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公開番号2021088876
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210610
出願番号2019219982
出願日20191204
発明の名称コンクリート構造物の曲げ補強方法及び曲げ補強構造
出願人日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
代理人個人,個人
主分類E04G 23/02 20060101AFI20210514BHJP(建築物)
要約【課題】最大曲げモーメントが生じるコンクリート部材の接合部におけるコンクリート部材基部の曲げ剛性、曲げ耐力を増大させ、基部の曲げ補強を極めて有効にしかも簡易な方法でなし得るコンクリート構造物の曲げ補強方法及び曲げ補強構造を提供する。
【解決手段】第1のコンクリート部材120Aと、第1のコンクリート部材120Aと接合された第2のコンクリート部材130Aとを有するコンクリート構造物100において、連続繊維補強部材1に樹脂を含浸させ、連続繊維補強部材1の一側の取付部1aを、第1のコンクリート部材120Aの基部102Aに隣接して形成した取付孔部10に埋め込み、他側の定着部1bを第1のコンクリート部材120Aに定着し、樹脂を硬化して第1のコンクリート部材基部102Aの曲げ補強を行い、樹脂が硬化された連続繊維補強部材1は、ヤング率が70〜720GPaである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
交差して配置された、補強対象部材としての第1のコンクリート部材と、前記第1のコンクリート部材と接合された第2のコンクリート部材とを有するコンクリート構造物において、前記第2のコンクリート部材との接合部に隣接した前記第1のコンクリート部材の基部を連続繊維補強部材を用いて曲げ補強を行うコンクリート構造物の曲げ補強方法であって、
前記連続繊維補強部材は、一方向に並列に引き揃えられている20〜200本の連続繊維ストランドであって、一側に取付部を、他側に定着部を形成するように賦形されており、
前記連続繊維補強部材に樹脂を含浸させ、
前記連続繊維補強部材の一側の取付部を、前記第1のコンクリート部材の基部に隣接して形成した取付孔部に埋め込み、前記連続繊維補強部材の他側の定着部を前記第1のコンクリート部材に定着し、
前記樹脂を硬化して前記第1のコンクリート部材基部の曲げ補強を行い、
前記樹脂が硬化された前記連続繊維補強部材は、ヤング率が70〜720GPaである、
ことを特徴とするコンクリート構造物の曲げ補強方法。
続きを表示(約 3,400 文字)【請求項2】
前記連続繊維ストランドは、繊維径が5〜20μmの連続した強化繊維を3000〜96000本一方向に収束した連続強化繊維束であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項3】
各前記連続繊維ストランドを構成する前記強化繊維の横断面積の総和が0.1〜5mm

であり、全長が250〜800mmであることを特徴とする請求項2に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項4】
前記連続繊維ストランドの前記強化繊維は、ヤング率が70〜720GPaであることを特徴とする請求項2又は3に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項5】
前記強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維、又は、アラミド繊維などの有機繊維であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項6】
前記連続繊維補強部材は、
一方向に並列に引き揃えられている20〜200本の前記連続繊維ストランドと、拘束糸がループ状に縦方向に連続して鎖編み目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織により形成された編み構造と、を有し、
各前記連続繊維ストランドを、前記編み構造における前記縦方向に連続的に編成された前記編み組織の前記鎖編み目を貫通して挿入し、そして、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入された挿入糸で互いに隣接した前記編み組織を結束することによって、前記縦方向編み組織の中に挿入された各前記連続繊維ストランドは、各前記連続繊維ストランドが互いに0.1〜20mmだけ離間して形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項7】
