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公開番号2021087025
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210603
出願番号2019212320
出願日20191125
発明の名称アンテナ部材
出願人日本電産株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01Q 13/06 20060101AFI20210507BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】アンテナ部材である薄い隔壁を有するホーン部の製造に於いて、ダイカスト成形の充填不良を低減した隔壁を提供する。
【解決手段】アンテナ部材10は、互いに直交する第1方向および第2方向と平行な平面に広がる板状部70と、第1方向の一方側に向かって広がって開口する第1ホーン11と、第2ホーン21とを有する。板状部70の第2方向の両端部には、第1オーバーフロー痕OA1および第2オーバーフロー痕OA2を有する。第1ホーン11は、第1方向の一方側の端面の、第1方向および第2方向と直交する第3方向のいずれか一方側には、第3オーバーフロー痕OA3を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
互いに直交する第1方向および第2方向と平行な平面に広がる板状部を有するアンテナ部材であって、
前記第1方向の一方側に向かって広がって開口するホーン部と、
前記板状部の前記第2方向の両端部に設けられた第1オーバーフロー痕および第2オーバーフロー痕と、
を有し、
前記ホーン部は、前記第1方向の一方側の端面の、前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向のいずれか一方側に設けられた第3オーバーフロー痕を有するアンテナ部材。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記板状部は、前記第3方向の一方側に位置する第1面から前記第3方向の他方側に窪みマイクロ波が伝送される導波路の一部を構成する溝を有し、
前記第3オーバーフロー痕は、前記第3方向の前記一方側の端面に設けられている、
請求項1に記載のアンテナ部材。
【請求項3】
前記ホーン部は、前記第3方向に離れた第1壁および第2壁と、
前記第3方向に延び前記第1壁および前記第2壁をつなぐ隔壁とを有し、
前記隔壁は、前記第2方向に隙間をあけて複数設けられている、
請求項2に記載のアンテナ部材。
【請求項4】
前記第1壁は、前記第3方向の一方側に位置し、
前記第1壁の前記第1方向の一方側の端面は、前記第3オーバーフロー痕を有し、
前記第1壁は、前記第3方向の外側から前記第2壁側に窪む凹部を有する、
請求項3に記載のアンテナ部材。
【請求項5】
前記第1壁が前記第1面と交差する角度は、前記第2壁が前記第1面と交差する角度よりも大きい、
請求項3または4に記載のアンテナ部材。
【請求項6】
前記隔壁の厚さは、前記第1壁の厚さおよび前記第2壁の厚さよりも薄い、
請求項3から5のいずれか一項に記載のアンテナ部材。
【請求項7】
前記隔壁の厚さは、0.6mm以上、1.5mm以下である、
請求項3から6のいずれか一項に記載のアンテナ部材。
【請求項8】
前記板状部は、前記第1方向の他方側の端部にゲート痕を有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテナ部材。
【請求項9】
金属素材により成形された成形体である、
請求項1から8のいずれか一項に記載のアンテナ部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ部材に関する。
続きを表示(約 5,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、市販の自動車用の衝突軽減、ならびに衝突防止制御のためのセンサー機器としてレーダー装置が急速に普及している。今後の高度安全機能として、従来から開発された車両の自動操舵機能の他、二輪車の運転者及び歩行者保護、並びに不可視領域に対する運転者支援(ドライバーサポート)が要求されている。自動車の安全装置機能の多様化に伴い、視野の広角化、検出距離の延長ならびに検出対象となる対象物の認識率の向上が求められる。
【0003】
一方で、レーダー装置は、設置の自由度、意匠性(デザイン性)、カメラセンサー機器との共用化の観点からモジュール化が推進されている。例えば、特許文献1では、車室内のフロントガラスの上部にレーダー装置とカメラセンサーとの複合装置を設置する方法が提案されている。
【0004】
上記のレーダー装置が有するアンテナ部材は、例えば、アルミニウム合金等の金属素材を用いてダイカスト成形することで製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2012−505115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アンテナ部材には、出力するレーダー波(高周波電磁波)を放射する送信用ホーン部と、検知対象物に反射したレーダー波を受信する受信用ホーン部とが設けられている。これらのホーン部は、末広がりに拡がる空洞部分が隔壁を介して設けられている。ホーン部数の増加およびアンテナ部材の小型化を図るためには隔壁を薄くする必要がある。
【0007】
