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公開番号2021069186
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210430
出願番号2019192848
出願日20191023
発明の名称回転電機
出願人株式会社東芝,東芝インフラシステムズ株式会社
代理人特許業務法人スズエ国際特許事務所
主分類H02K 1/18 20060101AFI20210402BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】トルクリップや振動、騒音の増大を抑制することが可能な回転電機を提供する。
【解決手段】回転電機10は、第1端面21aおよび第2端面21bと、内周面ISと、外周面OSと、外周面の一部で形成され中心軸線を中心とする円弧状の鉄心嵌合部と、を有する固定子鉄心20と、固定子鉄心に取付けられた固定子コイル22と、を具備する固定子12と、固定子鉄心の第1端面に当接する第1当接面32aと、第1当接面から軸方向に延出し中心軸線を中心とする円弧状に形成され固定子鉄心の鉄心嵌合部に嵌合した第1嵌合部34aと、第1当接面を前記軸方向に貫通して延びる透孔と、を有し、固定子鉄心の第1端面の側の端部および回転シャフトの一端部を支持した第1軸受ブラケット16と、第1軸受ブラケットの透孔に隙間を持って挿通され、第1軸受ブラケットを固定子鉄心に軸方向に締結した締結部材40、41と、を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
中心軸線の回りで回転自在な回転シャフトと、前記回転シャフトに固定され前記中心軸線と同軸的に位置する外周面を有する回転子鉄心と、を備える回転子と、
複数枚の磁性材板を同軸的に積層して筒状に構成され、軸方向の一端側に位置する第1端面および前記軸方向の他端側に位置する第2端面と、前記回転子鉄心の外周面に隙間を置いて対向する内周面と、外周面と、前記外周面の一部で形成され前記中心軸線を中心とする円弧状の鉄心嵌合部と、を有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に取付けられた固定子コイルと、を具備する固定子と、
前記回転シャフトの軸方向の一端部を支持する第1軸受と、前記固定子鉄心の第1端面に当接する第1当接面と、前記第1当接面から前記軸方向に延出し前記中心軸線を中心とする円弧状に形成さ

前記固定子鉄心の前記鉄心嵌合部に嵌合した第1嵌合部と、前記第1当接面を前記軸方向に貫通して延びる透孔と、を有し、前記固定子鉄心の前記第1端面の側の端部および前記回転シャフトの前記一端部を支持した第1軸受ブラケットと、
前記回転シャフトの軸方向の他端部を支持する第2軸受と、前記固定子鉄心の第2端面に当接する第2当接面と、前記第2当接面から前記軸方向に延出し前記中心軸線を中心とする円弧状に形成され前記固定子鉄心の前記鉄心嵌合部に嵌合した第2嵌合部と、前記第2当接面を前記軸方向に貫通して延びる透孔と、を有し、前記固定子鉄心の前記第2端面の側の端部および前記回転シャフトの前記他端部を支持した第2軸受ブラケットと、
前記第1軸受ブラケットの前記透孔および前記第2軸受ブラケットの前記透孔に隙間を持って挿通され、前記第1軸受ブラケットおよび第2軸受ブラケットと前記固定子鉄心とを前記軸方向に締結した締結部材と、
を備える回転電機。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記固定子鉄心の鉄心嵌合部は、前記第1端面の側の端部に位置する円筒状の外周面と、前記第2端面の側の端部に位置する円筒状の外周面と、を有し、
前記第1軸受ブラケットの第1嵌合部は、前記中心軸線と同軸の円筒状の第1嵌合面を有し、
前記第2軸受ブラケットの第2嵌合部は、前記中心軸線と同軸の円筒状の第2嵌合面を有している請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記第1軸受ブラケットは、前記中心軸線を中心とする周方向に離間して設けられた複数の前記第1嵌合部と、周方向に隣合う前記第1嵌合部の間に設けられた開口と、を有し、
