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公開番号2021080967
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210527
出願番号2019207121
出願日20191115
発明の名称動力装置
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16H 1/28 20060101AFI20210430BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】小型かつ冷却性能を向上した動力装置を提供する。
【解決手段】動力装置1は、電動機3と、変速機4と、差動装置5と、電動機3、変速機4及び差動装置5を収容するハウジング2と、を備える。変速機4は、電動機3と機械的に接続される第一ギヤ41と、第一ギヤ41と同一の回転軸心を有し、差動装置5の差動ケース61と機械的に接続される第二ギヤ42と、第一ギヤ41及び第二ギヤ42と噛み合うカウンターギヤ43と、カウンターギヤ43を自転可能に支持するカウンターギヤホルダ44と、を備える。ハウジング2は、液状媒体を貯留する貯留部26を有し、第二ギヤ42は、一部が貯留部26に位置しており、電動機3の回転軸31は、第二ギヤ42により掻き上げられた液状媒体を回転軸心の軸方向に沿って変速機4と反対側へ供給する供給路34を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機と、
前記電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達経路上に配置される変速機と、
前記変速機で変速された出力を前記左車輪と前記右車輪とに分配する差動装置と、
前記電動機、前記変速機及び前記差動装置を収容するハウジングと、
を備え、
前記変速機は、
前記電動機と機械的に接続される第一ギヤと、
前記第一ギヤと同一の回転軸心を有し、前記差動装置の差動ケースと機械的に接続される第二ギヤと、
前記第一ギヤ及び前記第二ギヤと噛み合うカウンターギヤと、
前記カウンターギヤを自転可能に支持するカウンターギヤホルダと、
を備え、
前記ハウジングは、液状媒体を貯留する貯留部を有し、
前記第二ギヤは、一部が前記貯留部に位置しており、
前記電動機の回転軸は、前記第二ギヤにより掻き上げられた前記液状媒体を前記回転軸心の軸方向に沿って前記変速機と反対側へ供給する供給路を有することを特徴とする動力装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機と、
前記電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達経路上に配置される変速機と、
前記変速機で変速された出力を前記左車輪と前記右車輪とに分配する差動装置と、
前記電動機、前記変速機及び前記差動装置を収容するハウジングと、
を備え、
前記変速機は、
前記電動機と機械的に接続される第一ギヤと、
前記第一ギヤと同一の回転軸心を有し、前記差動装置の差動ケースと機械的に接続される第二ギヤと、
前記第一ギヤ及び前記第二ギヤと噛み合うカウンターギヤと、
を備え、
前記ハウジングは、液状媒体を貯留する貯留部を有し、
前記第二ギヤは、一部が前記貯留部に位置しており、
前記カウンターギヤは、前記回転軸心の軸方向に沿って前記カウンターギヤを貫通するとともに、前記第二ギヤにより掻き上げられた前記液状媒体を前記電動機側へ流通させる貫通孔を有することを特徴とする動力装置。
【請求項3】
車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機と、
前記電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達経路上に配置される変速機と、
前記変速機で変速された出力を前記左車輪と前記右車輪とに分配する差動装置と、
前記電動機、前記変速機及び前記差動装置を収容するハウジングと、
を備え、
前記変速機は、
前記電動機と機械的に接続される第一ギヤと、
前記第一ギヤと同一の回転軸心を有し、前記差動装置の差動ケースと機械的に接続される第二ギヤと、
前記第一ギヤ及び前記第二ギヤと噛み合うカウンターギヤと、
前記カウンターギヤを自転可能に支持するカウンターギヤホルダと、
を備え、
前記ハウジングは、液状媒体を貯留する貯留部を有し、
前記第二ギヤは、一部が前記貯留部に位置しており、
前記電動機の回転軸は、前記第二ギヤにより掻き上げられた前記液状媒体を前記変速機と反対側へ供給する供給路を有し、
