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公開番号2021079784
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210527
出願番号2019208058
出願日20191118
発明の名称トランスファ
出願人アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
代理人特許業務法人アイテック国際特許事務所
主分類B60K 17/06 20060101AFI20210430BHJP(車両一般)
要約【課題】オイルポンプを含むトランスファのサイズアップを抑制する。
【解決手段】本開示のトランスファは、副変速機と、副変速機からの動力を前後に分配する動力分配機構と、潤滑対象に潤滑油を供給するオイルポンプと、副変速機、動力分配機構およびオイルポンプを収容するトランスファケースとを含み、オイルポンプは、トランスファケースに形成されたロータ収容凹部と、ロータ収容凹部内に配置されるポンプロータと、ポンプロータを覆うようにトランスファケースに固定されるポンプカバーと、ポンプロータに連結されると共にポンプカバーから端部が突出するようにトランスファケースおよびポンプカバーにより回転自在に支持されるシャフトと、シャフトの端部に固定されると共に、副変速機の回転要素と一体に回転するドライブギヤに噛合するドリブンギヤとを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
主変速機からの動力を変速して出力する副変速機と、前記副変速機からの動力を前軸および後軸に分配する動力分配機構と、潤滑対象に潤滑油を供給するオイルポンプと、前記副変速機、前記動力分配機構および前記オイルポンプを収容するトランスファケースとを含むトランスファにおいて、
前記オイルポンプは、
前記トランスファケースに形成されたロータ収容凹部と、
前記ロータ収容凹部内に配置されるポンプロータと、
前記ポンプロータを覆うように前記トランスファケースに固定されるポンプカバーと、
前記ポンプロータに連結されると共に、前記ポンプカバーから端部が突出するように前記トランスファケースおよび前記ポンプカバーにより回転自在に支持されるシャフトと、
前記シャフトの前記端部に固定されると共に、前記副変速機の回転要素と一体に回転するドライブギヤに噛合するドリブンギヤとを備えるトランスファ。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
請求項1に記載のトランスファにおいて、
前記副変速機は、変速段を変更するためのシフトフォークを含み、
前記ドリブンギヤは、前記シャフトの軸方向において前記シフトフォークよりも前側に配置されるトランスファ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のトランスファにおいて、
前記副変速機は、プラネタリギヤを含み、
前記ポンプロータは、少なくとも部分的に前記プラネタリギヤのキャリヤと軸方向に重なり合うトランスファ。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載のトランスファにおいて、
前記ポンプカバーは、複数のボルトを介して前記トランスファケースに固定され、
前記複数のボルトの少なくとも一部は、前記シャフトの軸方向からみて前記ドリブンギヤと重なり合うように配置されるトランスファ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載のトランスファにおいて、
前記シャフトは、前記ポンプカバーに形成された凹部内に配置される鍔状部を含み、
前記ドリブンギヤは、ボス部の端面が前記ポンプカバーに突き当たるように前記シャフトの前記端部に固定されるトランスファ。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のトランスファにおいて、
前記動力分配機構は、前記前軸と前記後軸との回転差を吸収する差動機構およびデフロック機構を含むトランスファ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、四輪駆動車両に搭載されるトランスファに関する。
