TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
公開番号2021081189
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210527
出願番号2018016159
出願日20180201
発明の名称欠陥検知方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 29/07 20060101AFI20210430BHJP(測定;試験)
要約【課題】簡素な構造の超音波プローブを用いて超音波プローブと検査対象との接触状態の高精度な判定と欠陥の検知との双方が可能な欠陥検知方法を提供すること。
【解決手段】欠陥検知方法であって、超音波プローブ(1)として、送信振動子(10)と、受信振動子(20)と、検査対象(T)の音速よりも小さな音速を有する吸収部(30)と、くさび(40)と、を備えるものを準備する準備工程と、非接触状態において超音波が吸収部(30)の下面を経由して受信振動子(20)で受信された際の参照信号と、超音波が吸収部(30)の下面と検査対象(T)との境界を経由して受信振動子(20)で受信された際の表面ノイズと、を比較することによってくさび(40)と検査対象(T)とが接触しているか否かを判定する判定工程と、探傷信号に基づいて検査対象(T)に存在する欠陥を検知する検知工程と、を備えること。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超音波プローブを用いて検査対象に存在する欠陥を検知する欠陥検知方法であって、
前記超音波プローブとして、
超音波を送信する送信振動子と、
超音波を受信する受信振動子と、
超音波を吸収する吸収部であって前記検査対象の音速よりも小さな音速を有するものと、
前記送信振動子、前記受信振動子及び前記吸収部を保持するくさびと、を備え、
前記くさびは、
前記送信振動子から送信された超音波が前記検査対象の内部に入射する角度で当該送信振動子を保持する第1保持部と、
前記送信振動子から送信された超音波が前記検査対象の内部領域に存在する欠陥で反射することにより生成された反射超音波を前記受信振動子が受信可能な角度で当該受信振動子を保持する第2保持部と、
前記第1保持部と前記第2保持部との間で前記吸収部を保持する吸収部保持部と、を有するものを準備する準備工程と、
前記くさびの底面が前記検査対象から離間した状態である非接触状態において前記送信振動子から送信された超音波が前記吸収部の下面を経由して前記受信振動子で受信された際に生成される信号であって予め取得された参照信号と、前記送信振動子から送信された超音波が前記吸収部の下面と前記検査対象との境界を経由して前記受信振動子で受信された際に生成される信号である表面ノイズと、を比較することによって前記くさびと前記検査対象とが接触しているか否かを判定する判定工程と、
前記受信振動子が前記反射超音波を受信した際に生成される探傷信号に基づいて前記検査対象に存在する欠陥を検知する検知工程と、を備える、欠陥検知方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の欠陥検知方法において、
前記準備工程で準備される前記吸収部の厚さは、前記送信振動子から送信された超音波の半波長の偶数倍ではない寸法に設定されている、欠陥検知方法。
【請求項3】
請求項2に記載の欠陥検知方法において、
前記送信振動子から送信された超音波の波長をλとし、前記吸収部の厚さをWとすると、前記準備工程で準備される前記吸収部の厚さは、以下の式の関係を満たす範囲の寸法に設定され、
1/2λ(2n+1)−1/4λ≦W≦1/2λ(2n+1)+1/4λ (ただし、n=0,1,2…)
前記判定工程では、前記表面ノイズと前記参照信号との差が設定値以上であるときに前記くさびと前記検査対象とが接触していると判定する、欠陥検知方法。
【請求項4】
請求項3に記載の欠陥検知方法において、
前記検知工程では、前記表面ノイズと前記参照信号との和に基づいて前記検査対象に存在する欠陥を検知する、欠陥検知方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の欠陥検知方法において、
前記準備工程で準備される前記吸収部は、前記送信振動子から送信された超音波のうち高周波成分を吸収する部材からなり、
前記判定工程では、前記表面ノイズをローパスフィルタでフィルタリングすることにより得られる信号に基づいて前記くさびと前記検査対象とが接触しているか否かを判定し、
前記検知工程では、前記受信振動子で受信された探傷信号をハイパスフィルタでフィルタリングすることにより得られる信号に基づいて前記検査対象に存在する欠陥を検知する、欠陥検知方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の欠陥検知方法において、
