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公開番号2021077495
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210520
出願番号2019202096
出願日20191107
発明の名称コネクタ
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人特許業務法人笠井中根国際特許事務所,個人,個人
主分類H01R 13/58 20060101AFI20210423BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電線の揺れがコネクタ内の端子に伝達されることを抑制ないしは防止できる、新規な構造のコネクタを提供する。
【解決手段】端子12を収容するハウジング16と、端子12に接続された電線18が引き出されるハウジング16後端部に装着されたバックリテーナ20と、バックリテーナ20に設けられた電線挿通孔62と、電線挿通孔62の周縁部から電線18の引き出し方向に突出する電線保持片72とを備え、電線挿通孔62から引き出される電線18が電線保持片72に対して結束具82により結束固定されているコネクタ10である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
端子を収容するハウジングと、
前記端子に接続された電線が引き出されるハウジング後端部に装着されたバックリテーナと、
前記バックリテーナに設けられた電線挿通孔と、
前記電線挿通孔の周縁部から前記電線の引き出し方向に突出する電線保持片とを備え、
前記電線挿通孔から引き出される前記電線が前記電線保持片に対して結束具により結束固定されているコネクタ。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
一対の前記電線保持片が、前記電線挿通孔の径方向で対向する2箇所に突設されており、前記電線が前記径方向の両側から一対の前記電線保持片の間に挟持されて結束固定されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
一対の前記電線保持片が前記径方向の外方に撓み変形可能とされており、一対の前記電線保持片の内周面にはそれぞれ電線押圧部が突設され、前記電線押圧部の突出先端部間の径方向離隔距離が、前記電線の外径よりも小さくされている請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記電線押圧部が半球形状を有している請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記電線保持片の外周側に離隔して、前記電線の引き出し方向に突出する外周壁と、前記外周壁の突出端側から前記電線保持片に向かって突出するカバー壁とを有し、
前記電線保持片と前記外周壁との対向隙間により前記結束具の収容領域が構成され、前記カバー壁に当接することにより、前記結束具の前記収容領域からの抜け出しが阻止されるようになっている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
一対の前記電線保持片の外周側に離隔して、前記電線の引き出し方向にそれぞれ突出する突片状の一対の外周壁と、一対の前記外周壁の突出端側から前記電線保持片に向かって突出して一対の前記外周壁の突出端側を相互に連結する円環状のカバー壁とを有し、
一対の前記電線保持片と一対の前記外周壁との一対の対向隙間により前記結束具の一対の収容領域が構成され、前記カバー壁に当接することにより、前記結束具の前記収容領域からの抜け出しが阻止されるようになっている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、バックリテーナを備えたコネクタに関するものである。
続きを表示(約 9,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、車載機器間を電気的に接続するために用いられるコネクタの一種として、特開2010−246339号公報(特許文献1)に記載の如き、端子を収容するハウジングと、端子に接続された電線が引き出されるハウジング後端部に装着されたバックリテーナを備えたものが知られている。バックリテーナは、予め電線に嵌合されてハウジングと電線の間をシールするシールゴムが、ハウジング後端部から離脱することを阻止する機能等を担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010−246339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気自動車やハイブリッド車両等では、使用する電力が相対的に高電圧、大電流であることから、電線のサイズが大きくなり重量が増大する傾向にある。その結果、電線の揺れが生じ易いという問題があった。電線の揺れがコネクタ内の端子に伝達されると、相手側端子との接点部が動いてめっきが摩耗することにより接触抵抗が増大したり、接点離れによるスパークなどの問題が発生する可能性も考えられる。