続きを表示(約 9,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種のトランスファとして、入力軸から伝達される回転動力を変速して出力する遊星歯車式の変速歯車機構(副変速機)と、変速歯車機構の変速段を低速段と高速段との何れかに切り換える切り換え機構と、変速歯車機構から切り換え機構を介して伝達される回転動力を前輪側と後輪側とに分配する分配機構と、切り換え機構を操作するシフトフォークおよび当該シフトフォークを支持する操作ロッドを有する操作機構とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このトランスファは、更に、トランスファケース内に配置されると共に潤滑対象に潤滑油を供給するオイルポンプを含む。オイルポンプは、ポンプボディ、ポンプロータ、シャフト、ポンプカバー等を含む組立体(ポンプアセンブリ)であり、当該シャフトには、変速歯車機構のキャリヤの外周に形成された歯部に噛合するドリブンギヤが連結される。そして、オイルポンプは、トランスファケースとポンプボディとの間にドリブンギヤが位置するように当該トランスファケースに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5−042842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単一の組立体であるオイルポンプのサイズは比較的大きく、当該オイルポンプと例えばシフトフォークといった他の部材との干渉をなくすためには、トランスファケースを大型化する必要が生じる。このため、上記従来のトランスファでは、装置全体のサイズアップを抑制することが困難となる。
【0005】
そこで、本開示は、オイルポンプを含むトランスファのサイズアップを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のトランスファは、主変速機からの動力を変速して出力する副変速機と、前記副変速機からの動力を前軸および後軸に分配する動力分配機構と、潤滑対象に潤滑油を供給するオイルポンプと、前記副変速機、前記動力分配機構および前記オイルポンプを収容するトランスファケースとを含むトランスファにおいて、前記オイルポンプが、前記トランスファケースに形成されたロータ収容凹部と、前記ロータ収容凹部内に配置されるポンプロータと、前記ポンプロータを覆うように前記トランスファケースに固定されるポンプカバーと、前記ポンプロータに連結されると共に、前記ポンプカバーから端部が突出するように前記トランスファケースおよび前記ポンプカバーにより回転自在に支持されるシャフトと、前記シャフトの前記端部に固定されると共に、前記副変速機の回転要素と一体に回転するドライブギヤに噛合するドリブンギヤとを含むものである。
【0007】
本開示のトランスファでは、ポンプロータがトランスファケースに形成されたロータ収容凹部内に配置されるので、ポンプボディの省略によりオイルポンプの軸長を短縮化することが可能となる。これにより、トランスファケースの軸長の増加を抑制することができる。更に、ドリブンギヤをポンプカバーから突出する端部に固定することで、ポンプロータやポンプカバーを副変速機と軸方向に重なり合うように配置することが可能となる。これにより、ポンプボディを含む組立体であるオイルポンプが副変速機の後方に配置される他の部材の径方向外側に配置される場合のように、オイルポンプと当該他の部材との干渉を無くすためにトランスファケースを径方向に大型化する必要がなくなる。この結果、オイルポンプを含むトランスファのサイズアップを良好に抑制することが可能となる。加えて、オイルポンプの部品点数の削減によりトランスファのコストを低減化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のトランスファを示す概略構成図である。
本開示のトランスファを示す拡大部分断面図である。
本開示のトランスファのオイルポンプを示す部分断面図である。
