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公開番号2021059248
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210415
出願番号2019185197
出願日20191008
発明の名称トロリ線
出願人日立金属株式会社,東日本旅客鉄道株式会社
代理人特許業務法人平田国際特許事務所
主分類B60M 1/13 20060101AFI20210319BHJP(車両一般)
要約【課題】摩耗管理に必要とされる人手や時間が抑えられ、かつ偏摩耗した場合にも摩耗管理が可能なトロリ線を提供する。
【解決手段】本発明の一態様において、両側面の摩耗限度位置20以下かつ偏摩耗限度位置21以上の位置に設けられた、長手方向に沿った線状の第1の溝14と、前記両側面の偏摩耗限度位置21以下の位置に設けられた、長手方向に沿った線状の第2の溝15と、を備え、偏摩耗限度位置21は、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じて、前記両側面における前記摩耗面の位置の低い方が偏摩耗限度位置21に達したときの径方向の断面積が、摩耗限度位置20まで偏りなく摩耗したときの径方向の断面積と等しくなるような位置である、トロリ線1を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
両側面の摩耗限度位置以下かつ偏摩耗限度位置以上の位置に設けられた、長手方向に沿った線状の第1の溝又は突起と、
前記両側面の前記偏摩耗限度位置以下の位置に設けられた、前記長手方向に沿った線状の第2の溝又は突起と、
を備え、
前記偏摩耗限度位置は、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じて、前記両側面における前記摩耗面の位置の低い方が前記偏摩耗限度位置に達したときの径方向の断面積が、前記摩耗限度位置まで偏りなく摩耗したときの径方向の断面積と等しくなるような位置である、
トロリ線。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記所定の角度が、18°である、
請求項1に記載のトロリ線。
【請求項3】
前記両側面上の前記第1の溝又は突起と前記第2の溝又は突起との距離が0.8mm以上である、
請求項1又は2に記載のトロリ線。
【請求項4】
前記第1の溝又は突起と前記第2の溝又は突起の幅が0.8mm以上である、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトロリ線。
【請求項5】
前記第1の溝又は突起と前記第2の溝又は突起の深さ又は高さが0.3mm以上である、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトロリ線。
【請求項6】
前記両側面上の前記偏摩耗限度位置と前記第2の溝又は突起との距離が0.1mm以下である、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトロリ線。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電車線路に使用されるトロリ線に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
電車線路に用いられるトロリ線は、パンタグラフの接触により機械的、電気的に摩耗する。このため、断線などを防ぐために、トロリ線の摩耗度を測定し、摩耗限度位置に達する前に新しいものへの取り換えを実施している。
【0003】
従来、横面にハンガーイヤー溝とは別に連続的な溝状標識線が設けられたトロリ線が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のトロリ線によれば、摩耗が標識線の位置に達したかどうかを観察し、取り替えの要否を判別することができる。この方法によれば、マイクロメータなどの測定器を用いてトロリ線の残存高さを測定する方法と比較して、必要とされる人手や作業時間が抑えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実公昭42―8903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電車線路のカーブ区間などでは、摩耗面が傾斜した偏摩耗がトロリ線に生じ得る。偏摩耗が生じている場合、トロリ線の両側面における摩耗面の高さが異なるため、特許文献1に記載のトロリ線の標識線は、摩耗度の指標として機能しない。
【0006】
したがって、本発明の目的の1つは、摩耗管理に必要とされる人手や時間が抑えられ、かつ偏摩耗した場合にも摩耗管理が可能なトロリ線を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、両側面の摩耗限度位置以下かつ偏摩耗限度位置以上の位置に設けられた、長手方向に沿った線状の第1の溝又は突起と、前記両側面の前記偏摩耗限度位置以下の位置に設けられた、前記長手方向に沿った線状の第2の溝又は突起と、を備え、前記偏摩耗限度位置は、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じて、前記両側面における前記摩耗面の位置の低い方が前記偏摩耗限度位置に達したときの断面積が、前記摩耗限度位置まで偏りなく摩耗したときの断面積と等しくなるような位置である、トロリ線を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、摩耗管理に必要とされる人手や時間が抑えられ、かつ偏摩耗した場合にも摩耗管理が可能なトロリ線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係るトロリ線の径方向の断面図である。
図2は、図1のトロリ線の第1の溝及び第2の溝の周辺を拡大した図である。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るトロリ線の径方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1の実施の形態〕
(トロリ線の構造)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るトロリ線1の径方向の断面図である。図2は、図1のトロリ線1の第1の溝14及び第2の溝15の周辺を拡大した図である。
【0011】
トロリ線1は、トロリ線1の両側面(鉛直方向の中心線24の両側の面)の摩耗限度位置20以下かつ偏摩耗限度位置21以上の位置に設けられた、トロリ線1の長手方向に沿った線状の第1の溝14と、トロリ線1の両側面の偏摩耗限度位置21以下の位置に設けられた、トロリ線1の長手方向に沿った線状の第2の溝15と、を備える。
【0012】
トロリ線1は、JRS(日本国有鉄道規格)、JISE2101、EN50149に規定されたみぞ付硬銅トロリ線に該当する異形丸形のトロリ線であり、上部の小弧面11、下部の大弧面12、両側部の小弧面11と大弧面12の間のV字状のイヤー溝13とを有する。
【0013】
トロリ線1は、銅合金、例えば、Cu−Sn−In系合金又はCu−Sn系合金を主成分とする。トロリ線1の公称断面積は110mm

