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公開番号2021080766
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210527
出願番号2019210014
出願日20191120
発明の名称張出ユニット及びユニット建物
出願人トヨタホーム株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E04B 1/348 20060101AFI20210430BHJP(建築物)
要約【課題】建物の捩れを抑制すると共に、張出部の設計の自由度を高めることができる張出ユニット及び建物を得る。
【解決手段】ユニット建物10は、建物本体12の上階部分を構成する建物ユニット16張出ユニット18が連結されている。この張出ユニット18は、矩形箱状に形成され、四隅に4本の柱24が立設されている。そして、建物ユニット16に連結される一方の桁面30Aでは、2本の柱24とこの柱24同士を連結する梁26とがピン接合部40により接合されている。他方、張出ユニット18の一対の妻面32は、妻面32に配置された2本の柱24とこの柱24同士を連結する梁26とが剛接合部42により接合されている。これにより、偏心を抑制してユニット建物10の捩れを抑制すると共に、妻面32の剛性を向上させて張出部の設計の自由度を高めることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数階建てのユニット建物の上階部分を構成する建物ユニットに連結され、前記上階部分から張り出す張出部を構成すると共に、四隅に立設された4本の柱を備える矩形箱状の張出ユニットであって、
前記建物ユニットに連結される一方の桁面に配置された2本の柱と、該2本の柱を連結する梁とがピン接合により接合され、
前記一方の桁面の両側に配置された一対の妻面において、該一対の妻面にそれぞれ配置された2本の柱と、該2本の柱を連結する梁とが剛接合により接合されている、
張出ユニット。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記梁は、縦断面視で縦方向に延びるウエブ部と、ウエブ部の上端部及び下端部の少なくとも一方から直角に折れ曲がり横方向に延びるフランジ部とを含んで構成されており、
前記ピン接合は、前記梁の前記ウエブ部を前記柱に溶接することにより構成され、
前記剛接合は、前記梁の前記ウエブ部及びフランジ部を前記柱に溶接することにより構成されている、
請求項1に記載の張出ユニット。
【請求項3】
前記ユニット建物の外周に面した他方の桁面において、該他方の桁面に配置された2本の柱と、該2本の柱を連結する梁とがピン接合により接合されている、
請求項1又は請求項2に記載の張出ユニット。
【請求項4】
前記ユニット建物の外周に面した他方の桁面において、該他方の桁面に配置された2本の柱と、該2本の柱を連結する梁とが剛接合により接合されている、
請求項1又は請求項2に記載の張出ユニット。
【請求項5】
前記一方の桁面は、向かい合って配置された前記建物ユニットの桁面に対して、連結部を介して回転可能に連結されている、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の張出ユニット。
【請求項6】
複数階建てとされた建物本体と、
前記建物本体の上階部分を構成し、四隅に立設された4本の柱を備える矩形箱状に形成された建物ユニットと、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の張出ユニットと、を備え、
前記張出ユニットは、一方の桁面の天井部及び床部の仕口面が向かい合って配置された前記建物ユニットの桁面における天井部及び床部の仕口面に連結されることにより前記建物ユニットに接合されている、
ユニット建物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、張出ユニット及びユニット建物に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユニット建物の上階部分に設けられ、張出部を構成する張出ユニットが開示されている。この張出ユニットは、建物本体の建物ユニットに連結される一方の桁面(構面)において、柱と梁の端部同士が剛接合の方法で接合されている。また、一方の桁面と対向して配置され、建物の外側に面する他方の桁面の柱と梁の端部同士がピン接合の方法で接合されている。これにより、張出ユニットと建物ユニットとの連結部分となる一方の桁面の剛性を高め、建物ユニット側の柱及び梁の断面を大きくすることなく建物本体の耐久性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010−261259号公報
【0004】