本開示のトランスファを示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示のトランスファ1を示す概略構成図であり、図2は、トランスファ1を示す拡大部分断面図である。これらの図面に示すトランスファ1は、図示しないフルタイム四輪駆動車両に搭載され、当該車両の有段変速機、機械式無段変速機あるいはハイブリッドトランスミッションといった図示しない主変速機に連結されるものである。図1に示すように、トランスファ1は、主変速機の出力軸に連結される入力軸2と、図示しないフロントデフを介して車両の前輪に連結される前軸3と、図示しないリヤデフを介して車両の後輪に連結される後軸4と、トランスファケース5とを含む。入力軸2、前軸3および後軸4は、それぞれ軸受を介してトランスファケース5により回転自在に支持される。また、本実施形態において、前軸3は、入力軸2と平行に延在し、後軸4は、入力軸2と同軸に延在する。
【0011】
更に、トランスファ1は、入力軸2に伝達された動力を変速して出力する副変速機6と、副変速機6からの動力(トルク)を前軸3および後軸4に分配する動力分配機構7とを含む。副変速機6および動力分配機構7は、それぞれトランスファケース5内に収容される。本実施形態において、動力分配機構7は、伝動機構70と、センターデファレンシャル機構8およびデフロック機構85を含む。伝動機構70は、副変速機6に連結されるドライブスプロケット71と、前軸3と一体に回転するドリブンスプロケット72と、ドライブスプロケット71およびドリブンスプロケット72に巻き掛けられるチェーン73とを含むものである。ただし、伝動機構70は、伝動ベルトを含むものであってもよく、ギヤ列であってもよい。加えて、トランスファ1は、トランスファケース5内に配置されたオイルポンプ10を含む。オイルポンプ10は、トランスファケース5内の下部に貯留された潤滑油を吸入して、副変速機6および動力分配機構7の潤滑・冷却対象部や潤滑・冷却対象としての各軸受に潤滑油を供給するものである。
【0012】
図1および図2に示すように、副変速機6は、減速ギヤ機構としてのシングルピニオン式のプラネタリギヤ60と、シフト機構65とを含む。プラネタリギヤ60は、サンギヤ61と、リングギヤ62と、それぞれサンギヤ61およびリングギヤ62に噛合する複数のピニオンギヤ63を回転自在に支持するキャリヤ64とを含む。図1および図2に示すように、プラネタリギヤ60のサンギヤ61は、入力軸2と同軸に一体化または固定され、リングギヤ62は、トランスファケース5に回転不能に固定される。シフト機構65は、外周面に形成された外歯スプラインを含む環状のスプラインハブ66、内周面に形成された内歯スプラインを含む筒状のスプラインピース67、カップリングスリーブ68および第1シフトフォークF1等を含む。
【0013】
スプラインハブ66は、プラネタリギヤ60のサンギヤ61よりも後方(図1における右側)に位置するように入力軸2(サンギヤ61)に同軸に固定または一体化される。スプラインピース67は、スプラインハブ66よりも後方に位置するようにプラネタリギヤ60のキャリヤ64に同軸に固定または一体化される。カップリングスリーブ68は、スプラインハブ66の外歯スプラインに噛合する内歯スプラインと、スプラインピース67の内歯スプラインに噛合する外歯スプラインとを有する筒状部材であり、センターデファレンシャル機構8のデフケース8cの外周面にスプライン嵌合される。これにより、カップリングスリーブ68は、デフケース8cにより軸方向に移動自在に支持されると共に、当該デフケース8cと一体に回転可能となる。
【0014】
第1シフトフォークF1は、アクチュエータ9により入力軸2等の軸方向に進退移動させられる第1フォークロッドR1に連結されると共に、カップリングスリーブ68の回転を許容するように当該カップリングスリーブ68と係合する。アクチュエータ9は、電動モータや減速機構、回転運動を直線運動に変換する変換機構等を含むものであり、トランスファケース5の外表面に固定される。アクチュエータ9により第1フォークロッドR1を前方(図1における左側)に移動させると、カップリングスリーブ68とスプラインハブ66とが噛合する。これにより、副変速機6の高速段(Hi)が形成され、主変速機から入力軸2(サンギヤ61)に伝達された動力がそのままセンターデファレンシャル機構8のデフケース8cに伝達される。また、アクチュエータ9により第1フォークロッドR1を後方に移動させると、カップリングスリーブ68とスプラインピース67とが噛合する。これにより、副変速機6の低速段(Lo)が形成され、主変速機から入力軸2(サンギヤ61)に伝達された動力がプラネタリギヤ60により減速されてキャリヤ64を介してセンターデファレンシャル機構8のデフケース8cに伝達される。
