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公開番号2021079715
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210527
出願番号2019205923
出願日20191114
発明の名称車両
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人アイテック国際特許事務所
主分類B60W 10/04 20060101AFI20210430BHJP(車両一般)
要約【課題】ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図る。
【解決手段】制御装置は、エンジンの回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、走行に要求される走行要求トルクに基づくエンジンの目標トルクから、第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とし、更に、制御装置は、処理後変化量が所定値以下であるときには、処理後変化量の前記積算値を、直前の積算値より小さくする。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
車軸に連結された駆動軸に動力を出力するエンジンと、
トルク指令で運転されるように前記エンジンを制御する制御装置と、
を備える車両であって、
前記制御装置は、
前記エンジンの回転数と前記駆動軸の回転数を用いて演算される前記エンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、
前記処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、
走行に要求される走行要求トルクに基づく前記エンジンの目標トルクから、前記第1低減量と前記第2低減量とを減じたものを前記トルク指令とし、
更に、
前記制御装置は、
前記処理後変化量が所定値以下であるときには、前記処理後変化量の前記積算値を、直前の前記積算値より小さくする、
車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、詳しくは、エンジンを備える車両に関する。
続きを表示(約 6,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両としては、エンジンと、変速機と、を備え、エンジンの回転数が目標回転数となるように変速機を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、目標回転数を、ユーザの意図に基づく回転数から、シフトダウンによる回転数の変動に起因する振動を抑制する回転数へ変更することにより振動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2003−502599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の車両では、振動の抑制は実現されるものの、エンジンの回転数がユーザの意図とは異なる回転数となることから、ユーザが違和感を覚えることがある。そのため、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制とを両立する制御が望まれている。
【0005】
本発明の車両は、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図ることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の車両は、
車軸に連結された駆動軸に動力を出力するエンジンと、
トルク指令で運転されるように前記エンジンを制御する制御装置と、
を備える車両であって、
前記制御装置は、
前記エンジンの回転数と前記駆動軸の回転数を用いて演算される前記エンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、
前記処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、
走行に要求される走行要求トルクに基づく前記エンジンの目標トルクから、前記第1低減量と前記第2低減量とを減じたものを前記トルク指令とし、
更に、
前記制御装置は、
前記処理後変化量が所定値以下であるときには、前記処理後変化量の前記積算値を、直前の前記積算値より小さくする、
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明の車両では、エンジンの回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算する。エンジンからトルクを出力すると、駆動軸にねじれが生じ、このねじれにより駆動軸にトルク変動が発生する。駆動軸にトルク変動が生じると、エンジンの実際の回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との間にトルク変動に応じた差が生じる。そのため、エンジンの実際の回転数と推定回転数との差である処理前変化量は、トルク変動の大きさや位相を反映した量となっている。処理前変化量には、エンジンの回転数や駆動軸の回転数を導出するために用いられる各センサのオフセット誤差が含まれる。そのため、処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量を用いて第1、第2低減量を演算することにより、第1、第2低減量からエンジンの回転数や駆動軸の回転数を導出するために用いられるセンサのオフセット誤差を除去している。
【0009】
