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公開番号2021071185
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210506
出願番号2019199727
出願日20191101
発明の名称ラビリンスシール
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人特許業務法人梶・須原特許事務所
主分類F16J 15/447 20060101AFI20210409BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】組み付け性を確保しながら、漏れ量を低減させることが可能なラビリンスシールを提供する。
【解決手段】静止体12の回転体11側の表面から回転体11の方に延びる第1フィン2と、回転体の静止体側の表面から静止体の方に延びる第2フィン3と、を有し、流れ方向Bに沿い、少なくとも2つの第1フィンが並んで設けられ、隣り合う第1フィン同士の間に第2フィンがそれぞれ配置され、回転体と静止体との間に形成された隙間の入口と出口との差圧が100kPa以上である。回転体の静止体側の表面から、第2フィンよりも低圧側フィン2bの先端までの対向方向Aでの距離をC1、回転体の静止体側の表面から第2フィンの先端までの対向方向Aでの距離をC2としたとき、1.0>C2/C1≧0.43を満たす。回転体と静止体とを組み付ける際の、静止体の中心に対する回転体の中心の対向方向Aへのずれ量よりも、C1からC2を引いた値の方が大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1部材と、
前記第1部材に対向する第2部材と、
を備える回転機械に設けられるラビリンスシールであって、
前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向である対向方向に直交する方向である流れ方向に、高圧側から低圧側に流体が流れるように、前記第1部材と前記第2部材との間に隙間が形成されており、
前記第2部材の前記第1部材側の表面から前記第1部材の方に延びる第1フィンと、
前記第1部材の前記第2部材側の表面から前記第2部材の方に延びる第2フィンと、
を有し、
前記流れ方向に沿って、少なくとも2つの前記第1フィンが並んで設けられており、
隣り合う前記第1フィン同士の間に前記第2フィンがそれぞれ配置されており、
前記隙間の入口と出口との差圧が100kPa以上であり、
前記第1部材の前記第2部材側の表面から、前記第2フィンよりも低圧側の前記第1フィンの先端までの前記対向方向における距離をC1、前記第1部材の前記第2部材側の表面から前記第2フィンの先端までの前記対向方向における距離をC2としたときに、1.0>C2/C1≧0.43を満たすとともに、
前記第1部材と前記第2部材とを組み付ける際における、前記第2部材の中心に対する前記第1部材の中心の前記対向方向へのずれ量よりも、C1からC2を引いた値の方が大きいことを特徴とするラビリンスシール。
続きを表示(約 75 文字)【請求項2】
前記流れ方向に沿って、3つ以上の前記第1フィンが並んで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のラビリンスシール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機械に設けられるラビリンスシールに関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ファンのシール装置が開示されている。このシール装置では、リングに突設された絞り片と、リングに対向配置されるシュラウドの筒状部に突設された逆絞り片とによって、食い違い型のラビリンスシール部が形成されている。そして、筒状部の内周面から絞り片の先端までの距離C1と、筒状部の内周面から逆絞り片の先端までの距離C2とが、C2≦C1の関係を満たしている。これにより、シール装置の組立時に、シュラウドの筒状体にリングを軸方向から容易に装着することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002−106488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なファンでは、回転軸の支持に転がり軸受けが使用される。この場合、ロータの軸心とシールステータの中心とが一致するため、特許文献1のように、C2≦C1の関係を満たせば、軸方向からの組み付けが可能である。
【0005】
一方、ターボ機械では、軸受けにすべり軸受やティルティングパッド軸受が使用される。この場合、油膜厚さやパッドの傾きを考慮して、定常運転時にロータの中心がシールステータの中心に位置するように設計される。ロータに対するシールステータの組み付けは、ロータの停止時に実施されるが、停止時はロータと軸受けとが接触した状態になるため、シールステータの中心に対してロータの中心が偏心した状態となる。よって、ファンの場合とは異なり、C2≦C1の関係を満たしていても、ロータの偏心量が、C1からC2を引いた値よりも大きい場合には、軸方向からの組み付けが不可能となる。