(110SQ)以上かつ170mm

(170SQ)以下である。トロリ線1の引張強さは、例えば、340MPa以上である。典型的には、トロリ線1は、Cu−Sn−In系合金からなり、公称断面積が170mm

であり、引張強さが440MPa以上である。
【0014】
トロリ線1を介して鉄道車両に給電が行われる際には、大弧面12の底部が、パンタグラフなどの鉄道車両の集電装置に接触する。このため、集電装置の摺動により、トロリ線1は大弧面12の底部から摩耗する。一般に、摩耗したトロリ線が安全に使用できる強度を保つことのできる限界を摩耗限度と呼ぶ。
【0015】
摩耗限度位置20は、摩耗面が水平になる偏りのない摩耗が生じる場合のトロリ線1の摩耗限度を示す位置である。偏りのない摩耗が摩耗限度位置20を超えて進むと、安全に使用できる強度を保つことのできる断面積を下回り、断線するおそれが高まる。
【0016】
図1に示されるトロリ線1の垂直断面において、トロリ線1の両側面の摩耗限度位置20は、水平な直線22上にある。偏りのない摩耗が生じて摩耗面が摩耗限度位置20に達したときに、トロリ線1の垂直断面における摩耗面の位置は直線22と一致する。
【0017】
偏摩耗限度位置21は、摩耗面の水平方向からの角度(偏摩耗角度)が所定の角度である偏摩耗が生じる場合のトロリ線1の摩耗限度を示す。ここで、所定の角度は、トロリ線1が用いられる線路において想定される偏摩耗角度の最大値を設計値として形成される角度である。偏摩耗角度の大きさは、トロリ線1が用いられる線路の曲がり具合などによって変わり、その最大値は、典型的には、18°と想定される。その場合の理想的な所定の角度は、18°である。
【0018】
摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じる場合、トロリ線1の両側面における摩耗面の位置の低い方の位置が、偏摩耗限度位置21以上になると、安全に使用できる強度を保つことのできる断面積を下回り、断線するおそれが高まる。
【0019】
偏摩耗限度位置21は、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じて、トロリ線1の両側面における摩耗面の位置の低い方が偏摩耗限度位置21に達したときのトロリ線1の径方向の断面積が、摩耗限度位置20まで偏りなく摩耗したときのトロリ線1の径方向の断面積と等しくなるような位置である。
【0020】
ここで、所定の角度は、上述のように、トロリ線1が用いられる線路においてトロリ線1に生じ得る偏摩耗における、摩耗面の水平方向からの最大角度として設定される数値である。このため、偏摩耗限度位置21は、トロリ線1が用いられる線路において摩耗面の水平方向からの角度が最も大きい偏摩耗が生じる場合のトロリ線1の摩耗限度を示している。
【0021】
図1に示される直線23aは、トロリ線1の右側面上の偏摩耗限度位置21を通る、水平方向から時計回りの方向に所定の角度だけ傾斜した直線である。摩耗面が水平方向から時計回りの方向に所定の角度だけ傾斜した偏摩耗が生じる場合、トロリ線1の垂直断面における摩耗面の位置が直線23aと一致するときが摩耗限度である。すなわち、図1に示されるトロリ線1の垂直断面において、直線22以上の領域の面積と、直線23a以上の領域の面積が等しい。
【0022】
また、図1に示される直線23bは、トロリ線1の左側面上の偏摩耗限度位置21を通る、水平方向から反時計回りの方向に所定の角度だけ傾斜した直線である。摩耗面が水平方向から反時計回りの方向に所定の角度だけ傾斜した偏摩耗が生じる場合、トロリ線1の垂直断面における摩耗面の位置が直線23bと一致するときが摩耗限度である。すなわち、図1に示されるトロリ線1の垂直断面において、直線22以上の領域の面積と、直線23b以上の領域の面積が等しい。
【0023】
第1の溝14は、上述のように、トロリ線1の両側面の摩耗限度位置20以下かつ偏摩耗限度位置21以上の位置、すなわち、摩耗限度位置20以下の摩耗限度位置20に近接した位置に設けられている。このため、摩耗による第1の溝14の消失を、摩耗が摩耗限度位置20に達している又は近づいている指標とすることができる。
【0024】
第2の溝15は、上述のように、トロリ線1の両側面の偏摩耗限度位置21以下の位置に設けられている。このため、摩耗による第2の溝15の消失を、摩耗が偏摩耗限度位置21に達している又は近づいている指標とすることができる。ただし、第2の溝15が偏摩耗限度位置21から離れすぎていると、この指標としての機能が弱まるため、トロリ線1の両側面上の偏摩耗限度位置21と第2の溝15との距離L