【0015】
センターデファレンシャル機構8は、デフケース8cに加えて、シングルピニオン式のプラネタリギヤ80を含む。プラネタリギヤ80は、サンギヤ81と、リングギヤ82と、それぞれサンギヤ81およびリングギヤ82に噛合する複数のピニオンギヤ83と、キャリヤ84とを含む。プラネタリギヤ80のサンギヤ81は、後軸4が挿通される中空軸75を介してセンターデファレンシャル機構8の後方に配置される巻き掛け伝動機構70のドライブスプロケット71に常時連結される。また、リングギヤ82は、当該中空軸75から前方に突出する後軸4に同軸に固定される。これにより、副変速機6からデフケース8cに伝達トルクは、基本的に、サンギヤ81とリングギヤ82との歯数比に応じた分配比で前軸3と後軸4とに分配されることになる。
【0016】
プラネタリギヤ80のキャリヤ84は、それぞれ対応するピニオンギヤ83を自転可能に保持する複数のポケットを有し、デフケース8cに同軸に固定される。サンギヤ81とリングギヤ82との回転速度差に応じて各ピニオンギヤ83が自転しようとすると、各ピニオンギヤ83がキャリヤ84の対応するポケットの壁面に接触し、各ピニオンギヤ83の自転を制限する差動制限力が発生する。これにより、前軸3と後軸4との回転差を吸収(解消)して、いわゆるタイトコーナーブレーキング現象等の発生を良好に抑制することが可能となる。また、本実施形態において、センターデファレンシャル機構8は、トルク感応型の差動機構として構成されており、デフケース8cとリングギヤ82との間、リングギヤ82と各ピニオンギヤ83との間、サンギヤ81とリングギヤ82との間およびサンギヤ81とキャリヤ84との間に介設されて差動制限力を発生する図示しない複数のワッシャを含む。
【0017】
デフロック機構85は、外周面に形成された外歯スプラインを含む環状のフロントスプラインピース86、ロックスリーブ88および第2シフトフォークF2等を含む。フロントスプラインピース86は、センターデファレンシャル機構8とドライブスプロケット71との間で、中空軸75に同軸に固定される。ロックスリーブ88は、フロントスプラインピース86の外歯スプラインに噛合する内歯スプラインを有する筒状部材であり、シフト機構65のカップリングスリーブ68よりも後方でデフケース8cの外周面にスプライン嵌合される。これにより、ロックスリーブ88は、デフケース8cにより軸方向に移動自在に支持されると共に、当該デフケース8cと一体に回転可能となる。第2シフトフォークF2は、上記アクチュエータ9により入力軸2等の軸方向に進退移動させられる第2フォークロッドR2に連結されると共に、ロックスリーブ88の回転を許容するように当該ロックスリーブ88と係合する。
【0018】
アクチュエータ9により第2フォークロッドR2を前方に移動させると、カップリングスリーブ68とフロントスプラインピース86との噛合が解除される。これにより、プラネタリギヤ80の差動動作が許容され、当該プラネタリギヤ80により前軸3と後軸4との回転差が吸収される。これに対して、アクチュエータ9により第2フォークロッドR2を後方に移動させると、カップリングスリーブ68とフロントスプラインピース86とが噛合し、プラネタリギヤ80、すなわちサンギヤ81とキャリヤ84とが一体に回転するようにロックされるデフロック状態が形成される。これにより、前軸3および後軸4を副変速機6に直結することが可能となる。なお、アクチュエータ9は、第1および第2フォークロッドR1,R2を互いに独立して移動させるように構成されている。
【0019】
オイルポンプ10は、図2および図3に示すように、ポンプロータとしてのインナーロータ(ドライブギヤ)11およびアウターロータ(ドリブンギヤ)12を含む内接ギヤポンプであり、入力軸2とは別軸上に配置される。これにより、インナーロータおよびアウターロータ11,12を小径化することが可能となり、オイルポンプ10の効率を向上させて四輪駆動車両の燃費性能(エネルギー効率)をより向上させることができる。
【0020】