前記カウンターギヤは、前記回転軸心の軸方向に沿って前記カウンターギヤを貫通するとともに、前記第二ギヤにより掻き上げられた前記液状媒体を前記回転軸心の軸方向に沿って前記電動機側へ流通させる貫通孔を有することを特徴とする動力装置。
【請求項4】
前記カウンターギヤホルダは、前記供給路に供給される前記液状媒体を貯留するホルダ貯留部を有することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の動力装置。
【請求項5】
前記供給路は、前記回転軸に形成された螺旋状の溝であることを特徴とする請求項1、請求項3又は請求項4に記載の動力装置。
【請求項6】
前記供給路は、
前記変速機側に位置する入口部と、
前記入口部より前記変速機と反対側に位置する出口部と、
前記入口部と前記出口部とを連結し、前記回転軸の正転方向において前記入口部が前記出口部に対して進角方向となるように形成された通流部と、
を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の動力装置。
【請求項7】
前記供給路は、
前記変速機側に位置する入口部と、
前記入口部より前記変速機と反対側に位置する出口部と、
前記入口部と前記出口部とを連結し、少なくとも螺旋の巻き方向が互いに異なる2個の通流部と、
を有することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の動力装置。
【請求項8】
前記電動機は、ステータに装着されたコイルを有し、
前記コイルは、
前記ステータから前記軸方向の前記変速機側に突出し、前記コイルの端部が位置するオープン側コイルエンドと、
前記ステータから前記軸方向の前記変速機と反対側に突出し、前記コイルの屈曲部が位置するクローズド側コイルエンドと、
を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の動力装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記軸方向の前記電動機と対応する位置において、冷却水が流通する冷却部を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の動力装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、動力装置に関するものである。
続きを表示(約 8,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、変速機と電動機とが一体となった動力装置の構成が知られている。これらの動力装置では、変速機の潤滑油を電動機の冷却油として利用することにより、電動機を冷却する技術が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、電動機と、電動機の軸線方向の一方に設けられる変速機と、電動機の軸線方向の他方に設けられる被潤滑部材と、電動機の上方に設けられ、軸線方向に延在するとともに軸線方向の変速機側から反対側へ向けて潤滑液を輸送する潤滑液輸送管と、を備えた動力装置の構成が開示されている。潤滑液輸送管は、電動機及び変速機を収容するハウジングと、電動機と、の間に設けられ、潤滑液輸送管には、オイルポンプにより供給された潤滑液が流通する。特許文献1に記載の技術によれば、電動機のコイルエンドを冷却するための潤滑液輸送管を利用して被潤滑部材に潤滑液が供給されるので、被潤滑部材を潤滑するための新たな潤滑構造を設けることなく被潤滑部材に潤滑液を供給できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5136688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、ハウジングと電動機との間に潤滑液輸送管が設けられるので、ハウジングが大型化するおそれがあった。また、潤滑液輸送管に潤滑液を供給するためのオイルポンプが必要であるため、電動機全体の構成が大型化するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、小型かつ冷却性能を向上した動力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る動力装置(例えば、第1実施形態における動力装置1)は、車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機(例えば、第1実施形態における電動機3)と、前記電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達経路上に配置される変速機(例えば、第1実施形態における変速機4)と、前記変速機で変速された出力を前記左車輪と前記右車輪とに分配する差動装置(例えば、第1実施形態における差動装