前記判定工程では、前記参照信号の正成分及び前記表面ノイズの正成分のみを検出し、前記表面ノイズの正のピーク値の受信時間と前記参照信号の正のピーク値の受信時間との差が所定時間以上であるときに前記くさびと前記検査対象とが接触している判定する、欠陥検知方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の欠陥検知方法において、
前記判定工程では、前記参照信号の負成分及び前記表面ノイズの負成分のみを検出し、前記表面ノイズの負のピーク値の受信時間と前記参照信号の負のピーク値の受信時間との差が所定時間以上であるときに前記くさびと前記検査対象とが接触している判定する、欠陥検知方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象の欠陥を検査する超音波プローブに関するものである。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、非破壊で鋼材等の検査対象の欠陥を検査する方法として、超音波プローブを用いた検査方法が知られている。この検査では、超音波プローブと検査対象とが良好に接触していることが求められる。例えば、特許文献1では、検査対象(鋼管や鋼板等)に存在する欠陥を検知するためのSH波振動子に加え、検査対象に接触していることを判断するための接触検知振動子を備えた複合探触子が開示されている。この複合探触子では、接触検知振動子から送信された接触探知超音波ビームにより、検査対象に接触しているか否かを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008−232622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される複合探触子では、当該複合探触子が検査対象に接触していることの厳密な判断が困難である。具体的に、この複合探触子では、接触検知振動子によって当該複合探触子が検査対象に接触していると判断された場合であっても、それは、当該複合探触子のうち接触検知振動子により送信される超音波が伝播する部位と検査対象とが接触していることを示すものであって、複合探触子のうちSH波振動子により送信される超音波が検査対象に入射する部位と検査対象とが接触していることを示すものではない。
【0005】
また、この複合探触子では、欠陥を検知するための振動子に加えて接触状態を検知するための振動子を備える必要があるので、探触子の構造が複雑になる。
【0006】
本発明の目的は、簡素な構造の超音波プローブを用いて超音波プローブと検査対象との接触状態の高精度な判定と欠陥の検知との双方が可能な欠陥検知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明者らは、いわゆる二振動子垂直プローブでの欠陥の検査時に生じる表面ノイズに着目した。表面ノイズは、吸収部(コルクやゴム等からなる超音波を吸収する部材)を挟んだ位置に配置された送信振動子と受信振動子とを結ぶ最短距離を伝播した超音波が受信振動子で受信された際に生成される信号、つまり、送信振動子から送信された超音波が吸収部の下面と検査対象との境界を経由して受信振動子で受信された際に生成される信号を意味する。この表面ノイズは、送信振動子から送信された超音波が検査対象の欠陥で反射することにより生じた超音波が受信振動子で受信された際に生成される信号である探傷信号とは別の信号として検出される。
【0008】
そして、本発明者らは、超音波プローブと検査対象とが接触している場合、前記最短距離を伝播する超音波のうち吸収部と検査対象との境界を伝播する超音波については、吸収部の音速よりも検査対象の音速の方が大きいために吸収部の下面ではなく検査対象の表面を伝播する成分が主となるため、前記境界での伝播速度が大きくなる一方、超音波プローブが検査対象から離間している場合、前記最短距離を伝播する超音波は、吸収部の下面を伝播するために伝播速度が小さくなること、つまり、超音波プローブが検査対象に接触しているか否かによって最短距離を伝播した超音波(表面ノイズ)が受信振動子で受信されるまでの時間に差が生じること、及び、その差に基づいて接触状態を判定可能であること、に想到した。
【0009】
