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公開番号2021071081
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210506
出願番号2019197820
出願日20191030
発明の名称給液式スクリュー圧縮機
出願人株式会社日立産機システム
代理人特許業務法人開知国際特許事務所
主分類F04C 18/16 20060101AFI20210409BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】吐出行程の両ロータによる液体の噛込みに起因した動力損失の低減及び吐出側と吸込側の連通の抑制を両立した給液式スクリュー圧縮機を提供する。
【解決手段】スクリュー圧縮機の吐出ポートは、軸方向のみに開口する吸込行程の第2作動室との連通を遮断可能な輪郭を有する第1開口部、第1開口部に接続した第2開口部、第1開口部及び第2開口部に接続した第3開口部で構成される。第1開口部の輪郭は、第2作動室を閉塞可能な舌片状の突起部の一対の側方縁の一方を構成し或る基点に向かう第1輪郭線、突起部の一対の側方縁の他方を構成する第2輪郭線、雌ロータ歯底円に沿い基点に向かう第3輪郭線、第1輪郭線と第3輪郭線を接続する第2接続線を含む。第2開口部は第2接続線で第1開口部に開口し基準線に向かって延在する第1溝部、第3開口部は第1溝部に開口すると共に第1輪郭線に沿って開口状態で延在する第2溝部である。
【選択図】 図6
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向一方側に吐出側端面を有する雄ロータと、
軸方向一方側に吐出側端面を有する雌ロータと、
前記雄ロータ及び前記雌ロータを互いに噛み合った状態で回転可能に収容する収容室、及び、前記雄ロータの前記吐出側端面及び前記雌ロータの前記吐出側端面に対向する前記収容室の吐出側内壁面に形成された軸方向に開口する吐出ポートを有するケーシングとを備え、
前記吐出ポートは、
前記雄ロータと前記雌ロータの前記吐出側端面における噛合いにより形成される軸方向のみに開口する第1作動室及び第2作動室のうち前記雄ロータ及び前記雌ロータの回転に伴い容積が増加する第2作動室との連通を遮断可能な輪郭を有する第1開口部と、
前記第1開口部に接続された第2開口部と、
前記第1開口部及び前記第2開口部に接続された第3開口部とで構成され、
前記第1開口部の輪郭は、
前記雄ロータの軸線及び前記雌ロータの軸線を通る基準線と前記雄ロータの歯先円と前記雌ロータの歯底円との交点を前記吐出側内壁面に投影した点を基点としたときに、
前記第2作動室を閉塞可能な舌片状の突起部における一対の側方縁のうち一方側を構成するものであって前記基点に向かって延在する第1輪郭線と、
前記突起部における一対の側方縁のうち他方側を構成する第2輪郭線と、
前記突起部における先端縁を構成するものであって前記第1輪郭線と前記第2輪郭線とを接続する第1接続線と、
前記雌ロータの歯底円を前記吐出側内壁面に投影した曲線の一部に沿って前記基点に向かって延在する第3輪郭線と、
前記第1輪郭線と前記第3輪郭線を接続する第2接続線とを含み、
前記第2開口部は、前記第2接続線の位置で前記第1開口部に開口し、前記第2接続線の位置から前記基準線に向かって前記基準線を超えない範囲で延在するように前記吐出側内壁面に形成された第1溝部によって構成され、
前記第3開口部は、一方側端部が前記第1溝部に開口すると共に、前記第1輪郭線の位置で前記第1開口部に開口して前記第1輪郭線に沿って延在するように前記吐出側内壁面に形成された第2溝部によって構成されている
給液式スクリュー圧縮機。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記第2溝部は、前記第1輪郭線の全体に亘って延在するように構成されている
請求項1に記載の給液式スクリュー圧縮機。
【請求項3】
前記第2溝部は、前記第1輪郭線の中途位置まで延在するように構成されている
請求項1に記載の給液式スクリュー圧縮機。
【請求項4】
前記第2溝部が延在する前記中途位置は、前記第1作動室及び前記第2作動室が始めて形成される回転位置における前記雄ロータの前記吐出側端面の歯先と前記雄ロータの前記軸線とを結ぶ線分を前記吐出側内壁面に投影したときの前記第1輪郭線との交点である
請求項3に記載の給液式スクリュー圧縮機。
【請求項5】
前記第2溝部における前記第1溝部に接続される部分であって前記基準線に最も接近している位置は、前記第1溝部の側方縁のうち、前記吐出側内壁面に投影した前記雄ロータの前記吐出側端面の歯面が回転により最初に到達する位置となるように設定されている
請求項1に記載の給液式スクリュー圧縮機。
【請求項6】
前記第2溝部は、その溝幅が前記雄ロータの外径の1/100以上、かつ、2/100以下となるように形成されている
請求項1に記載の給液式スクリュー圧縮機。