置5)と、前記電動機、前記変速機及び前記差動装置を収容するハウジング(例えば、第1実施形態におけるハウジング2)と、を備え、前記変速機は、前記電動機と機械的に接続される第一ギヤ(例えば、第1実施形態における第一ギヤ41)と、前記第一ギヤと同一の回転軸心を有し、前記差動装置の差動ケース(例えば、第1実施形態における差動ケース61)と機械的に接続される第二ギヤ(例えば、第1実施形態における第二ギヤ42)と、前記第一ギヤ及び前記第二ギヤと噛み合うカウンターギヤ(例えば、第1実施形態におけるカウンターギヤ43)と、前記カウンターギヤを自転可能に支持するカウンターギヤホルダ(例えば、第1実施形態におけるカウンターギヤホルダ44)と、を備え、前記ハウジングは、液状媒体(例えば、第1実施形態における液状媒体S)を貯留する貯留部(例えば、第1実施形態における貯留部26)を有し、前記第二ギヤは、一部が前記貯留部に位置しており、前記電動機の回転軸(例えば、第1実施形態における回転軸31)は、前記第二ギヤにより掻き上げられた前記液状媒体を前記回転軸心の軸方向に沿って前記変速機と反対側へ供給する供給路(例えば、第1実施形態における供給路34)を有することを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る動力装置(例えば、第1実施形態における動力装置1)は、車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機(例えば、第1実施形態における電動機3)と、前記電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達経路上に配置される変速機(例えば、第1実施形態における変速機4)と、前記変速機で変速された出力を前記左車輪と前記右車輪とに分配する差動装置(例えば、第1実施形態における差動装置5)と、前記電動機、前記変速機及び前記差動装置を収容するハウジング(例えば、第1実施形態におけるハウジング2)と、を備え、前記変速機は、前記電動機と機械的に接続される第一ギヤ(例えば、第1実施形態における第一ギヤ41)と、前記第一ギヤと同一の回転軸心を有し、前記差動装置の差動ケース(例えば、第1実施形態における差動ケース61)と機械的に接続される第二ギヤ(例えば、第1実施形態における第二ギヤ42)と、前記第一ギヤ及び前記第二ギヤと噛み合うカウンターギヤ(例えば、第1実施形態におけるカウンターギヤ43)と、を備え、前記ハウジングは、液状媒体(例えば、第1実施形態における液状媒体S)を貯留する貯留部(例えば、第1実施形態における貯留部26)を有し、前記第二ギヤは、一部が前記貯留部に位置しており、前記カウンターギヤは、前記回転軸心の軸方向に沿って前記カウンターギヤを貫通するとともに、前記第二ギヤにより掻き上げられた前記液状媒体を前記電動機側へ流通させる貫通孔(例えば、第1実施形態における貫通孔53)を有することを特徴としている。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る動力装置(例えば、第1実施形態における動力装置1)は、車両の左車輪及び右車輪を駆動する電動機(例えば、第1実施形態における電動機3)と、前記電動機と前記左車輪及び前記右車輪との動力伝達経路上に配置される変速機(例えば、第1実施形態における変速機4)と、前記変速機で変速された出力を前記左車輪と前記右車輪とに分配する差動装置(例えば、第1実施形態における差動装置5)と、前記電動機、前記変速機及び前記差動装置を収容するハウジング(例えば、第1実施形態におけるハウジング2)と、を備え、前記変速機は、前記電動機と機械的に接続される第一ギヤ(例えば、第1実施形態における第一ギヤ41)と、前記第一ギヤと同一の回転軸心を有し、前記差動装置の差動ケース(例えば、第1実施形態における差動ケース61)と機械的に接続される第二ギヤ(例えば、第1実施形態における第二ギヤ42)と、前記第一ギヤ及び前記第二ギヤと噛み合うカウンターギヤ(例えば、第1実施形態におけるカウンターギヤ43)と、前記カウンターギヤを自転可能に支持するカウンターギヤホルダ(例えば、第1実施形態におけるカウンターギヤホルダ44)と、を備え、前記ハウジングは、液状媒体(例えば、第1実施形態における液状媒体S)を貯留する貯留部(例えば、第1実施形態における貯留部26)を有し、前記第二ギヤは、一部が前記貯留部に位置しており、前記電動機の回転軸(例えば、第1実施形態における回転軸31)は、前記第二ギヤにより掻き上げられた前記液状媒体を前記変速機と反対側へ供給する供給路(例えば、第1実施形態における供給路34)を有し、前記カウンターギヤは、前記回転軸心の軸方向に沿って前記カウンターギヤを貫通するとともに、前記第二ギヤにより掻き上げられた前記液状媒体を前記回転軸心の軸方向に沿って前記電動機側へ流通させる貫通孔(例えば、第1実施形態における貫通孔53)を有することを特徴としている。