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公開番号2021090317
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210610
出願番号2019220654
出願日20191205
発明の名称電力変換システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人快友国際特許事務所
主分類H02M 3/155 20060101AFI20210514BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】多相電力変換装置とそれを冷却する冷却器を備えた電力変換システムに関し、冷媒流路に気泡が混在した場合に出力を維持したまま冷却能力の低下に対処する。
【解決手段】電力変換システムは、並列に接続されている複数の電力変換回路と、それらを制御するコントローラを備える。コントローラは、負荷に応じて駆動する電力変換回路の個数を定めている対応関係を記憶しており、その対応関係に基づいて駆動する電力変換回路の個数を決定する。コントローラは、冷却器のポンプへの出力指令に基づいてポンプの回転数を推定する。コントローラは、ポンプの実回転数が、推定された回転数を含む所定の回転数許容範囲を超えている場合、上記した対応関係で決定された個数よりも多くの電力変換回路を駆動する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
並列に接続されている複数の電力変換回路と、
負荷に応じて駆動する前記電力変換回路の個数を定めている対応関係を記憶しており、当該対応関係に基づいて駆動する前記電力変換回路の個数を決定するコントローラと、
前記電力変換回路を冷却する液体の冷媒が流れる冷媒流路と、
前記冷媒流路内の前記冷媒を圧送するポンプと、
前記ポンプの実回転数を計測する回転数センサと、
を備えており、
前記コントローラは、
前記ポンプへの出力指令に基づいて前記ポンプの回転数を推定し、
前記実回転数が、推定された前記回転数を含む所定の回転数許容範囲を超えている場合、前記対応関係で決定された個数よりも多くの前記電力変換回路を駆動する、電力変換システム。
続きを表示(約 100 文字)【請求項2】
前記対応関係は、複数の前記電力変換回路の全体の目標出力と前記電力変換回路の温度に応じて駆動する前記電力変換回路の個数が定められているマップである、請求項1に記載の電力変換システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、複数の電力変換回路が並列に接続されているとともに、それらを冷却する冷却器を備えた電力変換システムに関する。
続きを表示(約 6,000 文字)【背景技術】
【0002】
並列に接続されている複数の電力変換回路を備えている多相電力変換装置が知られている。例えば、特許文献1に開示された多相電力変換装置は、装置全体の目標出力に基づいて、あるいは、各電力変換回路の温度に基づいて駆動する電力変換回路の個数を調整する。
【0003】
電力変換用のデバイスは発熱量が大きい。そのため、多相電力変換装置を含む多くの電力変換装置は冷却器を備えている。冷却器で異常が検知されると電力変換装置の出力を抑える技術が例えば特許文献2、3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5863062号公報
特開2010−051040号公報
特開2013−172610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冷却器の不具合の一つとして、冷媒流路への気泡の混入がある。冷媒流路に気泡が混入した場合、冷却機能が完全に失われることはないが、冷却性能が低下する。一方、多相電力変換装置は、駆動する電力変換回路の個数を増やすことで出力を維持したまま各電力変換回路に流れる電力を下げることができる。扱う電力を多数の電力変換回路に分散させることで、多相電力変換装置全体の温度上昇が抑えられる。本明細書は、多相電力変換装置の特徴を活用し、冷媒流路に気泡が混入したと推定されるときに出力を維持したまま対処する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、冷却器を備えた多相電力変換装置、すなわち、電力変換システムを開示する。この電力変換システムは、並列に接続されている複数の電力変換回路と、それらを制御するコントローラと、電力変換回路を冷却する液体の冷媒が流れる冷媒流路と、冷媒流路内の冷媒を圧送するポンプと、ポンプの実回転数を計測する回転数センサを備えている。コントローラは、負荷に応じて駆動する電力変換回路の個数を定めている対応関係を記憶しており、その対応関係に基づいて駆動する電力変換回路の個数を決定する。コントローラは、ポンプへの出力指令に基づいてポンプの回転数を推定する。コントローラは、実回転数が、推定された回転数を含む所定の回転数許容範囲を超えている場合、上記した対応関係で決定された個数よりも多くの電力変換回路を駆動する。
【0007】
