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公開番号2021076101
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210520
出願番号2019205305
出願日20191113
発明の名称車両
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人アイテック国際特許事務所
主分類F02D 29/00 20060101AFI20210423BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】アクセル開度の変化に拘わらず、ユーザへ与える違和感の抑制と振動の抑制との両立を図る。
【解決手段】エンジンのトルクを目標トルクへ変化させたときの変化量が第1閾値より大きい第1条件とタービンランナの回転数の変化量が第2閾値より大きい第2条件とのうちの少なくとも一方が成立しているときには、エンジンの回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、目標トルクから第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とする。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
動力を出力するエンジンと、
前記エンジンの出力軸に接続されたポンプインペラと、車軸に連結された駆動軸に接続されたタービンランナと、を有するトルクコンバータと、
アクセル開度に基づく要求トルクで走行するように前記エンジンの目標トルクを設定し、設定した前記目標トルクに基づくトルク指令で運転されるように前記エンジンを制御する制御装置と、
を備える車両であって、
前記制御装置は、
前記エンジンのトルクを前記目標トルクへ変化させたときの変化量が第1閾値より大きい第1条件と前記タービンランナの回転数の変化量が第2閾値より大きい第2条件とのうちの少なくとも一方が成立しているときには、前記エンジンの回転数と前記駆動軸の回転数を用いて演算される前記エンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、前記処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、前記目標トルクから前記第1低減量と前記第2低減量とを減じたものを前記トルク指令とする、
車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関し、詳しくは、エンジンと、トルクコンバータと、を備える車両に関する。
続きを表示(約 8,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両としては、エンジンと、変速機と、を備え、エンジンの回転数が目標回転数となるように変速機を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、目標回転数を、ユーザの意図に基づく回転数から、アクセルペダルが踏み込まれてシフトダウンすることによるエンジンの回転数の変動に起因する車両振動を抑制する回転数へ変更する。これにより、車両振動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2003−502599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の車両では、車両振動の抑制は実現されるものの、エンジンの回転数がユーザの意図とは異なる回転数となることから、ユーザが違和感を覚えることがある。そのため、ユーザへ与える違和感の抑制と振動の抑制とを両立する制御が望まれている。また、上述の車両では、アクセルペダルがオフされたときの駆動軸のトルク変動による車両振動に対処できていない。
【0005】
本発明の車両は、アクセル開度の変化に拘わらず、ユーザへ与える違和感の抑制と車両振動の抑制との両立を図ることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の車両は、
動力を出力するエンジンと、
前記エンジンの出力軸に接続されたポンプインペラと、車軸に連結された駆動軸に接続されたタービンランナと、を有するトルクコンバータと、
アクセル開度に基づく要求トルクで走行するように前記エンジンの目標トルクを設定し、設定した前記目標トルクに基づくトルク指令で運転されるように前記エンジンを制御する制御装置と、
を備える車両であって、
前記制御装置は、
前記エンジンのトルクを前記目標トルクへ変化させたときの変化量が第1閾値より大きい第1条件と前記タービンランナの回転数の変化量が第2閾値より大きい第2条件とのうちの少なくとも一方が成立しているときには、前記エンジンの回転数と前記駆動軸の回転数を用いて演算される前記エンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、前記処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、前記目標トルクから前記第1低減量と前記第2低減量とを減じたものを前記トルク指令とする、