【請求項7】
前記第1輪郭線は、前記雄ロータの歯先円を前記吐出側内壁面に投影した曲線の一部に沿って前記基点に向かって延在するように構成されている
請求項1に記載の給液式スクリュー圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油や水等の液体を作動室に供給する給液式スクリュー圧縮機に係り、さらに詳しくは、作動室内の液体を含む圧縮気体を吐出ポートを介して吐出する給液式スクリュー圧縮機に関する。
続きを表示(約 8,900 文字)【背景技術】
【0002】
スクリュー圧縮機は、空気圧縮機や冷凍空調用圧縮機として広く普及しており、近年、省エネ化が強く求められるようになっている。そのため、スクリュー圧縮機では、高いエネルギ効率を達成することが益々重要になっている。
【0003】
スクリュー圧縮機は、螺旋状の歯(歯溝)を複数有する雌雄一対のスクリューロータと、両スクリューロータを互いに噛み合った状態で収容するケーシングとを備えており、両スクリューロータとケーシングの内壁面とで形成された作動室の容積が両スクリューロータの回転に伴い増減することで気体を吸い込み圧縮するものである。スクリュー圧縮機には、油や水等の液体を作動室へ供給する給液式のものがある。液体を作動室に供給する目的は、作動室内の気体の冷却、スクリューロータとケーシングとの間に生じる内部隙間の封止、両スクリューロータの潤滑等により、エネルギ効率の向上を図ることである。
【0004】
給液式のスクリュー圧縮機では、作動室内の圧縮気体を吐出する吐出行程において、両スクリューロータの液体の噛み込みによって動力損失が発生することが知られている。具体的には、両スクリューロータの噛み合いにより、その吐出側端面において軸方向のみに開口してスクリューロータの回転に伴い容積が縮小する三日月状の作動室が周期的に形成される。この作動室は、両スクリューロータの吐出側端面に対向するケーシングの内壁面に形成された吐出ポートに対して部分的に開口した状態となっているが、両スクリューロータの回転に伴って吐出ポートに開口する領域も狭くなっていく。当該作動室では、両スクリューロータの回転に伴って、容積が縮小していくと共に吐出ポートに対する開口領域も狭くなるので、作動室内に残存した液体を両スクリューロータが噛み込んだような状態となる。その結果、作動室内の圧力が上昇し、その分、スクリューロータを駆動するトルクが増加してしまう。つまり、両スクリューロータの液体の噛み込みによる作動室内の圧力上昇は、スクリュー圧縮機の動力損失に繋がる。
【0005】
この問題に対する方策として、例えば、特許文献1に記載のスクリュー圧縮機が提案されている。当該スクリュー圧縮機は、吸入ポートおよび吐出ポートを有するケーシング内に雌雄一対のロータが互いにかみ合った状態で回転可能に収納され、両ロータとケーシングとによって形成される作動空間内に閉じ込められたガスに液体を注入し液体が混合された状態のガスを圧縮するものであり、ケーシングのロータ吐出側端面に対向する壁面に凹部を有し、作動空間は吐出ポートと隔絶される直前に凹部と連通され、この連通は当該作動空間の容積が実質的に0になるまで持続されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2008−82273
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のスクリュー圧縮機では、両スクリューロータによる液体の噛み込みに起因した動力損失を低減する効果を十分に得ることができないと考えられる。なぜなら、本願の発明者は、次のことを見出した。両スクリューロータの噛み合いにより軸方向のみに開口してスクリューロータの回転に伴い容積が縮小する上述の作動室では、吐出ポートと隔絶される直前よりも以前から圧力上昇が既に始まっていることが判明した。この見地からすると、特許文献1に記載のスクリュー圧縮機では、軸方向のみに開口する吐出行程の当該作動空間が吐出ポートと隔絶される直前になってから凹部と連通するので、当該作動空間が凹部と連通するときには、圧力上昇が既に始まっていると考えられる。したがって、特許文献1に記載のスクリュー圧縮機では、凹部による圧力上昇の抑制効果が限定的である。
【0008】
また、特許文献1では、当該作動空間が凹部と連通したときに、凹部が吸入側とも連通している構成のスクリュー圧縮機が開示されている。この構成の場合、吐出側の高圧ガスが凹部を介して低圧の吸込側に漏洩するので、その漏洩分、エネルギ効率が低下する。
【0009】
また、スクリュー圧縮機では、両スクリューロータの吐出側端面における3つの接触点での噛み合いによって、吐出側端面において軸方向のみに開口してスクリューロータの回転に伴い容積が拡張する三日月状の作動室が上述の作動室に隣接して同時に周期的に形成される。この容積が拡張していく三日月状の作動室は、低圧の吸込側に連通するものである。高いエネルギ効率を達成するためには、吸込側に連通する当該作動室の吐出側(吐出ポート)への連通を可能な限り抑制することが求められる。