前記複数の第1嵌合部は前記固定子鉄心の鉄心嵌合部に嵌合されている請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】
前記固定子は、前記第1端面に重ねて配置され前記第1軸受ブラケットの前記開口に対向する第1鉄心押えと、前記第2端面に重ねて配置され前記固定子鉄心を挟んで前記第1鉄心押えに対向する第2鉄心押えと、前記第1鉄心押えと前記第2鉄心押えとを互いに締結した第2締結部材と、を備えている請求項3に記載の回転電機。
【請求項5】
前記固定子鉄心の鉄心嵌合部は、前記固定子鉄心の外周面において、前記中心軸線を中心とする周方向に離間した複数個所に設けられている請求項3に記載の回転電機。
【請求項6】
前記固定子鉄心は、前記複数個所に設けられた鉄心嵌合部の間に位置する角部を有し、
前記角部は前記固定子鉄心の径方向外方に突出し冷却フィンを構成している請求項5に記載の回転電機。
【請求項7】
中心軸線の回りで回転自在な回転シャフトと、前記回転シャフトに固定され前記中心軸線と同軸的に位置する外周面を有する回転子鉄心と、を備える回転子と、
複数枚の磁性鋼板を同軸的に積層して筒状に構成され、軸方向の一端側に位置する第1端面および前記軸方向の他端側に位置する第2端面と、前記回転子鉄心の外周面に隙間を置いて対向する内周面と、外周面と、前記外周面の一部で形成され前記中心軸線と中心とする円弧状の鉄心嵌合部と、を有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に取付けられた固定子コイルと、を具備する固定子と、
前記回転シャフトの軸方向の一端部を支持する第1軸受と、前記固定子鉄心の第1端面に当接する第1当接面と、前記第1当接面から前記軸方向に延出し前記中心軸線を中心とする円弧状に形成され前記固定子鉄心の前記鉄心嵌合部に嵌合した第1嵌合部と、前記第1当接面を前記軸方向に貫通して延びる透孔と、を有し、前記固定子鉄心の前記第1端面の側の端部および前記回転シャフトの前記一端部を支持した第1軸受ブラケットと、
前記第1軸受に対して前記軸方向に離間して位置し前記回転シャフトの軸方向の端部を支持する第2軸受を有する第2軸受ブラケットと、
前記第1軸受ブラケットの前記透孔に隙間を持って挿通され、前記第1軸受ブラケットを前記固定子鉄心に前記軸方向に締結した締結部材と、
を備える回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、回転電機に関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、回転電機は、略円筒状の固定子鉄心および固定子鉄心に巻回された固定子コイルを有する固定子と、固定子に対して回転自在に設けられた回転子と、を備えている。固定子鉄心は、複数の電磁鋼板を積層して構成され、固定子鉄心の軸方向両側に端板および鉄心押えが設けられている。
【0003】
固定子鉄心の軸方向両端部は、鉄心押えを介して軸受ブラケットにそれぞれ取付けられている。この場合、例えば、鉄心押えに形成された環状の嵌合部を、軸受ブラケットの環状の嵌合部に嵌合することにより、固定子が軸受ブラケットに取付けられる。一対の軸受ブラケットには軸受が設けられ、回転子の回転シャフトは、これらの軸受により回転自在に支持される。上記の構成とすることで、固定子の内周面と回転子の外周面との間にエアギャップは一定に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第2539053号公報
特開平11−089126号公報
特開平8−098439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の構成においては、固定子鉄心の組立後に、後工程として鉄心押えに軸受ブラケットへの取付部である嵌合部を加工する必要がある。嵌合部の機械加工においては、固定子鉄心の内径を基準として中心の位置出しを行い、この中心位置を基準として加工を行う。そのため、中心の位置決め時の測定誤差や、積層鉄心であるため軸方向に関し中心位置にバラつきがある、といった点から固定子鉄心内径に対する嵌合部の同心精度の確保が難しい。左記の同心度は、固定子鉄心の内周面と回転子鉄心の外周面との間との距離であるエアギャップの精度に関わる。エアギャップ精度が低下すると、トルクリップルの増加や振動、騒音増大の要因となる。