【0005】
本開示は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、電線の揺れがコネクタ内の端子に伝達されることを抑制ないしは防止できる、新規な構造のコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、端子を収容するハウジングと、前記端子に接続された電線が引き出されるハウジング後端部に装着されたバックリテーナと、前記バックリテーナに設けられた電線挿通孔と、前記電線挿通孔の周縁部から前記電線の引き出し方向に突出する電線保持片とを備え、前記電線挿通孔から引き出される前記電線が前記電線保持片に対して結束具により結束固定されているコネクタである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電線の揺れ等の変位による外力がコネクタ内の端子に伝達されることを抑制ないしは防止できるコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本開示の実施形態にかかるコネクタを示す分解側面図である。
図2は、図1における組付け状態のコネクタを示す縦断面図である(仮想線で、電線未挿通時の電線保持片を記載している)。
図3は、図2における1本の電線に接続されるシール部材とバックリテーナと結束バンドを示す分解斜視図である(電線と結束前の結束バンドを仮想線で記載している)。
図4は、図3に示すバックリテーナを側方斜め上方から見た場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)端子を収容するハウジングと、
前記端子に接続された電線が引き出されるハウジング後端部に装着されたバックリテーナと、前記バックリテーナに設けられた電線挿通孔と、前記電線挿通孔の周縁部から前記電線の引き出し方向に突出する電線保持片とを備え、前記電線挿通孔から引き出される前記電線が前記電線保持片に対して結束具により結束固定されているコネクタである。
【0010】
本開示のコネクタによれば、バックリテーナの電線挿通孔の周縁部から突出する電線保持片が設けられ、電線保持片に対して電線挿通孔から引き出される電線が結束具により結束固定されている。これにより、電線の揺れや温度変化による電線の引張等の変位に起因して電線から端子側に及ぼされる外力が、電線保持片で吸収されてバックリテーナを介してハウジングへ確実に分散される。その結果、コネクタ内の端子に電線からの外力が伝達されることを確実に抑制乃至は防止でき、電線の揺れ等の変位に起因して端子の相手側端子との接点部が動いてめっきが摩耗したり、接触抵抗が増大したり、さらには接点離れによるスパークが発生する等の問題の発生を未然に防止することができる。
【0011】
特に、電線挿通孔の周縁部から突出する電線保持片に結束具を用いて電線を結束固定するだけでよいことから、簡単な構造で電線からの外力の端子への伝達を確実に防止乃至は抑制することができる。
【0012】
なお、結束具としては、電線を電線保持片に結束固定できるものであれば、結束バンドや結束テープ等、任意のものがいずれも採用可能である。また、電線保持片の数は、1つでも複数でもよい。
【0013】
(2)一対の前記電線保持片が、前記電線挿通孔の径方向で対向する2箇所に突設されており、前記電線が前記径方向の両側から一対の前記電線保持片の間に挟持されて結束固定されていることが好ましい。電線挿通孔の径方向で対向する2箇所に突設された一対の電線保持片間に電線を挟持することができ、電線の揺れ等の変位を一層確実に吸収して、電線の変位の端子側への伝達をより確実に抑制乃至は防止できるからである。
【0014】
(3)上記(2)において、一対の前記電線保持片が前記径方向の外方に撓み変形可能とされており、一対の前記電線保持片の内周面にはそれぞれ電線押圧部が突設され、前記電線押圧部の突出先端部間の径方向離隔距離が、前記電線の外径よりも小さくされていることが好ましい。一対の電線保持片が径方向の外方に撓み変形可能であることから、一対の電線保持片間に電線を挿通して配置する作業を容易に行うことができる。また、一対の電線保持片の内周面に突設された電線押圧部の突出先端部間の径方向離隔距離が電線の外径よりも小さくされている。これにより、結束の前に、電線押圧部間に電線を確実に仮保持できて結束具により電線の電線保持片への結束作業を容易に行うことができる。また、結束状態では、電線押圧部を径方向両側から電線に食い込むように押圧することができ、電線保持片による電線の保持を一層安定して実現できる。
【0015】
(4)上記(3)において、前記電線押圧部が半球形状を有していることが好ましい。電線から伝達されるあらゆる方向の外力に対しても、電線の絶縁被覆に対する電線押圧部の係合代を安定して確保できるからである。
【0016】