【0010】
本発明は、上記の課題を解消するためになされたものであり、その目的は、吐出行程での雄雌両ロータによる液体の噛み込みに起因した動力損失の低減および吐出側と吸込側との連通の抑制の両立を図ることができる給液式スクリュー圧縮機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、軸方向一方側に吐出側端面を有する雄ロータと、軸方向一方側に吐出側端面を有する雌ロータと、前記雄ロータ及び前記雌ロータを互いに噛み合った状態で回転可能に収容する収容室、及び、前記雄ロータの前記吐出側端面及び前記雌ロータの前記吐出側端面に対向する前記収容室の吐出側内壁面に形成された軸方向に開口する吐出ポートを有するケーシングとを備え、前記吐出ポートは、前記雄ロータと前記雌ロータの前記吐出側端面における噛合いにより形成される軸方向のみに開口する第1作動室及び第2作動室のうち前記雄ロータ及び前記雌ロータの回転に伴い容積が増加する第2作動室との連通を遮断可能な輪郭を有する第1開口部と、前記第1開口部に接続された第2開口部と、前記第1開口部及び前記第2開口部に接続された第3開口部とで構成され、前記第1開口部の輪郭は、前記雄ロータの軸線及び前記雌ロータの軸線を通る基準線と前記雄ロータの歯先円と前記雌ロータの歯底円との交点を前記吐出側内壁面に投影した点を基点としたときに、前記第2作動室を閉塞可能な舌片状の突起部における一対の側方縁のうち一方側を構成するものであって前記基点に向かって延在する第1輪郭線と、前記突起部における一対の側方縁のうち他方側を構成する第2輪郭線と、前記突起部における先端縁を構成するものであって前記第1輪郭線と前記第2輪郭線とを接続する第1接続線と、前記雌ロータの歯底円を前記吐出側内壁面に投影した曲線の一部に沿って前記基点に向かって延在する第3輪郭線と、前記第1輪郭線と前記第3輪郭線を接続する第2接続線とを含み、前記第2開口部は、前記第2接続線の位置で前記第1開口部に開口し、前記第2接続線の位置から前記基準線に向かって前記基準線を超えない範囲で延在するように前記吐出側内壁面に形成された第1溝部によって構成され、前記第3開口部は、一方側端部が前記第1溝部に開口すると共に、前記第1輪郭線の位置で前記第1開口部に開口して前記第1輪郭線に沿って延在するように前記吐出側内壁面に形成された第2溝部によって構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容積が縮小する第1作動室の形成初期の段階から当該第1作動室に開口する第2溝部を吐出ポートが備えているので、第1作動室の形成初期の段階において第1作動室からの第2溝部を介した液体の更なる排出が可能となり、当該第1作動室の圧力上昇を抑制することができる。また、吸込空間に連通する第2作動室との連通を遮断可能な輪郭を有する第1開口部の第1輪郭線に沿って延在するように第2溝部を構成しているので、第2作動室の第2溝部に対する開口面積を小さく抑えることができる。したがって、吐出行程での雄雌両ロータによる液体の噛み込みに起因した動力損失の低減および吐出空間と吸込空間の連通の抑制の両立を図ることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機を示す断面図及びその給液式スクリュー圧縮機に対する給液の外部経路を示す系統図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機を図1に示すII−II矢視から見た断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機を図2に示すIII−III矢視から見た図であり、雄雌両ロータの噛合いにより形成されて吐出側端面において軸方向のみに開口する第1作動室及び第2作動室を示す図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機における第1作動室及び第2作動室を図3に示す両ロータの回転位置から進めた状態で示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機における第1作動室及び第2作動室を図4に示す両ロータの回転位置から進めた状態で示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機を図2に示すVI−VI矢視から見た断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機におけるアキシャル吐出ポートと軸方向のみに開口する第1作動室及び第2作動室との位置関係を示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機におけるアキシャル吐出ポートと第1作動室及び第2作動室との位置関係を、図7に示す両ロータの回転位置から進めた状態で示