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る動力装置は、前記カウンターギヤホルダは、前記供給路に供給される前記液状媒体を貯留するホルダ貯留部(例えば、第1実施形態におけるホルダ貯留部57)を有することを特徴としている。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る動力装置は、前記供給路は、前記回転軸に形成された螺旋状の溝であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る動力装置は、前記供給路は、前記変速機側に位置する入口部(例えば、第1実施形態における入口部34a)と、前記入口部より前記変速機と反対側に位置する出口部(例えば、第1実施形態における出口部34b)と、前記入口部と前記出口部とを連結し、前記回転軸の正転方向において前記入口部が前記出口部に対して進角方向となるように形成された通流部(例えば、第1実施形態における通流部34c)と、を有することを特徴としている。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る動力装置は、前記供給路は、前記変速機側に位置する入口部(例えば、第2実施形態における入口部34a)と、前記入口部より前記変速機と反対側に位置する出口部(例えば、第2実施形態における出口部34b)と、前記入口部と前記出口部とを連結し、少なくとも螺旋の巻き方向が互いに異なる2個の通流部(例えば、第2実施形態における通流部34c)と、を有することを特徴としている。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係る動力装置は、前記電動機は、ステータ(例えば、第1実施形態におけるステータ33)に装着されたコイル(例えば、第1実施形態におけるコイル36)を有し、前記コイルは、前記ステータから前記軸方向の前記変速機側に突出し、前記コイルの端部が位置するオープン側コイルエンド(例えば、第1実施形態におけるオープン側コイルエンド36a)と、前記ステータから前記軸方向の前記変速機と反対側に突出し、前記コイルの屈曲部が位置するクローズド側コイルエンド(例えば、第1実施形態におけるクローズド側コイルエンド36b)と、を有することを特徴としている。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係る動力装置は、前記ハウジングは、前記軸方向の前記電動機と対応する位置において、冷却水が流通する冷却部(例えば、第1実施形態における冷却部27)を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の動力装置によれば、電動機、変速機及び差動装置を備える動力装置において、変速機の第二ギヤは、一部が貯留部に位置している。このため、第二ギヤが回転することにより、貯留部の液状媒体を掻き上げることができる。変速機の第二ギヤにより掻き揚げられた液状媒体は、電動機の回転軸に設けられた供給路を流通して軸方向の変速機と反対側へ供給される。これにより、電動機のうち変速機と反対側に設けられたコイルエンド等の部品に液状媒体が供給される。よって、変速機を潤滑するための液状媒体を利用して効果的にコイルエンド等の部品を冷却できる。
第二ギヤの回転により液状媒体が掻き上げられるので、オイルポンプ等の新たな機構を設けることなく、液状媒体を供給路へ供給できる。よって、動力装置の大型化を抑制しつつ、効果的に変速機と反対側に位置するコイルエンド等の部品に液状媒体を供給できる。供給路は、電動機の回転軸に設けられ、回転軸の軸方向に沿って延びている。これにより、電動機とハウジングとの間に供給路が設けられる従来技術と比較して、ハウジングを小型化できる。また、回転軸に供給路が設けられるので、供給路内を流通する液状媒体により、回転軸や電動機のロータ等の部品を冷却することができる。よって、電動機全体を効率的に冷却できる。
したがって、小型かつ冷却性能を向上した動力装置を提供できる。
【0017】
本発明の請求項2に記載の動力装置によれば、電動機、変速機及び差動装置を備える動力装置において、変速機の第二ギヤにより掻き揚げられた液状媒体は、カウンターギヤの貫通孔を流通して電動機側に供給される。貫通孔は、電動機の回転力を差動装置へ伝達するためのカウンターギヤに設けられる。これにより、電動機側に液状媒体を供給するための新たな機構を設けることなく、電動機のうち変速機側に設けられたコイルエンド等の部品に液状媒体を供給できる。よって、動力装置の大型化を抑制しつつ、変速機を潤滑するための液状媒体を利用して効果的にコイルエンド等の部品を冷却できる。