本発明は、このような観点に基づいてなされたものである。具体的に、本発明は、超音波プローブを用いて検査対象に存在する欠陥を検知する欠陥検知方法であって、前記超音波プローブとして、超音波を送信する送信振動子と、超音波を受信する受信振動子と、超音波を吸収する吸収部であって前記検査対象の音速よりも小さな音速を有するものと、前記送信振動子、前記受信振動子及び前記吸収部を保持するくさびと、を備え、前記くさびは、前記送信振動子から送信された超音波が前記検査対象の内部に入射する角度で当該送信振動子を保持する第1保持部と、前記送信振動子から送信された超音波が前記検査対象の内部領域に存在する欠陥で反射することにより生成された反射超音波を前記受信振動子が受信可能な角度で当該受信振動子を保持する第2保持部と、前記第1保持部と前記第2保持部との間で前記吸収部を保持する吸収部保持部と、を有するものを準備する準備工程と、前記くさびの底面が前記検査対象から離間した状態である非接触状態において前記送信振動子から送信された超音波が前記吸収部の下面を経由して前記受信振動子で受信された際に生成される信号であって予め取得された参照信号と、前記送信振動子から送信された超音波が前記吸収部の下面と前記検査対象との境界を経由して前記受信振動子で受信された際に生成される信号である表面ノイズと、を比較することによって前記くさびと前記検査対象とが接触しているか否かを判定する判定工程と、前記受信振動子が前記反射超音波を受信した際に生成される探傷信号に基づいて前記検査対象に存在する欠陥を検知する検知工程と、を備える、欠陥検知方法を提供する。
【0010】
本欠陥検知方法では、簡素な構造のいわゆる二振動子垂直プローブを用いて、当該プローブと検査対象との接触状態の高精度な判定と検査対象に存在する欠陥の検知との双方を達成することが可能となる。具体的に、非接触状態のときに吸収部の下面を伝播する超音波の伝播速度よりも、接触状態(くさびが検査対象に接触した状態)のときに吸収部と検査対象との境界を伝播する超音波の伝播速度の方が大きいので、判定工程では、表面ノイズの受信時間が参照信号の受信時間よりも短い場合に、超音波プローブが検査対象に接触していると判定することが可能となる。
【0011】
また、前記準備工程で準備される前記吸収部の厚さは、前記送信振動子から送信された超音波の半波長の偶数倍ではない寸法に設定されていることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、接触状態での表面ノイズが非接触状態での参照信号に重ならないので、判定工程において、超音波プローブと検査対象とが接触しているか否かをより明確に判定することが可能となる。
【0013】
さらに、前記送信振動子から送信された超音波の波長をλとし、前記吸収部の厚さをWとすると、前記準備工程で準備される前記吸収部の厚さは、以下の式の関係を満たす範囲の寸法に設定され、
1/2λ(2n+1)−1/4λ≦W≦1/2λ(2n+1)+1/4λ (ただし、n=0,1,2…)
前記判定工程では、前記表面ノイズと前記参照信号との差が設定値以上であるときに前記くさびと前記検査対象とが接触していると判定してもよい。
【0014】
吸収部の厚さが上記関係式を満たす範囲で設定されることにより、表面ノイズと参照信号とが概ね半波長分ずれることになる。よって、表面ノイズと参照信号との差を取得することにより、くさびと検査対象とが接触しているか否かを明確に判定することが可能となる。
【0015】
また、前記検知工程では、前記表面ノイズと前記参照信号との和に基づいて前記検査対象に存在する欠陥を検知することが好ましい。
【0016】
このようにすれば、検知工程において欠陥の有無を明確に検知することができる。具体的に、表面ノイズと参照信号とが概ね半波長分ずれているため、表面ノイズと参照信号との和を取得することにより、表面ノイズが概ねキャンセルされ、欠陥に起因する探傷信号のSN比が向上する。よって、検知工程において、明確に欠陥を検知することが可能となる。
【0017】
また、前記欠陥検知方法において、前記準備工程で準備される前記吸収部は、前記送信振動子から送信された超音波のうち高周波成分を吸収する部材からなり、前記判定工程では、前記表面ノイズをローパスフィルタでフィルタリングすることにより得られる信号に基づいて前記くさびと前記検査対象とが接触しているか否かを判定し、前記検知工程では、前記受信振動子で受信された探傷信号をハイパスフィルタでフィルタリングすることにより得られる信号に基づいて前記検査対象に存在する欠陥を検知してもよい。
【0018】
この態様では、吸収部としてコルクやゴム等からなる部材を用いることにより、くさびが検査対象に接触しているか否かの判定に用いる信号(表面ノイズ)と欠陥の検知に用いる探傷信号とが明確に区別される状態で取得される。具体的に、表面ノイズのうちの高周波成分は、吸収部の下面を伝播する際に吸収部に吸収されているので、このノイズがローパスフィルタでフィルタリングされることにより、表面ノイズとして低周波成分を主とする信号が取得される。一方、検査対象に存在する欠陥に起因する探傷信号は、ハイパスフィルタでフィルタリングされることによって高周波成分を主とする信号となる。よって、表面ノイズと探傷信号とが明確に区別可能な状態で取得され、また、表面ノイズに起因する探傷信号のSN比の低下が抑制される。
【0019】
