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公開番号2021066805
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210430
出願番号2019192858
出願日20191023
発明の名称フェノキシ樹脂及びその製造方法、その樹脂組成物及び硬化物
出願人日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08G 65/40 20060101AFI20210402BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】反応が十分に進行し、かつ得られたフェノキシ樹脂が他材料との貯蔵安定性に優れるフェノキシ樹脂の製造方法、及びその製造方法により得られるフェノキシ樹脂、フェノキシ樹脂組成物、及び硬化物を提供する。
【解決手段】2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物とを置換フェニル基を有するホスフィン類の存在下に反応させるフェノキシ樹脂の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物とを触媒の存在下で反応させてフェノキシ樹脂を製造する方法であって、該触媒が下記式(1)で表されるホスフィン類であることを特徴とするフェノキシ樹脂の製造方法。
(ここで、R

はそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、R

はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
2官能エポキシ樹脂1.0モルに対し、2官能フェノール化合物を0.95〜1.05モル使用する請求項1に記載のフェノキシ樹脂の製造方法。
【請求項3】
上記ホスフィン類の使用量が、2官能エポキシ樹脂及び2官能フェノール化合物の合計量100質量部に対して0.001〜5質量部である請求項1又は2に記載のフェノキシ樹脂の製造方法。
【請求項4】
2官能エポキシ樹脂及び/又は2官能フェノール化合物の一部又は全部が、フルオレン環含有化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフェノキシ樹脂の製造方法。
【請求項5】
2官能エポキシ樹脂及び/又は2官能フェノール化合物の一部又は全部が、リン含有化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のフェノキシ樹脂の製造方法。
【請求項6】
得られるフェノキシ樹脂のリン含有率が1〜6質量%である請求項5に記載のフェノキシ樹脂の製造方法。
【請求項7】
得られるフェノキシ樹脂のエポキシ当量が4000〜200000g/eq.である請求項1〜6のいずれか1項に記載のフェノキシ樹脂の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法で得られたことを特徴とするフェノキシ樹脂。
【請求項9】
重量平均分子量が10000〜150000のフェノキシ樹脂であって、下記式(1)で表されるホスフィン類を0.001〜5質量%含有することを特徴とするフェノキシ樹脂。
(ここで、R

はそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、R

はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
【請求項10】
請求項8又は9に記載のフェノキシ樹脂に硬化成分を配合してなる樹脂組成物。
【請求項11】
硬化成分が、エポキシ樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メラニン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、酸無水物化合物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、アミド系化合物、カチオン重合開始剤、有機ホスフィン類、ポリイソシアネート化合物、及びブロックイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1つである請求項10に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
更に充填材が配合されている請求項10又は11に記載の樹脂組成物。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、反応活性に優れ、得られるフェノキシ樹脂が他の成分、特に硬化剤と混合した際の貯蔵安定性に優れるフェノキシ樹脂の製造方法と、この製造方法により得られるフェノキシ樹脂に関する。また、本発明は、このフェノキシ樹脂を用いて得られる樹脂組成物及び硬化物に関する。
続きを表示(約 8,600 文字)【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は耐熱性、接着性、耐薬品性、耐水性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから、塗料、土木、接着、電気材料用途等の分野で広く使用されている。そして種々の方法で高分子量化することで製膜性が付与される。その高分子量化されたエポキシ樹脂は、フェノキシ樹脂と称される。特にビスフェノールA型のフェノキシ樹脂は、主に塗料用ワニスのベース樹脂、フィルム成形用のベース樹脂としてや、エポキシ樹脂ワニスに添加して流動性の調整や硬化物としたときの靭性改良、接着性改良の目的に使用される。また、リン原子や臭素原子を骨格中に有するものは、エポキシ樹脂組成物や熱可塑性樹脂に配合される難燃剤として使用されている。
【0003】
フェノキシ樹脂の製造方法としては、一般的に、2官能フェノール化合物にアルカリの存在下、エピハロヒドリンを反応させる「一段法」や、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物を触媒の存在下で反応させる「二段法」等が知られている。二段法は一段法に比べて食塩等の副生成物がほとんど生じないため、合成後に精製することが困難なフェノキシ樹脂の製造に適した方法であることが知られている。非特許文献1には二段法によりフェノキシ樹脂を製造する際の触媒として、オニウム塩系化合物、アルカリ性化合物類等が一般的に使用されることが記載されている。
【0004】
フェノキシ樹脂を前述したような塗料、土木、接着、電気材料等の分野で用いる場合、主にベース樹脂として使用されるため、エポキシ樹脂や硬化剤を始めとする多材料との混合物として使用することが一般的である。本発明者らの詳細な検討によれば、二段法で製造する際に、上記非特許文献1に記載されているようなオニウム塩系化合物、アルカリ性化合物類を触媒として使用したフェノキシ樹脂は、他材料と混合した際の貯蔵安定性が不十分となる場合がある。また、リン系化合物としてトリフェニルホスフィンが触媒として使用されることも非特許文献1に記載されているが、トリフェニルホスフィンは二段法の触媒としては活性が不十分であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
総説エポキシ樹脂 第1巻 基礎編I エポキシ樹脂技術協会(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物とを二段法で反応させる際に、反応が十分に進行でき、かつ得られたフェノキシ樹脂が他材料との配合した際の貯蔵安定性に優れるフェノキシ樹脂の製造方法を提供することにある。また、この製造方法により得られるフェノキシ樹脂、これを含むフェノキシ樹脂組成物及び硬化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物を原料として用いてフェノキシ樹脂を得る際に、特定のホスフィン類を触媒として使用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、発明の完成に至った。
【0008】
すなわち本発明は、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物とを触媒の存在下で反応させる重量平均分子量(Mw)が10000〜150000であるフェノキシ樹脂の製造方法であって、該触媒が下記式(1)で表されるホスフィン類であることを特徴とするフェノキシ樹脂の製造方法である。
式(1)において、R

はそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、R

はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。
【0009】
上記2官能エポキシ樹脂1.0モルに対し、上記2官能フェノール化合物を0.95〜1.05モル使用することが好ましく、上記ホスフィン類の使用量は、2官能エポキシ樹脂及び2官能フェノール化合物の合計使用量の0.001〜5質量%であることが好ましい。
【0010】
上記2官能エポキシ樹脂の一部又は全部、上記2官能フェノール化合物の一部又は全部は、又は両者が分子内にフルオレン環を含有するフルオレン環含有化合物であることが好ましい。
【0011】
上記2官能エポキシ樹脂の一部又は全部、上記2官能フェノール化合物の一部又は全部は、又は両者が分子内にリンを含有するリン含有化合物であることが好ましく、得られるフェノキシ樹脂のリン含有率が1〜6質量%であることが好ましい。
得られるフェノキシ樹脂のエポキシ当量は、4000〜200000g/eq.であることが好ましい。
また、本発明は、上記製造方法で得られたことを特徴とするフェノキシ樹脂である。
【0012】
また、本発明は、Mwが10000〜150000のフェノキシ樹脂であって、上記式(1)で表されるホスフィン類を0.001〜5質量%含有することを特徴とするフェノキシ樹脂である。
【0013】
また本発明は、上記フェノキシ樹脂に硬化成分を配合してなる樹脂組成物である。
上記硬化成分は、エポキシ樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メラニン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、酸無水物化合物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、アミド系化合物、カチオン重合開始剤、有機ホスフィン類、ポリイソシアネート化合物、及びブロックイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
は更に充填材が配合されていることが好ましい。
【0014】
また本発明は、上記樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法は、十分な反応速度を有する。また、本発明のフェノキシ樹脂は、他の成分、特に硬化剤を配合した際の貯蔵安定性に優れる。このことから、本発明のフェノキシ樹脂の製造方法により得られるフェノキシ樹脂、及びそれを配合した樹脂組成物は、塗料、電気・電子材料、接着剤、炭素繊維強化樹脂(CFRP)等の分野において好適に用いることができる。なお、用途によっては、フェノキシ樹脂を固形化することが必須の場合もある。その際、反応溶媒回収時にかかる熱履歴によって、不要な重合等が起こる場合があるため、残存触媒の除去や不活性化を行うことが一般的である。しかしながら、本発明の製造方法では、残存触媒によるこのような重合等の反応はほとんど起こらないので、残存触媒を除去する必要がなくコスト的にも有利である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のフェノキシ樹脂の製造方法は、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物を上記式(1)で表されるホスフィン類の存在下で反応させる。なお、本明細書において、本発明のフェノキシ樹脂の製造方法を「本発明の製造方法」と称することがある。また、本発明の製造方法で得られたフェノキシ樹脂を本発明のフェノキシ樹脂と称することがある。
【0017】
本発明のフェノキシ樹脂は、他の成分、特に硬化剤と配合したときに、貯蔵安定性に顕著に優れるという効果を奏する。また、本発明において使用するホスフィン類は、トリフェニルホスフィンと比較して二段法での活性が高いため、反応時間が短くなる。これは上記ホスフィン類のフェニル基のオルト位に置換基が1つあるためだと考えられる。2つのオルト位の両方に置換基があると、二段法での活性が高くなりすぎるため反応はより短くなるが、同時に貯蔵安定性も悪化する。
【0018】
本発明の製造方法で使用する2官能エポキシ樹脂は、分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であればよい。これらの2官能エポキシ樹脂は1種のみでも複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールEジグリシジルエーテル、ビスフェノールZジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールアセトフェノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールトリメチルシクロヘキサンジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル(例えば、ZX−1201(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)等)、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラ−t−ブチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSジグリシジルエーテル、ジヒドロキシジフェニルエーテルジグリシジルエーテル、チオジフェノールジグリシジルエーテル、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ樹脂や、ビフェノールジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル、ジメチルビフェノールジグリシジルエーテル、テトラ−t−ブチルビフェノールジグリシジルエーテル等のビフェノール型エポキシ樹脂や、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、メチルハイドロキノンジグリシジルエーテル、ジブチルハイドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、メチルレゾルシンジグリシジルエーテル等のベンゼンジオール型エポキシ樹脂や、ジヒドロキシアントラセンジグリシジルエーテル、ヒドロアントラハイドロキノンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ビスナフトールフルオレンジグリシジルエーテル、ジフェニルジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0020】
2官能エポキシ樹脂としては、更に、上記2官能エポキシ樹脂の芳香環に水素を添加した2官能エポキシ樹脂や、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ダイマー酸等の種々のジカルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるグリシジルエステル型エポキシ樹脂や、アニリン等のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるグリシジルアミン型エポキシ樹脂や、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、ポリペンタメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,7−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、ポリヘプタメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル等の鎖状構造のみからなる(ポリ)アルキレングリコール型エポキシ樹脂や、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等の環状構造を有するアルキレングリコール型エポキシ樹脂や、脂肪族環状エポキシ樹脂や、リン含有2官能エポキシ樹脂(例えば、FX−305(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、ジフェニルホスフィニルハイドロキノンジグリシジルエーテル等)等も挙げられる。
