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公開番号2021065022
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210422
出願番号2019188028
出願日20191011
発明の名称回転電機
出願人アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
代理人特許業務法人R&C
主分類H02K 5/04 20060101AFI20210326BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】軸方向視での回転電機の寸法の大型化を抑制しつつステータを適切に冷却することが可能な技術を実現する。
【解決手段】周壁部60の内面61における径方向Rに沿う径方向視でステータコア15Aと重複する位置に、軸方向第1側L1を向く第1段差面64Aを備える第1段差部63Aが形成され、周壁部60の内面61に、軸方向第2側L2を向く第2段差面64Bを備える第2段差部63Bが形成される。回転電機1Aは、第2段差面64Bに開口し、第1段差面64Aに向けて油を噴射する第1油供給口3Aを備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
ロータと、前記ロータに対して径方向の外側に配置されるステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容するケースと、を備えた回転電機であって、
前記ケースは、前記ステータに対して前記径方向の外側に配置されて前記ステータの外周面を囲む周壁部を備え、
前記ステータは、軸方向に延びる円筒状の本体部を備えたステータコアと、前記ステータコアから前記軸方向の一方側である軸方向第1側に突出するコイルエンド部と、を備え、
前記周壁部の内面における前記径方向に沿う径方向視で前記ステータコアと重複する位置に、前記軸方向第1側を向く第1段差面を備える第1段差部が形成され、
前記周壁部の内面に、前記軸方向における前記軸方向第1側とは反対側である軸方向第2側を向く第2段差面を備える第2段差部が形成され、
前記第2段差面に開口し、前記第1段差面に向けて油を噴射する第1油供給口を備える、回転電機。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記コイルエンド部の外周面の径は、前記本体部の外周面の径より小さく、
前記第2段差部は、前記周壁部の内面における前記径方向視で前記コイルエンド部と重複する位置に形成されている、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記第2段差面の前記径方向の内側の部分が、前記軸方向に沿う軸方向視で前記本体部と重複するように配置されている、請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記周壁部の内面における前記径方向視で前記コイルエンド部と重複する位置に開口し、前記コイルエンド部に向けて油を供給する第2油供給口を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項5】
前記周壁部に前記軸方向に沿って延びる油路が形成され、
前記周壁部の内面における前記径方向視で前記ステータコアと重複する位置に開口し、前記油路に連通する第3油供給口を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項6】
前記周壁部の内面における前記径方向視で前記コイルエンド部と重複する位置に開口し、前記コイルエンド部に向けて油を供給する第2油供給口を備え、
前記ステータコアは、前記本体部に対して前記径方向の外側に突出する突出部を備え、
前記第1油供給口、前記第2油供給口、及び前記第3油供給口が、前記突出部と同周円状に配置されている、請求項5に記載の回転電機。
【請求項7】
前記第1油供給口、前記第2油供給口、及び前記第3油供給口が、前記突出部の最外周部より内周側に配置されている、請求項6に記載の回転電機。
【請求項8】
前記ケースは、第1ケース部と、前記第1ケース部に対して前記軸方向第1側に配置されて前記第1ケース部に接合される第2ケース部と、を備え、
前記油路は、前記第1ケース部の内部から前記第1ケース部と前記第2ケース部との合わせ面を介して前記第2ケース部の内部まで連続的に形成され、