したがって、小型かつ冷却性能を向上した動力装置を提供できる。
【0018】
本発明の請求項3に記載の動力装置によれば、電動機、変速機及び差動装置を備える動力装置において、変速機の第二ギヤは、一部が貯留部に位置している。このため、第二ギヤが回転することにより、貯留部の液状媒体を掻き上げることができる。変速機の第二ギヤにより掻き揚げられた液状媒体の一部は、電動機の回転軸に設けられた供給路を流通して軸方向の変速機と反対側へ供給される。これにより、電動機のうち変速機と反対側に設けられたコイルエンド等の部品に液状媒体が供給される。変速機の第二ギヤにより掻き揚げられた液状媒体の他の一部は、カウンターギヤの貫通孔を流通して電動機側に供給される。これにより、電動機のうち変速機側に設けられたコイルエンド等の部品に液状媒体が供給される。貫通孔は、電動機の回転力を差動装置へ伝達するための第二ギヤに設けられる。これにより、電動機側に液状媒体を供給するための新たな機構を設けることなく、液状媒体を電動機のコイルエンド等の部品へ供給できる。よって、動力装置の大型化を抑制しつつ、変速機を潤滑するための液状媒体を利用して効果的にコイルエンド等の部品を冷却できる。
第二ギヤの回転により液状媒体が掻き上げられるので、オイルポンプ等の新たな機構を設けることなく、液状媒体を供給路及び貫通孔へ供給できる。よって、動力装置の大型化を抑制しつつ、効果的に電動機のコイルエンド等の部品を冷却できる。供給路は、電動機の回転軸に設けられ、回転軸の軸方向に沿って延びている。これにより、電動機とハウジングとの間に供給路が設けられる従来技術と比較して、ハウジングを小型化できる。また、回転軸に供給路が設けられるので、供給路内を流通する液状媒体により、回転軸や電動機のロータ等の部品を冷却することができる。よって、電動機全体を効率的に冷却できる。
したがって、小型かつ冷却性能を向上した動力装置を提供できる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の動力装置によれば、カウンターギヤホルダは、液状媒体を貯留するホルダ貯留部を有する。これにより、第二ギヤにより掻き揚げられた液状媒体を一旦ホルダ貯留部に貯留し、ホルダ貯留部から供給路へ液状媒体を供給できる。よって、安定的に供給路へ液状媒体を供給できる。また、ホルダ貯留部に液状媒体を貯留することができるので、ハウジングの貯留部に貯留する液状媒体の油面を下降させることができる。これにより、ハウジングの貯留部に貯留された液状媒体と、第二ギヤと、のフリクションを低減し、フリクションによる電動機の損失を低減することができる。よって、潤滑及び冷却性能を向上するとともに、電動機の効率を向上できる。
【0020】
本発明の請求項5に記載の動力装置によれば、供給路は、回転軸に形成された螺旋状の溝である。これにより、螺旋状の溝に沿って液状媒体を軸方向の変速機側から変速機と反対側へ容易に流通させることができる。また、回転軸に溝を形成するだけで供給路を設けることができるので、供給路を容易に形成できる。よって、製造性を向上できる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の動力装置によれば、供給路は、入口部と、出口部と、通流部と、を有する。通流部は、回転軸の正転方向において入口部が出口部に対して進角方向となるように形成される。これにより、電動機が正回転した際に、慣性力により液状媒体が入口部から出口部へ向かう力が液状媒体に作用する。このため、供給路内を入口部から出口部へ向かって液状媒体が流通し易くなる。よって、特に電動機の正回転時に使用され、回転数が高く電動機の冷却が必要な場合に、より多くの液状媒体を回転軸の供給路に流通させ、積極的にコイルエンド等の部品を冷却できる。
【0022】
本発明の請求項7に記載の動力装置によれば、供給路は、入口部と、出口部と、複数の通流部と、を有する。複数の通流部は、少なくとも螺旋の巻き方向が互いに異なる2個の溝を含む。これにより、電動機が正回転した場合及び逆回転した場合の両方において、供給路に液状媒体を流通させることができる。よって、電動機の回転方向に依らず電動機を冷却可能な、汎用性の高い動力装置とすることができる。
【0023】
本発明の請求項8に記載の動力装置によれば、電動機は、コイルを有し、コイルのオープン側コイルエンドは、変速機側に位置する。これにより、変速機の反対側と比較して液状媒体の供給量が多い変速機側にオープン側コイルエンドを配置できる。よって、クローズド側コイルエンドと比較して発熱量の大きいオープン側コイルエンドをより積極的に冷却できる。
【0024】
