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公開番号2021070592
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210506
出願番号2019196674
出願日20191029
発明の名称シリカ粒子、樹脂組成物、樹脂フィルム及び金属張積層板
出願人日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,特許業務法人田治米国際特許事務所
主分類C01B 33/18 20060101AFI20210409BHJP(無機化学)
要約【課題】 折り曲げ性などの機械的特性を損なうことなく、誘電特性の改善を図ることが可能なシリカ粒子及び該シリカ粒子の添加によって、誘電特性が改善された樹脂組成物及び樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】 シリカ粒子は、3〜20GHzの周波数領域で用いられるものであり、レーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D50が0.3〜3μmの範囲内、比表面積が5m2/gを超え20m2/g以下の範囲内であり、空洞共振器摂動法によって測定される誘電正接が0.004以下である。樹脂組成物は、上記シリカ粒子と、ポリアミド酸又はポリイミドと、を含有し、シリカ粒子の含有量が、ポリアミド酸又はポリイミドに対し、30〜70体積%の範囲内である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
3〜20GHzの周波数領域で用いられるシリカ粒子であって、
レーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D
50
が0.3〜3μmの範囲内、比表面積が5m

/gを超え20m

/g以下の範囲内であり、空洞共振器摂動法によって測定される誘電正接が0.004以下であることを特徴とするシリカ粒子。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
請求項1に記載のシリカ粒子と、ポリアミド酸又はポリイミドと、を含有する樹脂組成物であって、
前記シリカ粒子の含有量が、前記ポリアミド酸又はポリイミドに対し、30〜70体積%の範囲内であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項3】
単層又は複数層のポリイミド層を有する樹脂フィルムであって、
前記ポリイミド層の少なくとも1層が、請求項2に記載の樹脂組成物の硬化物からなるシリカ含有ポリイミド層であり、前記シリカ含有ポリイミド層の厚みが10〜200μmの範囲内であることを特徴とする樹脂フィルム。
【請求項4】
樹脂フィルムの全体の厚みが10〜200μmの範囲内であり、前記シリカ含有ポリイミド層の厚みの割合が50%以上であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂フィルム。
【請求項5】
絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板であって、
前記絶縁樹脂層が請求項3又は4に記載の樹脂フィルムからなることを特徴とする金属張積層板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波領域で使用される電気・電子機器に好ましく用いることが可能なシリカ粒子、該シリカ粒子を含有する樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム及び金属張積層板に関する。
続きを表示(約 5,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、LED照明器具、自動車エンジン周り関連部品に代表されるように電子機器の小型化、軽量化に対する要求が高まってきている。それに伴い、機器の小型化、軽量化に有利なフレキシブル回路基板が電子技術分野において広く使用されるようになってきている。そして、その中でもポリイミドを絶縁層とするフレキシブル回路基板は、その耐熱性、耐薬品性などが良好なことから、広く用いられている。
【0003】
一方、電気・電子機器の高性能化や高機能化に伴い、情報の高速伝送化が進展している。そのため、電気・電子機器に使用される部品や部材にも高速伝送への対応が求められている。そのような用途に使用される樹脂材料について、高速伝送化に対応した電気特性を有するように、低誘電率化、低誘電正接化を図る試みがなされている。例えば、ポリイミドに、粒径1μm以下のシリカなどのフィラーを全固形分の5〜70重量%となる量で配合した低誘電樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。また、低誘電正接化を図るべく、ビスマレイミド化合物由来の構造単位を有するポリイミド中にシリカなどの無機充填剤を60質量%以上配合した熱硬化性樹脂組成物も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3660501号公報
特開2018−012747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シリカ粒子は、その粒子径が大きいものほど誘電正接が低い傾向があり、ポリイミドなどの樹脂中に配合する場合でも、樹脂フィルムの誘電正接を下げる効果が大きい。その一方で、粒子径の大きなシリカ粒子の添加は、樹脂フィルムの折り曲げ性を低下させる、という問題があった。
【0006】
本発明の目的は、折り曲げ性などの機械的特性を損なうことなく、誘電特性の改善を図ることが可能なシリカ粒子を提供することであり、さらには、該シリカ粒子の添加によって、誘電特性が改善された樹脂組成物及び樹脂フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシリカ粒子は、3〜20GHzの周波数領域で用いられるシリカ粒子であって、レーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D
50
が0.3〜3μmの範囲内、比表面積が5m