また、固定子鉄心に鉄心押えが取り付けられている場合、固定子の質量が増加する。固定子質量の増加は固有振動数の低下を招く。駆動時の電源周波数の逓倍周波数との共振を避けるため、回転電機の駆動速度域が制限されるとともに、振動、騒音増加の要因となる。
本発明の実施形態の解題は、トルクリップルや振動、騒音の増大を抑制することが可能な回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、回転電機は、中心軸線の回りで回転自在な回転シャフトと、前記回転シャフトに固定され前記中心軸線と同軸的に位置する外周面を有する回転子鉄心と、を備える回転子と、複数枚の磁性材板を同軸的に積層して筒状に構成され、軸方向の一端側に位置する第1端面および前記軸方向の他端側に位置する第2端面と、前記回転子鉄心の外周面に隙間を置いて対向する内周面と、外周面と、前記外周面の一部で形成され前記中心軸線を中心とする円弧状の鉄心嵌合部と、を有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に取付けられた固定子コイルと、を具備する固定子と、前記回転シャフトの軸方向の端部を支持する第1軸受と、前記固定子鉄心の第1端面に当接する第1当接面と、前記第1当接面から前記軸方向に延出し前記中心軸線を中心とする円弧状に形成され前記固定子鉄心の前記鉄心嵌合部に嵌合した第1嵌合部と、前記第1当接面を前記軸方向に貫通して延びる透孔と、を有し、前記固定子鉄心の前記第1端面の側の端部および前記回転シャフトの前記端部を支持した第1軸受ブラケットと、前記回転シャフトの軸方向の他端部を支持する第2軸受と、前記固定子鉄心の第2端面に当接する第2当接面と、前記第2当接面から前記軸方向に延出し前記中心軸線を中心とする円弧状に形成され前記固定子鉄心の前記鉄心嵌合部に嵌合した第2嵌合部と、前記第2当接面を前記軸方向に貫通して延びる透孔と、を有し、前記固定子鉄心の前記第2端面の側の端部および前記回転シャフトの前記他端部を支持した第2軸受ブラケットと、前記第1軸受ブラケットの前記透孔および前記第2軸受ブラケットの前記透孔に隙間を持って挿通され、前記第1軸受ブラケットおよび第2軸受ブラケットと前記固定子鉄心とを前記軸方向に締結した締結部材と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、第1実施形態に係る回転電機の一部を示す縦断面図。
図2は、第1実施形態に係る回転電機の軸方向の一端面を示す側面図。
図3は、前記回転電機の固定子鉄心の外周部および軸受ブラケットの嵌合部の断面図。
図4は、第2実施形態に係る回転電機の一部を示す縦断面図。
図5は、第2実施形態に係る回転電機の軸方向の一端面を示す側面図。
図6は、第3実施形態に係る回転電機の一部を示す縦断面図。
図7は、第4実施形態に係る回転電機の一部を示す縦断面図。
図8は、第4実施形態に係る回転電機の軸方向の一端面を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照しながら、この発明の実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る回転電機の縦断面図であり、中心軸線C1を中心として片側の半分を示す縦断面図、図2は、回転電機の軸方向一端側を示す側面図である。なお、図1は、図2の線A−Aに沿った断面図に相当している。
図1に示すように、回転電機10は、例えば、インナーロータ型の回転電機として構成されている。回転電機10は、固定子12と、固定子12に対して中心軸線C1の回りで回転自在に支持された回転子(ロータ)14と、固定子12を軸方向の両側から挟むように固定子12に保持している円盤状の第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18と、を備えている。
以下の説明では、中心軸線C1の延在方向を軸方向、中心軸線C1回りに回転する方向を周方向、軸方向および周方向に直交する方向を径方向と称する。
【0010】