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機におけるアキシャル吐出ポートと第1作動室及び第2作動室との位置関係を、図8に示す両ロータの回転位置から進めた状態で示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機におけるアキシャル吐出ポートと第1作動室及び第2作動室との位置関係を、図9に示す両ロータの回転位置から進めた状態で示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機におけるアキシャル吐出ポートの第1開口部、第1溝部、第2溝部の構造を図7に示すXI−XI矢視から見た部分断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機に対する比較例の給液式スクリュー圧縮機における吐出ポートを示す拡大図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機におけるアキシャル吐出ポートの第2溝部と第2作動室との連通関係を示す説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機における雄ロータの外径に対する第2溝部の溝幅の比とエネルギ効率の向上効果との関係を示す特性図である。
本発明の第2の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機におけるアキシャル吐出ポートを示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による給液式スクリュー圧縮機の実施の形態について図面を用いて例示説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機の構成及び動作を図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機を示す断面図及びその給液式スクリュー圧縮機に対する給液の外部経路を示す系統図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機を図1に示すII−II矢視から見た断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機を図1に示すII−II矢視から見た断面図である。図1及び図2中、左側が給液式スクリュー圧縮機の吸込側、右側が吐出側である。図2中、破線は、雄ロータ及び雌ロータの底側(図1中下側)に現れる歯先線を示している。
【0015】
図1において、給液式スクリュー圧縮機(以下、スクリュー圧縮機という)1は、外部から内部へ油や水などの液体が供給される。そこで、スクリュー圧縮機1には、液体を供給する外部給液系統90が接続されている。外部給液系統90は、例えば、気液分離器91、液体冷却器92、調整弁93、及びそれらを接続する管路94で構成されている。
【0016】
図1及び図2において、スクリュー圧縮機1は、互いに噛み合い回転する一対のスクリューロータとしての雄ロータ2及び雌ロータ3と、雄ロータ2及び雌ロータ3を噛み合った状態で回転可能に内部に収容するケーシング4とを備えている。雄ロータ2及び雌ロータ3は、互いの軸線A1、A2が平行となるように配置されている。雄ロータ2は、その軸方向(図1及び図2中、左右方向)の両側がそれぞれ吸込側軸受部5と吐出側軸受部6とにより回転自在に支持されている。雌ロータ3は、その軸方向の両側がそれぞれ吸込側軸受部7と吐出側軸受部8とにより回転自在に支持されている。
【0017】
雄ロータ2は、螺旋状の雄歯21aが複数形成されたロータ歯部21と、ロータ歯部21の軸方向の両側端部にそれぞれ設けられた吸込側のシャフト部22及び吐出側のシャフト部23とで構成されている。ロータ歯部21は、軸方向一方端(図1及び図2中、左端)及び他方端(図1及び図2中、右端)にそれぞれ、軸方向(軸線A1)に対して直交する吸込側端面21b及び吐出側端面21cを有している。吸込側のシャフト部22は、例えば、ケーシング4の外側に延出するように構成されており、図示しない回転駆動源に接続される。スクリュー圧縮機1の回転駆動源として、例えば、電動モータが用いられている。
【0018】
雌ロータ3は、螺旋状の雌歯31a(後述の図3参照)が複数形成されたロータ歯部31と、ロータ歯部31の軸方向の両側端部にそれぞれ設けられた吸込側のシャフト部32及び吐出側のシャフト部33とで構成されている。ロータ歯部31は、軸方向一端(図2中、左端)及び他方端(図2中、右端)にそれぞれ、軸方向(軸線A2)に直交する吸込側端面31b及び吐出側端面31cを有している。ロータ歯部31の複数の雌歯31a間には歯溝が形成されている。
【0019】
ケーシング4は、メインケーシング41と、メインケーシング41の吐出側(図1及び図2中、右側)に取り付けられた吐出側ケーシング42とを備えている。
【0020】