オイルポンプ10のインナーロータ11の外周には、図示しない複数の外歯が形成されており、アウターロータ12の内周には、インナーロータ11の外歯の総数よりも1つ多い数の内歯が形成されている。インナーロータ11は、下死点付近の複数の外歯がアウターロータ12の対応する2つの内歯に噛合するように、アウターロータ12に対して偏心した状態で組み付けられる。これにより、インナーロータ11とアウターロータ12との間には、1つまたは2つの内歯と2つの外歯とにより複数の歯間室(ポンプ室)が形成される。そして、インナーロータ11およびアウターロータ12は、トランスファケース5に形成された断面円形状のロータ収容凹部50内に回転自在に配置される。ロータ収容凹部50は、図2に示すように、副変速機6の下方(径方向外側)でプラネタリギヤ60(キャリヤ64のキャリヤプレート)と径方向からみて軸方向に重なり合うトランスファケース5の壁部に、当該壁部の内表面からケース外に向けて窪むように形成される。また、トランスファケース5の当該壁部には、インナーロータ11およびアウターロータ12の回転に伴って容積が減少する歯間室と連通(対向)するように吐出ポート5oが形成されている。
【0021】
更に、オイルポンプ10は、ポンプロータとしてのインナーロータ11に連結されるポンプシャフト13と、インナーロータ11およびアウターロータ12を覆うようにトランスファケース5に固定されるポンプカバー14と、ポンプシャフト13に同軸に固定されるドリブンギヤ15とを含む。ポンプシャフト13は、図3に示すように、断面円形状の第1丸棒部131と、第1二面幅部132と、薄肉の鍔状部(拡径部)133と、断面円形状の第2丸棒部134と、第2二面幅部135とを含む。第1丸棒部131、第1二面幅部132、環状の鍔状部133、第2丸棒部134および第2二面幅部135は、前側(図3における左側)から後側(図3における右側)に向けて、この順番で軸方向に沿って並ぶようにポンプシャフト13に形成される。
【0022】
ポンプカバー14は、吸入ポート14iと、当該吸入ポート14iに連通すると共にストレーナ16に接続される吸入口140とを含む。吸入ポート14iは、インナーロータ11およびアウターロータ12の回転に伴って容積が増加する歯間室と連通(対向)するようにポンプカバー14のトランスファケース5側の表面に形成される。また、吸入口140は、ポンプカバー14のトランスファケース5側の表面とは反対側に突出し、吸入口140の背後に位置するポンプカバー14の表面は、トランスファケース5に接触しないように形成される。更に、ポンプカバー14は、ポンプシャフト13の第2丸棒部134を支持する円孔141と、ポンプシャフト13の鍔状部133が配置される環状凹部143とを含む。環状凹部143は、ポンプカバー14のトランスファケース5側の表面から円孔141側に窪む凹部であって、鍔状部133の厚みよりも若干深く形成される。
【0023】
ドリブンギヤ15は、ポンプシャフト13に固定されるボス部150を有する外歯歯車である。ドリブンギヤ15のボス部150には、ポンプシャフト13の第2二面幅部135が嵌合される二面幅穴が形成されている。また、ドリブンギヤ15は、副変速機6の回転要素であるプラネタリギヤ60のキャリヤ64と一体に回転するドライブギヤ69に噛合する。本実施形態において、ドライブギヤ69は、シフト機構65のスプラインピース67と一体に形成されている。
【0024】
トランスファケース5に対するオイルポンプ10の組み付けに際しては、まず、インナーロータ11およびアウターロータ12をトランスファケース5のロータ収容凹部50内に配置する。次いで、ポンプシャフト13の第1丸棒部131を、ロータ収容凹部50に連通するようにトランスファケース5に形成された円孔51に挿入すると共に、第1二面幅部132をインナーロータ11に形成された二面幅孔に挿入する。これにより、インナーロータ11とポンプシャフト13とが一体回転可能に連結される。
【0025】
トランスファケース5およびインナーロータ11に対してポンプシャフト13を組み付けた後、Oリング等のシール部材144(図3参照)を介してポンプカバー14をトランスファケース5に突き当て、複数(例えば、3つ)のボルト145(図2および図4参照)によりポンプカバー14をトランスファケース5に固定する。この際、ポンプシャフト13の鍔状部133は、環状凹部143内に配置され、第2丸棒部134は、円孔141内に挿入される。これにより、ポンプシャフト13は、トランスファケース5およびポンプカバー14により回転自在に支持される。そして、ポンプカバー14から突出するポンプシャフト13の第2二面幅部135をドリブンギヤ15のボス部150に挿入すると共に、当該ボス部150の端面がポンプカバー14に突き当たるようにドリブンギヤ15をボルト155によりポンプシャフト13に固定する。図4に示すように、ドリブンギヤ15は、ポンプシャフト13の軸方向からみて(後方からみて)、複数のボルト145の一部(本実施形態では、2つ)と少なくとも部分的に重なり合う。また、ドリブンギヤ15とボルト155の頭部との間には、環状のスペーサ156が配置される。