固定子12は、円筒状の固定子鉄心20と固定子鉄心20に巻回された固定子巻線(ステータコイル)22とを有している。固定子鉄心20は、磁性材、例えば、珪素鋼板などの円環状の電磁鋼板を多数枚、軸方向に同軸的に積層して構成されている。固定子鉄心20は、中心軸線C1と同軸的に位置する内周面ISおよび外周面OSと、軸方向の一端側に位置する第1端面21aおよび軸方向の他端側に位置する第2端面21bと、内周面に形成されそれぞれ軸方向に延びた複数のスロット23と、を有している。第1端面21aおよび第2端面21bは、それぞれ中心軸線C1と直交する平面内に位置している。固定子鉄心20は、外周面の複数個所を軸方向に沿って溶接することにより、あるいは、図示しない複数本のボルトにより軸方向に締結することにより、積層状態に固定保持されている。また、固定子鉄心20の外周面において、第1端面21a側の端部の外周面は、中心軸線C1と同軸の円筒状の第1鉄心嵌合部を構成している。第2端面21b側の端部の外周面は、中心軸線C1と同軸の円筒状の第2鉄心嵌合部を構成している。
ステータコイル22は複数のスロット23に埋め込まれた状態で固定子鉄心20に取付けられている。ステータコイル22のコイルエンド22aは固定子鉄心20の第1端面21aおよび第2端面21bから軸方向に張り出している。
【0011】
第1軸受ブラケット16は、ほぼお椀形状に形成され、円盤状の中央板部16aと中央板部16aの外周縁から軸方向に延出する筒状部16bと筒状部16bの延出端に設けられたフランジ部16cとを一体に有している。第1軸受ブラケット16は、例えば、アルミニウム合金等で形成されている。中央板部16aの中心部に、第1軸受B1を内蔵した第1軸受ハウジング30が締結されている。
本実施形態において、フランジ部16cは、中心軸線C1と同軸の円環状に形成されている。フランジ部16cは、中心軸線C1と直交する平面に位置する環状の第1当接面32aと、中心軸線C1と同軸的に、すなわち、第1軸受B1の中心軸と同軸的に、形成された第1嵌合面(第1嵌合部)34aと、を有している。第1嵌合面34aは、第1当接面32aの外周縁から軸方向に延びている。本実施形態において、第1嵌合面34aは、周方向に連続した円筒形状をなしている。
【0012】
図1および図2に示すように、フランジ部16cに複数、例えば、4つの透孔36が設けられている。透孔36は、周方向に一定の間隔をおいて設けられている。各透孔36は、フランジ部16cおよび第1当接面32aを軸方向に貫通して延びている。各透孔36は、固定ボルト40を挿通するための透孔であり、固定ボルト40の軸径よりも充分に大きな内径を有している。
第1軸受ブラケット16は、第1当接面32aが固定子鉄心20の第1端面21aに当接し、かつ、第1嵌合面34aが固定子鉄心20の第1鉄心嵌合部、すなわち、第1端面21a側の端部の外周面に嵌合した状態で、固定子鉄心20に取付けられている。第1嵌合面34aが外周面OSに嵌合することにより、第1軸受ブラケット16の中心、すなわち、第1軸受B1の中心は、固定子鉄心20の中心、すなわち、中心軸線C1に一致している。更に、第1軸受ブラケット16のフランジ部16cは、透孔36に挿通した固定ボルト40により固定子鉄心20の第1端面21aに密着した状態に固定され、第1軸受ブラケット16の軸方向の位置が位置決めされる。
【0013】
図1に示すように、第2軸受ブラケット18は、第1軸受ブラケット16と同様に構成されている。すなわち、第2軸受ブラケット18は、ほぼお椀形状に形成され、円盤形状の中央板部18aと中央板部18aの外周縁から軸方向に延出する筒状部18bと筒状部18bの延出端に設けられたフランジ部18cとを一体に有している。第2軸受ブラケット18は、例えば、アルミニウム合金等で形成されている。中央板部18aの中心部に、第2軸受B2を内蔵した第2軸受ハウジング31が締結されている。
フランジ部18cは、中心軸線C1と同軸の円環状に形成されている。フランジ部18cは、中心軸線C1と直交する平面に位置する環状の第2当接面32bと、中心軸線C1と同軸的に、すなわち、第2軸受B2の中心軸と同軸的に、形成された第2嵌合面(第2嵌合部)34bと、を有している。第2嵌合面34bは、第2当接面32bの外周縁から軸方向に延びている。本実施形態において、第2嵌合面34bは、周方向に連続した円筒形状をなしている。
【0014】