前記合わせ面に前記油路と前記第3油供給口とを連通する連通孔が形成されている、請求項5から7のいずれか一項に記載の回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータと、ロータに対して径方向の外側に配置されるステータと、ロータ及びステータを収容するケースと、を備えた回転電機に関する。
続きを表示(約 9,800 文字)【背景技術】
【0002】
上記のような回転電機の一例が、特開2014−225969号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1の図1に示されているように、特許文献1の電動機(3)では、ステータ(12)に対して径方向の外側に、軸方向に延びる供給孔(20)を形成し、供給孔(20)を流れる冷却用油をコイルエンド(14)に供給するように構成されている。また、特許文献1の電動機(3)では、ステータ(12)に対して径方向の外側に、ステータコア(12a)を冷却するための冷却水路(26)が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014−225969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、特許文献1の回転電機(特許文献1での電動機)では、冷却用油が流れる油路や冷却水が流れる水路が、ステータに対して径方向の外側に形成されている。そのため、軸方向視での回転電機の寸法が大型化しやすい。
【0005】
そこで、軸方向視での回転電機の寸法の大型化を抑制しつつステータを適切に冷却することが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ロータと、前記ロータに対して径方向の外側に配置されるステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容するケースと、を備えた回転電機であって、前記ケースは、前記ステータに対して前記径方向の外側に配置されて前記ステータの外周面を囲む周壁部を備え、前記ステータは、軸方向に延びる円筒状の本体部を備えたステータコアと、前記ステータコアから前記軸方向の一方側である軸方向第1側に突出するコイルエンド部と、を備え、前記周壁部の内面における前記径方向に沿う径方向視で前記ステータコアと重複する位置に、前記軸方向第1側を向く第1段差面を備える第1段差部が形成され、前記周壁部の内面に、前記軸方向における前記軸方向第1側とは反対側である軸方向第2側を向く第2段差面を備える第2段差部が形成され、前記第2段差面に開口し、前記第1段差面に向けて油を噴射する第1油供給口を備える。
【0007】
この構成によれば、第1油供給口から噴射された油を、径方向視でステータコアと重複する位置に配置された第1段差面に当て、そこからステータコアに供給することで、ステータコアを冷却することができる。ステータコアに対してこのように油を供給する構成とすることで、第1油供給口をステータコアとは軸方向の異なる位置に設けることができる。そのため、径方向視でステータコアと重複する位置に第1油供給口を設ける場合に比べて、第1油供給口を径方向の内側に配置しやすくなっており、これにより、軸方向視での回転電機の寸法の大型化を抑制しつつステータを適切に冷却することが可能となっている。
【0008】
回転電機の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
実施形態に係る車両用駆動装置の断面図
実施形態に係る車両用駆動装置の各部品の軸方向視での配置関係を示す図
実施形態に係る差動歯車装置の速度線図
実施形態に係る回転電機の一部の断面図
実施形態に係る回転電機の一部の断面図
実施形態に係る第2ケース部の一部の斜視図
実施形態に係る第1ケース部の一部の斜視図
実施形態に係る第2ケース部の一部の軸方向視図
その他の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
その他の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
その他の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
【発明を実施するための形態】
【0010】
回転電機の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、回転電機は、車両用駆動装置に用いられる。以下の説明における各部材についての方向は、それらが回転電機又は車両用駆動装置に組み付けられた状態での方向を表す。また、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態を含む概念である。