/gを超え20m

/g以下の範囲内であり、空洞共振器摂動法によって測定される誘電正接が0.004以下である。
【0008】
本発明の樹脂組成物は、上記シリカ粒子と、ポリアミド酸又はポリイミドと、を含有する樹脂組成物であって、前記シリカ粒子の含有量が、前記ポリアミド酸又はポリイミドに対し、30〜70体積%の範囲内である。
【0009】
本発明の樹脂フィルムは、単層又は複数層のポリイミド層を有する樹脂フィルムであって、前記ポリイミド層の少なくとも1層が、上記の樹脂組成物の硬化物からなるシリカ含有ポリイミド層であり、該シリカ含有ポリイミド層の厚みが10〜200μmの範囲内である。
【0010】
本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルムの全体の厚みが10〜200μmの範囲内であり、前記シリカ含有ポリイミド層の厚みの割合が50%以上であってもよい。
【0011】
本発明の金属張積層板は、絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板であって、前記絶縁樹脂層が上記樹脂フィルムからなるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシリカ粒子は、平均粒子径D
50
が0.3〜3μmの範囲内と小さいにもかかわらず、比表面積が制御されていることによって誘電正接が低いため、高周波向けの絶縁材料として有用である。また、本発明の樹脂組成物は、上記シリカ粒子を含有することによって、折り曲げ性などの機械的特性を低下させずに誘電特性を改善することが可能となる。そのため、本発明の樹脂組成物を使用した電気・電子機器や電子部品において、高速伝送化への対応が可能になるとともに信頼性を確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
[シリカ粒子]
本発明の一実施の形態のシリカ粒子は、3〜20GHzの周波数領域で用いられる。より具体的には、3〜20GHzの周波数領域で用いられる電気・電子機器における部品や部材の材料として用いられるシリカ粒子である。本実施の形態のシリカ粒子の形状は、球状であることが好ましい。なお、「球状」とは、形状が真球状に近い粒子で、平均長径と平均短径の比が1又は1に近いものをいう。
【0015】
本実施の形態のシリカ粒子は、レーザ回折散乱法による体積基準の粒度分布測定によって得られる頻度分布曲線における累積値が50%となる平均粒子径D
50
が0.3〜3μmの範囲内であり、0.5〜2.5μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、例えば樹脂フィルムに配合したときの折り曲げ性の低下を抑制しつつ、誘電特性を向上させることができる。シリカ粒子の平均粒子径D
50
が0.3未満であると、誘電正接を低下させる効果が十分に得られない。一方、平均粒子径D
50
が3μmを超えると、樹脂フィルムに配合したときに折り曲げ性が低下するなど機械的特性の維持が困難になる。
【0016】
また、本実施の形態のシリカ粒子は、比表面積が5m

/gを超え20m

/g以下の範囲内であり、好ましくは6〜15m

/gの範囲内である。シリカ粒子の比表面積を上記範囲内にすることによって、シリカ粒子としての嵩密度を向上させることが可能となることから、平均粒子径D
50
が0.3〜3μmの範囲内と小さくても低い誘電正接が得られる。具体的には、空洞共振器摂動法によって測定されるシリカ粒子の誘電正接を0.004以下にすることができる。比表面積が5m

/g以下である場合、又は20m

/gを超える場合には、シリカ粒子の誘電正接が十分に低くならず、配合の効果が得られない。シリカ粒子の比表面席は、BET比表面積測定法により求めることができる。
【0017】
なお、シリカ粒子は、市販品を適宜選定して用いることができる。例えば、球状非晶質シリカ粉末(日鉄ケミカル&マテリアル社製、商品名;SP40−10)、球状非晶質シリカ粉末(日鉄ケミカル&マテリアル社製、商品名;SPH507)、球状非晶質シリカ粉末(日鉄ケミカル&マテリアル社製、商品名;SPH516M)などを好ましく使用できる。これらは2種以上を併用できる。
【0018】
[樹脂組成物]
本発明の一実施の形態に係る樹脂組成物は、ポリアミド酸又はポリイミドと、無機フィラーである上記シリカ粒子と、を含有する樹脂組成物である。樹脂組成物は、ポリアミド酸を含有するワニス(樹脂溶液)であってもよく、溶剤可溶性のポリイミドを含有するポリイミド溶液であってもよい。
【0019】
<ポリアミド酸又はポリイミド>
ポリイミドは、一般的に下記一般式(1)で表される。このようなポリイミドは、ジアミン成分と酸二無水物成分とを実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合させる公知の方法によって製造することができる。この場合、粘度を所望の範囲とするために、ジアミン成分に対する酸二無水物成分のモル比を調整してもよく、その範囲は、例えば0.980〜1.03のモル比の範囲内とすることが好ましい。
【0020】
【0021】
ここで、Ar

は芳香族環を1個以上有する4価の有機基であり、Ar

は芳香族環を1個以上有する2価の有機基である。そして、Ar

は酸二無水物の残基ということができ、Ar

はジアミンの残基ということができる。また、nは、一般式(1)の構成単位の繰返し数を表し、200以上、好ましくは300〜1000の数である。
【0022】
酸二無水物としては、例えば、O(OC)

−Ar

−(CO)

Oによって表される芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、下記芳香族酸無水物残基をAr

として与えるものが例示される。
【0023】
【0024】
酸二無水物は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。これらの中でも、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、及び4,4'-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)から選ばれるものを使用することが好ましい。
【0025】
ジアミンとしては、例えば、H

N−Ar

−NH

によって表される芳香族ジアミンが好ましく、下記芳香族ジアミン残基をAr

として与える芳香族ジアミンが例示される。
【0026】
【0027】
これらのジアミンの中でも、ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(m-TB)、パラフェニレンジアミン(p−PDA)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-Q)、及び2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、及び2,2−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)が好適なものとして例示される。
【0028】
ポリイミドは、酸二無水物とジアミン化合物を溶媒中で反応させ、前駆体であるポリアミド酸を生成したのち加熱閉環(イミド化)させることにより製造できる。例えば、酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜72時間撹拌し重合反応させることでポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
【0029】
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換して樹脂組成物を形成することができる。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
【0030】
<配合組成>
樹脂組成物におけるシリカ粒子の含有量は、ポリアミド酸又はポリイミドに対し30〜70体積%の範囲内であり、好ましくは30〜60体積%の範囲内である。シリカ粒子の含有割合が30体積%に満たないと、誘電正接を低下させる効果が十分に得られなくなる。また、シリカ粒子の含有割合が70体積%を超えると、樹脂フィルムを形成したときに脆くなり、折り曲げ性が低下するとともに、樹脂フィルムを形成しようとする場合、樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性も低下する。
(【0031】以降は省略されています)

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