フェノキシ樹脂の耐熱性の向上のためには、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスナフトールフルオレンジグリシジルエーテルが好ましく、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスナフトールフルオレンジグリシジルエーテル等のフルオレン環構造を有する2官能エポキシ樹脂がより好ましい。難燃性付与のためには、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル、リン含有2官能エポキシ樹脂が好ましく、リン含有2官能エポキシ樹脂がより好ましい。
【0021】
本発明の製造方法で使用する2官能フェノール化合物としては、芳香環に結合した水酸基を2個以上有する化合物であればよい。これらの2官能フェノール化合物は、1種のみでも複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
2官能フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ビスフェノールアセトフェノン、ビスフェノールトリメチルシクロヘキサン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラ−t−ブチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、チオジフェノール、ジヒドロキシスチルベン等のビスフェノール類や、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジメチルビフェノール、テトラ−t−ブチルビフェノール等のビフェノール類や、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン等のベンゼンジオール類や、ジヒドロキシアントラセン、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロアントラハイドロキノン類等が挙げられる。
フェノキシ樹脂の耐熱性向上のためには、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレンが好ましく、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレンがより好ましい。
【0023】
2官能フェノール化合物の使用量は、2官能エポキシ樹脂1.00モルに対して、0.9〜1.1モルが好ましく、0.95〜1.05モルがより好ましく、0.96〜1.00モルが更に好ましく、0.97〜0.99モルが特に好ましい。2官能フェノール化合物の配合量がこの範囲内であれば、得られるフェノキシ樹脂の分子量が十分伸長するので好ましい。また、反応性の点では末端基にエポキシ基を多く存在することが望ましいため、2官能フェノール化合物の配合量は1.00モル未満が好ましい。
【0024】
また、耐熱性を付与するためには、上記2官エポキシ樹脂の一部又は全部として、フルオレン環構造を有する2官能エポキシ樹脂や、上記2官能フェノール化合物の一部又は全部として、フルオレン環構造を有する2官能フェノール化合物を用いることが好ましい。
フルオレン環構造を有する2官能フェノール化合物としては、具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2ーメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−4ーメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒド口キシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シク口ヘキシルフェニル)フルオレン。9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類や、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−6−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(1−ヒドロキシ−5−ナフチル)フルオレン等の9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類等が挙げられる。これらのフルオレン環構造含有フェノール化合物を1種類又は2種類以上併用してもよい。
フルオレン環構造を有する2官能エポキシ樹脂としては、上記フルオレン環構造を有する2官能フェノール化合物と、5〜20倍モルのエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンとを、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて反応することで得られるジグリシジル化合物が挙げられる。具体的には上記エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスナフトールフルオレンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0025】
また、難燃性を付与するために、上記2官能フェノール化合物の一部又は全部として、ハロゲンが付加した2官能のハロゲン化フェノール化合物(例えば、テトラブロムビスフェノールA等)や、2官能のリン含有フェノール化合物を用いてもよく、環境面から、2官能のリン含有フェノール化合物が好ましい。
【0026】
また、難燃性を付与するために、上記2官能フェノール化合物又は2官能エポキシ樹脂の一部又は全部として、リン含有化合物を使用することが好ましい。
【0027】
2官能のリン含有フェノール化合物としては、例えば、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロキシ−1−ナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(1,4−ジヒドロキシ−2−ナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−8−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロキシ−1−ナフチル)−8−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、ジフェニルホスフィニルヒドロキノン、ジフェニルホスフェニル−1,4−ジオキシナフタリン、1,4−シクロオクチレンホスフィニル−1,4−フェニルジオール、1,5−シクロオクチレンホスフィニル−1,4−フェニルジオール等が挙げられる。これらのリン含有フェノール化合物を1種類又は2種類以上併用してもよい。
2官能エポキシ樹脂としてのリン含有化合物としては、上記リン含有フェノール化合物と、5〜20倍モルのエピハロヒドリンとを、アルカリ触媒を用いて反応することで得られるジグリシジル化合物が挙げられる。具体的には上記エポキシ樹脂、FX−305、ジフェニルホスフィニルハイドロキノンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0028】
2官能のリン含有フェノール化合物を使用して得られたフェノキシ樹脂のリン含有率は、使用目的に応じて適宜調整すればよいが、1〜6質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましく、3〜4.5質量%が更に好ましい。
【0029】
本発明の製造方法で使用する上記ホスフィン類は、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物との反応の触媒として作用する。
【0030】
本発明の製造方法において触媒として使用するホスフィン類は、上記式(1)で表される。式(1)において、オルト位にある置換基R

は必須である。またその位置とは別のオルソ位に置換基がないことも必須である。


は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。R

としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基、又はメトキシ基が好ましく、メチル基又はメトキシ基がより好ましく、メトキシ基が更に好ましい。
(【0031】以降は省略されています)

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レーザー直描露光用感光性樹脂組成物、それを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法、プリント配線板の製造方法
凸版印刷株式会社
撥液性構造体及びその製造方法並びに包装材及び剥離シート
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