【0011】
本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等)が含まれていてもよい。但し、差動歯車装置の各回転要素について「駆動連結」という場合には、当該差動歯車装置が備える3つ以上の回転要素に関して互いに他の回転要素を介することなく駆動連結されている状態を指すものとする。
【0012】
本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。
【0013】
図1及び図2に示すように、車両用駆動装置100は、第1回転電機1Aと、第1回転電機1Aに駆動連結される第1入力軸14Aと、第1車輪W1と一体的に回転する第1出力軸90Aに連結される第1出力部材2Aと、第2車輪W2と一体的に回転する第2出力軸90Bに連結される第2出力部材2Bと、第1入力軸14Aの回転を第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに伝達する差動歯車装置6と、を備えている。第1車輪W1及び第2車輪W2は、車両(車両用駆動装置100が搭載される車両)における、左右一対の車輪(例えば、左右一対の前輪、又は左右一対の後輪)である。第1出力軸90Aは、例えば等速ジョイントを介して第1車輪W1に連結されることで、第1車輪W1と一体的に回転するように第1車輪W1に連結される。また、第2出力軸90Bは、例えば等速ジョイントを介して第2車輪W2に連結されることで、第2車輪W2と一体的に回転するように第2車輪W2に連結される。第1入力軸14Aに入力される第1回転電機1Aのトルクが、差動歯車装置6を介して第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに伝達されることで、第1車輪W1及び第2車輪W2が駆動される。このように、第1回転電機1Aは、車両用駆動装置100に用いられる。具体的には、第1回転電機1Aは、車輪(ここでは、第1車輪W1及び第2車輪W2)の駆動力源として用いられる。本実施形態では、第1回転電機1Aが「回転電機」に相当する。
【0014】
本実施形態では、車両用駆動装置100は、第2回転電機1Bと、第2回転電機1Bに駆動連結される第2入力軸14Bを更に備えている。そして、差動歯車装置6は、第1入力軸14Aの回転を第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに伝達すると共に、第2入力軸14Bの回転を第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに伝達する。第1入力軸14Aに入力される第1回転電機1Aのトルク及び第2入力軸14Bに入力される第2回転電機1Bのトルクが、差動歯車装置6を介して第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに伝達されることで、第1車輪W1及び第2車輪W2が駆動される。
【0015】
第1回転電機1A、第2回転電機1B、第1入力軸14A、第2入力軸14B、第1出力部材2A、第2出力部材2B、及び差動歯車装置6は、ケースCSに収容されている。後述する第1カウンタギヤ機構5A、及び後述する第2カウンタギヤ機構5Bも、ケースCSに収容されている。ここで、「収容する」とは、収容対象物の少なくとも一部を収容することを意味する。
【0016】
第1回転電機1Aは、ケースCSに固定された第1ステータ11Aと、第1ステータ11Aに対して回転可能にケースCSに支持された第1ロータ12Aと、を備えている。第1ロータ12A及び第1ステータ11Aは、ケースCSに収容されている。すなわち、第1回転電機1Aは、第1ロータ12Aと、第1ステータ11Aと、第1ロータ12A及び第1ステータ11Aを収容するケースCSと、を備えている。第1ステータ11Aは、第1ロータ12Aに対して径方向Rの外側に配置されている。具体的には、第1回転電機1Aは、インナロータ型の回転電機であり、第1ステータ11A(具体的には、後述する第1ステータコア15A)は、第1ロータ12Aに対して径方向Rの外側に、径方向Rに沿う径方向視で第1ロータ12Aと重複するように配置されている。ここで、径方向Rは、後述する第1ロータ軸13Aを基準とする径方向(言い換えれば、第1ロータ12Aの回転軸心を基準とする径方向)であり、本実施形態では、後述する第1軸X1を基準とする径方向である。本実施形態では、第1ステータ11Aが「ステータ」に相当し、第1ロータ12Aが「ロータ」に相当する。