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明の車両では、アクセル開度に基づく要求トルクで走行するようにエンジンの目標トルクを設定し、設定した目標トルクに基づくトルク指令で運転されるようにエンジンを制御する。そして、エンジンのトルクを目標トルクへ変化させたときの変化量が第1閾値より大きい第1条件とタービンランナの回転数の変化量が第2閾値より大きい第2条件とのうちの少なくとも一方が成立しているときには、エンジンの回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との差である処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量に比例する第1低減量を演算し、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、目標トルクから第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とする。
【0009】
エンジンのトルクを目標トルクへ変化させたときの変化量が第1閾値より大きい第1条件とタービンランナの回転数の変化量が第2閾値より大きい第2条件とのうちの少なくとも一方が成立しているときには、目標トルクをエンジンのトルク指令としてエンジンを制御すると、駆動軸のねじれが大きくなり、このねじれにより駆動軸に短周期の比較的大きなトルク変動が発生することが予測される。駆動軸にトルク変動が生じると、エンジンの実際の回転数と駆動軸の回転数を用いて演算されるエンジンの推定回転数との間にトルク変動に応じた差が生じる。そのため、エンジンの実際の回転数と推定回転数との差である処理前変化量は、トルク変動の大きさや位相を反映した量となっている。処理前変化量には、エンジンの回転数や駆動軸の回転数を導出するために用いられる各センサのオフセット誤差が含まれる。そのため、処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量を用いて第1、第2低減量を演算することにより、第1、第2低減量からエンジンの回転数や駆動軸の回転数を導出するために用いられる各センサのオフセット誤差を除去している。
【0010】
処理前変化量にハイパスフィルタ処理を施して得られる処理後変化量の位相は、処理前変化量、即ち、トルク変動に比して最大90度進む位相進みとなる。そのため、処理後変化量に比例する第1低減量にも、こうした位相進みが生じているため、第1低減量でエンジンの目標トルクを補正する場合、位相進みを補正する必要がある。本発明では、こうしたことを考慮して、目標トルクをエンジンのトルク指令としてエンジンを制御すると車両振動が発生すると予測されるときには、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量を演算し、エンジンの目標トルクから、第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とする。処理後変化量の時間変化は正弦波で近似できることから、処理後変化量の積算値に比例する第2低減量の位相は、処理後変化量を90度遅らせたものとなる。こうして演算した第1低減量と第2低減量とを減じたものをトルク指令とすることにより、エンジンの目標トルクから第1低減量のみを減じたものをトルク指令とするものに比して、トルク変動をより適正に抑制して、車両振動を抑制できる。また、エンジンをトルク制御するから、エンジンの回転数を制御するものに比して、ユーザに違和感を与えるのを抑制することができる。また、こうした制御にはアクセル開度の変化の程度に拘わらず適用することができる。この結果、アクセル開度の変化に拘わらず、ユーザへ与える違和感の抑制と車両振動の抑制との両立を図ることができる。
【0011】
こうした本発明の車両において、前記タービンランナと前記駆動軸との間で変速比の変更を伴って動力を伝達する変速機を備え、前記制御装置は、変速比が目標変速比となるように前記変速機を制御し、さらに、前記第2条件における前記タービンランナの回転数の変化量は、前記駆動軸の回転数と前記変速機の前記変速比とに基づいて演算されるタービンランナの回転数を前記駆動軸の回転数と前記変速機の前記目標変速比とに基づいて演算されるタービンランナの目標回転数へ変化させたときの変化量としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の一実施例としての自動車20の構成の概略を示す構成図である。
ハイパスフィルタHPFの構成の一例を示す回路図である。
ハイパスフィルタHPFの位相特性を示す説明図である。
ハイパスフィルタHPFのゲイン特性を示す説明図である。
ECU50により実行されるトルク指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の一実施例としての自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車20は、図示するように、エンジン22と、トルクコンバータ28と、変速機30と、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)50と、を備える。
【0015】
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するECU50により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。
【0016】
トルクコンバータ28は、一般的な流体式の伝導装置として構成されており、エンジン22のクランクシャフト23の動力を変速機30の入力軸32にトルクを増幅して伝達したり、トルクを増幅することなくそのまま伝達したりする。トルクコンバータ28は、エンジン22のクランクシャフト23に接続されたポンプインペラと、入力軸32に接続されたタービンランナと、タービンランナからポンプインペラへの作動油の流れを整流するステータと、ステータの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチと、ポンプインペラとタービンランナとを連結する油圧駆動のロックアップクラッチ28aと、を備える。ロックアップクラッチ28aは、ECU50により駆動制御されている。