【0006】
そこで、組み付け性を確保するために、C1>C2とすることが考えられる。しかし、C2の値がC1の値よりも小さくなるほど、絞り片と逆絞り片との間に形成される吹き抜け通路の幅が広くなり、漏れ量が増加してしまう。
【0007】
本発明の目的は、組み付け性を確保しながら、漏れ量を低減させることが可能なラビリンスシールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1部材と、前記第1部材に対向する第2部材と、を備える回転機械に設けられるラビリンスシールであって、前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向である対向方向に直交する方向である流れ方向に、高圧側から低圧側に流体が流れるように、前記第1部材と前記第2部材との間に隙間が形成されており、前記第2部材の前記第1部材側の表面から前記第1部材の方に延びる第1フィンと、前記第1部材の前記第2部材側の表面から前記第2部材の方に延びる第2フィンと、を有し、前記流れ方向に沿って、少なくとも2つの前記第1フィンが並んで設けられており、隣り合う前記第1フィン同士の間に前記第2フィンがそれぞれ配置されており、前記隙間の入口と出口との差圧が100kPa以上であり、前記第1部材の前記第2部材側の表面から、前記第2フィンよりも低圧側の前記第1フィンの先端までの前記対向方向における距離をC1、前記第1部材の前記第2部材側の表面から前記第2フィンの先端までの前記対向方向における距離をC2としたときに、1.0>C2/C1≧0.43を満たすとともに、前記第1部材と前記第2部材とを組み付ける際における、前記第2部材の中心に対する前記第1部材の中心の前記対向方向へのずれ量よりも、C1からC2を引いた値の方が大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、第1部材の第2部材側の表面から、第2フィンよりも低圧側の第1フィンの先端までの対向方向における距離C1と、第1部材の第2部材側の表面から第2フィンの先端までの対向方向における距離C2とが、1.0>C2/C1≧0.43を満たしている。C2/C1が1.0未満であるため、回転機械の組立時において、第1部材と第2部材とを組み付ける際に、第1フィンが第2フィンに当接し難くなる。また、組み付け時における、第2部材の中心に対する第1部材の中心の対向方向へのずれ量よりも、C1からC2を引いた値の方が大きいので、第1部材と第2部材とを組み付ける際に、第1フィンが第2フィンに当接するのが抑制される。これにより、回転機械を容易に組み立てることができる。
【0010】
また、第2フィンよりも高圧側の第1フィンと、第1部材との隙間を流れる流体は、第2フィンにぶつかることで、第2部材の方に流れの向きを変え、第2フィンを迂回しながら、第2フィンよりも低圧側の第1フィンと、第1部材との隙間に向かって流れる。このとき、流れの一部は分流して渦流となって、隣り合う第1フィン同士の間の空間を旋回する。この渦流によって、流れの本流は、低圧側の第1フィンと第1部材との隙間を流れる際に、第1部材に押し付けられて圧縮される。これにより、本流の流通抵抗が増加するので、漏れ量が大幅に低減される。そして、第1フィンと第2フィンとの隙間を吹き抜ける流量を減らすには、C2/C1の値を大きくする必要があるが、隙間の入口と出口との差圧が100kPa以上であるときに、C2/C1が0.43以上であれば、漏れ量を低減させる効果を、C2/C1が最大の1の場合と同等にすることができる。
【0011】
以上により、組み付け性を確保しながら、漏れ量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
ラビリンスシールの断面図である。
数値解析の結果を示す図である。
第1変形例におけるラビリンスシールの断面図である。
第2変形例におけるラビリンスシールの断面図である。
第3変形例におけるラビリンスシールの断面図である。
第4変形例におけるラビリンスシールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(回転機械の構成)
本発明の実施形態によるラビリンスシールは、回転機械に設けられている。回転機械は、例えば、圧縮機や膨張機である。本実施形態において、回転機械は、ターボ圧縮機である。
【0015】
ラビリンスシール1の断面図である図1に示すように、回転機械10は、回転体(第1部材)11と、静止体(第2部材)12と、を有している。静止体12は、回転体11に対向している。以下、回転体11と静止体12が対向する方向を対向方向Aとする。
【0016】
回転体11は、静止体12の内部に配置され、中心軸である回転軸回りに回転する。回転体11は、例えばターボ圧縮機やターボタービンのインペラである。
【0017】