【0017】
図2に示すように、第1ステータ11Aは、第1ステータコア15Aと、第1ステータコア15Aから軸方向Lの一方側である軸方向第1側L1に突出する第1コイルエンド部18Aと、を備えている。ここで、軸方向Lは、第1ロータ軸13Aを基準とする軸方向(言い換えれば、第1ロータ12Aの回転軸心が延びる方向)である。第1ステータ11Aは、更に、第1ステータコア15Aから軸方向第2側L2に突出する第2コイルエンド部18Bを備えている。ここで、軸方向第2側L2は、軸方向Lにおける軸方向第1側L1とは反対側である。第1ステータコア15Aや後述する第2ステータコア15Bは、例えば、複数枚の磁性体板(例えば、ケイ素鋼板等の電磁鋼板)を軸方向Lに積層して形成され、或いは、磁性材料の粉体を加圧成形してなる圧粉材を主な構成要素として形成される。第1ステータコア15Aにはコイルが巻装されており、コイルにおける第1ステータコア15Aから軸方向第1側L1に突出する部分が第1コイルエンド部18Aを形成し、コイルにおける第1ステータコア15Aから軸方向第2側L2に突出する部分が第2コイルエンド部18Bを形成している。本実施形態では、第1ステータコア15Aが「ステータコア」に相当し、第1コイルエンド部18Aが「コイルエンド部」に相当する。
【0018】
第2回転電機1Bは、ケースCSに固定された第2ステータ11Bと、第2ステータ11Bに対して回転可能にケースCSに支持された第2ロータ12Bと、を備えている。第2ロータ12B及び第2ステータ11Bは、ケースCSに収容されている。すなわち、第2回転電機1Bは、第2ロータ12Bと、第2ステータ11Bと、第2ロータ12B及び第2ステータ11Bを収容するケースCSと、を備えている。第2ステータ11Bは、第2ロータ12Bに対して径方向Rの外側に配置されている。具体的には、第2回転電機1Bは、インナロータ型の回転電機であり、第2ステータ11B(具体的には、後述する第2ステータコア15B)は、第2ロータ12Bに対して径方向の外側に、径方向に沿う径方向視で第2ロータ12Bと重複するように配置されている。なお、ここでの径方向は、後述する第2ロータ軸13Bを基準とする径方向(言い換えれば、第2ロータ12Bの回転軸心を基準とする径方向)である。本実施形態では、第2回転電機1Bは、第1回転電機1Aと同軸に配置されるため、ここでの径方向は径方向Rと一致する。
【0019】
図2に示すように、第2ステータ11Bは、第2ステータコア15Bと、第2ステータコア15Bから軸方向第2側L2に突出する第3コイルエンド部18Cと、を備えている。第2ステータ11Bは、更に、第2ステータコア15Bから軸方向第1側L1に突出する第4コイルエンド部18Dを備えている。第2ステータコア15Bにはコイルが巻装されており、コイルにおける第2ステータコア15Bから軸方向第2側L2に突出する部分が第3コイルエンド部18Cを形成し、コイルにおける第2ステータコア15Bから軸方向第1側L1に突出する部分が第4コイルエンド部18Dを形成している。
【0020】
第1回転電機1A及び第2回転電機1Bは、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置(図示せず)と電気的に接続されており、蓄電装置から電力の供給を受けて力行し、或いは、車両の慣性力により発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。第2回転電機1Bは、第1回転電機1Aとは独立に回転可能に設けられている。すなわち、第2ロータ12Bは、第1ロータ12Aとは独立に回転可能に設けられている。第1ロータ12Aの回転速度と第2ロータ12Bの回転速度との比は、車両用駆動装置100の状態に応じて変化する。本実施形態では、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bとして、互いに同じ出力特性を備える2つの回転電機が用いられている。なお、第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとして、互いに異なる出力特性を備える2つの回転電機を用いてもよい。
【0021】