図3は、第1軸受ブラケット16、第2軸受ブラケット18、および固定子鉄心20の外周部を模式的に示す断面図である。図1および図3に示すように、第2軸受ブラケット18のフランジ部18cに複数、例えば、4つの透孔37が設けられている(1つのみ図示する)。透孔37は、周方向に一定の間隔をおいて設けられている。各透孔37は、フランジ部18cおよび第2当接面32bを軸方向に貫通して延びている。各透孔37は、固定ボルト40を挿通するための透孔であり、固定ボルト40の軸径よりも充分に大きな内径を有している。
第2軸受ブラケット18は、第2当接面32bが固定子鉄心20の第2端面21bに当接し、かつ、第2嵌合面34bが固定子鉄心20の第2鉄心嵌合部、すなわち、第2端面21b側の端部の外周面に嵌合した状態で、固定子鉄心20に取付けられている。第2嵌合面34bが外周面OSに嵌合することにより、第2軸受B2の中心は、固定子鉄心20の中心、すなわち、中心軸線C1に一致している。更に、第2軸受ブラケット18のフランジ部18cは、透孔37に挿通した固定ボルト40により固定子鉄心20の第2端面21bに密着した状態に固定され、第2軸受ブラケット18の軸方向の位置が位置決めされる。
【0015】
図3に示すように、固定子鉄心20を軸方向に貫通した複数、例えば、4つの貫通孔42(1つのみ図示する)が固定子鉄心20に形成されている。4つの貫通孔42は、固定子鉄心20の周方向に一定の間隔をおいて設けられている。各貫通孔42は、固定ボルト40の軸径よりも充分に大きな内径を有している。また、4つの貫通孔42は、第1軸受ブラケット16の透孔36および第2軸受ブラケット18の透孔37と軸方向に整列する位置に設けられている。
固定ボルト40は、例えば、第1軸受ブラケット16側から透孔36、固定子鉄心20の貫通孔42、および第2軸受ブラケット18の透孔37に挿通され、第2軸受ブラケット18から軸方向に突出している。固定ボルト40の突出端部にナット41が螺合されている。固定ボルト40およびナット41を締め付けることにより、固定ボルト40のヘッドはワッシャW1を介して第1軸受ブラケット16のフランジ部16cを軸方向に押圧し、ナット41はワッシャW2を介して第2軸受ブラケット18のフランジ部18cを軸方向に押圧している。これにより、第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18は軸方向に互いに締結されている。第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18は、固定子鉄心20の第1端面21aおよび第2端面21bに密着した状態に固定され、固定子鉄心20を軸方向の両側から挟み込むように取付けられている。
本実施形態において、固定ボルト40およびナット41は、締結部材を構成している。
【0016】
なお、透孔36、貫通孔42、および透孔37は、いずれも固定ボルト40の軸径よりも大きい内径に形成しているため、固定ボルト40はこれらの透孔36、貫通孔42、および透孔37に隙間を持って挿通されている、すなわち、遊嵌されている。そのため、固定ボルト40は、第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18の軸方向の位置決めおよび軸方向の位置固定にのみ寄与し、径方向の位置決めに影響を与えない。第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18の径方向の位置決めは、第1嵌合面34aおよび第2嵌合面34bと固定子鉄心20との嵌め合いにより成される。
【0017】
一方、図1に示すように、回転子14は、回転シャフト50と、回転子鉄心(ロータ鉄心)52と、回転子鉄心52に埋め込まれた複数の永久磁石Mと、を備えている。回転シャフト50は、中心軸線Cと同軸的に配置され、軸方向の一端部および他端部がそれぞれ第1軸受B1および第2軸受B2により回転自在に支持されている。
回転子鉄心52は、磁性材、例えば、珪素鋼板などの円環状の電磁鋼板を多数枚、軸方向に同軸的に積層して構成され、ほぼ円筒形状に形成されている。回転子鉄心52は、回転シャフト50の軸方向のほぼ中央部に取付けられ、固定子鉄心20の内側に、中心軸線C1と同軸的に配置されている。回転子鉄心52の外周面は、隙間(エアギャップ)Gを置いて、固定子鉄心20の内周面に対向している。回転子鉄心52の軸方向長さは、固定子鉄心20の軸方向長さとほぼ等しく形成されている。回転子鉄心52の軸方向の一端面および他端面にそれぞれ端板54a、54bあるいは鉄心押えが設けられ、回転子鉄心52を軸方向両側から支持している。