前記拘束糸及び前記挿入糸は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系の繊維、アラミド繊維などの有機繊維;チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維;を単独で、又は、複数種混入して作製される糸条であることを特徴とする請求項6に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項8】
前記挿入糸は、前記編み組織に対して一定のコース毎に振って編み込まれていることを特徴とする請求項6又は7に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項9】
各前記連続繊維ストランドは、複数の連続繊維ストランドを積層して形成されることを特徴とする請求項6〜8のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項10】
前記連続繊維補強部材を平面状としたときは、幅が10〜500mmであり、前記連続繊維補強部材を円筒状としたときは、直径が3〜500mmとされることを特徴とする請求項6〜9のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項11】
前記取付孔部は、前記定着部が定着された前記第1のコンクリート部材から、前記第1のコンクリート部材と前記第2のコンクリート部材が連結された前記接合部へと延在して、又は、前記接合部に隣接した前記第2のコンクリート部材へと延在して穿設されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項12】
前記取付孔部に充填樹脂を充填し、その後、前記連続繊維補強部材の一側の取付部を、前記充填樹脂が充填された取付孔部に埋め込み、前記取付孔部に固着する、
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項13】
前記連続繊維補強部材の一側の取付部の先端部に細長棒材を取付け、前記棒材を前記充填樹脂が充填された取付孔部に押し込むことにより、前記連続繊維補強部材の取付部を前記棒材と共に前記充填樹脂が充填された取付孔部に埋め込み、前記前記取付孔部に固着する、
ことを特徴とする請求項12に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項14】
前記連続繊維補強部材は、断面が円形或いは矩形状とされる細長棒状体に賦形されているか、又は、
前記連続繊維補強部材は、前記取付部が断面が円形或いは矩形状とされる細長棒状体に賦形され、前記定着部が扇状に拡開している、
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項15】
前記連続繊維補強部材が細長棒状体に賦形されている場合は、前記第1のコンクリート部材には、前記取付孔部に隣接して前記連続繊維補強部材の定着部を受容する定着用溝を形成することを特徴とする請求項14に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項16】
前記第1のコンクリート部材に繊維シート補強材が貼付されている場合は、前記連続繊維補強部材は、前記定着部が扇状に拡開している連続繊維補強部材を使用して、前記扇状定着部が前記繊維シート補強材の上に重ねて定着されることを特徴とする請求項14に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項17】
前記含浸樹脂が硬化された前記連続繊維補強部材は、
前記取付部及び前記定着部の断面が円形或いは矩形状とされる細長棒状体に賦形されている場合には、前記細長棒状体は、直径が8〜50mmの円形状、又は、幅8〜30mm、厚さが5〜20mmの矩形状とされ、全体長さが250〜800mmとされ、
前記取付部の断面が円形或いは矩形状とされる細長棒状体に賦形され、前記定着部が扇状に拡開している場合は、扇幅が100〜400mm、扇長さが200〜400mmとされ、全体長さが300〜800mmとされる、
ことを特徴とする請求項14に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項18】
前記取付孔部は、直径が8〜50mmの円形状か又は縦幅及び横幅がそれぞれ8〜30mmの矩形状とされ、深さが100〜400mmとされ、前記第1のコンクリート部材の幅方向に沿って間隔100〜500mmにて形成されることを特徴とする請求項1〜17のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項19】
前記連続繊維補強部材に含浸される樹脂は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、又は、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂;ナイロン、ポリアミド、PEEKなどの熱可塑性樹脂;又は、熱可塑性エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項20】