処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量の位相は、処理前変化量、即ち、トルク変動に比して最大90度進む位相進みとなる。そのため、処理後変化量に比例する第1低減量にも、こうした位相進みが生じているため、第1低減量でエンジンの目標トルクを補正する場合、位相進みを補正する必要がある。本発明では、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、エンジンの目標トルクから、第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とする。処理後変化量の時間変化は正弦波で近似できることから、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量の位相は、処理後変化量を90度遅らせたものとなる。こうして演算した第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とすることにより、エンジンの目標トルクから第1低減量のみを減じたものをトルク指令とするものに比して、トルク変動をより適正に抑制している。また、エンジンをトルク制御するから、エンジンの回転数を制御するものに比して、ユーザに違和感を与えるのを抑制している。
【0010】
そして、処理後変化量が所定値以下であるときには、処理後変化量の積算値を、直前の積算値より小さくする。処理後変化量が所定値以下であるときには、駆動軸のトルク変動が小さい。直前の処理後変化量の積算値が大きいと、第2低減量が大きくなり、エンジンのトルク指令が過剰に低く設定されることがある。本発明では、処理後変化量が所定値以下であるときには、処理後変化量の積算値を、直前の積算値より小さくすることにより、エンジンのトルク指令が過剰に低く設定される。こうすれば、より適正に、ユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図ることができる。なお、「所定値」としては、値0や値0より若干大きな値などを挙げることができる。
【0011】
こうした本発明の車両において、前記制御装置は、前記処理前変化量が前記所定値以下であるときには、前記処理後変化量の前記積算値を、直前の前記積算値から所定の時定数で値0に向かって小さくしてもよい。こうすれば、より適正にユーザへの違和感の抑制と振動の抑制との両立を図ることができる。この場合において、前記所定の時定数は、車両の固有周期に応じた時間としてもよい。
【0012】
また、本発明の車両において、 前記エンジンの出力軸と前記駆動軸との間で変速比の変更を伴って動力を伝達する変速機を備え、前記駆動軸の回転数は、車軸に連結された車輪の回転数と、前記変速機の変速比と、から演算されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の一実施例としての自動車20の構成の概略を示す構成図である。
ハイパスフィルタHPFの構成の一例を示す回路図である。
ハイパスフィルタHPFの位相特性を示す説明図である。
ハイパスフィルタHPFのゲイン特性を示す説明図である。
ECU50により実行されるトルク指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
処理後変化量ΔNeと積算値Sとの時間変化の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例としての自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車20は、図示するように、エンジン22と、トルクコンバータ28と、変速機30と、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)50と、を備える。
【0016】
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するECU50により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。
【0017】
トルクコンバータ28は、一般的な流体式の伝導装置として構成されており、エンジン22のクランクシャフト23の動力を変速機30の入力軸32にトルクを増幅して伝達したり、トルクを増幅することなくそのまま伝達したりする。トルクコンバータ28は、エンジン22のクランクシャフト23に接続されたポンプインペラと、入力軸32に接続されたタービンランナと、タービンランナからポンプインペラへの作動油の流れを整流するステータと、ステータの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチと、ポンプインペラとタービンランナとを連結する油圧駆動のロックアップクラッチ28aと、を備える。ロックアップクラッチ28aは、ECU50により駆動制御されている。
【0018】
変速機30は、ベルト式の無段変速機(CVT)として構成されており、図示はしないが、溝幅が変更可能で入力軸32(インプットシャフト)に接続されたプライマリプーリと、同じく溝幅が変更可能で駆動軸37(アウトプットシャフト)に接続されたセカンダリプーリと、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝に架けられたベルトと、作動油を用いてプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅を変更する油圧回路と、を備える。変速機30は、油圧回路を駆動してプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅を変更することにより入力軸32(インプットシャフト)の動力を無段階に変速して駆動軸37(アウトプットシャフト)に出力する。
【0019】
ECU50は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポート、ハイパスフィルタHPFと、を備える。
【0020】
図2は、ハイパスフィルタHPFの構成の一例を示す回路図である。ハイパスフィルタHPFは、図示するように、入力Vinと出力Voutとの間に容量C(容量値c)と抵抗R(抵抗値r)とを備える周知のハイパスフィルタとして構成されている。図3は、ハイパスフィルタHPFの位相特性を示す説明図であり、図4は、ハイパスフィルタHPFのゲイン特性を示す説明図である。図中、「Ts」は、次式(1)を用いて演算される。「ω」は、入力信号の周波数である。ハイパスフィルタHPFの出力Voutの位相は、図3に示すように、入力Vinに比して最大90度の位相進みとなる。
【0021】
Ts=1/(c・r) ・・・(1)
【0022】