(5)前記電線保持片の外周側に離隔して、前記電線の引き出し方向に突出する外周壁と、前記外周壁の突出端側から前記電線保持片に向かって突出するカバー壁とを有し、前記電線保持片と前記外周壁との対向隙間により前記結束具の収容領域が構成され、前記カバー壁に当接することにより、前記結束具の前記収容領域からの抜け出しが阻止されるようになっていることが好ましい。電線保持片の外周側に離隔して外周壁を突設する簡単な構造により、スペース効率よく結束具の収容領域を確保できるからである。しかも、外周壁の突出端側に電線保持片に向かって突出するカバー壁を設ける簡単な構造により、結束具の収容領域からの抜け出しを安定して阻止できるからである。
なお、外周壁の形状は、電線保持片との対向隙間に結束具の収容領域が構成できる形状であればいずれでもよい。例えば、外周壁は電線保持片の如き突片形状であってもよいし、電線挿通孔の周方向の所定距離に亘って円弧状に突出する形状や、電線挿通孔の周方向の全周を囲って環状に延びる形状などでもよい。同様に、カバー壁の形状も、収容領域からの結束具の抜け出しを阻止できるものであればいずれの形状も採用可能である。
【0017】
(6)上記(2)から(4)のいずれかにおいて、一対の前記電線保持片の外周側に離隔して、前記電線の引き出し方向にそれぞれ突出する突片状の一対の外周壁と、一対の前記外周壁の突出端側から前記電線保持片に向かって突出して一対の前記外周壁の突出端側を相互に連結する円環状のカバー壁とを有し、一対の前記電線保持片と一対の前記外周壁との一対の対向隙間により前記結束具の一対の収容領域が構成され、前記カバー壁に当接することにより、前記結束具の前記収容領域からの抜け出しが阻止されるようになっていることが好ましい。一対の電線保持片の外周側、すなわち、電線の径方向の両側に一対の収容領域を設け、結束具を一層安定して収容保持できるからである。しかも、突片状の一対の外周壁の突出端側が円環状のカバー壁部で相互に連結されていることから、突片状の外周壁の強度も安定して確保することができる。それゆえ、材料費や重量の削減を図りつつ結束具の抜け出し防止機能を備えた結束具の収容領域を有利に構築できる。
【0018】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0019】
<本実施形態>
以下、本開示の実施形態について、図1から図4を参照しつつ説明する。本実施形態におけるコネクタ10は、図1に示すように、端子12およびばね部材14を収容するハウジング16と、端子12に接続されてハウジング16の後端部から伸び出す電線18と、ハウジング16の後端部に装着されて電線18を保持するバックリテーナ20と、を備えて構成されている。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。図1および図2から明らかなように、本実施形態のコネクタ10では、ハウジング16に2本の端子12付電線18が収容保持されている。2本の端子12付電線18やそれに装着されるバックリテーナ20や後述するシール部材60はいずれも同じ構造であるため、以下の説明では、1本の端子12付電線18に基づいて詳述する。
【0020】
<ハウジング16>
図1および図2に示すように、端子12は、ばね部材14と共にコネクタ10のハウジング16内に収容され、コネクタ10として用いられる。ハウジング16は合成樹脂製とされており、長さ方向に伸びて前後方向に開口する角筒形状を有している。ハウジング16の前方側の上下方向に離隔する2箇所には相手側端子21が挿入される相手側端子挿入孔22が形成されており、ハウジング16の後方側の上下方向に離隔する2箇所には端子12が挿入される端子挿通孔24が形成されている。上記2箇所に形成された相手側端子挿入孔22と端子挿通孔24はそれぞれ、矩形断面形状で上下方向に離隔して長さ方向に伸びるキャビティ26に連通している。キャビティ26の前端側には、壁部に凹所状のばね部材収容部28が形成されており、ばね部材収容部28の後方側の上壁および下壁にはそれぞれ係合孔30が形成されている。
【0021】
<端子12>
図1に示すように、端子12は、平板状の接続端子である。端子12の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属材料を適宜用いることができる。端子12は、その構成金属の種類や使用環境に応じて、銀メッキ、錫メッキやアルミニウムメッキ等の表面処理を施していてもよく、例えば、導電性に優れた金属板をプレス打ち抜き加工することによって形成することができる。端子12は、先端側(図1中、左方側)に相手側端子21(図2参照)と電気的に接続される相手側端子接続部32を有しており、基端側(図2中、右方側)には電線18と接続される芯線圧着部34を有している。芯線圧着部34は、矩形平板状の底壁36と、この底壁36の幅方向の両側縁部から突出する一対の矩形平板状の圧着片38,38を有している。この芯線圧着部34に対して、電線18の芯線40が導通接続されている。電線18は、導体である銅やアルミニウムその他の金属線の複数を束ね合わせた芯線40が、エチレン系樹脂やスチレン系樹脂等の電気絶縁性を有する絶縁被覆42で覆われた構造とされている。そして、電線18の端末において絶縁被覆42を剥いで露呈された芯線40を芯線圧着部34の底壁36に載置した後、公知の圧着技術を用いて圧着する。これにより、底壁36と一対の圧着片38,38を備えた芯線圧着部34が塑性変形して、芯線40を外周面から包み込むようにして圧着され、電線18の芯線40が端子12に対して導通接続されるようになっている。