金属素材を用いたダイカスト成形で薄い隔壁を成形する場合、例えば、隔壁の近くにオーバーフロー部を設けてキャビティ内のエア、金属素材の酸化物や残渣を排出することで金属素材の流動性低下を抑えることが行われている。ところが、オーバーフロー部に金属素材が流動することで、隔壁における充填圧が低下してしまい充填不良になる可能性がある。
【0008】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、充填不良を生じさせることなく薄い隔壁を成形可能なアンテナ部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1方向の一方側に向かって広がって開口するホーンアンテナ部の薄い隔壁を有するアンテナ部材を、金属素材を用いてダイカスト成形する際に、ホーンアンテナ部が広がって開口する端面において、オーバーフロー部を設けない場合は酸化物や残渣の影響で金属素材の流動性が低下する。上記端面において、アンテナ部材が広がる平面と直交する方向の両側にオーバーフロー部を設けた場合は両方のオーバーフロー部に金属素材が流動することにより隔壁における金属素材の充填圧が低下して充填不良になりやすくなる。上記端面において、アンテナ部材が広がる平面と直交する方向のいずれか一方側にオーバーフロー部を設けることにより、未充填になることなく隔壁をダイカスト成形できることを本発明に関わる発明者は見出した。
本発明に関わるアンテナ部材はその知見に基づくものであり、隔壁の未充填を抑制することで製造時の歩留まりを改善して製造コストを低減できる。
【0010】
上記の知見に基づく本発明の第1の態様によれば、互いに直交する第1方向および第2方向と平行な平面に広がる板状部を有するアンテナ部材であって、前記第1方向の一方側に向かって広がって開口するホーン部と、前記板状部の前記第2方向の両端部に設けられた第1オーバーフロー痕および第2オーバーフロー痕と、を有し、前記ホーン部は、前記第1方向の一方側の端面の、前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向のいずれか一方側に設けられた第3オーバーフロー痕を有するアンテナ部材が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一つの態様によれば、充填不良を生じさせることなく薄い隔壁を成形可能なアンテナ部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1は、本実施形態に係るアンテナ部材10の外観構成を示す斜視図である。
図2は、第1ホーン11を含みX軸と直交する断面図である。
図3は、第2ホーン21を含みX軸と直交する断面図である。
図4は、図1におけるA−A線視断面図である。
図5は、図1におけるB−B線視断面図である。
図6は、中間素材10Aを示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るアンテナ部材について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0014】
〔アンテナ部材〕
本発明に係るアンテナ部材について説明する。
図1は、本実施形態に係るアンテナ部材10の外観構成を示す斜視図である。
アンテナ部材10は、例えばマイクロ波を送受信可能なレーダー装置の一部を構成する。アンテナ部材10は、第1導波路(導波路)8および第2導波路(導波路)9のそれぞれ一部を構成する。
【0015】
アンテナ部材10は、平面視矩形の板状部70、第1ホーン(ホーン部)11及び第2ホーン(ホーン部)21を備えている。レーダー装置は、出力するレーダー波(高周波電磁波)を第2導波路9で伝送しアンテナ部材10の第2ホーン21から放射する。レーダー装置は、検知対象物に反射したレーダー波を第1ホーン11において受け、第1導波路8で伝送して受信する。
【0016】
なお、以下の説明においては、第1ホーン11および第2ホーン21が並ぶ方向をX方向(第2方向)とし、アンテナ部材10の上面10aの法線方向をZ方向(第3方向)とし、X方向およびZ方向と直交する方向をY方向(第1方向)とする。Y方向は、アンテナ部材10により、レーダー波が送信される方向である。上記の方向は、レーダー装置が、例えば、車載された際の向きを必ずしも表すとは限らない。
【0017】
図1に示すように、アンテナ部材10は、板状部70の+Y側の縁部に、X方向に隣り合って並んで幅方向に列を成す5つの第1ホーン11と、第1ホーン11の列の左右の端にそれぞれ位置する2つの第2ホーン21とを有する。5つの第1ホーン11及び2つの第2ホーン21は、全て同じ方向を向いている。すなわち、第1ホーン11の内の一つが向く方位を前方とするとき、他の第1ホーン11及び第2ホーン21が向く方位も前方である。アンテナ部材10は、例えば、アルミニウム合金からなり、ダイカスト成形により製造されている。アンテナ部材10は、金属素材により成形された成形体である。
【0018】
なお、通常、ホーンとは、末広がりに拡がる筒状の部材を指すが、本実施形態においては、電波が伝達される空洞部分を指してホーンと称する。本実施形態では、第1ホーン11および第2ホーン21として、特に角錐型ホーン(pyramidal horn)を利用する。
【0019】
第1ホーン11は、レーダー波受信用のアンテナの一部として機能する。
図2は、第1ホーン11を含みX軸と直交する断面図である。
図2に示されるように、第1ホーン11は、基部12からアパチャ(開口部)13に掛けて徐々に広がる角錐形状を有する角錐型のホーンである。