本発明の請求項9に記載の動力装置によれば、ハウジングは、冷却水が流通する冷却部を有し、冷却部は、軸方向において電動機と対応する位置に設けられる。これにより、電動機を冷却した後にケースの下方に落下した液状媒体は、電動機側から変速機側の貯留部へ移動する際に、冷却部の近傍を通過する。よって、冷却部と液状媒体とで熱交換が行われ、液状媒体を用いて再び電動機を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
第1実施形態に係る動力装置の断面図。
図1のII−II線に沿う断面図であり、電動機の正回転時における液状媒体の流通動作を示す説明図。
図1のIII−III線に沿う断面図であり、電動機の逆回転時における液状媒体の流通動作を示す説明図。
第1実施形態に係る回転軸の斜視図。
図1のV−V線に沿う断面斜視図。
第1実施形態に係るカウンターギヤの斜視図。
第1実施形態に係るカウンターギヤホルダの斜視図。
第2実施形態に係る回転軸の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0027】
(第1実施形態)
(動力装置)
図1は、第1実施形態に係る動力装置1の断面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図であり、電動機3の正回転時における液状媒体Sの流通動作を示す説明図である。図3は、図1のIII−III線に沿う断面図であり、電動機3の逆回転時における液状媒体Sの流通動作を示す説明図である。
動力装置1は、前輪駆動装置や後輪駆動装置としてハイブリッド車や電気自動車等の電動車両に搭載される。動力装置1は、車幅方向に沿って同軸上に配置された左右の車軸3A,3Bを有する。以下の説明では、車軸3A,3Bの軸線Cに沿う方向を単に軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C回りの方向を周方向という場合がある。
動力装置1は、ハウジング2と、電動機3と、変速機4と、差動装置5と、を備える。
【0028】
(ハウジング)
ハウジング2は、電動機3を収容する第一ケース21と、変速機4及び差動装置5を収容する第二ケース22と、を備える。第一ケース21と第二ケース22の境界部には隔壁23が設けられ、この隔壁23によって第一ケース21の内部空間と第二ケース22の内部空間とが仕切られている。隔壁23は、ボルト18を介して第一ケース21の外周部に設けられた段差部24に締結される。第一ケース21と隔壁23との合わせ面21Aは、第一ケース21と第二ケース22との合わせ面22Aよりも第一ケース21側に位置している。ハウジング2の底部には、液状媒体Sを貯留する貯留部26が設けられている。液状媒体Sは、例えばATF(Automatic Transmission Fluid)等の潤滑油である。貯留部26に貯留された液状媒体Sの静止油面の高さは、電動機3のエアギャップ(後述するステータ33の内周とロータ32の外周との間に確保される隙間)よりも低く設定されている。図2に示すように、隔壁23の下部には、液状媒体Sの流通を許容する連通口25が形成されている。
【0029】
第一ケース21は、冷却部27を有する。冷却部27は、軸方向において、電動機3と対応する位置に設けられている。冷却部27は、ハウジング2の内部に形成された空間である。冷却部27には、冷却水が流通可能となっている。
【0030】
(電動機)
電動機3は、車両の左車輪及び右車輪(いずれも不図示)を駆動するための駆動源である。電動機3は、回転軸31と、ロータ32と、ステータ33と、を備える。
回転軸31は、左右の車軸3A,3Bの軸線Cと同軸上に設けられている。回転軸31は、軸線Cを中心とする筒状に形成されている。回転軸31は、一方の車軸(本実施形態では、左車輪を駆動する左方の車軸3A)の外周部に圧入されている。回転軸31は、左方の車軸3Aと相対回転可能となるように第一ケース21の端部壁28と隔壁23に軸受11,12を介して支持されている。左方の車軸3A及び回転軸31の右車輪側は、隔壁23を貫通して第二ケース22内に延出している。左方の車軸3Aの左車輪側は、第一ケース21の端部壁28を貫通してハウジング2の外側方に延出している。
(【0031】以降は省略されています)

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蓄電装置
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着磁装置
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蓄電装置
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内燃機関
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