本実施形態では、第1入力軸14Aは、第1回転電機1Aと一体的に回転するように第1回転電機1Aに連結され、第2入力軸14Bは、第2回転電機1Bと一体的に回転するように第2回転電機1Bに連結される。本実施形態では、第1入力軸14Aは、第1ロータ軸13Aとは別部材であり、第1ロータ軸13Aと一体的に回転するように第1ロータ軸13Aに連結される。また、本実施形態では、第2入力軸14Bは、第2ロータ軸13Bとは別部材であり、第2ロータ軸13Bと一体的に回転するように第2ロータ軸13Bに連結される。ここで、第1ロータ軸13Aは、第1ロータ12Aが固定される軸部材であり、第1ロータ12Aと一体的に回転する。また、第2ロータ軸13Bは、第2ロータ12Bが固定される軸部材であり、第2ロータ12Bと一体的に回転する。なお、第1入力軸14Aが、第1ロータ軸13Aを介さずに第1回転電機1Aに連結される構成(すなわち、第1ロータ12Aが第1入力軸14Aに固定される構成)や、第2入力軸14Bが、第2ロータ軸13Bを介さずに第2回転電機1Bに連結される構成(すなわち、第2ロータ12Bが第2入力軸14Bに固定される構成)とすることもできる。
【0022】
図2に示すように、第1出力部材2Aは、第2出力部材2Bに対して軸方向第2側L2に、第2出力部材2Bと同軸に配置されている。第1出力部材2Aは、第1出力軸90Aと一体的に回転するように第1出力軸90Aに連結され、第2出力部材2Bは、第2出力軸90Bと一体的に回転するように第2出力軸90Bに連結される。
【0023】
図2に示すように、第1入力軸14Aは、第2入力軸14Bに対して軸方向第2側L2に、第2入力軸14Bと同軸に配置されている。また、第1ロータ軸13Aは、第1入力軸14Aに対して軸方向第2側L2に、第1入力軸14Aと同軸に配置され、第2ロータ軸13Bは、第2入力軸14Bに対して軸方向第1側L1に、第2入力軸14Bと同軸に配置されている。すなわち、第1回転電機1Aは、第2回転電機1Bに対して軸方向第2側L2に、第2回転電機1Bと同軸に配置されている。
【0024】
本実施形態では、車両用駆動装置100は、第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5Bを備えている。第1カウンタギヤ機構5Aは、第2カウンタギヤ機構5Bに対して軸方向第2側L2に、第2カウンタギヤ機構5Bと同軸に配置されている。第1カウンタギヤ機構5Aは、第1カウンタ入力ギヤ51A、第1カウンタ出力ギヤ52A、及び、第1カウンタ入力ギヤ51Aと第1カウンタ出力ギヤ52Aとを連結する第1カウンタ軸53Aを備えている。また、第2カウンタギヤ機構5Bは、第2カウンタ入力ギヤ51B、第2カウンタ出力ギヤ52B、及び、第2カウンタ入力ギヤ51Bと第2カウンタ出力ギヤ52Bとを連結する第2カウンタ軸53Bを備えている。そして、第1カウンタ入力ギヤ51Aは、第1入力軸14Aと一体的に回転する第1入力ギヤ4Aに噛み合い、第1カウンタ出力ギヤ52Aは、差動歯車装置6の第1入力回転要素(本実施形態では、後述する第1回転要素E1)に連結された第1差動入力ギヤ7Aに噛み合っている。また、第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第2入力軸14Bと一体的に回転する第2入力ギヤ4Bに噛み合い、第2カウンタ出力ギヤ52Bは、差動歯車装置6の第2入力回転要素(本実施形態では、後述する第4回転要素E4)に連結された第2差動入力ギヤ7Bに噛み合っている。よって、第1入力軸14Aの回転は、第1カウンタギヤ機構5Aを介して差動歯車装置6に入力され、第2入力軸14Bの回転は、第2カウンタギヤ機構5Bを介して差動歯車装置6に入力される。
【0025】
本実施形態では、第1カウンタ入力ギヤ51Aは、第1入力ギヤ4Aよりも大径に形成され、第1差動入力ギヤ7Aは、第1カウンタ出力ギヤ52Aよりも大径に形成されている。よって、第1入力軸14Aの回転は、第1入力ギヤ4Aと第1カウンタ入力ギヤ51Aとの歯数比に応じて減速されると共に、第1カウンタ出力ギヤ52Aと第1差動入力ギヤ7Aとの歯数比に応じて更に減速されて(すなわち、二段減速されて)、差動歯車装置6に入力される。また、本実施形態では、第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第2入力ギヤ4Bよりも大径に形成され、第2差動入力ギヤ7Bは、第2カウンタ出力ギヤ52Bよりも大径に形成されている。よって、第2入力軸14Bの回転は、第2入力ギヤ4Bと第2カウンタ入力ギヤ51Bとの歯数比に応じて減速されると共に、第2カウンタ出力ギヤ52Bと第2差動入力ギヤ7Bとの歯数比に応じて更に減速されて(すなわち、二段減速されて)、差動歯車装置6に入力される。
【0026】