【0018】
永久磁石Mは、例えば、細長い矩形の板状に形成されている。永久磁石Mは、回転子鉄心52の外周部に埋め込まれ、回転子鉄心52の軸方向のほぼ全長に亘って延在している。永久磁石Mは、回転子鉄心52の周方向に間隔を置いて複数個、並んで配置されている。
ステータコイル22に通電することにより、回転子鉄心52が回転し、回転シャフト50が回転子鉄心52と一体に回転される。これにより、永久磁石型の回転電機10が構成されている。なお、回転子14は、永久磁石に代えて、かご型の回転子を用いてもよく、誘導電動機として構成してもよい。
【0019】
上記構成の回転電機10では、固定子鉄心20の軸方向端部の外周面を直接、第1軸受ブラケット16の第1嵌合面34aおよび第2軸受ブラケット18の第2嵌合面34bへ嵌合することで、第1および第2嵌合面34a、34bに対する固定子内径の同心精度を容易に確保することができる。すなわち、固定子鉄心20の中心軸と第1および第2軸受ブラケット16、18の中心軸とを高い精度で芯合わせすることができ、回転電機10の中心軸線C1に確実に合わせることが可能となる。これにより、固定子鉄心20の内周面と回転子鉄心52の外周面との間の隙間(エアギャップ)Gの精度が向上する。その結果、回転電機10のトルクリップルおよび振動、騒音の低減を図ることができる。
なお、前述したように、固定ボルト40は、第1軸受ブラケット16の透孔36、貫通孔42、および第2軸受ブラケット18の透孔37に隙間を持って挿通されているため、第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18の径方向の位置決めに影響を与えない。そのため、第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18の径方向の位置決めは、第1嵌合面34aおよび第2嵌合面34bと固定子鉄心20の鉄心嵌合部との嵌め合いにより正確かつ容易に成される。
また、上記回転電機10によれば、固定子12の鉄心押えが不要となるため、回転電機の小型化の他、固定子質量の低下により固有振動数の増加にも寄与し、振動、騒音の低減を図ることができる。更に、部材削減による回転機電気の軸方向長さの短縮、および製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0020】
次に、他の実施形態に係る回転電機について説明する。なお、以下に説明する他の実施形態において、前述した第1実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化し、第1実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
【0021】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る回転電機の縦断面図であり、中心軸線C1を中心として片側の半分を示す縦断面図、図5は、回転電機の軸方向一端側を示す側面図である。なお、図4は、図5の線B−Bに沿った断面図に相当している。また、図5の線A−Aに沿った断面は、前述した図1に示した回転電機断面と同一となる。
図示のように、第2実施形態によれば、第1軸受ブラケット16において、中央板部18aの外周部、筒状部18b、およびフランジ部18cは、円方向に間欠的に形成され、複数、例えば、4本のアーム部を形成している。すなわち、中央板部18aの外周部、筒状部18b、およびフランジ部18cは、固定ボルト40を挿通する2つの透孔36の間の領域が切り欠かれ、4箇所に開口を有する形状としている。第1当接面32aおよび第1嵌合面34aは、各アーム部の延出端部に設けられている。すなわち、4つの第1当接面32aが周方向に間隔を置いて設けられ、同様に、4つの第1嵌合面34aが周方向に間隔を置いて設けられている。第1嵌合面34aの各々は、中心軸線C1と同芯の円弧状に形成されている。
【0022】