ECU50には、エンジン22の運転制御やロックアップクラッチ28a、変速機30の制御に必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。ECU50に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト23の回転位置を検出するクランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温を挙げることができる。スロットルバルブのポジションを検出するスロットルポジションセンサからのスロットル開度や、吸気ポートに取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量も挙げることができる。入力軸32に取り付けられた回転数センサからの入力軸32の回転数Niなどが入力ポートを介して入力されている。更に、イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号や、シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSPも挙げることができる。更に、アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ68からの車速V、駆動輪36a,36bに取り付けられた車輪速センサ70a,70bからの駆動輪36a,36bの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbも挙げることができる。
【0023】
ECU50からは、エンジン22の運転制御やロックアップクラッチ28a、変速機30の制御に必要な各種制御信号が出力ポートを介して出力される。各種制御信号としては、例えば、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータや燃料噴射弁への駆動信号や、燃料噴射弁への駆動信号などを挙げることができる。また、トルクコンバータ28のロックアップクラッチ28aへの制御信号や、変速機30の油圧回路への制御信号などを挙げることができる。
【0024】
ECU50は、クランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算したり、車輪速センサ70a,70bからの駆動輪36a,36bの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbの平均値を用いて駆動軸37の回転数Ndsを演算している。
【0025】
こうして構成された実施例の自動車20では、ECU50は、以下の走行制御を行なう。走行制御では、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される走行要求トルクTdrv*を設定し、走行要求トルクTdrv*に基づいて変速機30の目標変速比Gr*を設定し、変速機30の変速比Grが目標変速比Gr*となるように変速機30の油圧回路を制御する。また、走行要求トルクTdrv*と変速機30の変速比Grとに基づいて変速機30の入力軸32に要求される要求トルクTin*を設定し、要求トルクTin*が変速機30の入力軸32に出力されるようにエンジン22の目標トルクTeinを設定する。そして、後述するトルク指令設定処理によりトルク指令Te*を設定して、エンジン22がトルク指令Te*で運転されるようにエンジン22を制御する。なお、ECU50は、アクセル開度Accや車速Vの入力から変速機30の制御までの処理やアクセル開度Accや車速V,変速比Grの入力からエンジン22の制御までの処理を、数msec毎に実行する。
【0026】
次に、トルク指令設定処理について説明する。図5は、ECU50により実行されるトルク指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0027】
本ルーチンが実行されると、最初に、エンジン22の回転数Neと推定回転数Nesとを入力する(ステップS100)。エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrに基づいて演算したものである。推定回転数Nesは、車輪速センサ70a,70bからの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbを用いて演算した駆動軸37の回転数Ndsと変速機30の現在の変速比Grとにより演算したエンジン22の回転数である。
【0028】
続いて、入力したエンジン22の回転数Neから推定回転数Nesを減じた処理前変化量ΔNepre(=Ne−Nes)を演算し、処理前変化量ΔNepreにハイパスフィルタHPFを用いたハイパスフィルタ処理を施したものを処理後変化量ΔNeに設定する(ステップS110)。ところで、エンジン22からのトルクの出力により駆動軸37にねじれが生じる。駆動軸37は、こうしたねじれによりトルク変動、即ち、回転数Ndsに変動が生じることから、エンジン22の回転数Neと駆動軸37の回転数Ndsから演算する推定回転数Nesとの間に差が生じることがある。したがって、エンジン22の回転数Neから推定回転数Nesを減じた処理前変化量ΔNepreは、駆動軸37のトルク変動を反映した量となっている。こうした処理前変化量ΔNepreにハイパスフィルタ処理を施すのは、エンジン22の回転数Neを導出するのに用いられるクランクポジションセンサ22aや駆動軸37の回転数Ndsを導出するのに用いられる車輪速センサ70a,70bのオフセット誤差を除去するためである。上述したように、ハイパスフィルタHPFの出力Voutの位相は、入力Vinに比して最大90度の位相進みとなる。そのため、処理後変化量ΔNeは、駆動軸37のトルク変動を反映しているが、位相が実際の駆動軸37のトルク変動に比して最大で90度進んでいる。
【0029】
次に、処理後変化量ΔNeが値0以上であるか否かを判定する(ステップS120)。処理後変化量ΔNeが値0以上であるときには、次に、処理後変化量ΔNeに定数kpを乗じてトルク低減量ΔTe1を演算する(ステップS120)。
【0030】
続いて、処理後変化量ΔNeが所定回転数dNeref以下であるか否かを判定する(ステップS140)。所定回転数dNerefは、エンジン22の回転数Neと推定回転数Nesとの間に有意な差があるか否かを判定するための閾値であり、0rpmまたは0rpmより若干大きい回転数(例えば、3rpmや5rpm,7rpmなど)に設定される。
(【0031】以降は省略されています)

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