【0017】
変速機30は、ベルト式の無段変速機(CVT)として構成されており、図示はしないが、溝幅が変更可能で入力軸32(インプットシャフト)に接続されたプライマリプーリと、同じく溝幅が変更可能で駆動軸37(アウトプットシャフト)に接続されたセカンダリプーリと、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝に架けられたベルトと、作動油を用いてプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅を変更する油圧回路と、を備える。変速機30は、油圧回路を駆動してプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅を変更することにより入力軸32(インプットシャフト)の動力を無段階に変速して駆動軸37(アウトプットシャフト)に出力する。
【0018】
ECU50は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポート、ハイパスフィルタHPFと、を備える。
【0019】
図2は、ハイパスフィルタHPFの構成の一例を示す回路図である。ハイパスフィルタHPFは、図示するように、入力Vinと出力Voutとの間に容量C(容量値c)と抵抗R(抵抗値r)とを備える周知のハイパスフィルタとして構成されている。図3は、ハイパスフィルタHPFの位相特性を示す説明図であり、図4は、ハイパスフィルタHPFのゲイン特性を示す説明図である。図中、「Ts」は、次式(1)を用いて演算される。「ω」は、入力信号の周波数である。ハイパスフィルタHPFの出力Voutの位相は、図3に示すように、入力Vinに比して最大90度の位相進みとなる。
【0020】
Ts=1/(c・r) ・・・(1)
【0021】
ECU50には、エンジン22の運転制御やロックアップクラッチ28a、変速機30の制御に必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。ECU50に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト23の回転位置を検出するクランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温を挙げることができる。スロットルバルブのポジションを検出するスロットルポジションセンサからのスロットル開度や、吸気ポートに取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量も挙げることができる。入力軸32に取り付けられた回転数センサからの入力軸32の回転数Niなどが入力ポートを介して入力されている。さらに、イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号や、シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSPも挙げることができる。さらに、アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ68からの車速V、駆動輪36a,36bに取り付けられた車輪速センサ70a,70bからの駆動輪36a,36bの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbも挙げることができる。
【0022】
ECU50からは、エンジン22の運転制御やロックアップクラッチ28a、変速機30の制御に必要な各種制御信号が出力ポートを介して出力される。各種制御信号としては、例えば、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータや燃料噴射弁への駆動信号や、燃料噴射弁への駆動信号などを挙げることができる。また、トルクコンバータ28のロックアップクラッチ28aへの制御信号や、変速機30の油圧回路への制御信号などを挙げることができる。
【0023】
ECU50は、クランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算したり、車輪速センサ70a,70bからの駆動輪36a,36bの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbの平均値を用いて駆動軸37の回転数Ndsを演算している。
【0024】
こうして構成された実施例の自動車20では、ECU50は、以下の走行制御を行なう。走行制御では、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される走行要求トルクTdrv*を設定し、走行要求トルクTdrv*に基づいて変速機30の目標変速比Gr*を設定し、変速機30の変速比Grが目標変速比Gr*となるように変速機30の油圧回路を制御する。また、走行要求トルクTdrv*と変速機30の変速比Grとに基づいて変速機30の入力軸32に要求される要求トルクTin*を設定し、要求トルクTin*が変速機30の入力軸32に出力されるようにエンジン22の目標トルクTeinを設定する。そして、後述するトルク指令設定処理によりトルク指令Te*を設定して、エンジン22がトルク指令Te*で運転されるようにエンジン22を制御する。なお、ECU50は、アクセル開度Accや車速Vの入力から変速機30の制御までの処理やアクセル開度Accや車速V,変速比Grの入力からエンジン22の制御までの処理を、数msec毎に実行する。