第1回転電機1A及び第2回転電機1Bは、第1軸X1上に配置されている。具体的には、第1ロータ12A及び第2ロータ12Bが、第1軸X1上に配置されており、第1ロータ軸13A、第2ロータ軸13B、第1入力軸14A、及び第2入力軸14Bも、第1軸X1上に配置されている。第1出力部材2A及び第2出力部材2Bは、第1軸X1とは異なる第2軸X2上に配置されている。差動歯車装置6も、第2軸X2上に配置されている。第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5Bは、第1軸X1及び第2軸X2とは異なる第3軸X3上に配置されている。第1軸X1、第2軸X2、及び第3軸X3は、互いに平行に配置される軸(仮想軸)である。軸方向Lは、第1軸X1、第2軸X2、及び第3軸X3に平行な方向(すなわち、これらの各軸の間で共通する軸方向)である。
【0027】
図1及び図4に示すように、差動歯車装置6は、回転速度の順に、第1回転要素E1、第2回転要素E2、第3回転要素E3、及び第4回転要素E4を備えている。ここで、「回転速度の順」とは、各回転要素の回転状態における回転速度の順番のことである。各回転要素の回転速度は、差動歯車装置6の回転状態によって変化するが、各回転要素の回転速度の高低の並び順は、差動歯車装置6の構造によって定まるものであるため一定となる。なお、各回転要素の回転速度の順は、各回転要素の速度線図(共線図、図4参照)における配置順に等しい。ここで、各回転要素の速度線図における配置順とは、速度線図(共線図)における各回転要素に対応する軸が、当該軸に直交する方向に沿って配置される順番のことである。速度線図(共線図)における各回転要素に対応する軸の配置方向は、速度線図の描き方によって異なるが、その配置順は差動歯車装置6の構造によって定まるものであるため一定となる。
【0028】
図1に示すように、第1回転要素E1に第1入力軸14Aが駆動連結され、第2回転要素E2に第1出力部材2Aが駆動連結され、第3回転要素E3に第2出力部材2Bが駆動連結され、第4回転要素E4に第2入力軸14Bが駆動連結されている。これにより、第1入力軸14A及び第2入力軸14Bのトルクは、差動歯車装置6により、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに分配して伝達される。本実施形態では、第1回転要素E1は、第1カウンタ出力ギヤ52Aに噛み合う第1差動入力ギヤ7Aと一体的に回転するように、第1差動入力ギヤ7Aに連結されている。すなわち、第1入力軸14Aは、第1カウンタギヤ機構5Aを介して第1回転要素E1に駆動連結されている。第2回転要素E2は、第1出力部材2Aと一体的に回転するように第1出力部材2Aに連結されている。第3回転要素E3は、第2出力部材2Bと一体的に回転するように第2出力部材2Bに連結されている。第4回転要素E4は、第2カウンタ出力ギヤ52Bに噛み合う第2差動入力ギヤ7Bと一体的に回転するように、第2差動入力ギヤ7Bに連結されている。すなわち、第2入力軸14Bは、第2カウンタギヤ機構5Bを介して第4回転要素E4に駆動連結されている。
【0029】
上述したように、本実施形態では、第2回転要素E2と一体的に回転する第1出力部材2Aは、第1出力軸90Aと一体的に回転するように第1出力軸90Aに連結され、第3回転要素E3と一体的に回転する第2出力部材2Bは、第2出力軸90Bと一体的に回転するように第2出力軸90Bに連結される。そのため、車両の直進時には、差動歯車装置6が備える4つの回転要素が同速で回転する状態(すなわち、差動歯車装置6が差動動作を行わない状態)となる。一方、車両の旋回時には、図4に一例を示すように、差動歯車装置6が備える4つの回転要素が互いに異なる回転速度で回転する状態(すなわち、差動歯車装置6が差動動作を行う状態)となる。このように、本実施形態では、差動歯車装置6が差動動作を行う場面は、車両の旋回時に限定される。
【0030】
本実施形態では、第2入力ギヤ4Bは、第1入力ギヤ4Aと同径に形成され、第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第1カウンタ入力ギヤ51Aと同径に形成され、第2カウンタ出力ギヤ52Bは、第1カウンタ出力ギヤ52Aと同径に形成され、第2差動入力ギヤ7Bは、第1差動入力ギヤ7Aと同径に形成されている。そのため、第2回転電機1Bから第4回転要素E4までの変速比は、第1回転電機1Aから第1回転要素E1までの変速比と等しい。
(【0031】以降は省略されています)

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