本明細書が開示する電力変換システムは、ポンプの実回転数が回転数許容範囲を超えている場合に気泡が混入したと推定する。その場合、冷却能力が低下するので駆動する電力変換回路の個数を増やし、1個あたりの電力変換回路に流れる電力を下げる。扱う電力を複数の電力変換回路に分散することで、多相電力変換装置(複数の電力変換回路の総体)の温度上昇が緩やかになり、冷却能力の低下が相殺される。ただし、多相電力変換装置の出力は維持される。本明細書が開示する電力変換システムは、冷却器に気泡が生じたと推定されるときに出力を抑制せずに冷却性能の低下に対処することができる。
【0008】
複数の電力変換回路の全体に対する負荷は、複数の電力変換回路の全体に対する目標出力と、電力変換回路の温度で測ることができる。それゆえ、上記した対応関係の一例は、複数の電力変換回路の全体の目標出力と電力変換回路の温度に応じて駆動する電力変換回路の個数が定められているマップであってよい。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例の電力変換システムを含む電気自動車のブロック図である。
負荷と駆動数の対応関係を定めたマップの一例である。
モータ制御のフローチャートである。
気泡混入検知処理のフローチャートである。
ポンプの出力指令と回転数の関係の一例を示す図である。
電力変換回路の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照して実施例の電力変換システム2を説明する。電力変換システム2は、電気自動車50に適用されている。図1に、電気自動車50のブロック図を示す。電気自動車50は、バッテリ51、走行用のモータ53、電力変換システム2、インバータ52、上位コントローラ55を備えており、バッテリ51の電力でモータ53を駆動して走行する。
【0011】
電力変換システム2は、多相コンバータ10、冷却器20、モータコントローラ16を備えている。多相コンバータ10は、バッテリ51の出力電力の電圧を昇圧してインバータ52へ供給する。電力変換システム2のモータコントローラ16は、多相コンバータ10と冷却器20を制御するとともに、インバータ52も制御する。図1の点線矢印線が信号線を表している。インバータ52の具体的な回路は説明を省略する。多相コンバータを含む電力変換システム2については後に詳しく説明する。
【0012】
インバータ52は、入力された直流電力をモータ53の駆動に適した交流電力に変換する。モータ53の出力軸(不図示)は、ギアセットを介して駆動輪に連結されている。
【0013】
上位コントローラ55が、車速とアクセル開度からモータ53の目標出力を決定し、モータコントローラ16に指令する。モータコントローラ16は、目標出力が実現されるように、多相コンバータ10とインバータ52を制御する。
【0014】
バッテリ51の出力は数十キロワットであり、その出力電圧は100ボルトを超える。そのような電力を扱う多相コンバータ10、インバータ52、モータ53は発熱量が大きい。そこで、電力変換システム2の冷却器20がそれらのデバイスを冷却する。
【0015】
電力変換システム2について説明する。先に述べたように、電力変換システム2は、多相コンバータ10、冷却器20、モータコントローラ16を備えている。多相コンバータ10は、4個の電圧コンバータ回路12a−12dを有している。電圧コンバータ回路12a−12dは、同じ回路構成を有している。以下、4個の電圧コンバータ回路12a−12dのいずれか1個を区別なく示す場合、あるいは、4個の電圧コンバータ回路12aー12dを総称する場合には電圧コンバータ回路12と表記する。電圧コンバータ回路12の回路の具体的な構成はここでは説明を省略する。後に、電圧コンバータ回路12の構成の一例を説明する。
【0016】
多相コンバータ10は、4個の電圧コンバータ回路12が並列に接続された構成を有しており、負荷の大きさに応じて駆動する電圧コンバータ回路12の個数が調整される。駆動する回路の個数を以下では、「相数」と称する場合がある。モータコントローラ16は、多相コンバータ10の負荷に応じて駆動する電圧コンバータ回路12の個数を定めている対応関係を記憶しており、その対応関係に基づいて、駆動する電圧コンバータ回路12の個数(相数)を決定する。
【0017】
多相コンバータ10の負荷は、回路の温度および流れる電力(すなわち出力)で測ることができる。多相コンバータ10は、回路の温度を計測する温度センサ15を有しており、モータコントローラ16は、回路の温度、および、上位コントローラ55から指令される目標出力に基づいて、駆動する相数を決定する。モータコントローラ16は、目標出力が実現するように多相コンバータ10を制御する。それゆえ、目標出力が多相コンバータ10に流れる電力に相当する。
【0018】
なお、上位コントローラ55から指令される目標出力は、モータ53に対する目標出力であり、それには目標電力と目標周波数が含まれる。モータコントローラ16は、目標出力に含まれる目標電力が実現するように、多相コンバータ10の総出力を調整する。多相コンバータ10(すなわち電圧コンバータ回路12)は昇圧コンバータであり、昇圧比が制御対象である。図示は省略しているが、多相コンバータ10の出力側には電圧センサが備えられており、また、インバータ52の交流端には電流センサが備えられている。モータコントローラ16は、電圧センサと電流センサの計測値からインバータ52が出力する電力を算定する。インバータ52の出力電力がすなわち多相コンバータ10の出力電力に相当する(なお、ここではインバータ52の電力損失は無視する)。
【0019】