また、前記欠陥検知方法において、前記判定工程では、前記参照信号の正成分及び前記表面ノイズの正成分のみを検出し、前記表面ノイズの正のピーク値の受信時間と前記参照信号の正のピーク値の受信時間との差が所定時間以上であるときに前記くさびと前記検査対象とが接触している判定してもよい。
【0020】
この態様では、超音波プローブと検査対象とが接触しているか否かをより明確に判定することが可能となる。
【0021】
あるいは、前記欠陥検知方法において、前記判定工程では、前記参照信号の負成分及び前記表面ノイズの負成分のみを検出し、前記表面ノイズの負のピーク値の受信時間と前記参照信号の負のピーク値の受信時間との差が所定時間以上であるときに前記くさびと前記検査対象とが接触している判定してもよい。
【0022】
この態様においても、超音波プローブと検査対象とが接触しているか否かをより明確に判定することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、簡素な構造の超音波プローブを用いて超音波プローブと検査対象との接触状態の高精度な判定と欠陥の検知との双方が可能な欠陥検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の一実施形態の欠陥検知方法の概要を示す図である。
図1に示される超音波プローブが検査対象から離間した状態の超音波の伝播経路の概要を示す図である。
表面ノイズを含む信号と参照信号との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態の超音波プローブ1を用いた欠陥検知方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。以下、まず、超音波プローブ1について説明し、その後、その超音波プローブ1を用いた欠陥検知方法について説明する。
【0026】
本欠陥検知方法で用いる超音波プローブ1は、いわゆる二振動子垂直プローブ、すなわち、鋼材等の検査対象Tの表面ないしその近傍の領域よりも深い領域に存在する欠陥fを検査可能なプローブである。具体的に、この超音波プローブ1は、図1に示されるように、送信振動子10と、受信振動子20と、吸収部30と、くさび40と、を備えている。
【0027】
送信振動子10は、超音波を送信する。受信振動子20は、超音波を受信するとともに、その超音波に対応した信号を生成する。この信号は、ケーブルを介して図示略の探傷装置に送られる。
【0028】
吸収部30は、超音波を吸収する。本実施形態では、吸収部30は、高周波成分を吸収する部材(コルクやゴム等)からなる。吸収部30の厚さ(送信振動子10と受信振動子20とを結ぶ方向(図1の左右方向)における吸収部30の寸法)Wは、送信振動子10から送信された超音波の半波長の偶数倍ではない寸法に設定されている。この厚さWは、送信振動子10から送信される超音波の波長をλとすると、以下の式の関係を満たす範囲の寸法に設定されることが好ましい。
【0029】
1/2λ(2n+1)−1/4λ≦W≦1/2λ(2n+1)+1/4λ (ただし、n=0,1,2…)
【0030】
本実施形態では、吸収部30の厚さWは、送信振動子10から送信される超音波の半波長1/2λの奇数倍に設定されている。
(【0031】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社神戸製鋼所
圧縮機
株式会社神戸製鋼所
嵌合構造
株式会社神戸製鋼所
車体構造
株式会社神戸製鋼所
圧延方法
株式会社神戸製鋼所
発電装置
株式会社神戸製鋼所
構造部材
株式会社神戸製鋼所
高強度鋼板
株式会社神戸製鋼所
熱回収装置
株式会社神戸製鋼所
欠陥検知方法
株式会社神戸製鋼所
電気集塵装置
株式会社神戸製鋼所
溶鋼の製造方法
株式会社神戸製鋼所
液化ガス気化器
株式会社神戸製鋼所
部材の接合方法
株式会社神戸製鋼所
厚鋼板冷却方法
株式会社神戸製鋼所
膨張機評価装置
株式会社神戸製鋼所
圧縮機ユニット
株式会社神戸製鋼所
溶鋼の製造方法
株式会社神戸製鋼所
相互作用システム
株式会社神戸製鋼所
車両用サイドドア
株式会社神戸製鋼所
水素透過試験装置
株式会社神戸製鋼所
ラビリンスシール
株式会社神戸製鋼所
相互作用システム
株式会社神戸製鋼所
スポット溶接方法
株式会社神戸製鋼所
構造部材及び構造体
株式会社神戸製鋼所
有価元素の回収方法
株式会社神戸製鋼所
接合方法及び接合体
株式会社神戸製鋼所
鋼材の温度予測方法
株式会社神戸製鋼所
鉄鋼スラグの処理方法
株式会社神戸製鋼所
検査方法及び検査装置
株式会社神戸製鋼所
圧縮空気貯蔵発電装置
株式会社神戸製鋼所
スラブの連続鋳造方法
株式会社神戸製鋼所
基板表面欠陥検査方法
株式会社神戸製鋼所
異材接合用アーク溶接法
株式会社神戸製鋼所
バッテリー収容ユニット
株式会社神戸製鋼所
バイナリー発電システム
株式会社神戸製鋼所
圧延機の通板ガイド装置
続きを見る