しかしながら、上記先行技術では、建物ユニットと張出ユニットとの連結部分で張出ユニットの桁面の剛性が高まる分、建物全体の剛心が連結部分に近づく方へ移動され建物の偏心が高まることが考えられる。このため、偏心に起因する建物の捩れを抑制する手段を設けることが望ましい。
【0005】
また、上記張出ユニットは、建物の外周側に面して配置された桁面の柱及び梁がピン接合の方法で接合されているため、妻面の先端側では、鉛直荷重に対する剛性が低下する。このため、張出ユニットの天井部及び床部が負担する応力負荷が高くなり、張出部分の寸法や仕様に制約を与える虞がある。その結果、建物の張出部における設計の自由度を低下させる虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、建物の捩れを抑制すると共に、張出部の設計の自由度を高めることができる張出ユニット及び建物を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る張出ユニットは、複数階建てのユニット建物の上階部分を構成する建物ユニットに連結され、前記上階部分から張り出す張出部を構成すると共に、四隅に立設された4本の柱を備える矩形箱状の張出ユニットであって、前記建物ユニットに連結される一方の桁面に配置された2本の柱と、該2本の柱を連結する梁とがピン接合により接合され、前記一方の桁面の両側に配置された一対の妻面において、該一対の妻面にそれぞれ配置された2本の柱と、該2本の柱を連結する梁とが剛接合により接合されている。
【0008】
第1の態様に係る張出ユニットは、ユニット建物の上階部分を構成する建物ユニットに連結されており、上階部分から張出した張出部を構成している。この張出ユニットは、矩形箱状に形成され、四隅に4本の柱が立設されている。そして、建物ユニットに連結される一方の桁面では、2本の柱とこの柱同士を連結する梁とがピン接合により接合されている。これにより、建物ユニットに連結される一方の桁面を剛接合する場合と比較してユニット建物の偏心を抑制することができ、地震時等における建物の捩れを抑制することができる。
【0009】
さらに、この張出ユニットの一対の妻面は、妻面に配置された2本の柱とこの柱同士を連結する梁とが剛接合により接合されている。これにより、妻面の剛性が高まり、張出ユニットの天井部及び床部に与える負荷が低減される。その結果、張出部の設計の自由度を高めることができる。
【0010】
なお、ピン接合とは、いわゆる「設計上のピン接合」を意味し、厳密には、接合部位に付与されたモーメントの一部はピン接合部において吸収される。
【0011】
第2の態様に係る張出ユニットは、第1の態様に記載の構成において、前記梁は、縦断面視で縦方向に延びるウエブ部と、ウエブ部の上端部及び下端部の少なくとも一方から直角に折れ曲がり横方向に延びるフランジ部とを含んで構成されており、前記ピン接合は、前記梁の前記ウエブ部を前記柱に溶接することにより構成され、前記剛接合は、前記梁の前記ウエブ部及びフランジ部を前記柱に溶接することにより構成されている。
【0012】
第2の態様に係る張出ユニットでは、梁の端部を2通りの構成で溶接することにより、柱と梁のピン接合構造と剛接合構造が形成されている。具体的には、ピン接合は、梁のウエブ部のみを柱に溶接することにより形成されている。他方、剛接合は、梁のウエブ部及びフランジ部を溶接することにより形成されている。このように、柱と梁のピン接合又は剛接合を形成するにあたり別部材を要しないので、ブラケット等を介して接合部を構成する場合と比較して部材の点数を抑えることができる。
【0013】
第3の態様に係る張出ユニットは、第1の態様又は第2の態様に記載の構成において、前記ユニット建物の外周に面した他方の桁面において、該他方の桁面に配置された2本の柱と、該2本の柱を連結する梁とがピン接合により接合されている。
【0014】
第3の態様に係る張出ユニットでは、対向して配置された一対の桁面、すなわち、建物ユニットに接合される一方の桁面とユニット建物の外周に面した他方の桁面において、2本の柱とこの柱同士を連結する梁とがそれぞれピン接合により接合されている。これにより、ユニット建物の偏心を一層抑制することができ、地震時等における建物の捩れを抑制することができる。
【0015】
第4の態様に係る張出ユニットは、第1の態様又は第2の態様に記載の構成において、前記ユニット建物の外周に面した他方の桁面において、該他方の桁面に配置された2本の柱と、該2本の柱を連結する梁とが剛接合により接合されている。
【0016】
第4の態様に係る張出ユニットでは、ユニット建物の外周に面した他方の桁面において、2本の柱とこの柱同士を連結する梁とが剛接合により接合されている。これにより、ユニット建物の外周側に面した他方の桁面の鉛直荷重に対する剛性を高めることができる。その結果、外壁や屋根部の先端荷重に対する張出ユニットの先端側(他方の桁面)の耐力が増すため、張出ユニットの張出量や仕様について、設計の自由度を高めることができる。