【0020】
第2ホーン21は、レーダー波送信用のアンテナの一部として機能する。
図3は、第2ホーン21を含みX軸と直交する断面図である。
図3に示すように、第2ホーン21は、第1ホーン11の並ぶX方向の両側にそれぞれに位置する。左右それぞれに位置する第2ホーン21を区別して説明する場合には、第1ホーン11の列の右側(+X側)に位置するホーンを右端ホーン21Rとし、左側(−X側)に位置するホーンを左端ホーン21Lとする。
【0021】
図4は、図1におけるA−A線視断面図である。図5は、図1におけるB−B線視断面図である。
図4に示すように、第1ホーン11は、第1壁31、第2壁32および隔壁33を有している。第1壁31と第2壁32とは、Z方向に離れて配置されている。第1壁31は、第2壁32よりも+Z側に位置する。第1壁31が上面10aと交差する角度は、第2壁32が上面10aと交差する角度よりも大きい。
【0022】
アンテナ部材10をダイカスト成形するための金型において、キャビティにおける排出するためのオーバーフロー部が第2壁32に設けられておらず第1壁31に設けられている場合、キャビティを−Y側から板状部70に沿って流動する金属素材は、第2壁32よりも第1壁31に多く流動しやすい。さらに、第1壁31が上面10aと交差する角度が、第2壁32が上面10aと交差する角度よりも小さいと、金属素材は流動抵抗が大きい第2壁32よりも流動抵抗が小さい第1壁31に多く流動しやすいため、第2壁32に接する側の隔壁33に充填不良が生じやすくなる。
【0023】
図2に示すように、本実施形態では、第1壁31が上面10aと交差する角度を、第2壁32が上面10aと交差する角度よりも大きくすることにより、オーバーフロー部が第1壁31に設けられている場合でも、流動抵抗が小さい第2壁32に金属素材が多く流動しやすくなる。その結果、本実施形態では、第1壁31および第2壁32の双方に金属素材が流動しやすくなり、第1壁31および第2壁32に接する隔壁33に充填不良が生じることを抑制できる。
【0024】
隔壁33は、Z方向に延びている。隔壁33の+Z側の端部は、第1壁31に接する。隔壁33の−Z側の端部は、第2壁32に接する。隔壁33は、第1壁31と第2壁32とをつないでいる。隔壁33は、X方向に一定の間隔をあけて4つ設けられている。図5に示すように、4つの隔壁33の厚さは、−Y側に向かって広がっている。第1ホーン11の+Y側の端面11aにおける隔壁33の最小厚さは、第1壁31の厚さおよび第2壁32の厚さよりも薄い。隔壁33の最小厚さとしては、一例として、0.6mm以上、1.5mm以下である。
【0025】
第2ホーン21は、第3壁41、第4壁42、第2隔壁43および外壁44を有している。第3壁41と第4壁42とは、Z方向に離れて配置されている。第3壁41は、第4壁42よりも+Z側に位置する。第2隔壁43および外壁44は、Z方向に延びている。第2隔壁43は、外壁44のX方向内側に位置する。第2隔壁43および外壁44の+Z側の端部は、第3壁41に接する。第2隔壁43および外壁44の−Z側の端部は、第4壁42に接する。第2隔壁43および外壁44は、第3壁41と第4壁42とをつないでいる。図5に示すように、第2隔壁43と外壁44とは、−Y側に向かって互いに接近している。
【0026】
X方向の中央側3つの第1ホーン11は、第1壁31、第2壁32および隔壁33に囲まれている。他の2つの第1ホーン11は、第1壁31、第2壁32および第2隔壁43に囲まれている。第2ホーン21は、第3壁41、第4壁42、第2隔壁43および外壁44に囲まれている。
【0027】
5つの第1ホーン11の各アパチャ13は、+Y側の同一端面11aに配置される。5つの第1ホーン11のアパチャ13はそれぞれ同一の形状を有している。すなわち、5つの第1ホーン11のアパチャ13は、それぞれ同一のZ方向の高さと、それぞれ同一のX方向の幅とを有している。5つの第1ホーン11は、Z方向の高さがX方向の幅よりも大きい縦長矩形の横断面形状を有している。
【0028】
第1ホーン11は、X方向に5つ設けられており、互いに補完することでレーダー波の受信性能を高めている。なお、第1ホーン11の数は、5つに限られず1つ以上であれば良い。また、第1ホーン11の数は、3つ以上とすることが好ましく、これにより、受信性能を確保できる。
【0029】
図2に示すように、第1壁31は、+Z側から第2壁32側である−Z側に窪む凹部34を有している。凹部34は、+Z側から視て矩形状である。凹部34の+Y側の端部は、端面11aよりも−Y側に位置する。凹部34の−Y側の端部は、第1ホーン11の−Y側の端部よりも+Y側に位置する。図4に示すように、凹部34の+X側の端部は、最も+X側に位置する第1ホーン11の+X側の端部よりも−X側に位置する。凹部34の−X側の端部は、最も−X側に位置する第1ホーン11の−X側の端部よりも+X側に位置する。
【0030】
図2および図4に示すように、凹部34の底部と第1ホーン11との最短距離は、隔壁33の最小厚さとほぼ同じである。
アンテナ部材10をダイカスト成形するための金型において、キャビティを凹部34よりも−Y側から流動する金属素材は、凹部34を成形する凸型の存在によりキャビティの断面積が小さくなる。その結果、キャビティを流動する金属素材の流速が凸型の位置において増加し、隔壁33を充填させやすくすることができる。
(【0031】以降は省略されています)

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