前記含浸樹脂が硬化された前記連続繊維補強部材は、樹脂含浸硬化後の断面積が40〜2000mm

であることを特徴とする請求項1〜19のいずれかの項に記載のコンクリート構造物の曲げ補強方法。
【請求項21】
交差して配置された、補強対象部材としての第1のコンクリート部材と、前記第1のコンクリート部材と接合された第2のコンクリート部材とを有するコンクリート構造物において、前記第2のコンクリート部材との接合部に隣接した前記第1のコンクリート部材の基部を連続繊維補強部材を用いて曲げ補強を行うコンクリート構造物の曲げ補強構造であって、
一方向に並列に引き揃えられている20〜200本の連続繊維ストランドにて形成され、樹脂含浸された前記連続繊維補強部材の一側の取付部が前記第1のコンクリート部材の基部に隣接して形成した取付孔部に埋め込まれ、前記連続繊維補強部材の他側の定着部が前記第1のコンクリート部材に定着されており、
前記樹脂が硬化された前記連続繊維補強部材は、ヤング率が70〜720GPaであり、前記第1のコンクリート部材基部の曲げ補強を行うことを特徴とするコンクリート構造物の曲げ補強構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、連続した強化繊維を含む連続繊維補強部材を使用して、耐震補強のためにコンクリート構造物を補修補強(以後、単に「補強」という。)するコンクリート構造物の補強方法に関するものである。特に、本発明は、例えば地下に埋設して構築されたボックス型コンクリート構造物を構成するコンクリート部材の接合部におけるコンクリート部材基部の補強(曲げ剛性、曲げ耐力の増大)をなすコンクリート構造物の曲げ補強方法及び曲げ補強構造に関するものである。
続きを表示(約 5,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば、既存の鉄筋コンクリート橋脚においては、特許文献1に記載され、また、本願添付の図15(a)に示すように、一般に、橋脚200の躯体220の周囲を鋼板240により巻き立てて耐震補強を施すことが行われており、このとき、巻き立て鋼板240の下端部には、アングル241を溶接して一体とし、このアングル241をアンカー鉄筋242によりフーチング230に固定し、既設橋脚の曲げ耐力を向上させる耐震補強をなすことが行われている。また、特許文献1は、巻き立て鋼板240にアングル241を溶接するのではなく、本願添付の図15(b)に示すように、巻き立て鋼板240の下端部に発泡スチロールなどの緩衝材243を介してH型鋼244を設け、H型鋼をアンカー鉄筋245によりフーチング230に固定する耐震補強工法を教示している。
【0003】
また、特許文献2は、本願添付の図15(c)に示すように、既存のコンクリート柱220の外周部分に鉄筋246を配筋し、軸方向鉄筋の下端部をコンクリート基礎230に形成した定着孔231に配置し、その上に40〜70mmのモルタル層232を形成する橋脚の耐震補強工法を開示している。
【0004】
一方、既存或いは新設のコンクリート構造物の梁、桁などの補強方法においては、近年、構造物の表面に補強材として炭素繊維シートやアラミド繊維シートなどの繊維シートをエポキシ樹脂にて貼り付けたり、巻き付けたりする連続繊維シート接着工法が行われている。
【0005】
このとき、繊維シートをコンクリート構造物に貼り付けて補強する場合、繊維シートの端部の剥離を防止することが重要である。例えば、特許文献3においては、本願添付の図16(a)、(b)に示すように、定着用アンカーD1は、強化繊維fを束ねて接着剤、樹脂等で一体とした基端部側束部D1aと、強化繊維fを束ねることなく設けられた先端部側D1bとにて構成されている。この定着用アンカーD1は、梁210と柱220にて構成されるラーメン構造のコンクリート構造物において、基端部側束部D1aが梁210の端部に位置する柱220に斜交又は直交して形成された孔内に差し込まれ、孔内に接着剤等が充填されることによって柱220に定着される。このようにして定着された定着用アンカーD1の先端部側D1bの強化繊維fは、梁210の下面210aに沿わせて拡げられ、更に、その上に補強シートC1を被せ、次いで、定着用アンカーD1と補強シートC1とを接着剤によって接着することが記載されている。更に、定着用アンカーD1の先端部側D1bの強化繊維fと補強シートC1とが重なり合った部分に定着補強部材としての補強シートC2がさらに重ねて接着される。
【0006】
特許文献4、5には、本願添付の図17(a)に示すように、多数本の連続繊維ストランドを一方向に引き揃え、一端部或いは両端部に扇形状或いはラッパ形状の拡開部分10Paと、その他の部分に細幅或いは縮径部分10Pbを有する定着用アンカー10Pを示している。この定着用アンカー10Pは、図17(b)に示すように、柱220に近接した袖壁260の部分に形成された貫通孔に、定着用アンカー10Pを通し、貫通孔内に位置する中央部10Pbの両端部分10Paを扇状に成形して拡げ、柱220の左側外周面と右側外周面とに分断して貼り付けられた強化繊維シート50に樹脂を使用して貼り付け、分断された強化繊維シート50を連結する方法が記載されている。
