を単に意味するものではなく、同一の吸引経路及び同一の真空源を有する同一の真空系統を有する1つ以上の吸引口を含むものである。上記吸引部とは、真空系統とも言い換えることができる。
【0020】
具体的に、図1では、ブレードの1つの面に3つの吸引部2a〜2c、すなわち、3つの真空系統が形成されており、これらの吸引部が、負圧を生じさせる各々異なる真空源に接続した、各々異なる吸引経路(図2に示す符号5)を有している。これらの吸引部2a〜2cは、各々異なるエアの流れA〜Cを有している。また、図5では、ブレードの各面に3つの吸引部がそれぞれ形成されており、ブレード1には、合計9つの吸引部2a〜2i、すなわち9つの真空系統が形成されている。図2では、これらの9つの吸引部のうち、3つの吸引部2a〜2cが記載されている。
吸引部、より具体的には吸引口の形状は、特に限定されず、例えば、円状、楕円状、波形状など様々な形状とすることができる。
【0021】
上述したように、本挿入装置は、ブレード1に、複数の吸引部(図4(a)では、3つの吸引部2a〜2c)を備え、複数のエアの流れ(ここでは、A〜C)を有している。従って、例えば、図4(b)に示すように、絶縁紙3の一部、ここでは、吸引部2cの部分が剥がれ、エアの流れCが機能しなくなり吸引力を失った場合であっても、他の吸引部2a及び2bが吸引状態を維持でき、エアの流れA及びBが機能できる。このため、これ以上、絶縁紙がブレード1上から脱離することを防ぐことができる。また、例えば、図4(c)に示すように、絶縁紙の一部、ここでは、吸引部2bの部分にしわが寄ってしまい、エアの流れBが機能しなくなり吸引力を失った場合であっても、他の吸引部2a及び2cが吸引状態を維持でき、エアの流れA及びCが機能できる。このため、これ以上、絶縁紙がブレード1上から脱離することを防ぐことができる。
【0022】
なお、本挿入装置におけるブレードが有する吸引部は、2つ以上であればよく、その数は限定されない。
【0023】
また、ブレードが有する複数の吸引部の配置は特に限定されず、適宜選択することができる。例えば、図1(a)に示すように、ブレード1の任意の面に、ブレード軸方向の上側、中央部および下側にそれぞれ配置される吸引部を形成してもよいし、図2に示すように、例えば、X軸及びZ軸に沿って異なる吸引部が配置される構成としてもよい。また、図5(a)〜(c)に示すように、ブレードの複数の面にそれぞれ真空系統が異なる吸引部を複数形成してもよい。このように、ブレードの任意の面において、吸引ゾーンを分けることにより、どこか1つのゾーンが吸引不能となった場合でも、他の吸引ゾーンがバックアップすることにより、ブレードの表面全域で絶縁紙を吸着不能となることを防ぐことができる。なお、ブレードにおける吸引部の設置面は特に限定されず、複数ある面、例えば、4つの側面のうち、1つ以上の面(平面)に吸引部を形成することができる。
さらに、各吸引部は、均等(等間隔)に配されていてもよいし、間隔をあけて分離されて配置されていてもよい。また、使用する絶縁紙のサイズに合わせて、各吸引部の配置を適宜設定できる。具体的には、各吸引部は、ブレードの平面に絶縁紙を配置した際に当該絶縁紙が吸引部全体を覆うことができる位置に配置することができる。言い換えると、絶縁紙を吸引部により吸引する際に、絶縁紙から吸引部がはみ出ないように各吸引部を配置することができる。その際、ブレードに配置された複数の吸引部のうち、一部の吸引部のみを機能させて、実質的に絶縁紙から(機能する)吸引部がはみでないようにしてもよい。これにより、吸引部の配置とは関係なく、同一のブレードを用いて様々なサイズの絶縁紙をステータコアのスロット内に配置することができる。
【0024】
このように、絶縁紙3のサイズ、特に図2に示すZ方向のサイズが、ブレード1のサイズよりも小さい場合等には、ブレード1が有する全ての吸引部のうち、一部のみを稼働させてもよい。すなわち、本挿入装置では、挿入するスロット内の形状、言い換えると、絶縁紙の形状に応じて、ブレードが有する複数の吸引部のうち、稼働させる吸引部を適宜選択することができる。本挿入装置では、複数の吸引部のうちの少なくとも一部を稼働させることもでき、複数の吸引部は各々独立して実行可能である。
【0025】
なお、本挿入装置では、複数の吸引部を設けたブレードの外周面に絶縁紙を吸引して張り付けさせ、絶縁紙をスロット内に挿入するため、挿入の際における、スロット内周面やスロットの口元への接触を抑制できる。このため、スロット内周面、特に口元との摺動によって絶縁紙表面が削れ、異物が発生することを防ぐことができ、スロット内に異物が混入することを防ぐことができる。
【0026】
また、本挿入装置は、上述したように、エアが流入した場合であっても、吸引力を維持することができる。このため、例えば、挿入による外力などで絶縁紙が部分的にブレードから離れてしまった場合であっても、絶縁紙のブレードの外周面からの脱離を防ぐことができ、さらに、上記異物等の混入も防ぐことができる。すなわち、本挿入装置では、吸引ブレードにおける絶縁紙吸引部の多系統化、すなわち、気圧回路を多系統化させることにより、絶縁紙挿入装置の信頼性をより向上させることができる。
【0027】
本挿入装置は、車両用回転電機等の様々な用途に用いることができる。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本実施形態における構成要素を他の周知の構成要素に適宜置き換えることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 ブレード
2a〜2i 吸引部
3 絶縁紙(スロット紙)
4 基底部
5 吸引経路
10 絶縁紙挿入装置
A、B、C エアの流れ

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