【0025】
次に、トルク指令設定処理について説明する。図5は、ECU50により実行されるトルク指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0026】
本ルーチンが実行されると、最初に、エンジン22の回転数Neや推定回転数Nes、目標トルクTein、目標タービン回転数Ninと、前回Te*と、前回Ninと、を入力する(ステップS100)。エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ22aからのクランク角θcrに基づいて演算したものである。推定回転数Nesは、車輪速センサ70a,70bからの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbを用いて演算した駆動軸37の回転数Ndsと変速機30の現在の変速比Grとにより演算したエンジン22の回転数である。目標トルクTeinは、走行制御で設定されているものを入力している。目標タービン回転数Ninは、変速機30の変速比Grを目標変速比Gr*としたときのタービンランナ(入力軸32)の回転数であり、車輪速センサ70a,70bからの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbを用いて演算した駆動軸37の回転数Ndsと変速機30の目標変速比Gr*とにより演算したものを入力している。前回Te*は、前回本ルーチンを実行したときのトルク指令Te*である。前回Ninは、前回本ルーチンを実行したときのタービンランナ(入力軸32)の回転数であり、前回本ルーチンを実行したときの車輪速センサ70a,70bからの回転速度(車輪速)Vwa,Vwbを用いて演算した前回本ルーチンを実行したときの駆動軸37の回転数Ndsと、前回本ルーチンを実行したときの変速機30の変速比Grとにより演算したものを入力している。
【0027】
続いて、ステップS100で入力した目標トルクTeinから前回Te*減じてトルク変化量ΔTeinを演算し(ステップS110)、ステップS100で入力した目標タービン回転数Ninから前回Ninを減じて回転数変化量ΔNinを演算する(ステップS120)。
【0028】
そして、トルク変化量ΔTeinが第1閾値TH1以上である第1条件と回転数変化量ΔNinが第2閾値TH2以上である第2条件の少なくとも一方が成立しているか否かを判定する(ステップS130)。駆動軸37に作用するトルク(以下、「駆動軸トルク」という)が変化すると、駆動軸37にねじれが生じて、車両振動が発生する。こうした駆動軸トルクの変化は、エンジン22から出力されるトルクの変化とエンジン22のクランクシャフト23と駆動軸37との間の回転系(トルクコンバータ28、入力軸32、変速機30)のイナーシャートルクの変化との和であると考えられる。そこで、第1閾値TH1は、エンジン22のトルクを目標トルクTeinとしたときに予測されるエンジン22のトルク変化により車両振動が大きくなるか否かを判定するための閾値として、予め実験や解析などにより求めた値としている。第2閾値TH2は、変速機30の変速比Grを目標変速比Gr*として入力軸32の回転数(タービンインペラの回転数)が変化しときに予測されるイナーシャートルクの変化により車両振動が大きくなるか否かを判定するための閾値として、予め実験や解析などにより求めた値である。
【0029】
ステップS130で第1条件および第2条件が成立していないときには、エンジン22を目標トルクTeinで運転したり変速機30の変速比Grを目標変速比Gr*としてタービンインペラの回転数が変化しても車両振動が大きくならないと判断して、目標トルクTeinをトルク指令Te*に設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。こうしてトルク指令Te*を設定すると、エンジン22がトルク指令Te*で運転されるようにエンジン22を制御する。こうした制御により、ユーザの意図した走行をすることができる。
【0030】
ステップS130で第1条件および第2条件の少なくとも一方が成立しているときには、エンジン22を目標トルクTeinで運転したり変速機30の変速比Grを目標変速比Gr*とすると車両振動が大きくなることが予測されるして、入力したエンジン22の回転数Neから推定回転数Nesを減じた処理前変化量ΔNepre(=Ne−Nes)を演算し、処理前変化量ΔNepreにハイパスフィルタHPFを用いたハイパスフィルタ処理を施したものを処理後変化量ΔNeに設定する(ステップS150)。駆動軸37に短周期のトルク変動が生じると、回転数Ndsに変動が生じることから、エンジン22の回転数Neと駆動軸37の回転数Ndsから演算する推定回転数Nesとの間に差が生じる。したがって、エンジン22の回転数Neから推定回転数Nesを減じた処理前変化量ΔNepreは、駆動軸37のトルク変動を反映した量となっている。こうした処理前変化量ΔNepreにハイパスフィルタ処理を施すのは、エンジン22の回転数Neを導出するのに用いられるクランクポジションセンサ22aや駆動軸37の回転数Ndsを導出するのに用いられる車輪速センサ70a,70bのオフセット誤差を除去するためである。上述したように、ハイパスフィルタHPFの出力Voutの位相は、入力Vinに比して最大90度の位相進みとなっている。そのため、処理後変化量ΔNeは、駆動軸37のトルク変動を反映しているが、位相が実際の駆動軸37のトルク変動に比して最大で90度進んでいる。
(【0031】以降は省略されています)

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