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公開番号2021069272
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210430
出願番号2020156852
出願日20200918
発明の名称渦電流式減速装置
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド特許業務法人
主分類H02K 49/02 20060101AFI20210402BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】制動トルクを確保しつつ、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を抑制して制動時間を伸長させることができる渦電流式減速装置を提供する。
【解決手段】渦電流式減速装置10は、円環状のドラムリング16と、ドラムリング16の径方向内側に配置され、ドラムリング16の周方向に沿って配列された複数の永久磁石24と、ドラムリング16と複数の永久磁石24との間に配置されてドラムリング16の周方向に沿って配列された複数のポールピース48を有し、外周面36Aがドラムリング16の内周面16Aと対向する円環状のケーシングカバー36とを備える。一例として、ドラムリング16の内周面16Aにおける軸方向中央部には、ドラムリング16の周方向に沿って環状を成す溝52が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
円環状のドラムリングと、
前記ドラムリングの径方向内側に配置され、前記ドラムリングの周方向に沿って配列された複数の永久磁石と、
前記ドラムリングと前記複数の永久磁石との間に配置されて前記ドラムリングの周方向に沿って配列された複数のポールピースを有し、外周面が前記ドラムリングの内周面と対向する円環状のケーシングカバーと、
を備えた渦電流式減速装置において、
前記ドラムリングの内周面における軸方向中央部に形成され、前記ドラムリングの周方向に沿って環状を成す第一溝、及び、前記ケーシングカバーの外周面における軸方向中央部に形成され、前記ケーシングカバーの周方向に沿って環状を成す第二溝の少なくとも一方を有する、
渦電流式減速装置。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記第一溝を有し、
前記第一溝は、前記ケーシングカバーの側に向かうに従って溝幅が拡がるテーパ状に形成されている、
請求項1に記載の渦電流式減速装置。
【請求項3】
前記第一溝は、前記ドラムリングの軸方向に沿って形成され、前記ケーシングカバーの外周面と対向する底面と、前記ケーシングカバーの側に向かうに従って互いの間の距離が拡がるテーパ状に形成されている一対の側面と、を有する、
請求項2に記載の渦電流式減速装置。
【請求項4】
前記第一溝を有し、
前記ドラムリングの内周面における前記第一溝を挟んだ両側には、前記ドラムリングの軸方向に沿った前記ポールピースの長さの範囲内に位置する領域を含み、前記ケーシングカバーの外周面と対向する対向面がそれぞれ形成されている、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の渦電流式減速装置。
【請求項5】
複数の前記第一溝を有し、
複数の前記第一溝は、前記ドラムリングの軸方向に並んで形成されている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の渦電流式減速装置。
【請求項6】
前記第二溝を有し、
前記ケーシングカバーの外周面における前記第二溝を挟んだ両側には、前記ドラムリングの軸方向に沿った前記ポールピースの長さの範囲内に位置する領域を含み、前記ドラムリングの内周面と対向する対向面がそれぞれ形成されている、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の渦電流式減速装置。
【請求項7】
複数の前記第二溝を有し、
複数の前記第二溝は、前記ケーシングカバーの軸方向に並んで形成されている、
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の渦電流式減速装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、渦電流式減速装置に関する。
続きを表示(約 5,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、トラックやバス等の大型の車両には、補助ブレーキとして渦電流式減速装置が搭載されるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。この渦電流式減速装置は、車両のプロペラシャフトやドライブシャフト等の回転軸に固定されるロータと、車両のトランスミッション等の非回転部に固定されるステータとを備える。
【0003】
ロータは、円環状のドラムリングを有しており、ステータは、複数の永久磁石と、この複数の永久磁石を覆う円環状のケーシングカバーとを有する。複数の永久磁石は、ドラムリングの径方向内側に配置されており、ドラムリングの周方向に沿って配列されている。ケーシングカバーは、複数のポールピースを有する。この複数のポールピースは、ドラムリングと複数の永久磁石との間に配置されており、ドラムリングの周方向に沿って配列されている。ケーシングカバーの外周面は、ドラムリングの内周面と対向している。複数の永久磁石の周方向の配置位置は、アクチュエータによって切り替えられる。
【0004】
そして、この渦電流式減速装置では、複数の永久磁石の周方向の配置位置がアクチュエータによって切り替えられ、隣り合う永久磁石がポールピースを跨ぐように配置された状態では、隣り合う永久磁石とポールピースとの間で磁束が通るため、ドラムリングに磁力が作用しない。この状態では、渦電流式減速装置が非制動状態となり、制動力が発生しない。