【0026】
上述のように構成されたトランスファ1では、主変速機から入力軸2に動力が伝達される際に、副変速機6のプラネタリギヤ60のキャリヤ64およびドライブギヤ69が回転し、それに伴ってドライブギヤ69に噛合するドリブンギヤ15およびポンプシャフト13が回転する。これにより、インナーロータ11およびアウターロータ12が副変速機6に伝達される動力により回転駆動され、トランスファケース5内の下部に貯留された潤滑油がストレーナ16、吸入口140および吸入ポート14iを介して上記歯間室に吸入される。歯間室に吸入された潤滑油は、インナーロータ11およびアウターロータ12の回転に伴う歯間室の容積変化により昇圧されて吐出ポート5oに流出し、トランスファケース5や後軸4等に形成された図示しない油路等を介して、プラネタリギヤ60,80、シフト機構65、デフロック機構85、各軸受といった潤滑・冷却対象に供給される。
【0027】
そして、トランスファ1では、インナーロータ11およびアウターロータ12がトランスファケース5に形成されたロータ収容凹部50内に配置されるので、ポンプボディの省略によりオイルポンプ10の軸長を短縮化することが可能となる。これにより、トランスファケース5の軸長の増加を抑制することができる。また、ドリブンギヤ15をポンプカバー14から突出する第2二面幅部(端部)135に固定することで、インナーロータ11、アウターロータ12およびポンプカバー14を副変速機6のプラネタリギヤ60(キャリヤ64)と径方向からみて少なくとも部分的に軸方向に重なり合うように、副変速機6の変速段を変更するための第1シフトフォークF1よりも前側に配置することが可能となる(図1から図3参照)。これにより、ポンプボディを含む組立体であるオイルポンプが副変速機6の後方に配置される第1シフトフォークF1の径方向外側に配置される場合のように、オイルポンプ10と第1シフトフォークF1との干渉を無くすためにトランスファケース5を径方向に大型化する必要がなくなる。この結果、オイルポンプ10を含むトランスファ1のサイズアップを良好に抑制することが可能となる。加えて、オイルポンプ10の部品点数の削減によりトランスファ1のコストを低減化することもできる。
【0028】
更に、ポンプカバー14は、複数のボルト145を介してトランスファケース5に固定され、当該複数のボルト145の少なくとも一部は、ポンプシャフト13の軸方向からみてドリブンギヤ15と重なり合うように配置される。これにより、トランスファケース5の径方向における大型化を良好に抑制することが可能となる。
【0029】
また、ポンプシャフト13は、ポンプカバー14に形成された環状凹部143内に配置される鍔状部133を含み、ドリブンギヤ15は、ボス部150の端面がポンプカバー14に突き当たるようにポンプシャフト13の第2二面幅部(端部)に固定される。これにより、ポンプシャフト13の軸方向移動を適正に規制すると共に、当該ポンプシャフト13のトランスファケース5およびポンプカバー14からの脱落(抜け)を良好に抑制することが可能となる。
【0030】
なお、トランスファ1の動力分配機構7は、前軸3と後軸4との回転差を吸収するセンターデファレンシャル機構8およびデフロック機構85を含むものであるが、動力分配機構7から、センターデファレンシャル機構8が省略されてもよい。すなわち、トランスファ1は、パートタイム四輪駆動車両に適用されるものとして構成されてもよい。また、トランスファ1に適用されるオイルポンプは、トランスファケース5に形成されたロータ収容凹部50内に配置されるカムリング、ロータおよび複数のベーンを含むベーンポンプとして構成されてもよい。
(【0031】以降は省略されています)

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