【0022】
<接点部44>
図1および図2に示すように、端子12には、相手側端子21と対向する面には、相手側端子21に向かって曲面状に膨出して形成される接点部44を有している。接点部44は、ほぼ平坦面に近い緩やかな曲面状をなしている。本実施形態では、接点部44は、長さ方向の一部において幅方向の全長に亘って帯状に広がって形成されている。
【0023】
<ばね部材14>
ばね部材14は、プレス加工や打抜き加工等が可能な種々の金属材料、例えばばね鋼やステンレス鋼,黄銅,リン青銅,ベリリウム銅等の帯板を用いて形成されている。ばね部材14は、その構成金属の種類や使用環境に応じて、銀メッキ、錫メッキやアルミニウムメッキ等の表面処理を施されていてもよい。ばね部材14は、図1および図2に示すように、端子12の相手側端子接続部32に相手側端子21が重ね合わされた状態において、重ね合わせ方向(図1および図2中、上下方向)の両側から相手側端子接続部32と相手側端子21を上下から挟持するように押圧片46a,46bがそれぞれ重ね合わされている。押圧片46a,46bの幅方向右端部は矩形平板状の連結部48によって連結されている。ばね部材14の相手側端子21と当接する押圧片46aは、相手側端子21に向かって膨出する球殻状の押圧点50を有している。
【0024】
<ばね部材リテーナ52>
図2に示すように、端子12は、相手側端子接続部32と芯線圧着部34との間に係合孔54を有している。係合孔54は、端子12を板厚方向に貫通するように形成されている。ばね部材リテーナ52は、例えば、耐熱性および剛性に優れた合成樹脂から形成されており、上側ばね部材リテーナ分割体56と下側ばね部材リテーナ分割体58を備えている。上側ばね部材リテーナ分割体56と下側ばね部材リテーナ分割体58は、図示しない係合機構により相互に組み付けられて固定されている。上側ばね部材リテーナ分割体56には、下方に向かって矩形断面形状で突出する係合突部56aと上方に向かって突出する三角断面形状の係合突起56bが設けられている。下側ばね部材リテーナ分割体58には、上方に向かって矩形断面形状で突出する係合突部58aと下方に向かって突出する三角断面形状の係合突起58bが設けられている。図2に示すように、上側ばね部材リテーナ分割体56の係合突部56aが端子12の係合孔54の前方側に係合され、下側ばね部材リテーナ分割体58の係合突部58aが端子12の係合孔54の後方側に係合されている。このような状態で上側ばね部材リテーナ分割体56と下側ばね部材リテーナ分割体58相互に組み付けられて、端子12に対して固定されている。
【0025】
<バックリテーナ20>
電線18の端末には、バックリテーナ20とシール部材60が装着されている。すなわち、端子12に接続された電線18が引き出されるハウジング16の後端部にバックリテーナ20とシール部材60が装着されるようになっている。図3および図4に示すように、バックリテーナ20は、略矩形平板形状を有しており、中央部には円形状で板厚方向に貫設された電線挿通孔62が形成されている。バックリテーナ20の前面64の幅方向(図3中、左右方向)両端縁部には、全長にわたって前方(図4中、左方)に向かって突出する矩形平板状の側壁66が設けられている。この側壁66の上下方向中央部には、バックリテーナ20の前面64の幅方向両端縁部から側壁66の突出端部に到らない長さで板厚方向に矩形状に貫設された係合孔68が形成されている。バックリテーナ20の後面70における電線挿通孔62の径方向(図3および図4中,上下方向)で対向する周縁部にはそれぞれ、周縁部から電線18の引き出し方向(図4中、右方)に向かって円弧断面形状で突出する電線保持片72を備えられている。すなわち、一対の電線保持片72,72が、電線挿通孔62の径方向で対向する2箇所の周縁部から突設されている。
【0026】
また、一対の電線保持片72,72は電線挿通孔62の周縁部から円弧断面形状を有して片持ち梁状に突出しており、電線挿通孔62の径方向外方に向かって撓み変形可能とされている。さらに、一対の電線保持片72,72の内周面の中央部にはそれぞれ、電線保持片72の径方向内方に向かって電線押圧部74が突設されている。ここで、電線保持片72の内周面の曲率は、電線18の外周面の曲率と略同一とされ、後述する一対の電線保持片72,72による電線18の保持を安定的に行うことを可能としている。しかも、電線押圧部74は、半球形状を有している。それゆえ、電線18からあらゆる方向の外力が伝達されたとしても、電線18の絶縁被覆42に対する電線押圧部74の係合代すなわち電線押圧部74の絶縁被覆42への沈み込み量を略同一とでき、一定の沈み込み量を安定的に確保できる。加えて、図2に示すように、一対の電線保持片72,72における電線未挿通時の電線押圧部74の突出先端部間の径方向離隔距離:rが、電線18の外径:Rよりも小さくされている。
【0027】