【0007】
更に、特許文献6、7は、コンクリート床版などのコンクリート構造物において、床版表面に溝を形成し、この溝に繊維強化プラスチック製の補強筋又はロッドを配置し、樹脂モルタル又はエポキシパテなどにて一体に固着することが記載されている。
【0008】
また、特許文献8には、コンクリート構造物の表面に溝を形成し、この溝に多数本の連続強化繊維と未硬化の樹脂を有する可撓性の連続繊維補強部材を配置し、樹脂を硬化すると共に、固着剤にて切削溝内に定着することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第4055295号公報
特開2018−159204号公報
特許第3918310号公報
特許第4463657号公報
特開2010−24620号公報
特許第3877145号公報
特許第4084618号公報
特開2018−109268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1、2に記載のコンクリート構造物の耐震補強方法における、橋脚の躯体周囲を鋼板により巻き立てる工事、及び、巻き立て鋼板の下端部にアンカー鉄筋によりアングル等を設置する工事は、鋼板等の重量物を運搬し設置する必要があり、これらの工事には多くの施工時間及びコストを余儀なくする。また、これらの工法によると、断面積が増加するなど施工上の制約がある。
【0011】
また、上記特許文献3、4、5に記載の補強方法では、定着用アンカーは、補強用の繊維シートの接着の定着不足を解決するために使用されている。特許文献3、4、5に開示する補強方法は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の強化繊維をシート状に加工した補強シートを補強対象のコンクリート構造物に接着することにより梁、桁などの曲げ補強などをする補強方法であって、補強シート接着による補強は、補強対象コンクリート構造物の形状が一定の条件を満たす場合にその補強効果が得られる。つまり、補強対象物の形状が平面又はR(湾曲)形状であり、曲げ補強においては曲げモーメントが発生する範囲に対し補強シートが接着されている、即ち、定着長が確保できているといった条件が要求される。しかし、実際のコンクリート構造物では、一つのコンクリート部材の他のコンクリート部材に対する接合部における基部で最大曲げモーメントとなるが、構造上、この基部においては補強シートの端部定着長が確保できないか、或いは、極めて困難な場合がある。
【0012】
このように、特許文献3、4、5に記載の補強方法では、定着用アンカーは、繊維シートの端部剥離を防止するための機能を有しているに過ぎず、最大曲げモーメントを生じるコンクリート部材の接合部におけるコンクリート部材の基部の曲げ補強、即ち、曲げ剛性、曲げ耐力の増大をなすものではない。
【0013】
また、特許文献6、7に記載の補強方法では、補強材として炭素繊維に樹脂を含浸して硬化したロッド(棒材)を使用しており、実際に施工できる補強対象としては、床版下面など平坦な形状部分に限定される。最大曲げモーメントを生じるコンクリート部材の接合部における基部の曲げ補強をなすものではない。
【0014】
特許文献8に記載の補強方法は、上述したように、可撓性のドライの連続繊維補強部材に樹脂を含浸して切削溝に押し込んで設置する補強方法であるが、補強対象は平坦な床版や桁の平面部とされ、コンクリート部材の基部の曲げ補強をなすものではない。
【0015】
また、本発明者らは、多くの研究、実験を行った結果、上記特許文献4に記載する多数本の連続繊維ストランドを、編み組織の拘束糸と編み組織を結束する挿入糸により平帯状又は円筒状に保形された特異な構造の可撓性を有する定着用アンカーが有する形態安定性、取扱い容易性、及び、優れた施工性に着目し、下記事実を見出した。
【0016】
つまり、この定着用アンカー、即ち、連続繊維補強部材の連続強化繊維として、例えば炭素繊維を使用し、好ましくは、中弾性或いは高弾性の炭素繊維を使用し、この連続繊維補強部材の片側一部を、互いに交差して連結された第1、第2のコンクリート部材の接合部における第1のコンクリート部材の基部に隣接して埋め込んで固着し、残部を第1のコンクリート部材の補強対象領域に定着し、更に、連続繊維補強部材の樹脂含浸硬化後のヤング率(引張弾性率)が70〜720GPaとなるような特性とすることにより、最大曲げモーメントを生じるコンクリート部材の接合部におけるコンクリート部材基部の曲げ剛性、曲げ耐力を増大させることが可能となり、コンクリート部材の基部の曲げ補強を極めて好適になし得ることを見出した。
【0017】
本発明は、本発明者らの斯かる新規な知見に基づくものである。