【0005】
一方、複数の永久磁石の周方向の配置位置がアクチュエータによって切り替えられ、各永久磁石がポールピースと対向するように配置された状態では、隣り合う永久磁石間の磁束がポールピースを通じてドラムリングに到達するため、ドラムリングに磁力が作用する。このようにドラムリングに磁力が作用すると、ドラムリングに渦電流が発生し、この渦電流と磁力の相互作用でドラムリングに回転方向と逆方向の力(ローレンツ力)が作用する。この状態では、渦電流式減速装置が制動状態となり、制動力が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018−207781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
渦電流式減速装置が制動状態になり、ドラムリングに渦電流が発生すると、ドラムリングがジュール熱により発熱する。ここで、発明者らは、種々の試験を通じて、ドラムリングがジュール熱により発熱すると、ドラムリングの内周面における軸方向中央部に熱が集中し、この軸方向中央部が最も温度が高くなることを突き止めた。
【0008】
また、発明者らは、渦電流式減速装置の制動状態が継続されて、ドラムリングが発熱し続けると、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の温度が耐熱温度を超過し、この軸方向中央部に高温酸化による酸化膜が生成され、この酸化膜がケーシングカバーの外周面と接触する虞があることを突き止めた。そして、発明者らは、高温酸化による酸化膜の生成を抑制するには、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を抑制することが有効であると考えた。
【0009】
ここで、発明者らは、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を抑制するために、ドラムリングの内周面とケーシングカバーの外周面との間の間隔を拡げることも検討した。ところが、このようにすると、ドラムリングに到達する磁束が低下するため、渦電流式減速装置の制動トルクが低下するという結論に至った。そして、発明者らは、制動トルクを確保しつつ、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を抑制して制動時間を伸長させるためには改善の余地があると考えた。
【0010】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、制動トルクを確保しつつ、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を抑制して制動時間を伸長させることができる渦電流式減速装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る渦電流式減速装置は、円環状のドラムリングと、前記ドラムリングの径方向内側に配置され、前記ドラムリングの周方向に沿って配列された複数の永久磁石と、前記ドラムリングと前記複数の永久磁石との間に配置されて前記ドラムリングの周方向に沿って配列された複数のポールピースを有し、外周面が前記ドラムリングの内周面と対向する円環状のケーシングカバーと、を備える。この渦電流式減速装置は、前記ドラムリングの内周面における軸方向中央部に形成され、前記ドラムリングの周方向に沿って環状を成す第一溝、及び、前記ケーシングカバーの外周面における軸方向中央部に形成され、前記ケーシングカバーの周方向に沿って環状を成す第二溝の少なくとも一方を有する。
【0012】
本発明に係る渦電流式減速装置によれば、第一溝及び第二溝の少なくとも一方により、ドラムリングの内周面における軸方向中央部とケーシングカバーの外周面における軸方向中央部との間の間隔(エアギャップ)が拡がり、ドラムリングの内周面における軸方向中央部に到達する磁束が低下する。したがって、ドラムリングの内周面では、軸方向中央部を挟んだ両側に磁束が分散されるので、この軸方向中央部では渦電流による発熱量が抑制される。これにより、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度が抑制(つまり、局所的な昇温が緩和)されるので、この軸方向中央部の温度が耐熱温度に到達する時間を伸長させることができ、ひいては、制動時間を伸長させることができる。
【0013】
しかも、渦電流式減速装置が第一溝を有する場合、この第一溝は、ドラムリングの内周面の一部分である軸方向中央部にのみ形成される。したがって、例えば、第一溝の底面の位置までドラムリングの内周面の位置を後退させてドラムリングの内周面とケーシングカバーの外周面との間の間隔を拡げた場合に比して、ドラムリングに到達する磁束の低下を最小限に抑えることができる。これにより、ドラムリングに作用する磁力を確保できるので、制動トルクを確保できる。
【0014】
同様に、渦電流式減速装置が第二溝を有する場合、この第二溝は、ケーシングカバーの外周面の一部分である軸方向中央部にのみ形成される。したがって、例えば、第二溝の底面の位置までケーシングカバーの外周面の位置を後退させてドラムリングの内周面とケーシングカバーの外周面との間の間隔を拡げた場合に比して、ドラムリングに到達する磁束の低下を最小限に抑えることができる。これにより、ドラムリングに作用する磁力を確保できるので、制動トルクを確保できる。
【0015】
前記渦電流式減速装置が前記第一溝を有する場合、前記第一溝は、前記ケーシングカバーの側に向かうに従って溝幅が拡がるテーパ状に形成されていることが好ましい。
【0016】