ケーシング4の内部には、雄ロータ2のロータ歯部21および雌ロータ3のロータ歯部31を互いに噛み合った状態で収容する収容室(ボア)45が形成されている。収容室45は、メインケーシング41に形成された一部重複する2つの円筒状空間の軸方向一方側(図1及び図2中、右側)の開口を吐出側ケーシング42で閉塞することによって構成されている。収容室45を形成する壁面は、雄ロータ2のロータ歯部21の径方向外側を覆う略円筒状の第1内周面46と、雌ロータ3のロータ歯部31の径方向外側を覆う略円筒状の第2内周面47と、雄雌両ロータ2、3のロータ歯部21、31の吸込側端面21b、31bに対向する軸方向一方側(図1及び図2中、左側)の吸込側内壁面48と、雄雌両ロータ2、3のロータ歯部21、31の吐出側端面21c、31cに対向する軸方向他方側(図1及び図2中、右側)の吐出側内壁面49とで構成されている。雄雌両ロータ2、3のロータ歯部21、31とそれを取り囲むケーシング4の内壁面(収容室45の第1内周面46、第2内周面47、吸込側内壁面48、吐出側内壁面49)とによって複数の作動室Cが形成される。
【0021】
メインケーシング41の吸込側端部には、雄ロータ2側の吸込側軸受部5及び雌ロータ3側の吸込側軸受部7が配設されている。吐出側ケーシング42には、雄ロータ2側の吐出側軸受部6及び雌ロータ3側の吐出側軸受部8が配設されている。吐出側ケーシング42には、吐出側軸受部6及び吐出側軸受部8を覆うように吐出側カバー43が取り付けられている。
【0022】
ケーシング4には、図1に示すように、作動室Cに気体を吸い込むための吸込流路51が設けられている。吸込流路51は、ケーシング4の外部と収容室45(作動室C)とを連通させるものである。吸込流路51は、例えば、ケーシング4の内壁面に開口する吸込ポート51aを有している。
【0023】
また、ケーシング4には、作動室Cからケーシング4外へ圧縮気体を吐出するための吐出流路52が設けられている。吐出流路52は、収容室45(作動室C)とケーシング4の外部とを連通させるものであり、外部給液系統90に接続されている。吐出流路52は、ケーシング4の吐出側内壁面49に形成された軸方向に開口するアキシャル吐出ポート60を有している。アキシャル吐出ポート60の構造の詳細は後述する。
【0024】
ケーシング4には、スクリュー圧縮機1の外部(外部給液系統90)から供給される液体を作動室Cへ供給する給液路53が設けられている。給液路53は、例えば、収容室45の内壁面における作動室Cが圧縮行程となる領域に開口している。
【0025】
上述した構成を備える本実施の形態のスクリュー圧縮機1では、図2に示す雄ロータ2を図示しない駆動源が駆動することで、雌ロータ3が回転駆動される。これにより、作動室C(雄雌両ロータ2、3の歯21a、31a)が雄雌両ロータ2、3の回転に伴って軸方向の吐出側(図2中、右側)に向かって進行する。このとき、作動室Cは、その容積を増加させることで外部から図1に示す吸込流路51を介して気体を吸い込み、その容積を縮小させることで気体を所定の圧力まで圧縮する。作動室C内の圧縮気体は、最終的に、吐出流路52を介して外部給液系統90の気液分離器91へ吐出される。
【0026】
スクリュー圧縮機1では、内部に液体が供給されているので、吐出された圧縮気体中に液体が混入している。この圧縮気体中に含まれる液体は、気液分離器91によって圧縮気体から分離される。気液分離器91で液体が除去された圧縮気体は、必要に応じて外部機器へ供給される。
【0027】
一方、気液分離器91で圧縮気体から分離された液体は、外部給液系統90の液体冷却器92によって冷却された後、スクリュー圧縮機1の給液機構(給液路53)を介して作動室Cへ注入される。液体冷却器92の流通量は、調整弁93によって調整される。スクリュー圧縮機1への液体供給は、ポンプ等の動力源を用いることなく、気液分離器91内に流入する圧縮気体の圧力を駆動源として行うことが可能である。
【0028】
次に、第1の実施の形態の給液式スクリュー圧縮機における雄雌両ロータの噛合いにより形成される作動室について図3〜図5を用いて説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機を図2に示すIII−III矢視から見た図であり、雄雌両ロータの噛合いにより形成されて吐出側端面において軸方向のみに開口する第1作動室及び第2作動室を示す図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機における第1作動室及び第2作動室を図3に示す両ロータの回転位置から進めた状態で示す説明図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る給液式スクリュー圧縮機における第1作動室及び第2作動室を図4に示す両ロータの回転位置から進めた状態で示す説明図である。図3〜図5中、太い矢印は、雄雌ロータの回転方向を示している。
【0029】