が0.1mm以下であることが好ましい。
【0025】
トロリ線1を観察する際に、第1の溝14と第2の溝15が個別に設けられた2つの溝であることを視認しやすくするため、トロリ線1の両側面上の第1の溝14と第2の溝15との距離L

が0.8mm以上であることが好ましい。
【0026】
トロリ線1を観察する際に、第1の溝14と第2の溝15をそれぞれ視認しやすくするため、第1の溝14の幅W

と第2の溝15の幅W

が0.8mm以上であることが好ましい。
【0027】
トロリ線1を観察する際に、第1の溝14と第2の溝15をそれぞれ視認しやすくするため、第1の溝14の深さD

と第2の溝15の深さD

が0.3mm以上であることが好ましい。また、トロリ線1の強度や曲げ剛性などに与える影響を抑えるため、第1の溝14の深さD

と第2の溝15の深さD

が0.7mm以下であることが好ましい。
【0028】
また、第1の溝14と第2の溝15がトロリ線1の破断の起点となることを避けるため、トロリ線1の径方向の垂直断面における第1の溝14と第2の溝15の形状は、図1、図2に示されるように、曲線のみで構成されることが好ましく、例えば、半円形であることが好ましい。また、トロリ線1の径方向の垂直断面における第1の溝14と第2の溝15の両側の縁は、曲率半径Rが0.3mm以上の曲線で構成されることが好ましい。
【0029】
トロリ線1の上端と摩耗限度位置20との鉛直方向(図1の上下方向)の距離は、トロリ線1が偏りなく摩耗して摩耗面が摩耗限度位置20に達したときに残存している部分の高さであり、残存高さと呼ばれる。また、トロリ線1の上端と偏摩耗限度位置21との鉛直方向の距離は、摩耗面の水平方向からの角度が所定の角度である偏摩耗が生じて、トロリ線1の両側面における摩耗面の位置の低い方の位置が偏摩耗限度位置21に達したときに残存している部分の高さであり、以下、これを偏摩耗残存高さと呼ぶ。
【0030】
以下の表1に、在来線の9.8kN(1.0トン)張力の架線に用いられる公称断面積110mm

の異型丸型トロリ線(GT110、GTSN110、GTSNN110)の残存高さ及び偏摩耗残存高さの例を示す。表1の偏摩耗残存高さは、所定の角度を18°として算出したものである。
(【0031】以降は省略されています)

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