第一溝がテーパ状を有する場合、第一溝の開口側の角部の断面形状が鈍角に形成される。これにより、第一溝の開口側の角部に熱応力が集中することが抑制されるので、第一溝の開口側の角部に熱サイクルによる熱疲労亀裂が発生することを抑制できる。
【0017】
前記渦電流式減速装置において、前記第一溝は、底面と、一対の側面とを有することができる。この場合、前記底面は、前記ドラムリングの軸方向に沿って形成され、前記ケーシングカバーの外周面と対向する。前記一対の側面は、前記ケーシングカバーの側に向かうに従って互いの間の距離が拡がるテーパ状に形成されていることが好ましい。
【0018】
第一溝にテーパ状の一対の側面が設けられている場合、第一溝では、底面側の角部及び開口側の角部に渦電流が集中し、各側面で電流密度が上昇する。そのため、第一溝の底面とケーシングカバーの外周面との間の間隔(エアギャップ)を拡げたとしても、制動トルクの低下を抑制することができる。よって、制動トルクを確保しながら、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を効果的に抑制することができる。
【0019】
前記渦電流式減速装置が前記第一溝を有する場合、前記ドラムリングの内周面における前記第一溝を挟んだ両側には、前記ドラムリングの軸方向に沿った前記ポールピースの長さの範囲内に位置する領域を含み、前記ケーシングカバーの外周面と対向する対向面がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、第一溝に比べてポールピースに近い側に位置する対向面を通じてポールピースとドラムリングとの間で磁束を通すことができる。これにより、ドラムリングに作用する磁力を確保できるので、制動トルクを確保できる。
【0021】
前記渦電流式減速装置は、複数の前記第一溝を有していてもよい。複数の前記第一溝は、前記ドラムリングの軸方向に並んで形成されている。
【0022】
渦電流式減速装置が複数の第一溝を有する場合、複数の第一溝の間にポールピースと対向する対向面が形成され、この対向面を通じてポールピースとドラムリングとの間で磁束を通すことができる。これにより、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を抑制しつつ、例えば、ドラムリングの内周面における軸方向中央部に一つの第一溝が形成された場合に比して、ドラムリングに作用する磁力を高めることができるので、制動トルクを向上させることができる。
【0023】
前記渦電流式減速装置が前記第二溝を有する場合、前記ケーシングカバーの外周面における前記第二溝を挟んだ両側には、前記ドラムリングの軸方向に沿った前記ポールピースの長さの範囲内に位置する領域を含み、前記ドラムリングの内周面と対向する対向面がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0024】
このような構成によれば、第二溝に比べてドラムリングに近い側に位置する対向面を通じてポールピースとドラムリングとの間で磁束を通すことができる。これにより、ドラムリングに作用する磁力を確保できるので、制動トルクを確保できる。
【0025】
前記渦電流式減速装置は、複数の前記第二溝を有していてもよい。複数の前記第二溝は、前記ケーシングカバーの軸方向に並んで形成されている。
【0026】
渦電流式減速装置が複数の第二溝を有する場合、複数の第二溝の間にドラムリングと対向する対向面が形成され、この対向面を通じてポールピースとドラムリングとの間で磁束を通すことができる。これにより、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を抑制しつつ、例えば、ケーシングカバーの外周面における軸方向中央部に一つの溝が形成された場合に比して、ドラムリングに作用する磁力を高めることができるので、制動トルクを向上させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、制動トルクを確保しつつ、ドラムリングの内周面における軸方向中央部の昇温速度を抑制して制動時間を伸長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の第一実施形態に係る渦電流式減速装置の要部拡大断面図である。
図1に示される渦電流式減速装置が非制動状態と制動状態とに切り替えられる様子を説明する図である。
図1に示される渦電流式減速装置の要部拡大断面の一部をさらに拡大して示した図である。
図1に示される溝の有効性を説明する試験データをグラフにして示す図である。
図1に示される溝の有効性を説明する試験データをグラフにして示す図である。
図5に示される試験データを得た渦電流式減速装置のうち、参考例に係る渦電流式減速装置の要部拡大断面図である。
第一実施形態における溝の第一変形例を示す断面図である。
第一実施形態における溝の第二変形例を示す断面図である。
第一実施形態における溝の第三変形例を示す断面図である。
第一実施形態における溝の第四変形例を示す断面図である。
本発明の第二実施形態に係る渦電流式減速装置の要部拡大断面図である。
第二実施形態における溝の第一変形例を示す断面図である。
第二実施形態における溝の第二変形例を示す断面図である。
本発明の第三実施形態に係る渦電流式減速装置の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第一実施形態]
はじめに、本発明の第一実施形態について説明する。
【0030】
図1は、本発明の第一実施形態に係る渦電流式減速装置10の要部拡大断面図である。矢印Xは、渦電流式減速装置10の径方向を示しており、矢印Yは、渦電流式減速装置10の軸方向を示している。図1では、渦電流式減速装置10の外周側の部分を軸方向に沿って切断した断面(縦断面)が示されている。
(【0031】以降は省略されています)

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