さらに、バックリテーナ20の上下方向の端縁部には、幅方向の中央部分において後面70から電線18の引き出し方向(図4中、右方)に向かって突出する一対の突片状の外周壁76,76が設けられている。一対の外周壁76,76の突出端には、円環状のカバー壁78が配置されており、カバー壁78を介して一対の外周壁76,76が相互に連結されている。カバー壁78は、電線挿通孔62と同心状に配設され、電線挿通孔62から引き出された電線18が、カバー壁78の中央孔を挿通して引き出されるようになっている。ここで、一対の外周壁76,76は、一対の電線保持片72,72の外周側に離隔して設けられている。カバー壁78は、一対の外周壁76,76から径方向内方に突出して広がっており、図2に示すように、カバー壁78の内周側が一対の電線保持片72,72の突出部よりも軸方向外方(図2中、右方)に離隔すると共に軸方向の投影で重なるようになっている。これにより、一対の電線保持片72,72と一対の外周壁76,76の間には対向隙間が形成され、この一対の対向隙間によって後述する結束具を構成する結束バンド82の帯状部84を収容する一対の収容領域80,80が構成されている。さらに、結束バンド82の帯状部84がカバー壁78に当接することにより、結束バンド82の一対の収容領域80,80からの抜け出しが阻止されるようになっている。
【0028】
<結束バンド82>
結束バンド82は、図3に示すように、長方形断面の細長い平板形状とされた帯状部84を備えており、この帯状部84の長さ方向一方の端部にブロック状のヘッド部86が形成されている。結束バンド82は合成樹脂材料で一体成形されており、帯状部84が湾曲変形可能となっている。また、帯状部84には図示しない係止突起が長手方向に多数並んで形成されており、帯状部84をリング状に湾曲させて先端部を挿通孔88に挿し入れることにより、ヘッド部86の挿通孔88内に突設された図示しない係止片に対して帯状部84を解除不能に係止できるようになっている。
【0029】
<シール部材60>
シール部材60は、ゴム製とされ、図2および図3に示すように、電線18の端末において、バックリテーナ20に隣接した端子12側の電線18の外周面に取り付けられている。
【0030】
<本実施形態の組付方法>
本実施形態の組付方法について以下に簡単に説明する。はじめに、バックリテーナ20とシール部材60を記載順に、電線18の端部の絶縁被覆42に予め挿通させておく。次に、端子12を準備し、この端子12の芯線圧着部34に対して電線18の芯線40を圧着し導通接続する。続いて、この端子12の係合孔54に対して、上側ばね部材リテーナ分割体56と下側ばね部材リテーナ分割体58からなるばね部材リテーナ52を取り付け、ばね部材14を端子12の相手側端子接続部32に配置する。このように構成された2本の電線18をそれぞれ相手側端子接続部32側からコネクタ10のハウジング16の所定の端子挿通孔24に挿入し、奥まで押し込む。これにより、端子12の相手側端子接続部32に配置されたばね部材14が、図2に示すように、ハウジング16内の所定のばね部材収容部28に安定的に収容される。すなわち、端子12の相手側端子接続部32の先端部がハウジング16の先端側に設けられた嵌合孔90に係合されると共に、ばね部材リテーナ52の係合突部56a,58aがハウジング16のばね部材収容部28の後方側に設けられた係合孔30に嵌合される。その後、シール部材60とバックリテーナ20をハウジング16側に移動して、バックリテーナ20をハウジング16に嵌合する。これにより、図2に示すように、一対の電線保持片72,72が電線挿通孔62の径方向外方に向かって撓み変形されて、一対の電線保持片72,72における電線押圧部74の突出先端部間の径方向離隔距離:rが電線18の外径:Rと同じになる。この結果、電線18が電線押圧部74の弾性復元力により押圧された状態で保持される。また、図1に示すように、バックリテーナ20の側壁66に設けられた係合孔68がそれぞれハウジング16の後方側の側壁の対向する位置に設けられた係合突起92に係合される。最後に、図1および図2に示すように、バックリテーナ20の電線挿通孔62から引き出される電線18を一対の電線保持片72,72に対して結束具たる結束バンド82を用いて結束固定して、本実施形態のコネクタ10が完成する。すなわち、図3に示すように、一対の電線保持片72,72の外周面に結束バンド82の帯状部84を巻き付け、帯状部84の先端部を挿通孔88に挿し入れて締め付けた後、挿通孔88から延び出す余分な帯状部84の先端部をカットする。この結果、図2に示すように、一対の収容領域80,80内に帯状部84が収容され、電線18がバックリテーナ20の電線挿通孔62の径方向の両側から一対の電線保持片72,72の間に挟持されて結束固定される。図1および図2に示すように、本実施形態では、上述の組付方法によりハウジング16に対して2本の端子12付電線18が同様に装着される。
(【0031】以降は省略されています)

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回路構成体
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