【0017】
第5の態様に係る張出ユニットは、第1の態様〜第4の態様の何れか1態様に記載の構成において、前記一方の桁面は、向かい合って配置された前記建物ユニットの桁面に対して、連結部を介して回転可能に連結されている。
【0018】
第5の態様に係る張出ユニットでは、張出ユニットと建物ユニットの桁面が連結部を介して回転可能に連結されている。これにより、建物ユニットの構面(桁面)に張出ユニットの自重による鉛直荷重のみを伝達し、モーメントを伝達しない構成とされている。このため、建物ユニットの構面の剛性が確保され、ユニット建物の応力負担の低減に寄与する。その結果、張出ユニットが接合されたユニット建物の耐久性を向上させることができる。
【0019】
第6の態様に係るユニット建物は、複数階建てとされた建物本体と、前記建物本体の上階部分を構成し、四隅に立設された4本の柱を備える矩形箱状に形成された建物ユニットと、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の張出ユニットと、を備え、前記張出ユニットは、一方の桁面の天井部及び床部の仕口面が向かい合って配置された前記建物ユニットの桁面における天井部及び床部の仕口面に連結されることにより前記建物ユニットに接合されている。
【0020】
第6の態様に係るユニット建物では、建物ユニットと張出ユニットの双方が四隅に立設された4本の柱を備える矩形箱状に形成されている。また、張出ユニット及び建物ユニットは、桁面の天井部及び床部の仕口面が互いに向かい合って配置されている。そして、上記仕口面において、建物ユニットと張出ユニットとが連結されている。つまり、上記ユニット建物では、建物ユニットと張出ユニットが、仕口面の仕様や全体の構造において共通している。これにより、両者の部材を共通化することができ、生産性に優れる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、第1の態様に係る張出ユニットによれば、建物の捩れを抑制すると共に、張出部の設計の自由度を高めることができるという優れた効果を有する。
【0022】
第2の態様に係る張出ユニットによれば、部材の点数を抑えることができるという優れた効果を有する。
【0023】
第3の態様に係る張出ユニットによれば、ユニット建物の偏心を一層抑制することができ、地震時等における建物の捩れを抑制することができるという優れた効果を有する。
【0024】
第4の態様に係る張出ユニットによれば、張出ユニットの張出量や仕様について、設計の自由度を高めることができるという優れた効果を有する。
【0025】
第5の態様に係る張出ユニットによれば、張出ユニットが接合されたユニット建物の耐久性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0026】
第6の態様に係るユニット建物によれば、建物ユニットと張出ユニットの部材を共通化することができ、生産性に優れるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
第1実施形態に係るユニット建物の斜視図である。
図1に示す領域Pの拡大斜視図である。
図1に示すユニット建物の上階部分を部分的に示す側面図である。
図3の4−4線に沿って切断した状態を示す拡大断面図である。
図1に示す張出ユニットの妻面に作用する曲げモーメントを示す模式図である。
比較例としての張出ユニットの妻面に作用する曲げモーメントを示す図5に対応する模式図である。
第2実施形態に係るユニット建物の斜視図である。
図7に示す張出ユニットのユニット建物の外周に面した桁面の応力状態を示す模式図である。
比較例としての張出ユニットのユニット建物の外周に面した桁面の応力状態を示す図8に対応する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図6を用いて、第1実施形態に係る張出ユニット18と、この張出ユニット18を備えるユニット建物(以下、「建物10」と称する)10について説明する。
【0029】
図1に示されるように、建物10は、図示しない基礎の上に建物本体12の下階部分(1階部分)12Aを構成する建物ユニット14が組み付けられ、建物ユニット14の上方側に建物本体12の上階部分(2階部分)12Bを構成する建物ユニット16が組み付けられている。そして、建物ユニット16の桁面に張出ユニット18が連結されている。
【0030】
なお、本実施形態の建物10は、説明を分かりやすくするために下階部分12A及び上階部分12Bに単一の建物ユニット14、16が組み付けられているが、建物ユニットの個数は適宜変更可能とされている。
(【0031】以降は省略されています)

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