第1軸受ブラケット16は、第1当接面32aが固定子鉄心20の第1端面21aに当接し、かつ、第1嵌合面34aが固定子鉄心20の外周面OSに嵌合した状態で、固定子鉄心20に取付けられている。第1嵌合面34aが外周面OSに嵌合することにより、第1軸受ブラケット16の中心、すなわち、第1軸受B1の中心は、固定子鉄心20の中心、すなわち、中心軸線C1に一致している。更に、第1軸受ブラケット16のフランジ部16cは、透孔36に挿通した固定ボルト40により固定子鉄心20の第1端面21aに密着した状態に固定され、第1軸受ブラケット16の軸方向の位置が位置決めされる。
【0023】
第2軸受ブラケット18は、第1軸受ブラケット16と同様に構成されている。第2軸受ブラケット18は、図示しない4つの第2当接面32bが固定子鉄心20の第2端面21bに当接し、かつ、図示しない4つの第2嵌合面34bが固定子鉄心20の外周面OSに嵌合した状態で、固定子鉄心20に取付けられている。第2嵌合面34bが外周面OSに嵌合することにより、第2軸受B2の中心は、固定子鉄心20の中心、すなわち、中心軸線C1に一致している。第2軸受ブラケット18のフランジ部18cは、透孔37に挿通した固定ボルト40により固定子鉄心20の第2端面21bに密着した状態に固定され、第2軸受ブラケット18の軸方向の位置が位置決めされる。
これにより、第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18は、固定子鉄心20の第1端面21aおよび第2端面21bに密着した状態に固定され、固定子鉄心20を軸方向の両側から挟み込むように保持している。
なお、第1軸受ブラケット16の透孔36および第2軸受ブラケット18の透孔37は、固定ボルト40の軸径よりも大きい内径を有し、固定ボルト40は、これらの透孔36、37に隙間を持って挿通されている。
【0024】
第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18において、周方向に隣合う2つの嵌合面の間の領域が開口し、固定子鉄心20の端面を覆っていない。第2実施形態によれば、固定子12は、それぞれ上記開口に対向して設けられた4つの第1鉄心押え60aおよび4つの第2鉄心押え60bを備えている。各第1鉄心押え60aは、例えば、円弧状の平板で形成され、固定子鉄心20の第1端面21aに重ねて配置されている。第1鉄心押え60aの外周縁は、第1端面21aの外周縁に整列している。各第1鉄心押え60aは、周方向に隣合う2つの第1嵌合部34aの間に配置されている。第1鉄心押え60aの周方向の両端部に透孔62が設けられている。これらの透孔62に固定ボルト64がそれぞれ挿通されている。
【0025】
同様に、各第2鉄心押え60bは、例えば、円弧状の平板で形成され、固定子鉄心20の第2端面21bに重ねて配置されている。第2鉄心押え60bの外周縁は、第2端面21bの外周縁に整列している。各第2鉄心押え60bは、周方向に隣合う2つの第2嵌合面の間に配置され、固定子鉄心20を挟んで第1鉄心押え60aと対向している。第2鉄心押え60bの周方向の両端部に透孔が設けられている。前述した固定ボルト64は、第1鉄心押え60aの透孔62、固定子鉄心20の図示しない貫通孔、および第2鉄心押え60bの透孔に挿通され、その先端部は第2鉄心押え60bから外方に延出している。この先端部にナット65が螺合されている。固定ボルト64およびナット65は、第2締結部材として機能する。
固定ボルト64およびナット65を締め付けることにより、第1鉄心押え60a第2鉄心押え60bは、固定子鉄心20の第1端面21aおよび第2端面21bに密着した状態に押付けられ、固定子鉄心20を軸方向の両側から挟み込んで固定子鉄心20を押えている。
【0026】
上記構成の第2実施形態によれば、固定子鉄心20の軸方向端部の外周面を直接、第1軸受ブラケット16の4つの第1嵌合面34aおよび第2軸受ブラケット18の4つの第2嵌合面34bへ嵌合することで、第1および第2嵌合面34a、34bに対する固定子内径の同心精度を容易に確保することができる。これにより、固定子鉄心20の内周面と回転子鉄心52の外周面との間の隙間Gの精度が向上し、回転電機10のトルクリップルおよび振動、騒音の低減を図ることができる。