【0018】
つまり、本発明の目的は、特異な構造及び物性を有した可撓性の連続繊維補強部材を用いて、最大曲げモーメントが生じるコンクリート部材の接合部におけるコンクリート部材基部の曲げ剛性、曲げ耐力を増大させ、基部の曲げ補強を極めて有効にしかも簡易な方法でなし得るコンクリート構造物の曲げ補強方法及び曲げ補強構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的は、本発明に係るコンクリート構造物の曲げ補強方法及び曲げ補強構造にて達成される。本発明の第一の態様によると、交差して配置された、補強対象部材としての第1のコンクリート部材と、前記第1のコンクリート部材と接合された第2のコンクリート部材とを有するコンクリート構造物において、前記第2のコンクリート部材との接合部に隣接した前記第1のコンクリート部材の基部を連続繊維補強部材を用いて曲げ補強を行うコンクリート構造物の曲げ補強方法であって、
前記連続繊維補強部材は、一方向に並列に引き揃えられている20〜200本の連続繊維ストランドであって、一側に取付部を、他側に定着部を形成するように賦形されており、
前記連続繊維補強部材に樹脂を含浸させ、
前記連続繊維補強部材の一側の取付部を、前記第1のコンクリート部材の基部に隣接して形成した取付孔部に埋め込み、前記連続繊維補強部材の他側の定着部を前記第1のコンクリート部材に定着し、
前記樹脂を硬化して前記第1のコンクリート部材基部の曲げ補強を行い、
前記樹脂が硬化された前記連続繊維補強部材は、ヤング率が70〜720GPaである、
ことを特徴とするコンクリート構造物の曲げ補強方法が提供される。
【0020】
本発明の一実施態様によれば、前記連続繊維ストランドは、繊維径が5〜20μmの連続した強化繊維を3000〜96000本一方向に収束した連続強化繊維束である。
【0021】
本発明の他の実施態様によれば、各前記連続繊維ストランドを構成する強化繊維の横断面積の総和が0.1〜5mm

であり、全長が250〜800mmである。
【0022】
本発明の他の実施態様によれば、前記連続繊維ストランドの強化繊維は、ヤング率が70〜720GPaである。
【0023】
本発明の他の実施態様によれば、前記強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維、又は、アラミド繊維などの有機繊維である。
【0024】
本発明の他の実施態様によれば、前記連続繊維補強部材は、
一方向に並列に引き揃えられている20〜200本の前記連続繊維ストランドと、拘束糸がループ状に縦方向に連続して鎖編み目を形成しながら編成されて作製された複数の縦方向の編み組織により形成された編み構造と、を有し、
各前記連続繊維ストランドを、前記編み構造における前記縦方向に連続的に編成された前記編み組織の前記鎖編み目を貫通して挿入し、そして、前記縦方向の編み組織に対して横方向に挿入された挿入糸で互いに隣接した前記編み組織を結束することによって、前記縦方向編み組織の中に挿入された各前記連続繊維ストランドは、各前記連続繊維ストランドが互いに0.1〜20mmだけ離間して形成されている。
【0025】
本発明の他の実施態様によれば、前記拘束糸及び前記挿入糸は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系の繊維、アラミド繊維などの有機繊維;チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維;を単独で、又は、複数種混入して作製される糸条である。
【0026】
本発明の他の実施態様によれば、前記挿入糸は、前記編み組織に対して一定のコース毎に振って編み込まれている。
【0027】
本発明の他の実施態様によれば、各前記連続繊維ストランドは、複数の連続繊維ストランドを積層して形成される。
【0028】
本発明の他の実施態様によれば、前記連続繊維補強部材を平面状としたときは、幅が10〜500mmであり、前記連続繊維補強部材を円筒状としたときは、直径が3〜500mmとされる。
【0029】
本発明の他の実施態様によれば、前記取付孔部は、前記定着部が定着された前記第1のコンクリート部材から、前記第1のコンクリート部材と前記第2のコンクリート部材が連結された前記接合部へと延在して、又は、前記接合部に隣接した前記第2のコンクリート部材へと延在して穿設されている。
【0030】
本発明の他の実施態様によれば、前記取付孔部に充填樹脂を充填し、その後、前記連続繊維補強部材の一側の取付部を、前記充填樹脂が充填された取付孔部に埋め込み、前記取付孔部に固着する。
(【0031】以降は省略されています)

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凸版印刷株式会社
撥液性構造体及びその製造方法並びに包装材及び剥離シート
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