静止体12は、例えばケーシングである。なお、静止体12は、ケーシング内に配置されて、ケーシングに固定された部材であってもよい。図1は、回転体11がインペラ、静止体12がケーシングである場合において、インペラの回転軸と、その周囲のケーシングの構造を示すものである。
【0018】
回転体11と静止体12との間には、図中左側の高圧側から図中右側の低圧側に向かって流体が流れるように、隙間が形成されている。以下、流体が流れる方向を流れ方向Bという。流れ方向Bは、対向方向Aに直交している。
【0019】
(ラビリンスシールの構成)
ラビリンスシール1は、第1フィン2と、第2フィン3と、を有している。第1フィン2は、静止体12の回転体11側の表面から回転体11の方に延びている。即ち、第1フィン2は、静止体12における回転体11に対向する部分に設けられている。第2フィン3は、回転体11の静止体12側の表面から静止体12の方に延びている。即ち、第2フィン3は、回転体11における静止体12に対向する部分に設けられている。
【0020】
本実施形態では、2つの第1フィン2が、流れ方向Bに沿って並んで設けられている。第2フィン3は、隣り合う第1フィン2同士の間に配置されている。以下、第2フィン3から見て高圧側(図中左側)の第1フィン2を高圧側フィン2a、第2フィン3から見て低圧側(図中右側)の第1フィン2を低圧側フィン2bという。
【0021】
ここで、回転体11の静止体12側の表面から、低圧側フィン2bの先端までの対向方向Aにおける距離をC1、回転体11の静止体12側の表面から第2フィン3の先端までの対向方向Aにおける距離をC2とする。このとき、C1とC2とは、以下の関係を満たしている。
1.0>C2/C1≧0.43
【0022】
回転機械10の組立時には、静止体12に対して回転体11を流れ方向Bに沿って組み付ける。回転体11の組み付け方向は、流れ方向Bと同方向であってもよいし、流れ方向Bとは逆方向であってもよい。また、回転機械10の組立時において、回転体11に対して静止体12を流れ方向Bと同方向もしくはその逆方向に沿って組み付けるのでもよい。以下では、回転体11に対して静止体12を流れ方向Bに沿って組み付ける場合を想定して、説明する。
【0023】
C2/C1が1.0未満であるため、回転機械10の組立時において、回転体11に対して静止体12を流れ方向Bに沿って組み付ける際に、第1フィン2が第2フィン3に当接し難くなる。
【0024】
ここで、本実施形態では、回転体11を支持する軸受けに、すべり軸受やティルティングパッド軸受が使用されている。よって、回転体11の停止時には、回転体11と軸受けとが接触した状態になり、静止体12の中心に対して回転体11の中心が偏心した状態となる。
【0025】
そこで、組み付け時における、静止体12の中心に対する回転体11の中心の対向方向Aへのずれ量よりも、C1からC2を引いた値の方が大きくされている。これにより、回転体11に対して静止体12を流れ方向Bに沿って組み付ける際に、第1フィン2が第2フィン3に当接するのが抑制される。
【0026】
また、図1に示すように、回転体11の回転時に、高圧側フィン2aと回転体11との隙間を流れる流体は、第2フィン3にぶつかることで、静止体12の方に流れの向きを変え、第2フィン3を迂回しながら、低圧側フィン2bと回転体11との隙間に向かって流れる。このとき、流れの一部は分流して渦流となって、隣り合う第1フィン2同士の間の空間を旋回する。この渦流によって、流れの本流は、低圧側フィン2bと回転体11との隙間を流れる際に、回転体11に押し付けられて圧縮される。これにより、本流の流通抵抗が増加するので、漏れ量が大幅に低減される。
【0027】
ここで、第1フィン2と第2フィン3との隙間を吹き抜ける流量を減らすには、C2/C1の値を大きくする必要がある。後述する数値解析によれば、回転体11と静止体12との間に形成された隙間の入口と出口との差圧が100kPa以上であるときに、C2/C1が0.43以上であれば、漏れ量を低減させる効果を、C2/C1が最大の1の場合と同等にすることができる。
【0028】
(数値解析)
次に、一般的なファンの差圧500Pa、および、ターボ圧縮機の差圧100kPaと1MPaの場合で、漏れ量の数値解析を行った。数値解析は、回転体11の静止体12側の表面から第2フィン3の先端までの対向方向Aにおける距離C2を0〜C1の間で変化させて行った。その結果を図2に示す。なお、各値は、C2=0での漏れ量で正規化している。
【0029】
差圧100kPa以上では、C2のC1に対する比率の下限値0.43以上において、シール効果に臨界的な効果が発現していることが認められる。C2/C1=0.43であれば、ターボ圧縮機の組立時に、静止体12の組み付けに十分な空間を確保できる。よって、1.0>C2/C1≧0.43を満たせば、組み付け性を確保しながら、漏れ量を低減させることができることがわかる。
【0030】
(第1変形例)
なお、ラビリンスシール1の断面図である図3に示すように、第1フィン2は、低圧側から高圧側に向かって傾斜していてもよい。
(【0031】以降は省略されています)

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