第1嵌合面および第2嵌合面をそれぞれ周方向に分割して配置することにより、第1軸受ブラケット16および第2軸受ブラケット18が軽量化し、回転電機10の小型、軽量化に寄与することができる。また、嵌合部の全面を軸受ブラケットで覆う必要が無くなるため、外気を機体内に取り込み易くなり、固定子の冷却性能向上を図ることが可能となる。更に、軸受ブラケットの開口部分に対向して鉄心押え60a、60bを設けることが可能となる。これらの鉄心押え60a、60bにより固定子鉄心の歯先の開きを抑制し、電気特性の向上を図ることが可能となる。
【0027】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る回転電機の縦断面図であり、中心軸線C1を中心として片側の半分を示す縦断面図である。
図示のように、第3実施形態によれば、一対の軸受ブラケットのうちの一方、例えば、第1軸受ブラケット16は、固定子鉄心20から離間し、第2軸受ブラケットの外側に配置されている。すなわち、第1軸受ブラケット16は、第2軸受ブラケットに対し、固定子鉄心20と反対側に設けられ、第2軸受ブラケット18と軸方向に所定の間隔を置いて配置されている。第1軸受ブラケット16aの第1軸受B1は、第2軸受ブラケット18の第2軸受B2と中心軸線C1に沿って整列して配置されている。本実施形態では、第1軸受ブラケット16の筒状部16bは、第2軸受ブラケット18に連結されている。第1軸受ブラケット16は、独立して別部材に支持されてもよい。
回転シャフト50は、回転子鉄心52の軸方向一端側から外方に延出し、この延出部が第2軸受B2および第1軸受B1により回転自在に支持されている。
【0028】
第2軸受ブラケット18は、第2当接面32bが固定子鉄心20の第2端面21bに当接し、かつ、第2嵌合面34bが固定子鉄心20の外周面OSに嵌合した状態で、固定子鉄心20に取付けられている。フランジ部18c側から、フランジ部18cの透孔37および固定子鉄心20の貫通孔に固定ボルト40が挿通され、固定ボルト40の先端部は固定子鉄心20の第1端面21aから外方に突出している。固定ボルト40の先端部にナット41が螺合されている。固定ボルト40およびナット41を絞め込むことにより、フランジ部18cは固定子鉄心20の第2端面21bに密着した状態に固定される。これにより、固定子鉄心20は、第2軸受ブラケット18により、中心軸線C1と同軸的に、保持されている。
第3実施形態において、回転電機10の他の構成は、第1実施形態に係る回転電機と同一である。なお、請求項の記載においては、第2軸受ブラケット18を第1軸受ブラケットと称し、第1軸受ブラケット16を第2軸受ブラケットと称する場合もある。
【0029】
上記構成の第3実施形態によれば、固定子12は、第2軸受ブラケット18により、いわゆる片持ち支持の状態で保持されている。この場合においても、固定子鉄心20の軸方向端部の外周面を直接、第2軸受ブラケット18の第2嵌合面34bへ嵌合することで、第2嵌合面34bに対して固定子鉄心20を高い精度で同芯状に保持することができる。そのため、固定子鉄心20の内周面と回転子鉄心52の外周面との間の隙間Gの精度が向上し、回転電機10のトルクリップルおよび振動、騒音の低減を図ることができる。
【0030】
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係る回転電機の縦断面図であり、中心軸線C1を中心として片側の半分を示す縦断面図、図8は、軸方向の一端側から見た前記回転電機の側面図である。なお、図7の断面図は、図8の線A−Aに沿った回転電機の断面図に相当している。
図示のように、第4実施形態では、固定子鉄心20を構成する多数枚の電磁鋼板は、ほぼ矩形状の外形に形成され、外形のうち、軸受ブラケットの嵌合面34aあるいは34bと嵌合する複数個所、例えば、4箇所の鉄心嵌合部20cのみが中心軸線C1を中心とする円弧状の外形を有している。また、固定子鉄心20は、同一の向きに積層された30〜40枚の電磁鋼板を1ブロック20aとして、複数のブロック20aを45°ずつ中心軸線C1の回りで回転させながら積層する、いわゆる回し積みすることにより構成されている。各ブロック20aの角部により、固定子鉄心20の外周面から突出する複数の冷却フィンが構成されている。
(【0031】以降は省略されています)

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