本説明では、雄ロータ2の歯先を境界に、回転方向側の歯面を雄ロータ2の前進面、回転方向とは反対側の歯面を雄ロータ2の後進面と定義する。また、雌ロータ3の歯底を境界に、回転方向側の歯面を雌ロータ3の前進面、回転方向とは反対側の歯面を雌ロータ3の後進面と定義する。
【0030】
図3〜図5に示すように、雄ロータ2と雌ロータ3が吐出側端面21c、31cにおいて互いに噛み合うと、吐出側端面21c、31cにおいて、雄雌両ロータ2、3の径方向には開口せず軸方向のみに開口する2つの三日月状の作動室である第1作動室C1と第2作動室C2が周期的に形成される。第1作動室C1は、雄ロータ2の前進面と雌ロータ3の前進面とが接触する理論上の第1接触点S1と、雄ロータ2の後進面と雌ロータ3の後進面とが接触する理論上の第2接触点との間に形成される。第1作動室C1は、雄雌両ロータ2、3の回転に伴い容積が縮小するものであり、吸込流路51(図1参照)に連通していない。第2作動室C2は、上述した第2接触点S2と、第2接触点S2よりも雄ロータ2の後進面の歯底側の部分と雌ロータ3の後進面の歯先側の部分とが接触する理論上の第3接触点S3との間に形成される。第2作動室C2は、雄雌両ロータ2、3の回転に伴い容積が膨張するものであり、吸込流路51(吸込空間)に連通している。
(【0031】以降は省略されています)

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電力変換装置
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立体鉄心変圧器
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モータ制御装置
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エアシャワー装置
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飼料提供システム
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エアシャワー装置
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スクリュー圧縮機
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液体定量吐出装置
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電磁操作式開閉装置
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モータ制御システム
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給液式スクリュー圧縮機
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インクジェット記録装置
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給液式スクリュー圧縮機
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給液式スクリュー圧縮機
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静止誘導機器および変圧器
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電力変換装置およびプレス装置
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アキシャルギャップ型回転電機
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アキシャルギャップ型回転電機
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空冷式パッケージ型気体圧縮機
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クレーンおよびクレーン制御方法
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気体分離システム及び気体分離方法
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積鉄心適用変圧器及び組み立て方法
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回転機器の診断システム及び方法。
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監視機器、配電盤および監視システム
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