モータコントローラ16は、インバータ52が出力する電力が目標電力に満たない場合は駆動する電圧コンバータ回路12の昇圧比を高め、出力電力が目標電力をオーバーしている場合は昇圧比を下げることで、目標出力(目標電力)を実現する。従って、モータ53に対する目標出力は、多相コンバータ10の目標出力にも相当する。また、モータコントローラ16は目標出力が実現するように多相コンバータ10を制御するので、目標出力が多相コンバータ10を流れる電力に相当する。多相コンバータ10は、複数の電圧コンバータ回路12の並列接続であるので、多相コンバータ10の目標出力は、複数の電圧コンバータ回路12のうち、稼働している電圧コンバータ回路12の全体に流れる電力に相当する。
【0020】
モータコントローラ16は、駆動している電圧コンバータ回路12の個数に関わらず、稼働している電圧コンバータ回路12の全体の出力が目標出力に追従するように各電圧コンバータ回路12を制御する。それゆえ、駆動する回路の個数が多いほど、電圧コンバータ回路1個あたりに流れる電力が抑えられる。それゆえ、各電圧コンバータ回路12の温度上昇が抑えられる。それゆえ、詳しくは後述するが、冷却器20の性能が低下した場合、通常よりも駆動する回路の個数を増やすことで、多相コンバータ10の全体の温度上昇を抑える。
【0021】
なお、モータコントローラ16は、目標出力に含まれる目標周波数が実現するようにインバータ52を制御する。
【0022】
モータコントローラ16は、負荷に応じて駆動する電圧コンバータ回路12の個数(相数)を定めたマップを記憶している。先に述べたように、多相コンバータ10の負荷は、回路の温度および流れる電力(すなわち出力)で測ることができる。図2に、マップの一例を示す。図2のマップの横軸は多相コンバータ10の目標出力(すなわち多相コンバータ10に流れる電力)に対応しており、縦軸は多相コンバータ10の回路の温度(電圧コンバータ回路12の温度)に対応している。回路の温度は、先に述べたように、多相コンバータ10が備える温度センサ15によって計測される。
【0023】
温度センサ15は、冷媒流路21の多相コンバータ10の出口における冷媒の温度を計測するものであってもよい。多相コンバータ10の出口における冷媒の温度が複数の電圧コンバータ回路12の全体の温度を代表するのに適しているからである。
【0024】
図2のマップの例では、目標出力がW1[kW]以下、回路温度がT1[℃]以下の第1領域に属する場合は1相駆動となる。目標出力がW2[kW]以下、かつ、回路温度がT2[℃]以下であって、目標出力がW1[kW]を超えている、あるいは、回路温度がT1[℃]を超えている場合は、第2領域に属し、2相駆動となる。目標出力がW3[kW]以下、かつ、回路温度がT3[℃]以下であって、目標出力がW2[kW]を超えている、あるいは、回路温度がT2[℃]を超えている場合は、第3領域に属し、3相駆動となる。目標出力がW3[kW]を超えているか、あるいは、回路温度がT3[℃]を超えている場合は第4領域に属し、4相駆動となる。モータコントローラ16は、図2のマップを参照して駆動すべき電圧コンバータ回路の個数(相数)を決定する。
【0025】
図1に戻り、冷却器20について説明する。電力変換システム2の冷却器20は、多相コンバータ10のみならず、インバータ52、モータ53も冷却する。冷却器20は、冷媒流路21、オイルクーラ22、ラジエータ23、リザーブタンク24、ポンプ25、回転数センサ26、温度センサ27を備えている。冷媒流路21は、環状の流路であり、多相コンバータ10、インバータ52、オイルクーラ22、ラジエータ23、リザーブタンク24を通って一巡している。冷媒は水あるいは不凍液などの液体である。
【0026】
ポンプ25が冷媒流路21の中の冷媒を圧送する。ポンプ25は、リザーブタンク24から冷媒を吸い上げ、多相コンバータ10へ向けて冷媒を圧送する。ポンプ25の隣に付した太線矢印線が冷媒の流れ方向を示している。ポンプ25から圧送される冷媒が多相コンバータ10とインバータ52を通過する間にそれらのデバイスを冷却する。
【0027】
モータ53は、オイルクーラ22を介して冷却される。オイルクーラ22には冷媒流路21とともにオイル循環路54が通過しており、オイル循環路54がモータ53を通過している。オイル循環路54の中のオイルがモータ53を冷却する。モータ53の熱を吸収した高温のオイルはオイルクーラ22にて冷媒流路21の中の冷媒で冷却され、再びモータ53へと流れる。
【0028】
オイルクーラ22を通過した冷媒はラジエータ23に達する。多相コンバータ10、インバータ52、モータ53の熱を吸収して高温となった冷媒はラジエータ23で放熱し、温度が下がった後にリザーブタンク24へと戻る。
【0029】
ポンプ25はモータコントローラ16によって制御される。冷媒流路21には冷媒の温度を計測する温度センサ27が取り付けらており、モータコントローラ16は、冷媒の温度が高くなるほどポンプ25の出力が高くなるようにポンプ25を制御する。
【0030】
ポンプ25はデューティ制御タイプであり、モータコントローラ16は、冷媒の温度に基づいてポンプ25の出力指令(デューティ比)を決定し、決定した出力指令をポンプ25に送る。冷媒の温度に対する出力指令は予め定められており、モータコントローラ16に記憶されている。
(【0031】以降は省略されています)

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